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【施工管理技士の制度が改正】技士補とはなにか?メリットや制度の概要を詳しく解説

公開日:2023年4月7日 更新日:2023年5月17日

【施工管理技士の制度が改正】技士補とはなにか?メリットや制度の概要を詳しく解説

令和3年度より、施工管理技士補の制度が創設されました。
技士補はどのようなスキルが認定され、どのような役割を担えるのでしょうか。
また技士補のメリットは、どのような点にあるのでしょうか。
技士との相違点も、気になるポイントに挙げられます。

加えて技士補の制度は、今後も改正が予定されています。
技士補になりやすくなるのかどうか、気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、技士補とはどのような資格なのか解説したのち、メリットや将来予定されている改正内容も紹介していきます。

施工管理技士補に興味・関心をお持ちの方は、ぜひお読みください。


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施工管理技士補とはどのような資格か?

工事現場には技術上の責任者である、主任技術者や監理技術者がいます。
施工管理技士補は、責任者を補助する役割を担う立場になれる資格です。

創設された背景には、以下の2点が挙げられます。

  • 主任技術者や監理技術者など、責任者の役割を担える人材が不足している
  • 業界全体で高齢化が進んでいるため、若手を積極的に登用する必要がある

ここからは施工管理技士補の詳しい内容について、5つの項目に分けて解説していきましょう。

1級施工管理技士補ができることや有利になる項目

1級施工管理技士補は監理技術者補佐になれ、監理技術者の代わりに工事現場に配置されます。
工事が適正に行われているか、責任者の立場に立って管理・監督できるわけです。
これにより、監理技術者は2つの工事現場を兼務できます。
監理技術者の在籍人数が少ない会社でも、より多くの工事を担当できるわけです。

また1級施工管理技士補は、第一次検定に合格した方です。
経験を積み第二次検定に合格すれば、1級施工管理技士になれます。

2級施工管理技士補ができることや有利になる項目

2級施工管理技士補は1級と異なり、資格を得ても実務上で有利になる項目はありません。
一方で第二次検定には、いつでも挑戦できます。
合格すれば、2級施工管理技士になれるわけです。

施工管理技士補になる方法

施工管理技士補になりたい方は第一次検定を受験し、合格しなければなりません。
試験の実施回数は、以下のとおりです。

  • 1級:年1回
  • 2級:年2回(但し建設機械は年1回)

試験はマークシートを使う、多肢選択式で実施されます。
面接やご自身の経験が問われる設問はありません。特に2級の第一次検定は、学生でも受験できます。
実際に2級の試験では高校生が受験し、技士補の資格を得た方も多数います。

受験勉強は、日々の仕事や授業と並行して行う方も多いです。
むしろ朝から夜まで一日中試験勉強に時間を使える方のほうが、少ないでしょう。
合格には、効率的な学習が不可欠です。

日本建設情報センターでは以下の種目について、通信講座を開講しています。
また書籍も順次発売する予定です。

  • 建築
  • 土木
  • 電気工事
  • 電気通信工事
  • 管工事

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ぜひご活用ください。

施工管理技士との違い

施工管理技士補と施工管理技士には、いくつかの違いがあります。
施工管理技士をお持ちの方は、主任技術者や営業所の専任技術者になれます。
1級施工管理技士ならば監理技術者になり、大規模な工事現場で活躍することも可能です。

一方で施工管理技士補は、その資格だけでは主任技術者等になれません。
工事現場における最終的な技術的責任者としての職責を担うことはできないわけです。

令和2年度までの試験で実施された「学科試験」合格者との違い

第一次検定(学科試験)合格者は合格した年度により、以下のとおり扱いが異なります。

合格した年度 第二次検定(実地試験)の受験機会 合格者に与えられる資格
令和2年度まで 連続2回まで 無し
令和3年度以降 何度でも可 技士補

学科試験合格者は、その名の通り学科試験の合格者でしかありません。
実地試験に2回不合格になれば学科試験から受験し直さなければならず、大きなロスとなっていました。
これは第一次検定に合格した方が技士補の資格を得て活動できるとともに、第二次検定を何度でも受験し直せることと大きく異なります。

