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電気工事士の平均年収はいくら?年代・資格・学歴など種類別に給料を徹底調査!

公開日:2022年7月27日 更新日:2024年10月1日

電気工事士の平均年収はいくら?年代・資格・学歴など種類別に給料を徹底調査!

本記事では、以下を参考に電気工事士の年収をまとめました。

令和4年分民間給与実態統計調査結果(国税庁)によると日本の平均年収は458万円であるのに対して、電気工事士の平均年収は420万円と若干低いといえます。(2024年6月現在における最新の情報です)

ただし、取得資格や働き方で電気工事士の年収は大きく異なり、年収1,000万円を超える方も中には存在します。

本記事では、電気工事士の年収データや収入を上げる方法などをご紹介するので、ぜひご参考ください。


CIC電気工事士





目次

電気工事士の年収(給料)は平均いくら?

電気工事士の年収(給料)は平均いくら?

電気工事士の平均年収は状況により異なります。

より正確な年収を知るためにも、以下のカテゴリーに分けて比較します。

  • 年代別
  • 資格別
  • 学歴別
  • 雇用形態別
  • 経験年数別
  • 企業規模別
  • 地域別

各項目別に年収を調べていくと、自身の状況にマッチする年収帯がわかります。

それでは、詳しく見ていきましょう。

年代別|20代、30代、40代

電気工事士の平均年収は年代別で大きく異なります。20代・30代・40代それぞれのカテゴリーにおいて、性別の要素も組み合わせた表がこちらです。

年代 年齢 平均年収_男性 平均年収_女性
20代 20~24歳 359万円 294万円
25~29歳 437万円 341万円
30代 30~34歳 474万円 324万円
35~39歳 517万円 301万円
40代 40~44歳 549万円 347万円
45~49歳 591万円 396万円

参考:賃金構造基本統計調査

平均年収は年齢と共に上昇します。

男性では、20代前半と40代後半で約250万円もの差がついており、女性でも約100万円の差がついています。女性に関しては30代に年収が下がっていますが、40代では大きく上昇しています。

また、性別の差も大きいです。すべての年齢層において男性が女性の平均年収を大きく上回っており、200万円前後の差があります。

資格別|電気工事士一種、二種

電気工事士の平均年収は、取得している資格別で異なります。

以下は、求人ボックスで「第一種電気工事士」と「第二種電気工事士」の求人データを元に整理した値です。

資格 平均月収
第一種電気工事士 37.2万円
第二種電気工事士 32.8万円

参考:求人ボックス

第一種電気工事士を取得すると第二種電気工事士よりも平均月収が4.4万円アップします。

また、電気工事士の第一種と第二種では行える電気工事の作業量が異なります。

資格については詳細を後述しますが、第一種取得者は大きな設備の工事にも従事可能です。この差が平均年収にも影響を与えているといえます。

学歴別|高卒、大卒

電気工事士の高卒 / 大卒別の年収に関するデータは見つかりませんでした。そこで参考の1つとして、高卒と大卒の初任給のデータをご紹介します。(2024年6月現在における最新の情報です)

学歴 平均初任給
高校卒 16.7万円
高専・短大卒 18.3万円
大学卒 21.0万円
大学院修士課程修了 23.8万円

参考:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給

最終学歴が長いほど平均年収は上がっています。高卒と大卒では月額ベースで約5万円の差がついており、単純計算すると年収で約60万円もの差があります。

このデータは、電気工事士に特化したものではありません。ただし、初任給は上記が反映される可能性があります。

雇用形態別|正社員、派遣社員

電気工事士の平均年収は雇用形態別で異なります。正社員・派遣社員別に分けた平均年収のデータを下表にまとめました。

雇用形態 報酬 月収換算
正社員 平均年収420万円 約35万円(初任給約21万円)
派遣社員 平均時給1,639円 約30.2~32.8万円(月23~25日 / 1日8時間勤務)
アルバイト・パート 平均時給 1,195円 約22.0~23.9万円(月23~25日 / 1日8時間勤務)

