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【一級建築施工管理技士】第二次検定とは?出題の傾向から学習方法まで詳しく解説!
公開日:2023年11月24日 更新日:2024年1月12日
【一級建築施工管理技士】第二次検定とは?出題の傾向から学習方法まで詳しく解説!
一級建築施工管理技士の第二次検定とは、数年前までは「実地試験」と呼ばれていました。
令和3年より「第二次検定」と改名されましたが、出題基準はほとんど変わっていません。
また、第一次検定に合格しないと、第二次検定試験を受験することができません。
今回の記事では、第二次検定の概要や合格に向けた具体的な学習方法について、過去問題の解答例を交えながら解説していきます。
最終更新日:
第二次検定・試験概要
試験時間は3時間、全6問・記述式の構成となっています。
参考に令和4年度の問題をご確認ください。
(1)施工経験に基づく記述問題
主な出題テーマは、【品質管理】【施工の合理化】【建設副産物対策】の3種類です。
該当のテーマで毎年、下記のようなことが問われます。
- 工事概要
- 現場で重点を置いた事例を2つあげ、問題事項について具体的に記述
- 今までの工事経験を踏まえて、出題テーマの問題事項について具体的に記述
(2)安全管理または仮設物の設置計画についての記述問題
出題テーマは、主に3種類のうちいずれか【仮設物の設置計画】【災害防止対策】【設備・機械の安全な使用】です。
こちらも該当のテーマで、下記が問われます。
- 取り上げた事項ついて、留意・検討すべき事項をそれぞれ2つ具体的に記述
(3)工程管理に関する記述問題と穴埋め問題
- バーチャート工程表、またはネットワーク工程表の読み取りや計算問題
(4)躯体工事に関する記述問題、または五肢一択問題
(5)仕上工事に関する記述問題、または五肢一択問題
- 4と5は、年度ごとに記述問題、択一問題が入れ替わります。
- 記述問題は、施工上の留意事項について2つ解答する
(6)法規に関する五肢一択問題または記述問題
- 建設業法、建築基準法施行令、労働安全衛生法より、各1問ずつ出題
そもそも第二次検定はどのような能力をはかる試験なのか
第一次検定では、受験者の建築施工に関係する知識を問われますが、第二次検定の目的は、一定の実務の経験者である受験者が、一級建築施工管理技士としてふさわしい知識・能力を有しているか、また、現場において適切な施工管理や判断ができる技術者であるかどうかを判定することにあります。
合格率や難易度は
一級建築施工管理技士の第二次検定(旧実地試験)の合格率は、概ね33~52%前後です。
年によってばらつきがあり、二次検定だけで見ると受験生の半分弱が合格している年もあります。
これを『簡単』、『難しい』どちらで捉えるかは個々の判断になりますが、それなりの現場経験が必要なこと、記述問題において伝わる文章を書くという国語力が必要なことを考えると、少なくとも第一次検定試験に比べて難易度が高いと感じるはずです。
勉強時間はどれくらい?
勉強時間は一概には言えませんし、逆にこのくらい勉強時間を確保すれば絶対合格できるというものでもありません。
経験記述などは、過去問の解答例を見ながら考える時間が必要なので、まとまった時間が必要でしょう。
これは、文章作成能力や国語力にもよるので、何時間必要とは言えませんが、一度完成形の文章を作成してしまえば、あとは何度も何度も書いて覚えるだけです。
ただし、目安とし敢えて勉強時間を設けるなら、毎日1時間以上勉強してください。
勉強時間よりも、勉強の習慣化が何よりも大切です。
まずどこから勉強するべき?
結論から言いますと、どこからでもよいです。
勉強のしやすいところから始めると良いと思います。
なぜなら、勉強のエンジンをスタートさせることが先決だからです。
とは言え、記述問題は始めのうちは慣れないと思うので、特に1問目の施工経験に基づく経験記述問題の文章の完成形を作成してしまうのが良いでしょう。
作成した文章のチェックや、添削をしてもらう時間がかかるので、できればこの経験記述問題から始めるのがお勧めです。
また、経験記述問題は配点のウェイトが高く、ここでのつまずきは許されないため、第三者の添削を受けられる資格学校や通信講座の利用をお勧めします。
一次検定の学習は役立つ?
