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建築施工管理技士試験の難易度は?合格率や合格基準、合格するための学習の方法も解説

公開日:2023年11月24日 更新日:2024年12月9日

建築施工管理技士試験の難易度は?合格率や合格基準、合格するための学習の方法も解説


建築施工管理技士コラム02

建築施工管理技士試験(建築施工管理技術検定)は、建築の施工管理に関わる国家資格の一つです。

ステップアップのために取得したいとお考えの方、所属する会社で取得を勧められた方も、多いのではないでしょうか。

受験を検討するにあたり、難易度は気になる項目の一つです。

合格率や合格基準は一つの指標ですが、どのように解釈すればよいか悩む方もいるのではないでしょうか。

また合格するために有効な学習方法があれば、ぜひ知りたいと思う方も多いでしょう。

この記事では建築施工管理技士試験を取り上げ、合格率や合格基準、難易度、学習方法を中心に解説します。

建築施工管理技士になりたい方は、ぜひお読みください。


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施工管理技術検定の受検資格改定

建築施工管理技士とは?

挿絵

建築施工管理技士には、1級と2級があります。

それぞれどのような資格なのか、順に確認していきましょう。

1級建築施工管理技士とは?

1級建築施工管理技士は、建築工事現場において施工の技術的な管理を行える資格です。

施工管理を行える工事の範囲は広く、建築や屋根、塗装、防水など、17の種類にのぼります。

これらの工事では請負金額に関わらず、監理技術者や主任技術者、営業所の専任技術者という立場で関われます。

技術的な責任者として、高く評価されることでしょう。

とりわけ建築工事や鋼構造物工事は指定建設業に該当するため、実務経験が豊富なだけでは監理技術者になれません。

このようなケースでも、1級建築施工管理技士をお持ちの方であれば監理技術者になれるため、価値の高い資格です。

特に元請け企業で役立つ資格といえるでしょう。

2級建築施工管理技士とは?

2級建築施工管理技士は1級と比べて、以下に挙げる違いがあります。

  • 監理技術者になれない
  • 3つの種別に分かれており、受験した種別により施工管理を行える工事が限られる
  • 特定建設業の場合は、営業所の専任技術者になれない

元請け企業にお勤めの場合、下請契約の請負代金の合計額が5,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上となる契約では、監理技術者が必要です。

2級の資格では施工管理を担当できません。

とはいえ、このような厳しい要件が課される工事は多くありません。

主任技術者の配置で足りる工事も多いでしょう。

2級建築施工管理技士の資格がある方は主任技術者として高く評価され、工事現場で活躍できます。

建築施工管理技士の合格率と合格基準

試験の合格率は、難易度をはかるうえでよく使われる指標です。

また難易度を知るうえでは、合格基準の内容も重要です。

試験を実施する「一般財団法人 建設業振興基金」が公表する情報やデータをもとに、難易度を確認していきましょう。

1級建築施工管理技士の合格基準と合格率

1級建築施工管理技術検定の合格基準は、第一次検定・第二次検定ともに60%以上です。

但し第一次検定の場合、「施工管理法(応用能力)」の得点率が60%を下回ると、トータルで60%以上正解していても不合格となることに注意してください。

また合格ラインは試験の実施状況等を踏まえて、変更される場合があります。

実際に平成30年度の実地試験では、得点率が58%以上で合格となりました。

令和元年度から令和5年度の合格率は、以下のとおりです。

年度 第一次検定(学科試験)合格率 第二次検定(実地試験)合格率
令和5年度 41.6% 45.5%
令和4年度 46.8% 45.2%
令和3年度 36.0% 52.4%
令和2年度 51.1% 40.7%
令和元年度 42.7% 46.5%