参考:求人ボックス

正社員と派遣社員とで報酬形態が変わり、一概に比較することはできません。しかし、それぞれ月収に換算すると、正社員は約35万円で派遣社員は30万円前後です。

このように、正社員のほうが給料は高くなります。正社員はボーナスがあるため、高収入を目指す場合は正社員の枠を狙うと良いでしょう。

経験年数別

電気工事士の平均年収は経験年数で異なります。年数ごとの平均年収の推移を下表にまとめました。ボーナスとあわせて参考にしてください。

経験年数 平均月収 年間賞与(その他特別給与額)
0年 21.8万円 57.4万円
1~4年 23.4万円 65.5万円
5~9年 27.6万円 88.1万円
10~14年 28.6万円 104.5万円

参考:賃金構造基本統計調査
※上記数字は30~34歳のデータを元に計算

上記の表を見ると、経験年数と月収との比例関係がわかります。数年間で2万円近く、10年以上では7万円近くの月収差が出ています。

ボーナスに関しても同様で、経験年数が多くなるとボーナスの金額は上がります(その他特別給与額参照)。5年以上で30万円近く、10年以上で50万円近くの差です。

企業規模別

電気工事士の年収は、企業規模により異なる傾向があります。規模を3つのカテゴリーに分けて、月収と賞与をそれぞれ見てみましょう。

企業規模 平均月収 年間賞与(その他特別給与額)
10~99人 26.9万円 67.3万円
100~999人 27.8万円 69.5万円
1,000人以上 30.7万円 76.8万円

参考:賃金構造基本統計調査
※上記数字は30~34歳のデータを元に計算

上記の表から、平均月収も年間賞与も規模とは比例関係にないことがわかります。

企業規模が大きい会社であれば、月収や賞与が上がるとは限りません。100人未満の企業と1,000人以上の大企業を比較すると、月収については大企業が上回っていますが、大きな差がみられないことが分かります。

会社の規模に関しては平均年収と直接関係がないといえるでしょう。

地域別

電気工事士の平均年収は、地域別でも異なります。日本の各地域の平均年収を、高い順にまとめました。

地方 平均月収
関東 436万円
関西 413万円
東海 405万円
甲信越・北陸 392万円
四国 373万円
北海道・東北 374万円
中国 371万円
九州・沖縄 367万円

参考:求人ボックス

平均年収は地域差が大きく影響していることがわかります。

関東と九州・沖縄の平均年収は、約70万円の差です。やはり、関東や関西・東海など、大都市がある地域の年収は比較的高いレベルにあります。

下位の方を見ると、四国は6位で北海道・東北は全体の5位、中国は7位で九州・沖縄は最下位という結果になりました。ただし、下位の方の年収は大きな違いがありません。

これら4地域の人口を比較すると、四国は約378万人、中国は約736万人、北海道・東北は約1,415万人、九州は約1,436万人です。人口の差も平均年収に関係しているといえるでしょう。