とても役立ちます。
なぜなら、経験記述問題以外は、第一次検定と第二次検定の学習範囲がかぶっているからです。
第一次検定の学習時に、解答をただ丸暗記していた場合は問題外ですが、しっかりと解説を理解し、周辺知識を理解、覚えていれば確実に得点できます。
第二次検定の具体的な勉強方法は?
過去6年分以上の過去問を繰り返し解くことです。
なぜ6年分かというと、経験記述の問題が3つのテーマから成り立っており、6年分なら最低でも同じテーマを2回分できるからです。
また、特に記述問題の解答の正解は一つではありません。
具体的には、どのようなことを意識して文章を書かなければならないか、過去問の模範解答を元に検証してみましょう。
(1)問題2の解答方法とポイント
まず、はじめに問題2の記述問題の解答のイメージとポイントをお伝えします。
■令和4年 問題2
1. 墜落、転落による災害について
■令和4年問題2『墜落、転落による災害について』解答例
- 外壁タイル張り工事作業における足場からの転落事故を防ぐため、足場の作業床は幅40cm以上、床材間の隙間は3cm以下、かつ床材と建地との隙間を12cm未満とする。
- ダメ穴等の床開口部分からの作業員の墜落事故を防止するため、大きな開口部分には手すりを設けるとともに、水平ネットの設置を計画する。
上記の解答は3つのポイントを考えながら解きます。
《ポイント1》
まず具体的に「どんな作業において」あなたは話を始めようとするのかを考える。
→ 外壁タイル張り工事作業における危険性について書こうかな・・・
→ 大きな開口部分の危険性について書こうかな・・・
《ポイント2》
お題に上がっている「〇〇の災害を防止するため」という文言を入れる。
→ ただお題そのままを書くのではなく、「どこからの」転落なのか、「誰の」墜落防止なのかなど読み手が現場をイメージしやすい文章を心掛ける。
《ポイント3》
上記の災害防止について、講じるべき対策を具体的に簡潔に記述する。
→〇〇には(主語)、〇〇をする(述語)、という感じで、主語と述語をしっかりと記述すると伝わりやすい。
→具体的な数値を書くと、より専門的知識があることをアピールできる。
→具体的にどういう対策を講じたら、安全に作業ができるかが伝わる文章を簡潔に記述する。
以上のことを踏まえ、次の『崩壊、倒壊による災害について』も検証してみましょう。
2. 崩壊、倒壊による災害について
■令和4年問題2『崩壊、倒壊による災害について』解答例
- 解体作業中の建物の倒壊を防ぐため、適切な方向に控えワイヤーを設置してから解体する。
- コンクリート打設時の型枠の崩壊を防止するため、構造計算に基づいた組立図を作成し、それをもとに施工を行う。
《ポイント1》
どんな作業において
→解体作業中における危険性について
→コンクリート打設時の型枠崩壊の危険性について
《ポイント2》
お題に上がっている「〇〇の災害を防止するため」という文言を入れる。
現場をイメージしやすいように具体的に記述。
→「建物の」倒壊を防ぐため
→「型枠の崩壊を」防止するため
《ポイント3》
上記の災害防止について、講じるべき対策を具体的に簡潔に記述する。
→適切な方向に控えワイヤーを設置してから解体
→構造計算に基づいた組立図を作成し、それをもとに施工
いかがでしょうか。
解答を暗記するのも手段のひとつかもしれませんが、このように正解をにいたるまでの考え方をしっかりと覚えておくことで、イレギュラーな出題パターンがあったとしても冷静に答えることができるようになります。
以上を踏まえて、最後の『移動式クレーンによる災害について』は、上記を参考にご自身で検証してみてください。
《移動式クレーンによる災害について》
- クレーンと労働者の接触事故を防ぐため、移動式クレーンの上部旋回体の旋回範囲内に、労働者が立ち入らないようにする。
- 強風により作業を中止した場合、移動式クレーンが転倒するおそれがあるときは、ジブの位置を固定させる等の措置を講じる。
第二次検定の難関“施工経験記述”の勉強方法
この『施工経験記述』の問題については、どのように学習すればよいかわからない、自分なりに作った文章が合格点に達しているのかわからない等、不安に感じる方が多いと思います。
例年の傾向