第一次検定の合格率は35%~50%程度と、年による振れ幅が大きいことに注目してください。

一方で令和元年以降に実施された第二次検定では、合格率が40%~50%前後に達します。

一見合格しやすい試験のように見えますが、施工管理技士の資格は第一次検定と第二次検定の両方に合格しないと得られません。

両方の試験を一発で通過できる確率は、13%~20%にとどまります。

2級建築施工管理技士の合格基準と合格率

2級建築施工管理技術検定の合格基準は、第一次検定・第二次検定ともに60%以上です。

但し試験の実施状況等を踏まえ、合格ラインが変更される場合があることに注意してください。

令和元年度から令和5年度の合格率は、以下のとおりです。

年度 第一次検定(学科試験)合格率 第二次検定(実地試験)合格率
令和5年度 【前期】37.7%【後期】49.4% 32.0%
令和4年度 【前期】50.7%【後期】42.5% 53.1%
令和3年度 【前期】37.9%【後期】48.8% 35.1%
令和2年度 【前期】中止【後期】35.9% 28.2%
令和元年度 【前期】33.3%【後期】25.3% 27.1%

令和3年度を除くと第一次検定の合格率は25%~40%程度、第二次検定の合格率は25%~30%程度であり、高いとはいえません。

両方の試験を一発で通過できる確率は、10%前後にとどまります。

建築施工管理技士の難易度

挿絵

建築施工管理技士の試験がどれだけ難しいか、気になる方もいるのではないでしょうか。

ここからは以下4つの観点から、難易度を解説します。

  • 受験者層
  • 試験内容
  • 受験資格や出願
  • 関連する建設系資格との比較

受験者層から見た難易度

受験者層から見た難易度は、大きく以下の3つに分かれます。

  • 2級の第一次検定
  • 2級の第二次検定
  • 1級(第一次検定、第二次検定とも)

2級の第一次検定の合格率は25%~40%程度であり、3人から4人に一人しか合格できない試験です。

一方で受験者層には、高校生など実務未経験者も多く含まれます。

また合格ラインは60%程度と、高くありません。

このことを考慮すると、2級の第一次検定は難しいとはいえません。

試験勉強を適切に進めれば、合格できる試験です。

一方で2級の第二次検定や1級の試験は、施工管理や設計監理などで実績を積んだ方ばかりが受験します。

現場で活躍している人が受験して半数以上が不合格となる試験は、難しいといえるでしょう。

特に2級の第二次検定は25%~30%しか合格しない試験です。

2級だからといって、甘くみてはいけません。

試験内容から見た難易度

試験内容から見た難易度は、1級・2級とも、第一次検定と第二次検定で分かれます。

第一次検定はマークシート方式で行われ、正解となる選択肢を選ぶ試験です。

出題そのもののレベルは高いため、やさしいとはいえません。

あやふやな知識で試験に臨むと、一見もっともらしい選択肢を選んでしまい不正解になるかもしれません。

特に選択肢を2つ選ぶ問題では、2つとも正解しないと得点できないことに注意が必要です。

一方で選択肢を見て回答できるため、記述式よりも難易度は下がります。

選択問題もあるため苦手な問題はパスすることも可能ですから、難しい試験内容とはいえません。

一方で第二次検定では、ご自身の実務経験や施工管理等において工夫した内容が問われます。

過去問をチェックしたうえで、事前に解答すべき事項をまとめておかないと難しいでしょう。

その他の問題も記述式が多く、正確な知識が問われます。

この点で第二次検定は、難しい試験内容といえるでしょう。

受験資格や出願に関する難易度

受験資格から見た難易度は、大きく以下の3つに分かれます。

試験名 受験資格
2級の第一次検定 年齢のみ(試験実施年度に17歳以上)
1級の第一次検定 年齢のみ(試験実施年度に19歳以上)
2級の第二次検定
1級の第二次検定
施工管理や設計監理などの実務経験が、所定の年数以上あること