電気工事士の年収が安いと感じたら?給料を上げる方法を紹介

電気工事士の年収を上げる

電気工事士が年収を上げる方法は、以下の4つです。

  • 資格を取得する
  • 実務経験や技能を積む
  • 現場監督や親方(独立)を目指す
  • 給料が高い会社に転職する

これらを実行することで、年収アップを実現できます。すぐに実践できないものもありますが、努力次第では比較的短い期間で達成できるため、ぜひ目指してみてください。

それでは、年収アップの方法の詳細を見ていきましょう。

資格を取得する

電気工事士が年収を上げる方法の1つは「資格を取得すること」です。電気工事士と関連する資格には、以下の3つがあります。

資格名 資格取得のメリット 講座情報
第一種電気工事士
  • 自家用電気工作物で、最大電力500キロワット未満の需要設備の電気工事に従事可能
  • 一般用電気工作物の電気工事に従事可能
  • 最大電力500 キロワット未満の需要設備(自家用電気工作物)を有する工場やビルなどに従事している場合、一定の条件下で電気主任技術者(許可主任技術者)として従事可能
詳細はこちら
電気工事施工管理技士
  • 営業所(建設業許可を取得した営業所)ごとに専任技術者として従事可能
  • 監理技術者・主任技術者として従事可能
  • 営事項審査の技術力評価で有資格者1人につき5点の加算(1級電気工事施工管理技士の場合)
詳細はこちら
電気通信工事施工管理技士
  • 一定規模の営業所や建設現場で必要な国家資格
  • 電気通信工事の実施にあたって必要な施工管理業務に従事できる
詳細はこちら

電気工事士と関連した資格を取得することで年収アップが期待できます。それぞれの資格について見ていきましょう。

■第一種電気工事士

電気工事士が年収を上げる方法として「第一種電気工事士の資格取得」が挙げられます。

第一種電気工事士とは、電気工事に関連した国家資格です。電気に関するノウハウやスキルを有している技術者に認定される資格で、第二種電気工事士の上位資格に該当します。

第一種電気工事士を取得すると資格手当による年収アップが期待できます。手当は企業によってばらつきがありますが、一般的には第一種の手当は第二種の手当の150〜250%です。そのため、年収アップには第一種の取得をおすすめします。

ただし、第一種電気工事士の資格手当が5,000円で第二種の資格手当が3,000円の場合、両方取得すると資格手当が8,000円とならず、第一種の5,000円に上書きされるといった企業が多いです。

また、第一種を取得すると作業範囲の拡大による年収アップも可能です。第二種では一般用電気工作物のみ従事できるのに対して、第一種は500kW未満の自家用電気工作物にも従事できます。作業範囲が広がれば、作業報酬が増えるのは自然なことです。

資格取得する上で、実務経験が重視されるのも年収の上がる理由です。第一種電気工事士として免状を受け取るには、試験合格後に実務経験を積む必要があります。

つまり、免状取得者は現場の経験があるため、スキルが担保されています。

第一種電気工事士の試験スケジュールや通信講座に関する情報を知りたい方は「第一種電気工事士 CIC日本建設情報センター」をご覧ください。

■電気工事施工管理技士

電気工事士が年収を上げる方法として「電気工事施工管理技士の資格取得」も挙げられます。

電気工事施工管理技士は、国土交通大臣指定機関により実施されている国家試験です。

1級と2級の種別があり、1級の場合は特定建設業と一般建設業の営業所ごとの専任技術者および現場に配置する監理技術者として従事できます。

2級の場合は、一般建設業の営業所ごとの専任の技術者および建設工事での主任技術者として従事できます。

電気工事施工管理技士取得者は、建設業界関連の資格の中でも重要性が高く、ステータス性のある資格です。実際、電気工事施工管理技士の平均年収は509万円と高い水準にあります。

