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電気工事士の技能試験の欠陥とは?即不合格にならないために気を付けるべき点を解説!

公開日:2022年7月20日 更新日:2023年3月29日

電気工事士の技能試験の欠陥とは?即不合格にならないために気を付けるべき点を解説!

電気工事士の技能試験の欠陥とは?
即不合格にならないために気を付けるべき点を解説!

電気工事士コラム21


「電気工事士の技能試験における欠陥って何?」
「技能試験で不合格にならないために気を付けるポイントは?」

とお考えではありませんか?

電気工事士の技能試験は、欠陥なく施工できていると合格できます。

ただし欠陥が1つでもあると不合格になり、合格できません。

そのため、欠陥の判断基準を把握して施工することが大切です。

本記事では、電気工事士試験の技能試験における欠陥の判断基準と気を付けるべきポイントについて解説します。


最終更新日:

技能試験の「欠陥」とは?

挿絵

電気工事士の技能試験は、事前に公表される候補問題の中から1問出題される試験です。

技能試験ではどのような問題が出るか、どんな工具が必要なのかは以前の記事を参照ください。

出題された配線図を欠陥なく施工できていると合格できます。

ここで言う欠陥とは「施工ミス」のことです。

電気技術者試験センターにて公開されている「技能試験における欠陥の判断基準」を守れていないと、欠陥のある施工として扱われて不合格となります。

そのため、技能試験を対策する際の最終目標は「試験時間内に欠陥なく施工できること」です。

合格するためには、欠陥についての知識と時間内で素早く丁寧に施工する技術力の両方が必要と言えるでしょう。

欠陥の判断基準の詳細については後述します。

欠陥の判断基準

電気工事士の技能試験における欠陥の判断基準は「電気技術者試験センター」にて詳しく掲載されています。

ここでは、以下の11項目にわけて解説します。

  1. 未完成のもの
  2. 誤接続、誤結線のもの
  3. 電線の色別、配線器具の極性が施工条件に相違したもの
  4. 電線の損傷
  5. リングスリーブ(E形)による圧着接続部分
  6. 差込形コネクタによる差込接続部分
  7. 器具への結線部分
  8. 金属管工事部分
  9. 合成樹脂製可とう電線管工事部分
  10. 取付枠部分
  11. その他

それぞれの欠陥内容について詳しくみていきましょう。

未完成のもの

これは当然ですが、施工が未完成の場合は合格できません。

それまでの施工における欠陥の有無に関係なく不合格となります。

そのため、まずは試験時間内に施工を完了できるよう対策しましょう。

いきなり完璧を目指すのではなく、徐々に合格ラインまで技術力を高めることが大切です。

候補問題を1周して施工の流れと欠陥の内容を把握し、少しずつ施工速度を上げることをおすすめします。

2~3周目は実践を意識して、試験時間内に欠陥なく施工できるよう練習してください。

誤接続、誤結線のもの

配線図にある図面と比較して電線や配線器具を誤接続、誤結線していると合格できません。

正しい配線かつ欠陥なく施工することで合格が可能です。

誤接続、誤結線を無くすために大切なポイントは正しく複線図を記載することです。

複線図を見ながら施工することで誤接続、誤結線のリスクを減らせます。

事前に公表される候補問題の複線図は、練習してしっかりと覚えておきましょう。

本番では施工条件を読みながら開始3分程度で複線図を記載できるよう対策してください

電線の色別、配線器具の極性が施工条件に相違したもの

施工した際に電線の色別や配線器具の極性が施工条件に相違していると欠陥です。

1つでも誤るとその時点で不合格となります。

欠陥を無くすために大切なポイントは、施工する前に施工条件をしっかりと読み込むことです。

予想問題の施工時と施工条件が少し異なる可能性があるため、本番では必ず施工条件を読んでください

イメージとしては、配線図を確認して施工条件を読んだ後に複線図を記載し、実際の施工に移るといった流れになります。

電線の損傷

電気工事士の技能試験では、VVFやIVなどさまざまな電線を取り扱います。

場合によっては、より線などを取り扱うこともあるため施工時は注意が必要です。

電線部分における欠陥の判断基準で気を付けるべきポイントは、以下の4つです。

No 判断基準 備考
1 ケーブルの外装を損傷した ・ケーブルを折り曲げた際に絶縁被覆が露出する
・外装の縦割れが20mm以上
・VVR、CVVの介在物が抜けている
上記に該当すると欠陥になる
2 絶縁被覆の損傷 電線を折り曲げた際に心線が露出している場合は欠陥になる
3 心線部分の損傷 心線を折り曲げた際に心線が折れる程の傷があると欠陥になる
4 より線を減線している 心線部分がより線の電線でより線部分が減線していると欠陥になる

