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建築施工管理技士の仕事内容と【業界で活躍している人の特徴8選】
公開日:2023年11月24日 更新日:2024年8月22日
建築施工管理技士の仕事内容と【業界で活躍している人の特徴8選】
建築施工管理技士は、建築業界において重要な役割を担っています。
それは、野球で例えるなら「監督」と「選手」の「監督役」。
試合に向けて、作戦を組み立て、選手達と熱い練習を積み重ね、勝利に導く頭です。
建築施工管理技士は、建築現場での工程や品質、安全管理などを担当しますが、野球の監督も同様に、試合での戦術や選手の起用、チームの調整などを担当する役割を持っています。
また、施工に関する問題やトラブルが発生した場合には、解決策を提案し、対応することも求められます。
しかし、完成した時は、半端ない達成感と、高い評価が得られるのが醍醐味です。
それでは、建築施工管理技士の仕事内容、業界で活躍している人の特徴をお届けします。
目次
建築施工管理技士とは?
建築施工管理技士は、建築物の施工において、品質、安全、工程、コストなどの管理を行う専門家です。
建築物の施工には、多くの職種が関わり、建物の完成までの全ての工程を統括する役割を担っています。
具体的には、建築計画の策定、施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理、コスト管理などを行い、建築現場になくてはならない重要なポジションです。
建築現場において重要な存在にも関わらず、その資格名の認知度は低く、現場監督としての呼び名が世間では一般的です。
建築施工管理技士の仕事内容
ここでは建築施工管理技士の主な仕事内容を詳しくみてみましょう。
建築計画の策定
建築物の用途や機能、設計図面の確認、施工条件の確認などを行う。
建築物の施工に必要な資材や機材、人員の確保を行う。
施工計画の作成
工程表の作成や進捗管理、資材や機材の手配、人員の配置などを行う。
施工現場の環境整備や安全対策の確認を行う。
工程管理
施工現場の進捗状況を把握し、工程表に基づいて施工を進める。
施工に必要な資材や機材、人員の手配を行う。
品質管理
建築物の品質を確保するために、施工業者に対して品質管理の指導を行う。
安全管理
施工現場での安全対策を行う。
具体的には、安全基準の確認や安全教育の実施、危険予知の行動などを行う。
コスト管理
施工に必要な費用の見積もりの作成や、予算内で工事が進むように調整する。
施工におけるコスト削減の提案や、契約書の確認を行う。
書類管理
上記をまとめた書類の作成と、竣工の完成図書、施工内容を納めた工事写真帳の作成を行う。
建築施工管理技士の主な就職先や業種
建築施工管理技士の主な就職先は、建設会社や建築設計事務所、建築コンサルタント会社、建築材料メーカーなどが挙げられます。
また、勤務先により業務内容の違いがあります。
建設会社での業務内容
建設会社では、建築工事の施工管理や品質管理、安全管理、工程管理などを担当します。
建築工事の施工管理が最も重要な業務の一つとなります。
施工管理
施工管理は、建築物の設計図面に基づいて、工事現場での施工作業を指揮・監督することを意味します。
具体的には、施工計画の策定、工程表の作成、資材の調達、作業員の配置、現場の安全管理、品質管理、進捗管理などを行います。
品質管理
品質管理においては、建築物の完成品質を確保するために、施工中に発生する欠陥や不具合を早期に発見し、適切な対応を行います。
安全管理
安全管理においては、作業員の安全確保や現場の安全対策を徹底し、事故の発生を防止することが求められます。
工程管理
工程管理においては、施工計画に基づいて、工事の進捗状況を把握し、遅延や予算超過を防止するために、作業員のスケジュール調整や資材の調達などを行います。
また、施工中に発生する問題や変更に対して、迅速かつ適切な対応を行い、工事のスムーズな進行を図ります。
建築設計事務所での業務内容
建築設計事務所では、建築設計における施工性やコスト面の観点からアドバイスや、施工図面の作成などを行います。
施工性のアドバイス
施工性とは、建築物を建設する際に、施工上の問題が生じないように設計することです。
例えば、建築物の形状や構造が複雑すぎる場合、施工が困難になる可能性の有無をアドバイスします。
コスト面のアドバイス
予算の設定や見積もりの作成、予算内で設計を行うために必要なアドバイスを行います。
施工図面の作成
施工図面は、建築物を建設する際に必要な図面であり、建築物の設計に基づいて作成される建築物の構造や設備などが詳細に描かれています。
建築コンサルタント会社での業務内容
建築コンサルタント会社は、建築物の品質、安全性、コスト、環境への配慮など、多岐にわたる要素を総合的に管理する業務を担当しています。
建築物の品質、安全性の管理
建築物の設計や施工において、法令や規格に適合し、品質や安全性を確保するための監理や検査を行います。
コスト管理
予算の設定や見積もりの作成、コスト削減の提案などを行い、建築プロジェクトの成功に貢献します。
環境への配慮
建築物の長寿命化環境に配慮した建築物の設計や施工として建築物のメンテナンスやリノベーションを行います。
また、省エネルギー性やCO2排出量の削減、再生可能エネルギーの活用など、環境に優しい建築物の実現に向けた提案や支援を行います。
建築材料メーカーでの業務内容
建築材料メーカーでは、建築材料の品質管理や施工方法の提案などを行います。
また、環境に配慮した製品の開発にも力を入れています。
例えば、再生木材やリサイクルプラスチックを使用した建築材料の開発などがあります。
公共団体や官公庁、大学や研究機関での業務内容
公共団体や官公庁では、公共施設の建設や改修工事の施工管理を担当します。
大学や研究機関では、建築物の研究や教育に関する業務を担当することがあります。
建築施工管理技士は、建築物の施工において重要な役割を担っています。
そのため、建設業界を中心に、幅広い業種での就職が可能です。
