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ビル管理士の仕事内容や現場の実情は?向いてる人や業界で活躍するために大切なことは?

公開日:2022年9月6日 更新日:2024年11月12日

ビル管理士の仕事内容や現場の実情は?向いてる人や業界で活躍するために大切なことは?

ビル管理士の仕事内容や現場の実情は?
向いてる人や業界で活躍するために大切なことは?

ビル管理士06

ビル管理士は国家資格であり、特定建築物で選任が義務付けられていることから、ビル管理・不動産業界では比較的有名な資格です。

しかし、ビル管理士の仕事内容や現場の実情については、あまり広く知られていません。

また、ビル管理士は建物の環境衛生の指揮監督者として、一定の責任を求められるため、資格の取得を目指す方は、業務が自分に向いているのかどうか、改めて確認することをおすすめします。

そこで本記事ではビル管理士の仕事内容や現場の実情、向いている人の特徴について詳しく解説します。


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ビル管理士とは

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ビル管理士とは正式名称を「建築物環境衛生管理技術者」といい、建築物の環境衛生の維持管理業務の監督を行う国家資格です。

衛生的環境の確保に関する法律(通称ビル管法)により、特定建築物で選任が義務づけられていることから資格の需要は高く、年に1回実施される筆記試験では、毎年約10,000人前後が受験しています。

なお、ビル管法における特定建築物とは、特定用途に利用される部分の面積が、3000㎡以上の建物(学校の場合は8000㎡以上)と定められています。

ビル管理士の仕事内容

特定建築物に選任されたビル管理士は、環境衛生上の維持管理に関わる業務を担当することになります。

主な業務としては以下の通りです。

  • 管理業務計画の立案
  • 管理業務の指揮監督
  • 建築物環境衛生管理基準に関する測定または検査結果の評価
  • 環境衛生上の維持管理に必要な各種調査の実施

建物に常駐してビル管理士として仕事をする場合、設備点検や清掃などの年間スケジュール作成、各専門業者の指導・監督、点検や清掃報告書の取りまとめ、記録などの業務を担当します

実際に業務を行い、設備の異常や故障が見つかれば、修繕の手配なども行います。

点検や清掃を怠ると、異常や故障の見落としに繋がり、事故・クレームを招く可能性があります。

したがって、建物の利用者の満足度向上のためにも、ビル管理士は重要な役割を担っています。

また、保健所の立ち入り検査が行われた際の立会いも、ビル管理士の重要な業務の一つです。

保健所の立ち入りでは、設備機器の状態のほか、点検報告書などの書類の保管状況も詳細にチェックされるため、日頃から管理を怠らないことが大切です。

ビル管理士の主な就職先や業種

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ビル管理士は転職に有利な資格と考えられていますが、活かせる業界や職種はある程度限定されています。

以下にビル管理士が必要とされる業界や職種を紹介しますので、転職を検討している方は参考にしてみてください。

ビル管理業界

ビル管理士の知識をもっとも活用できるのは、ビル管理業界です。

ビル管理会社では、ビル管理士の資格取得が昇進や昇格につながるケースも多く、現場の責任者や本社の管理職など上位のポジションに就くための必須条件としている場合もあります。

実際、転職サイトでビル管理業界の求人を探すと、ビル管理士の資格所持を必須または歓迎条件とした求人が多数見つかることから、需要の高さが読み取れます。

ビルマネジメント・プロパティマネジメント業界

ビルマネジメントやプロパティマネジメントは、建物の設備点検や修繕のほか、入居テナントの募集や家賃の回収など、賃貸管理業務全般を担当する会社です。

ビル管理会社を統括する立場にあるため、実務を把握しておく必要があるため、ビル管理士の知識が有効活用できます。

なお、ビルマネジメントやプロパティマネジメントでは、賃貸管理の知識とビル管理の知識の両方が求められる傾向にあるので、宅地建物取引士や賃貸不動産経営管理士も併せて取得しておくと良いでしょう。