第一問目にくる経験記述の問題は、基本的には【品質管理】【施工の合理化】、【建設副産物対策】の3つのテーマのうち、いずれかが出題されます。
しかし、近年出題パターンが不規則なため、3つのテーマ全てにおいて、経験記述を書けるように対策をしておかなければなりません。
ご自身の現場経験を元に、それぞれのテーマについて、解答文を作成しておく必要があります。
テーマ別に、2,3種類の解答パターンを準備しておくとよいでしょう。
また、問題の出題表現が毎年違いますので、用意しておいた解答文を、適切な表現に書き換える臨機応変さも求められます。
過去問の解答例を基に、自分の言葉で解答文を作成し、できるだけ第三者の添削を受けましょう。
自分では気づけない加点ポイントまたは減点されてしまう書き方への指摘は、ひとりで不安を抱えて学習するよりはるかに効率的です。
そして添削後の完成形解答文を作成できたら、あとはスラスラと書けるように、何度も繰り返し書いて覚えてしまいましょう(もちろん、手書きでの練習です)。
あくまで施工した工事の経験について書かなければいけないので、丸暗記や解答例の丸写しはNGです。
施工した工事を記載する際に、具体的に注意すべき点を一部解説します。
下記のような記述では、採点評価外、もしくは減点される可能性が高いです。
- 建築工事と関係のない工事名
- 施工量など、具体的な数値を書いていない
- 設問で指定されたテーマを書いていない
- 誤字、脱字が多い
- なぐり書き、独特な読みにくい字
- 指定された行数を超える、または少なすぎる行数
- 模範解答例をそのまま写したような文章
記述内容は、あくまでご自身の経験に基づいたオリジナルの文章で、その現場で使用した器具や機器、具体的な数値、具体的な作業でなければなりません。
また、経験記述を書くのですから、文末は「〇〇した」「〇〇させた」など過去形でなければなりません。
あなたの考えを問う問題では、逆に過去形ではなく「〇〇する」「〇〇を行う」など現在形で表現してください。
どのように仕事をしながら勉強するべきか
一級建築施工管理技士の資格を受験される方は、受験資格に実務経験が必要なので、バリバリ仕事をされている社会人がほとんどだと思います。
そのような状況の中で、いかにして効率の良い勉強をするか、いくつか紹介したいと思います。
資格学校に通われている方は、学校のカリキュラムを信じ、カリキュラムに沿って勉強を継続してください。
独学の方は、まずは勉強ができる環境を整えてください。
あなたにとって落ち着いて勉強できる場所がどこなのか、図書館、カフェ、自宅、学習センターなど、集中して勉強できる場所を見つけてください。
ご自宅の場合、机のまわりを整理整頓し、今から「合格に向けて勉強するぞ!」という気持ちを高めてください。
次に、学習する習慣をつけることです。
筆者はお風呂の時間を有効に活用していました。
湯船に半身浴をしながら、風呂蓋を敷き、そのうえで問題集やテキストを広げて30分から1時間勉強していました。
毎日晩酌をしたいので、必ず夕食前にお風呂で勉強し、勉強のご褒美に晩酌をしていました。
学習が習慣化してくると、逆に勉強をしないと気持ち悪い、勉強しないと寝られないというふうになってきます。
仕事前の朝活を習慣化するのもよいでしょう。
仕事終わりにカフェによって少し勉強をしてから帰るのもよいでしょう。
休日は図書館でじっくり勉強するのもよいでしょう。
試験勉強をするというのを、生活の中のルーティンにしてください。
そして、独学の最大の敵は、モチベーションが下がることです。
特に独学の方のモチベーション維持にお勧めなのが、勉強仲間を見つけグループ学習をすることです。
お互いにオンラインで同じ時間に勉強をすることで、モチベーションがぐっと上がります。
まとめ
まずは「絶対に合格したい!」という気持ちが大切です。
そして、学習の継続を実践することです。
ですが、試験本番までモチベーションが維持できるか不安、記述問題での自分の解答が本当にこれでよいのか不安、などたくさんの不安があることと思います。
このような不安を解消するために、特に独学の場合は、講習会や通信講座を活用するのもお勧めです。
ぜひ、上記を参考に、ご自身に合ったやり方を見つけ、実践し、合格をつかみとりましょう!
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