また、建築施工管理技士の資格を持つことで、建築業界でのキャリアアップや、独立して建築施工管理業を行うこともできます。
建築施工管理技士の現場の実情
建築施工管理技士の業界では、建築物の施工において、品質や安全、工程管理などが重要な課題となっています。
近年では、地震や台風などの自然災害が多発し、建築物の耐震性や風圧に対する強度が求められており、省エネルギー性やバリアフリーなど、社会的な要請も高まっています。
建築施工管理技士は、これらの要件を満たす建築物の施工に取り組んでいます。
建築施工管理技士の求人状況
建築施工管理技士の求人状況は、全国的に比較的安定しています。
大手ゼネコンや建設会社などの大手企業では、建築施工管理技士の需要が高く、求人数も多いです。
地方都市や地方自治体などでも、建築施工管理技士の求人があるため、地域によっては就職しやすい環境があります。
ただし、建築施工管理技士は、建築物の施工において、品質や安全、工程管理などを担当する専門家であるため、高い専門性が求められることから、建築施工管理技士の資格を持っているだけでは、求人に応募することができない場合もあるでしょう。
建築施工管理技士のキャリアアップの道
実務経験を積むことで、従事できる仕事の規模が変わります。
- 新卒入社:大手ゼネコンや建設会社などに就職し、建築施工管理技士としての実務経験を積む。
- 施工管理者:実務経験を積んだ後、施工管理者としてのキャリアアップを目指す。
- 現場監督:施工管理者としての実務経験を積んだ後、現場監督としてのキャリアアップを目指す。
- 独立開業:実務経験を積んだ後、独立して建築施工管理技士として開業することも可能である。
施工管理者や現場監督としてのキャリアアップを目指す場合は、コミュニケーション能力やリーダーシップなどのスキルも必要となりますが、独立開業を目指す場合は、さらに、ビジネススキルやマーケティングスキルなども必要となるでしょう。
建築施工管理技士で活躍している人の特徴8選
建築施工管理技士は建築現場において、建築設計者や施工業者、そしてクライアントなどの間で情報を共有し、工事の進捗を監督し、問題が発生した際には、迅速に対応する必要があります。
そんな現場で活躍する人の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
①技術力が高い
建築施工管理技士は、建築物の施工に関する知識や技術を持っていることが求められます。
そのため、建築に関する専門知識を習得し、技術力を高めることが必要です。
②コミュニケーション能力がある
建築施工管理技士は、施工現場で多くの人と関わることがあります。
そのため、コミュニケーション能力が高く、円滑なコミュニケーションができることが求められます。
③問題解決能力がある
施工現場で問題が発生した場合には、迅速かつ適切な対応が求められます。
そのため、問題解決能力が高く、冷静に対応できることが必要です。
④責任感が強い
建築施工管理技士は、施工現場での品質や安全性を確保する責任があります。
そのため、責任感が強く、誠実な姿勢で仕事に取り組むことが求められます。
⑤気遣いがある
建築施工現場は、段取り命とも言われます。
そのため絡み合う作業の内容を、各施工業者へ伝えトラブルの発生を防止する事前の気遣いが必要です。
⑥リーダーシップがある
建築施工管理技士は、施工現場で指揮をとることがあります。
そのため、リーダーシップがあり、チームをまとめることができることが求められます。
⑦経験が豊富な人が多い
建築施工管理技士は、建築業界で長年経験を積んできた人が多いです。
そのため、実務経験が豊富で、幅広い知識や技術を持っていることが特徴です。
⑧常に学び続ける姿勢がある
建築業界は、常に進化しているため、建築施工管理技士も常に学び続ける姿勢が求められます。
新しい技術や知識を積極的に取り入れ、自分磨きを続けることが必要です。
以上のように、建築施工管理技士で活躍している人の特徴は、技術力やコミュニケーション能力、問題解決能力、責任感、気遣い、リーダーシップ、経験、学び続ける姿勢などが挙げられます。
まとめ
建築施工管理技士は建築現場において施工管理を行う専門家であり、工程管理や品質管理、安全管理、コスト管理などを担当し、建築物の完成までのプロセスを管理します。
現場の実情としては、多くの場合、時間や予算の制約があり、さまざまな問題が発生することがあるため、建築施工管理技士は、常に現場の状況を把握し、迅速かつ正確に対応することが求められます。
建築施工管理技士に向いている人は、コミュニケーション能力が高く、チームワークを大切にできる人です。
また、建築に関する知識や経験があることが望ましく、さらに、問題解決能力や判断力、責任感なども必要とされます。
建築施工管理技士が特に大切にしていることは、現場の安全性を確保することです。
建築現場は、高所作業や重機の使用など、危険が伴う作業が多いため、いのちを守る安全管理が非常に重要です。
近年は、熱中症予防の対策や、コロナウイルス感染防止対策も行っています。
莫大な知識と、経験を武器に壮大な計画を管理し、完成できる頃には、更なる専門知識を蓄えることとなり、現場経験を積んだ建築施工管理技士は、60歳以上でも年収を落とさず現場や事務所で重宝されるでしょう。
建築士の方も施工がわからないからと、建築施工管理技士の資格を取得される方もいるほど、建築業界において非常に価値のあるものであり、「鬼に金棒」と称されるほど重要視されています。
この資格を取得することで、建築業界でのキャリアアップや、高い報酬を得ることができるため、建築業界に興味のある人にとってはおススメの資格です。
資格取得には、一定の勉強や検定試験が必要ですが、その先には、やりがいや充実感を感じられる仕事が待っています。
建築業界でのキャリアアップを考える方や、自分のスキルアップを目指す方は、ぜひ建築施工管理技士の資格を目指してみてはいかがでしょうか。
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