施工管理技士補がもたらす5つのメリット

施工管理技士補の資格を得ることでご自身はもちろん、在籍する会社にもメリットをもたらします。
どのようなメリットがあるのか、5つの項目を取り上げ確認していきましょう。

施工管理に関する資格を持てる

施工管理技士補は、国家資格の一つです。
あなたの技術力が第三者から評価され、公的にも証明されます。
制度改正前は学科試験に合格しても単なる合格者でしかなかったことに比べ、大きな進歩といえるでしょう。

一次検定合格は無期限有効。ベストなタイミングで二次検定に臨める

施工管理技士補は、第一次検定の合格者です。
この資格は、無期限有効です。
仕事で忙しい時期が続く方など、第二次検定を受験しなかったからといってはく奪される心配はいりません。

合格に必要な知識とスキル、経験が整った段階で出願すればよいわけです。
ご自身がベストと思うタイミングで第二次検定に臨めることも、メリットの一つに挙げられます。

責任ある仕事を任されやすくなる

責任ある仕事を任されやすくなることも、施工管理技士補がもたらすメリットに挙げられます。
資格の取得により、一般の技術者よりも技術や施工管理における知識があると認められるためです。

特に監理技術者補佐の資格を得られる1級施工管理技士補は、より重い責任がある仕事を任されやすくなります。
日々の仕事は大変ですが、将来の監理技術者として求められる経験を積めるとともに、やりがいも得やすくなるでしょう。

転職に有利となり得る

施工管理技士補は、転職者本人にとって有利な情報となり得ます。
国家資格ですから履歴書に記載でき、ご自身のアピールに役立てることも可能です。

監理技術者補佐を求める企業にとって、1級施工管理技士補を持つ方はぜひとも欲しい人材と思う方も多いのではないでしょうか。
2級施工管理技士補も一般の技術者と比較して、高いスキルを持つ証明になります。
将来の幹部候補として迎える企業も多いことでしょう。

企業は技士補を採用することで、技術者不足の課題を緩和できる

ゼネコンなどの元請け企業は施工管理技士補の採用により、技術者不足の課題を緩和できます。
主任技術者や監理技術者、営業所の専任技術者の不足は、業界全体の課題です。
技士補を持つ方は監理技術者補佐になれるため、これまで1つの現場につき1人配置しなければならなかった監理技術者を、2つの現場につき1人に変えられます。
優秀な人材を有効活用する鍵となるでしょう。

他の建設会社や工務店でも主任技術者等の指導・監督のもと、技士補に業務の一部を任せることも可能です。
そもそも技士補はスキルの高い技術者ですから、業務をうまくシェアすることで、会社全体としてより高いレベルの仕事を数多く行えるメリットは見逃せません。

今後予定されている技士補に関する制度改正をチェック!

令和6年度以降、施工管理技術検定や技士補の制度改正が予定されています。
ここからは5つの項目に分けて、どのように変わるか解説していきましょう。

未経験者でも試験に合格すれば施工管理技士補になれる

現在の試験制度において、未経験者が受験できる試験は2級の第一次検定に限られます。
1級は第一次検定・第二次検定ともに、実務経験がないと出願できません。
そのため未経験者が取得できる資格は、2級施工管理技士補に限られています。

制度改正後は、1級の第一次検定の受験資格が年齢のみ(19歳以上)となる予定です。
未経験者でも実力さえあれば第一次検定に出願でき、合格すれば1級施工管理技士補になれる道が開かれます。
早期に監理技術者となることを求められている方にとっては、朗報といえるでしょう。

第一次検定に科目免除の制度ができる

現在行われている2級の第一次検定では、建築や土木といった専門的な科目を履修した方に対する優遇がありません。
一方で1級の第一次検定では実務経験年数が1年半から2年半短くなることで優遇されていますが、改正後は実務経験の要件が外されます。

