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ビル管理士の年収は高い?仕事でできることや将来性、年収アップの方法まで徹底解説!
公開日:2022年9月6日 更新日:2023年3月29日
ビル管理士の年収は高い?仕事でできることや将来性、年収アップの方法まで徹底解説!
ビル管理士の年収は高い?
仕事でできることや将来性、年収アップの方法まで徹底解説!
ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)はビルメンテナンス業界において非常に重宝される資格です。
建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称ビル管法)により、3000㎡以上の特定建築物(学校の場合は8000㎡以上)で選任が義務づけられていることから、所持しているだけでも一定の価値があるといえます。
ビルメンテナンス業界では実務で役立つばかりでなく、業界内での転職や昇進にも有効な資格の一つです。
本記事では建築物環境衛生管理技術者の年収のほか、仕事内容や将来性について詳しく解説します。
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建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の年収は平均350~450万円
建築物環境衛生管理技術者の平均年収は、年齢や勤続年数、雇用形態、地域などによって差がありますが、おおよそ350~450万円程度が水準となっています。
ビルメンテナンス業界全体の平均年収が300~350万円程度であるため、資格を取得している人が、業界内で比較的高い年収を得ている現状が分かります。
ただ、国税庁が発表した「令和2年分 民間給与実態調査統計」によると、日本人の平均年収は約430万円となっているため、全体と比較するとあまり高い水準でないように感じられます。
しかし、前述した建築物環境衛生管理技術者の平均年収は、正社員以外の雇用形態(アルバイト、派遣社員、契約社員など)も含まれているため、正社員として勤務している人に限定すれば、平均年収はより高い数値になることが予想されます。
特に都内を始めとした都市部では、450万円を上回る年収を得ている人も少なくないものと考えられます。
したがって、平均年収はあくまで参考程度と捉えておき、勤務先、職種、雇用形態などに目を移したほうが、現実的な数値が見えてくることでしょう。
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の仕事でできること
建築物環境衛生管理技術者になると具体的にどんな仕事ができるのか、以下に解説します。
特定建築物で選任義務がある
特定建築物とは3000㎡以上の建物(学校の場合は8000㎡以上)のことをいいます。
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」では、特定建築物の所有者等は特定建築物の維持管理が環境衛生上適正に行われるように監督させるため、建築物環境衛生管理技術者を選任しなければならないと定められています。
したがって、建築物環境衛生管理技術者を選任できるのは、資格の免状を所持している人に限定されるため、有資格者はそれだけで価値のある存在と見なされる傾向にあります。
なお、選任者は特定建築物の所有者との間に何らかの法律上の関係があれば問題なく、必ずしも物件に常駐する必要はないとされています。
そのため、ビルメンテナンス業界では現場に勤務する従業員以外の人を選任者とするケースもあります。
特定建築物における環境衛生上の維持管理業務全般
建築物環境衛生管理技術者は、特定建築物における環境衛生上の維持管理業務全般を監督することができます。
具体的には以下の業務が該当します。
- 管理業務計画の立案
- 管理業務の指揮監督
- 建築物環境衛生管理基準に関する測定または検査結果の評価
- 環境衛生上の維持管理に必要な各種調査の実
保健所による特定建築物の立入検査の対応
建築物環境衛生管理技術者は日常業務のほかの重要な仕事の一つとして、保険所の立入検査が行われた時の対応があります。
保健所の立入検査の頻度は地域によって多少の差異がありますが、特定建築物では4~5年に1回程度の頻度で行われるのが一般的です。