上記の欠陥を無くすためのポイントは、日頃の練習を多く積むことです。

日頃の練習から数をこなし、電線を傷つけない程度の力加減を覚えましょう。

また本番の緊張から力の入りすぎなどが不安な方は、VVFストリッパーなどの使用もご検討ください。

VVFストリッパーは、電線の太さや本数にあわせてストリッパーに通し、ストリッパーを閉じてずらすだけで簡単に外装や被覆を剥ける工具です。

そのためストリッパーは、少しでも施工の効率を上げたい方や欠陥のリスクを減らしたい方におすすめします。

リングスリーブ(E形)による圧着接続部分

電気工事士の技能試験では、電線相互の接続部分にリングスリーブもしくは差込形コネクタを使用します。

リングスリーブを使用する場合、気を付けるべきポイントは以下の通りです。

No 判断基準 備考
1 リングスリーブ用圧着工具の使用方法が不適切 ・リングスリーブの選択を誤っている
・圧着マークが不適切
・リングスリーブが破損している
・リングスリーブの先端又は末端で圧着マークが一部欠けている
・1つのリングスリーブに2つ以上の圧着マークがある
・1箇所の接続に2個以上のリングスリーブを使用している
上記に該当すると欠陥になる
2 心線の端末処理が不適切 絶縁被覆の上から圧着していると欠陥になる

上記の欠陥を無くすために大切なポイントは、落ち着いて施工を行うことです。

リングスリーブ箇所の施工ミスは、リカバリーに時間がかかるだけでなく精神的に焦りが生じます。

本番の試験では特に避けたい欠陥でもあるため、まずは落ち着いて複線図通りの施工を心がけましょう。

差込形コネクタによる差込接続部分

差込形コネクタはリングスリーブと同様、電線相互の接続で用いられます。

接続の際、気を付けるべきポイントは、以下の2つです。

No 判断基準 備考
1 コネクタの先端部分を真横から見た際に心線が見えないもの
2 コネクタの下端部分を真横から見た際に心線が見えるもの

上記の欠陥を無くすために大切なポイントは、施工後に確認を行うことです。

差込形コネクタの施工は比較的容易なので、すぐにリカバリーできます。

まずは施工後にきちんと奥まで差し込めているか確認を行い、必要に応じて処置を取るようにしましょう

器具への結線部分

技能試験では、電線と配線器具の接続があります。

接続する配線器具には「ねじ締め端子の器具」と「ねじなし端子の器具」の2種類あるのが特徴です。

ねじ締め端子の配線器具としては「端子台」「配線用遮断器」「ランプレセプタクル」「露出形コンセント」などがあります。

ねじ締め端子の配線器具における接続部分で気を付けるべきポイントは、以下の通りです。

No 判断基準 備考
1 心線をねじで締め付けていない ・単線での結線において電線を引っ張ると外れる
・より線での結線時において作品を持ち上げると外れる
・巻き付けによる結線において心線をねじで締め付けていない
上記に該当すると欠陥になる
2 より線の素線の一部が端子に挿入されていない
3 結線部分の絶縁被覆を剥きすぎている ・端子台の高圧側:端子台の端から心線が20mm以上露出
・端子台の低圧側:端子台の端から心線が5mm以上露出
・配線用遮断器又は押しボタンスイッチなど:器具の端から心線が5mm以上露出
・ランプレセプタクル又は露出形コンセント:器具の端もしくはねじの端から心線が5mm以上露出
上記に該当すると欠陥になる
4 絶縁被覆を締め付けている
5 ランプレセプタクル又は露出形コンセントへの結線で誤っている ・ケーブルを台座の引込口を通さずに結線している
・ケーブル外装が台座の中に入っていない
・巻き付けによる結線部分の処理が適切でない
上記に該当すると欠陥になる

一方でねじなし端子の配線器具として挙げられるのは「埋込連用タンブラスイッチ」「埋込連用コンセント」「パイロットランプ」「引掛けシーリング」などです。

ねじなし端子の配線器具における接続部分で気を付けるべきポイントは、以下の通りです。

No 判断基準 備考
1 電線を引っ張ると外れる 電線を引っ張って外れた場合は欠陥になる
2 心線が差込口から露出している ・心線が差込口から2mm以上露出している
・引掛けシーリングの場合は1mm以上の露出
上記に該当していると欠陥になる
3 引掛けシーリングの結線で、絶縁被覆が台座の下端から露出している 絶縁被覆が台座の下端から5mm以上露出していると欠陥になる