制度改正後は専門的な科目を履修し卒業した方などに対して、科目免除の制度が設けられます。
試験勉強を行うべき科目数が減るため合格しやすくなり、技士補の資格も得やすくなるでしょう。

第二次検定の受験は技士補で経験を積むことが前提となる

第二次検定の受験要件も、制度改正で変わる項目です。
現在は学歴ごと、また指定学科を卒業したかどうかにより、必要な実務経験年数に大きな差がつけられていました。
例えば2級の場合、大学の指定学科を卒業した方は1年間の実務経験で出願できる一方で、中学校の卒業者は8年以上の実務経験を要します。

制度改正後は学歴や指定学科の要件がなくなり、代わりに技士補になった後の実務経験年数が要件となります。
以下の表で確認してください。

第二次検定に出願するための実務経験年数
1級 1級技士補になった後5年以上が原則。
但し以下どちらかの要件を満たせば出願可能

  • 監理技術者補佐の経験が1年以上
  • 下請金額が監理技術者配置を要する金額以上の工事の施工管理は3年以上
2級 2級技士補になった後3年以上
1級技士補になった後1年以上


主任技術者や監理技術者になるための経験年数は、技士補の有無で変わる

主任技術者や監理技術者になる方法には、実務経験を積む方法もあります。
現行の規定では、学歴のみが定められています。
以下の表で確認していきましょう。

学歴 必要な実務経験年数
大学や短大の指定学科卒業 3年以上
高校の指定学科卒業 5年以上
上記以外 10年以上

就職して実力をあげた方であっても、指定学科を卒業していないだけの理由で大きなハンデがつくわけです。
例えば以下に挙げる両者が主任技術者になるためには、どちらも3年間の実務経験を要求されます。

  • 短大の指定学科を卒業した方で、施工管理技士試験を受験していない
  • 短大の指定学科以外を卒業した方で、2級施工管理技士になった

同じ実務経験の期間でも、指定学科を卒業した方は試験を受けずに主任技術者になれる一方で、指定学科を卒業していない方は第二次検定に合格しないと主任技術者になれません。
これは入社後の実力を反映していない点で、適切とはいえません。

制度改正後は技士にならなくても、技士補の資格があれば実務経験の期間を短縮できます。
2級技士補ならば5年以上、1級技士補ならば3年以上の実務経験で済みます。
指定学科以外の卒業者でも、実力があればより短い期間で主任技術者や監理技術者になれることは大きな改善点といえるでしょう。

学歴や卒業した学科によっては、必要な実務経験年数が長くなる場合がある

制度改正により、多くの方にとって施工管理技士はより短期間で取得できる資格となります。
一方で以下にあてはまる方は、現在よりも長い期間の実務経験を要求されるかもしれません。

  • 大学を卒業した方(1級・2級とも)
  • 短大や高等専門学校を卒業した方で、2級の第二次検定を受験する場合

改正後いきなり新しい規定が適用されると、本人のキャリアプランだけでなく会社の人員計画も見直しを迫られかねません。
必要な人材を確保できなければ、取引先にも悪影響をおよぼすおそれがあります。
このような不利益を防ぐため、経過措置の実施が検討されています。

技士補の制度を活用し短期間でキャリアアップしよう

建設業界では、若手の育成が急務です。
将来は1級施工管理技士の第一次検定も実務経験無しで受験できるようになりますから、合格後に付与される「技士補」の資格を活用し、実務経験を積めます。
短期間でのステップアップも可能となるでしょう。

今後の建設業界は経験年数や卒業した学科などのウエイトがより少なくなり、向上心とスキルがより一層キャリアに影響するようになるでしょう。
実力のある方は、チャンスともいえます。

日本建設情報センターでは通信講座や書籍を通して、あなたのキャリアアップを応援します。
まずは教材を活用して技士補を取得し、実務経験を通して技士を目指すことで、若いうちから責任を任されやすくなるでしょう。
あなたのキャリアアップに、ぜひ弊社の教材をご活用ください。


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