立入検査の際は、建築物環境衛生管理技術者が立ち会わなければならず、保健所の検査員に対し設備の維持管理状況の説明や、帳簿書類の保管状況の確認などを行う必要があります。
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格を取得するメリット
建築物環境衛生管理技術者を取得すると、具体的にどんなメリットがあるのか、以下に解説します。
転職や昇進に活かせる
特定建築物で選任義務があることから、建築物環境衛生管理技術者の有資格者はビルメンテナンス業界で多くの需要があります。
実際、転職サイトの求人を見ても、建築物環境衛生管理技術者の資格所持を必須または歓迎条件とした求人は多数見つかります。
この資格を所持していれば、少なくともビルメンテナンス業界で仕事が見つからないことはないでしょう。
また、資格取得を昇進・昇格の評価ポイントとしている会社も多いため、現場の統括所長など上のポジションを目指すのであれば、ぜひ取得しておきたいところです。
資格手当が得られる
ビルメンテナンス業界では業務上で必要となる資格が多数あります。
建築物環境衛生管理技術者のほかにも選任が義務づけられる可能性のある資格(電気主任技術者、エネルギー管理士、防火管理者など)や、電気工事士のように所持していることで工事が可能になるケースもあります。
そのため、ほとんどのビルメンテナンス会社では資格手当を設けています。
建築物環境衛生管理技術者はビルメンテナンスに関わる資格の中でも上位資格とされており、試験での合格率が10〜20%台と取得が難しいことから、資格手当も高めに設定される傾向にあります。
会社によって差異はありますが、一般的には毎月5000円~8000円程度が相場と考えられます。
ビル管理に関する総合的な知識が身につく
建築物環境衛管理技術者の知識は、実務で知識を活用することができます。
建築物環境衛生管理技術者を取得するためには、年1回実施される筆記試験に合格するか、講習を受講する方法があります。
どちらの場合でも、給排水、空調、清掃、害虫駆除など建物管理に関わる総合的な知識が求められ、合格は困難です。
試験の場合でも講習の場合でも、資格取得のために学習することで、ビル管理に関する総合的な知識が身につくでしょう。
特に現場の設備員、清掃員あるいは統括責任者として勤務する場合、日常業務のほか、トラブルが発生した際の対応方法など、知識が活かせる場面が多く発生するでしょう。
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の今後の需要と将来性
建築物環境衛生管理技術者は今後も需要があり、将来性の見込める資格といえます。
以下に需要や将来性が期待できる主な理由を2つ紹介します。
建物が存在する限り需要がある
建築物環境衛生管理技術者は特定建築物で選任が義務づけられていることから、今後も建物が存在する限り、必ず求められる資格といえます。
また、建物を維持していくためには空気環境測定、消防設備点検など、さまざまな保守点検を実施しなければなりません。
こうした点検の計画やチェック、点検結果書類の保管なども建築物環境衛生管理技術者の重要な業務となります。
規模の大きい建物になると、保守点検の種類や回数も多く、膨大な数の点検結果書類を取りまとめる必要が出てくるため、建物の所有者が自ら行うのは困難です。
こうした業務をこなすためには、管理監督の知識がある建築物環境衛生管理技術者の存在がより重要視されるようになるでしょう。
社会的な関心が高まっている
昨今、新型コロナウイルスの影響などにより、社会全体として環境衛生への関心が高まっています。
オフィスビルや商業ビルのテナントやマンションの入居者など、建物内の空気環境の状態を今まで以上に気にするようになり、建物環境に関してビル管理会社への問い合わせ・クレームが増加しています。
建物の利用者に対して、正確な回答を行うには一定の知識が必要になるため、クレーム対応という意味でも、建築物環境衛管理技術者は重要な存在となりつつあります。
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)で年収を上げる方法
年収を上げる目的で建築物環境衛生管理技術者の資格取得を目指す人も多いでしょう。
以下に資格を活かして年収を上げる方法を2つ解説します。
資格を活かして転職や昇進を狙う