不動産業界(管理業)

不動産業界でも業種によってはビル管理士の資格が活かせる場合があります。

ビル管理士は建物管理に関わる資格なので、売買や賃貸営業ではあまり活かせることはありませんが、不動産管理会社では、知識が直接役に立つ場合があるでしょう。

もっとも、不動産管理会社の仕事は多岐にわたるため、自らビル管理士の選任者として勤務するケースは少ないと考えられますが、知識があれば設備のトラブル発生時などに速やかに対応できるでしょう。

ビル管理士の現場の実情

ビル管理士として現場で働く場合のやりがいや苦労、注意点などを詳しく把握している方は少ないでしょう。

ビル管理士として名義を出して働く方には、さまざまな職種や業種が考えられますが、建物の設備管理を行う方を中心に現場の実情をまとめます。

設備管理(常駐型)

オフィスビルや商業施設、学校、病院、ホテルなど比較的規模の大きい建物に常駐して設備管理を担当する仕事です。

一定以上の規模のビルには、中央監視室や防災センターといった建物の設備を集中的に管理する事務所があり、設備員や警備員が常駐しています。

ビル管理士として実務を担当する方は、主にこのようなビルに常駐する設備員であるケースが多いです。

ビル管理士の仕事では、建物内のささいな変化に気づけるかどうかが重要になりますが、常駐している設備員であれば、建物の状況を毎日のように見ていることから、ビル管理士として働きやすい傾向にあります。

一方で、こうした常駐型の設備員を配置するビルは規模が大きい場合が多く、点検する設備機器の種類や清掃範囲、必要書類のボリュームが非常に多く、チェックには時間を要するでしょう。

また、病院や大学、研究所などでは、特殊な設備が配置されているケースもあり、管理に高い専門知識を要求されることもあります。

設備管理(巡回型)

設備員が常駐しない小規模の建物では、複数の建物を担当する巡回型の設備員をビル管理士として選任するのが一般的です。

小規模といってもビル管理士の選任が必要な特定建築物は3000㎡以上の建物になるため、決して片手間でできる仕事ではありません。

巡回型の設備員は、通常は複数物件の設備遠隔監視が可能なセンターに待機しており、定期的な巡回点検、工事や小修繕のほか、事故・トラブル発生時などに管轄するビルを訪問することになります。

巡回型の設備員がビル管理士として働く場合、常駐型と違い毎日勤務する建物ではないため、建物の小さな変化を見落としがちな傾向にあります。

また、非常に多くの物件を抱えていると、ビル管理士として選任された建物であっても、細かいところまで手が回らず、仕事が粗雑になってしまう可能性があります。

一方、常駐の設備員を要さない建物であるため、規模はさほど大きくなく、設備や建物構造もシンプルなケースが多くなっています。

そのため、経験年数が少ない方が、多数のビルの特徴を勉強するには良い環境といえます。

統括管理

設備管理、清掃、警備といった建物管理業務すべてを管轄する業務です。

「所長」「統括所長」「センター長」といったポジションで現場に常駐して勤務する方が多いでしょう。

所長は現場のトップに該当するため、ビル管理士として選任されやすい傾向にあります。

統括管理業務では、設備管理以外にも清掃や警備のほか、建物管理に関わる総合的な知識を求められます。

また、設備員や清掃員、警備員の労務管理、マネジメント業務も行う必要があるので、知識があるだけでなく、人とのコミュニケーション能力も重要です。

一方、現場の管理業務においては、トップに位置する立場であるため、当然、給与などの待遇は一般の設備員より高く、自らの裁量で行使できる権限も広いことから、やりがいのある仕事といえます。

ビル管理士に向いてる人と向いていない人

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自分がビル管理士の仕事に適性があるのかどうか、判断がつかない方も多いでしょう。