1級と2級の第一次検定は、受験しやすい試験といえるでしょう。

試験が行われる年度内に1級なら19歳、2級なら17歳を迎える方なら、誰でも受験できます。

意欲さえあれば第一次検定を受験し、合格して技士補になる資格を得られるわけです。

このため、一次については受験する難易度は低めです。

一方で1級、2級ともに第二次検定は、一定の実務経験が求められます。

学歴やお持ちの資格によって定められた年数の経験を積み、所属する会社の証明を受けなければなりません。


このように一定の実務経験を有するため、受験するまでの二次検定の難易度は高いといえるでしょう。

関連する建設系資格と比較した難易度

国土交通省では監理技術者になれる資格と、主任技術者になれる資格を例示しています。

この資格には1級施工管理技士のほかに、一級建築士や技術士があります。

いずれもレベルが高い試験ですが、1級施工管理技士は一級建築士よりも合格しやすい試験です。

実務経験を豊富に持つ方がポイントを押さえて学習すれば、合格できる試験といえるでしょう。

一方で建築を含む2級施工管理技士は、二級建築士と同レベルに位置づけています。

大学等で建築を学んだ方は実務経験が問われないぶん、二級建築士のほうが受験しやすいという方もいるでしょう。

一方で製図が苦手な方など、2級施工管理技士のほうが対策しやすいと感じる方もいるのではないでしょうか。

建築施工管理技士資格をとるメリット

あなたが建築施工管理技士になることでご自身はもちろん、所属する企業にもメリットをもたらします。

それぞれの立場から、どのようなメリットが得られるか確認していきましょう。

所属する企業が得られるメリット

建設会社は所属する建築施工管理技士が増えることで、主任技術者や監理技術者を増やせます。

自社が担当できる工事の件数が増えれば事業を拡大でき、増収増益につながることでしょう。

主任技術者や監理技術者の不足は大きな課題となっているため、特定の有資格者に大きな負担がかかる課題も解決できます。

とりわけ1級施工管理技士が所属する建設会社は、公共工事において加点対象となります。

多くの建設会社がウエイトを置く公共工事の受注チャンスを増やせることも、大きなメリットといえるでしょう。

受験者本人が得られるメリット

建築施工管理技士の取得により、高い技術が認められます。

2級の方は主任技術者、1級の方は監理技術者になるチャンスを得られます。

責任の重い仕事を任されるため、将来のステップアップも期待できるでしょう。

給与や手当のアップも見込めます。

1級建築施工管理技士は、第一次検定の合格だけでも価値があります。

技士補になれるため、監理技術者補佐として大規模工事の現場で活躍できることでしょう。

経験を積めば、監理技術者への道も開けます。

建築施工管理技士の学習時間と学習方法

挿絵

建築施工管理技士を目指す多くの方は、働きながら学ぶことになります。

高校受験や大学受験のように、毎日長い時間をかけて勉強し続けることはできません。

限られた時間のなかで、試験対策を進める必要があります。

資格取得において、どのくらい学習時間がかかるかを知ること、また効果的な学習方法を選ぶことは重要です。

それぞれについて、詳しく確認していきましょう。

必要な学習時間

建築施工管理技士の合格に必要な学習時間は、以下のように大きな開きがあります。

  • 1級:75時間~400時間(3カ月~半年程度)
  • 2級:60時間~300時間(2カ月~3カ月程度)

この差はすでに他の資格を持っているなど、もともとのスキルの差という面ももちろんあります。

しかし学習方法の選び方によっても、学習時間は大きく変わることに注目してください。

効率的な学習により、短い時間で合格へ近づくことが可能です。

ページ数の多い参考書を隅から隅まで読んで理解する方法はよく選ばれがちですが、時間がかかることが難点です。

仕事で多忙ななか時間を割いて学習を進めるわけですから、効果的な学習方法を選ぶ必要があります。

主な学習方法

建築施工管理技士の主な学習方法には、以下のものが挙げられます。

  • スクールに通って学ぶ
  • 通信講座を使う
  • 書籍で独学する
  • アプリで学ぶ
  • 無料のWebコンテンツを使って学ぶ

効率的な学習で合格へ近づくためには、専門家が監修した教材を使うことが重要です。

建築の専門家が作った教材であることはもちろん、合格へのノウハウや必要な項目に絞った教材がベストです。

建築施工管理技士を目指す方には、通信講座や書籍での独学をおすすめします。

専門家が監修した教材を使い、都合の良いタイミングで学べます。

スクールに通う方法も良いですが、開講日に予定を合わせる必要があることをネックに感じる方も多いのではないでしょうか。


難しい試験だからこそ学習方法を選ぶことが合格のコツ

建築施工管理技士は1級・2級とも難しい試験ですが、多くの方が合格しています。

スムーズな合格には、学習方法の選択も重要です。

良い教材で効率的に学ぶことは、合格するコツの一つといえるでしょう。

専門家による教材を使うことは、合格への近道です。

日本建設情報センターが提供する通信講座や書籍を活用し、最短の時間で合格を勝ち取りましょう。


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