建築物環境衛生管理技術者はビルメンテナンス業界の中では評価の高い資格です。
そのため、同業他社であれば現状より好条件の求人を見つけやすいほか、転職サイトなどに登録すればスカウトが来るケースも増えるでしょう。
また、ビルメンテナンス業を統括する立場として、ビルマネジメントの仕事がありますが、こうした業界はビルメンテナンス業界より平均年収が高い傾向にあります。
ビルマネジメントはビルのオーナー代行として、運営管理全般を任される立場であるため、年間予算計画の作成、テナントの募集及び誘致や折衝、家賃管理など、ビルメンテナンスとは違い不動産経営に関する能力やスキルが求められますが、ビルメンテナンスの知識も活かせる業界であるため、キャリアアップを目指す人は転職を考えるのもおすすめです。
また、資格を取得すれば、会社内での昇進・昇格にも繋げられます。
設備員としてのポストより、設備長や統括責任者など、資格取得によって高い立場に昇進できれば、給料も上がっていくでしょう。
ただし、給料が高くなれば、責任も重くなり仕事も高いレベルが求められる傾向にある点は理解しておく必要があります。
資格手当や選任手当を狙う
前述したように、多くのビルメンテナンス会社では建築物環境衛生管理技術者を取得することで、資格手当を得ることができます。
また、建築物環境衛生管理技術者として選任された場合、資格手当とは別に選任手当が支給される会社もあります。
資格手当に加えて選任手当がつけば、毎月の給料はさらに増えるので、年収アップに繋がるでしょう。
関連資格や上位資格を取得する
建築物環境衛生管理技術者を取得できた人は、さらに以下の資格の取得を目指すのがおすすめです。
- 第三種電気主任技術者’(電験三種)
- エネルギー管理士
第三種電気主任技術者は「電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安の監督ができる資格」、エネルギー管理士は「エネルギー使用の合理化に関して、エネルギーを消費する設備の維持、エネルギーの使用の方法の改善及び監視、その他経済産業省令で定める業務の管理を行う資格」です。
建築物環境衛生管理技術者の試験では、空調、給排水、清掃、害虫駆除などビルメンテナンスに関わるほとんどの分野が出題されるため、幅広い知識が必要とされますが、電気や省エネの分野は含まれていません。
しかし、ビルメンテナンスの実務では電気設備に関する工事やトラブル対応が必要な場面が多々あるため、建築物環境衛生管理技術者の知識のみで対応できない時もあるでしょう。
なお、建築物環境衛生管理技術者、第三種電気主任技術者、エネルギー管理士の3つをビルメン三種の神器と呼ぶことがあり、3つすべてを取得している人は業界内で非常に重宝され、転職・昇進・資格手当などさまざまな手段で年収アップが期待できます。
このほかにも、有効な資格はたくさんありますが、代表的なものでビルメン四点セットと呼ばれる以下の資格があります。
- 第二種電気工事士
- 2級ボイラー技士
- 危険物取扱者乙種4類
- 第三種冷凍機械責任者
ビルメン四点セットは筆記・実技試験などで取得することができ、決して簡単な試験ではありませんが、建築物環境衛生管理技術者に合格できる実力のある人なら、しっかりと試験対策をすれば取得は難しくないでしょう。
複数の資格を取得すれば、知識が高まり実務上役立つだけでなく、資格手当や選任手当をさらに増やしていくこともできるので、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。
まとめ
建築物環境衛生管理技術者は、ビルメンテナンス業界で働く人であれば、ぜひ取得しておきたい資格です。
試験は年1回であり、合格率は10~20%台で推移していますが、試験範囲が広く科目毎に合格基準点があるため、決して甘い試験ではありません。
しかし、ビルメンテナンス会社であれば有資格者は一目置かれる存在になるほか、転職や昇進にも繋げられます。
また、特定建築物での選任義務があり、社会的にも環境衛生の関心が高まっていることから、今後も需要や将来性が期待できる資格といえます。
2年以上従事した経験があれば、受験資格を得られるため、ビルメンテナンス業界で働き続ける意思のある人は、できるだけ早い段階でチャレンジすることをおすすめします。
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