上記の欠陥を無くすためのポイントは、日頃の練習から意識して施工するしかありません

作品が試験時間内に満足したことのみに満足せず、自分自身で上記の欠陥がないか確認することが大切です。

いきなり全部を把握することは難しいので、最初は1つずつ確認して徐々に頭の中で判断基準を思い出せるようにしましょう。

金属管工事部分

金属管工事部分は「金属管」「ねじなしボックスコネクタ」「ボックス」「ロックナット」「絶縁ブッシング」で構成されています。

欠陥の判断基準として気を付けるべきポイントは、以下の2つです。

No 判断基準 備考
1 構成部品が正しい位置に使用されていない それぞれの部品が正しい位置に使用されていない場合は欠陥になる
2 構成部品間の接続が不適切 ・管を引っ張ると外れる
・管とボックスとの接続部分に目視で隙間が確認できる
・絶縁ブッシングが外れている
上記に該当すると欠陥になる

上記の欠陥を無くすために大切なポイントが、ウォーターポンププライヤーを使用してロックナットを十分に締め付けることです。

部品を正しい位置に取り付けた後、プライヤーを用いて隙間などが生じないように締め付けましょう。

またねじなしボックスコネクタの場合は、ねじを切らないと欠陥になるためご注意ください。

施工後に最終確認を行うと欠陥のリスクを減らすことが可能です。

合成樹脂製可とう電線管工事部分

合成樹脂可とう電線管工事部分は「合成樹脂可とう電線管」「コネクタ」「ロックナット」「ボックス」の4つを使用して施工します。

このとき、欠陥の判断基準として気を付けるべきポイントは、以下の2つです。

No 判断基準 備考
1 構成部品が正しい位置に使用されていない それぞれの部品が正しい位置に使用されていない場合は欠陥になる
2 構成部品間の接続が不適切 ・管を引っ張ると外れる
・管とボックスとの接続部分に目視で隙間が確認できる
上記に該当すると欠陥になる

上記の欠陥を無くすために大切なポイントは焦らず落ち着いて施工することです。

技能試験は施工時間が比較的短いので余裕がありませんが、焦るとミスをしやすくなります。

そのため、素早く丁寧に施工することが大切です。

施工した後に部品の位置が正しいか、不適切な隙間が発生してないかを確認した後に次の作業に移りましょう。

取付枠部分

電気工事士の試験では、取り付ける器具の個数に適した位置で取付枠に固定する必要があります。

気を付けるべきポイントは、以下の4つです。

No 判断基準 備考
1 取付枠を指定した箇所以外で使用する 施工条件で指定されている場所以外で取付枠の使用は欠陥になる
2 取付枠を裏返しにして配線器具を取り付ける 表裏を逆に取り付けていると欠陥になる
3 取り付けが緩く、配線器具を引っ張ると外れる 取付枠に器具をしっかり固定できていないと欠陥になる
4 取付枠に器具の位置を誤って取り付けている ・1個:1個の場合に中央以外に取り付ける
・2個:2個の場合に中央に取り付ける
・3個:3個の場合に中央に指定した以外の器具を取り付ける
上記の位置に取り付けると欠陥になる

上記の欠陥を無くすポイントとしては、施工する際に確認して取り付けることです。

施工条件や取付枠の表裏を確認した後に施工すると比較的容易に欠陥を無くすことができます。

また、施工が完了した後は最終確認も行いましょう。

引っ張っても取付枠から外れないか確認しておくことが大切です。

その他

これまで解説した内容以外にも欠陥となる事例はいくつかあります。

注意事項としては主に以下の4つです。

No 判断基準 備考
1 支給した材料以外の材料を使用 受験者が持ち込んだ材料の使用は禁止されている
2 用途外の工事や不要な工事を実施 露出形コンセントの送り端子に電線を結線するなど用途外の工事をすることは禁止されている
3 既設配線を変更または取り除いた場合 押しボタンスイッチなどで結線された状態の配線を取り除いて配線した場合は欠陥となる
4 器具を破損させた場合 ねじの頭を切断したり埋込器具の破損が生じたりすると欠陥となる。
ランプレセプタクルや引掛けシーリングの台座の欠けは欠陥とならない

これらの欠陥を無くすためのポイントとしては、指定された施工条件で施工することです。

不要な工事は行わず、支給された材料で施工を行うように意識しましょう。

まとめ

本記事では、電気工事士の技能試験における欠陥の判断基準と気を付けるべきポイントについて解説しました。

技能試験では、欠陥が1つでも見つかると不合格となります。

そのため、日頃の練習の段階で欠陥について意識し、素早く丁寧に施工することが大切です。

まずは候補問題を1周しながら欠陥について把握していきましょう。

その後、欠陥を意識しながら試験時間内に間に合うよう施工してください。

いきなり合格ラインを目指すのではなく、徐々にレベルアップして合格する力を身に付けることが大切です。


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