電気工事士の平均は418万円であるため、約90万円も高いです。電気関連職で年収をアップさせたい場合に、取得を目指したい資格といえます。

電気工事施工管理技士の試験スケジュールや通信講座に関する情報を知りたい方は「電気工事施工管理技士 CIC日本建設情報センター」をご覧ください。

■電気通信工事施工管理技士

電気工事士とあわせて取得したい資格に「電気通信工事施工管理技士」もあります。

電気通信工事施工管理技士は、電気工事施工管理技士同様、施工管理の資格の1つで、全国建設研修センターによって実施されています。

1級と2級に分類されており、1級の場合は特定建設業と一般建設業の営業所ごとの専任技術者および現場に配置する監理技術者として従事できます。

2級は、一般建設業の営業所ごとの専任の技術者および建設工事での主任技術者として従事できます。

電気通信工事の実施にあたって必要な施工管理業務に従事できるため、電気工事以外の仕事の幅も広げられる資格です。

電気通信工事施工管理技士の試験スケジュールや通信講座に関する情報を知りたい方は、「電気通信工事施工管理技士 CIC日本建設情報センター」をご覧ください。

実務経験や技能を積む

電気工事士が年収を上げる別の方法は「実務経験や技能の積み重ね」です。

はじめは見習いからスタートするとしても、工事経験を積んで知識や技術を身につけていくことにより、多くの仕事を任せられたり役職に就いたりできます。

より多くの仕事を任せられれば、自然と給料が上がります。あるいは役職に就くことで手当てが出る可能性もあります。

先述の通り、経験年数の多さはある程度月収やボーナスに反映します。

在籍年数が長ければそれのみで自動的に給料があがるとは限りません。ただし、経験年数に伴う現場実績の積み重ねは、少なからず良い影響を及ぼすでしょう。

給料が高い会社に転職する

電気工事士が年収を上げる方法として「給料が高い会社への転職」も選択肢に挙げられます。

転職を成功するにはそれなりのスキルや実績が求められますが、前項で説明したとおり、努力を積み重ねることで可能性は高まります。

同じ仕事の内容でも給料が上がることでモチベーションアップにもつながるため、待遇や仕事の条件とあわせて転職先を探してみるのもよいでしょう。

現場監督や親方(独立)を目指す

電気工事士が年収を上げるほかの方法は「現場監督や親方、独立を目指すこと」です。

現場監督のように立場が上になることで、年収アップを期待できます。

また親方になったり独立したりすると、自身で仕事量を調整できます。やり方しだいでは、特定の企業に在籍するよりも効率の良い仕事の仕方が可能です。

実際、年収が1,000万円を超えるケースも存在します。もちろん工事スキルのみでなく、コミュニケーション能力や営業力も求められますが、年収アップを目指す方には良い選択肢の1つです。

電気工事士の年収に関するよくある質問

電気工事士の年収に関するよくある質問
ここでは、電気工事士の年収に関するよくある質問をまとめました。

電気工事士は年収1,000万円を目指せる?

電気工事士で年収1,000万円を目指す事は可能です。ただし、年収1,000万を目指せる会社は限られています。

また、年収が高い会社に転職するのみでなく、そこで役職(現場監督)を上げるよう努力する必要があります。あるいは、独立して個人収入を上げる努力が求められるでしょう。

電気工事士の一人親方は儲かる?お金持ちが多いって本当?

一人親方は「お金持ち」というイメージを持つ方は少なくありません。しかし独自調査した結果、平均年収は400~700万円との情報が多いことがわかりました。

冒頭でお伝えしたとおり、日本の平均年収は458万円(令和6年度最新情報)です。

そして電気工事士の平均年収は420万円です。一人親方で下限の年収は400万円ほどであることを考えると、必ずしも一人親方が儲かるとは言い切れません。

年収をどこまで上げられるかどうかは、個人のスキルはもちろん営業力にもかかってきます。やり方次第では上限の700万円もしくはそれ以上の金額を稼ぐことも十分可能です。

注意点として、一人親方になると社会保険の加入や営業を自身で行うなど、年収以外の考慮すべき要素があります。総合的な観点で比較し、一人親方の方が自身にとって良いのかを判断するようおすすめします。

まとめ

電気工事士の年収まとめ
本記事では、電気工事士の年収について解説しました。ここまでの概要をまとめると以下のとおりです。

  • 電気工事士の平均年収は、日本の全体平均年収より低め
  • 平均年収は、年齢・資格・学歴・雇用形態・経験年数・企業規模・地域などさまざまな要素で変動する
  • 平均年収を上げるためには、資格取得や経験値向上などの手段を講じると良い

現在電気工事士として働いている方や、今後に電気工事士として働く方も、年収アップを目指す場合は具体的な方法を検討しましょう。

年収が上がることで将来への安心感が得られます。また単にお金の話のみでなく、年収アップを目指すということは、取得する資格や積み上げられる実務経験を増やすことと関係します。

スキル向上や資格取得は、後々就職や転職で有利になる要素であるため、将来設計を考える上でも年収アップを視野にいれることは賢明です。


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