そこで向いている人、向いていない人の特徴をまとめますので、ビル管理士の取得を目指している方は参考にしてください。

ビル管理士に向いている人の特徴

ビル管理士に向いている人の特徴として、以下の3つがあげられます。

  • 細かい点に気がつく人
  • 急なトラブルに冷静に対応できる人
  • 資格取得の意欲が高い人

設備機器の事故やトラブルを防止するためには、日常の細かい変化に気づけるかどうかが鍵になります。

そのため、毎日の巡回点検や定期的に行う保守点検時に、前回の点検との違い、不具合の兆候など細かい点に気づく人は適性があるといえます。

また、「空調が効かない」「漏水が発生した」など設備に関わる突発的なトラブルに対応しなければならないため、こうした急な状況に冷静に対応する能力も求められます。

もちろん、ビル管理士のような資格取得に対して意欲があることも大切です。

建物管理の仕事ではビル管理士以外にも重要な資格がたくさんありますので、常に知識を高める意識を持つことが大切になってきます。

ビル管理士に向いていない人の特徴

ビル管理士に向いていない人の特徴として、以下の3つがあげられます。

  • 規則的な勤務を希望している人
  • コミュニケーションが苦手な人
  • 資格取得の意識がない人

建物は24時間36日稼働しているので、設備管理の仕事では土日や夜勤を含むシフト制の勤務をするのが基本です。

そのため、平日勤務、土日休みといった規則的な勤務をしたい人は、希望とはかけ離れた勤務体制になってしまうため、就職先としておすすめできません。

また、コミュニケーションが苦手な人も、ビル管理士には向いていません。

設備管理と聞くと監視や点検業務が中心であるため、人と接する機会は少ないという印象が先行していますが、決して点検だけすれば良いのではなく、顧客への説明や点検業者への指示など、さまざまな場面でコミュニケーション能力が求められます

そして資格の取得の意欲がない方も向いていないといえます。

長期的に働きたいと思っている方にとっては、将来的に自分がどんな資格を取得すべきか、考えながら仕事を進めることをおすすめします。

業界で活躍するために

ビル管理に関わる業界で活躍するためには、以下の3点を意識することをおすすめします。

  • 色々な現場を経験する
  • コミュニケーション能力を向上させる
  • ビル管理士以外の上位資格の取得をする

現場によって業務のボリュームや忙しさが大きく異なるのが、この業界の特徴です。

特に商業施設や病院など、土日祝を問わず不特定多数の人が利用する施設では、設備点検や清掃の時間帯が制限されやすく、利用者の方のチェックも厳しい傾向があります。

しかし、仕事は大変ですが、難しい現場の経験を通して得られるものも大きく、顧客への説明やクレーム対応をこなすことで、コミュニケーション向上が期待できます。

また、小規模物件の場合、一人で複数の現場を担当することがあります。

多数のビルの構造や設備を頭に入れる必要があるので、一つの現場の常駐管理とは違った難しさがあります。

そしてビル管理士以外の資格にチャレンジすることも大切です。

特に次にステップとして、「第三種電気主任技術者’(電験三種)」「エネルギー管理士」の取得を目指すことをおすすめします

ビル管理士と上記2点の資格を合わせてビルメン三種の神器と呼ぶことがあり、3つすべてを取得している人は業界内で非常に重宝されます。

転職・昇進・資格手当などさまざまな手段で有利に働くので、ぜひ挑戦してみてください。

まとめ

ビル管理士の仕事内容や現場の実情は、あまり表に出ない内容も多く、業界で働いた経験がない方の場合、得られる情報が限られています。

ビル管理会社に所属している方であれば、実際に現場で働く方の意見を聞いたり、上司や同僚に相談したりして、自分なりに情報を集めることが大切です。

また、設備管理の仕事をする場合、建物の規模や種類によって仕事内容や忙しさなどが大きく異なります。

そのため、色々な現場を経験して、建物の構造や設備機器に触れることが大切です。

ビル管理士の資格を取得して満足するのではなく、ぜひ次のステップに進むことを目指してみてください。

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