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コンクリート技士の年収は高い?仕事内容と将来性、年収アップの方法まで徹底解説!
公開日:2022年8月9日 更新日:2023年3月29日
コンクリート技士の年収は高い?仕事内容と将来性、年収アップの方法まで徹底解説!
コンクリート技士の年収は高い?
仕事内容と将来性、年収アップの方法まで徹底解説!
この記事をお読みの方のなかにはコンクリート技士を目指している方、コンクリート技士の資格を取るように勧められた方も多いでしょう。
働く方にとって、年収は気になるもの。
コンクリート技士の資格を取ることで、年収のアップが期待できます。
本記事ではコンクリート技士の年収について、一般的な会社員や関連する業種・職種・資格と比較しながら解説します。
またコンクリート技士の将来性や年収アップの方法も確認していきましょう。
目次
最終更新日:
コンクリート技士の年収は平均500万円
「求人ボックス」によると、2022年6月におけるコンクリート技士の平均月給は35万6,000円となっています。
ボーナスを年間2カ月分と仮定すると、年収は498万4,000円。おおむね500万円に到達します。
もっとも給与は企業により、また地域による違いがあります。
たとえば東京都の企業における平均年収は550万円です。
一方で月給は、20万円から60万円まで幅広く分布しています。
コンクリート技士の資格を持つことで自動的に高収入を得られるとは限らないという点を認識しておきましょう。
コンクリート技士の年収は高い?低い?
平均年収500万円という金額は、高いように見えます。
会社員全体からみて、コンクリート技士の年収は高いのでしょうか。
ここでは他の業種・職種や資格との比較も含めて、解説していきます。
平均的な会社員との比較
コンクリート技士の平均年収は、正社員で働く会社員の平均年収とほぼ同額です。
国税庁が公表した「令和2年分 民間給与実態統計調査」では、以下の結果が公表されています。
項目 | 金額や割合 | 備考 |
---|---|---|
民間企業に勤める方の平均給与 | 433万円 | |
民間企業に勤める正社員の平均給与 | 496万円 | |
年収200~300万円の方の割合 | 15.5% | 年収300万円の方は下位37.7%以内 |
年収300~400万円の方の割合 | 17.4% | |
年収400~500万円の方の割合 | 14.6% | |
年収500~600万円の方の割合 | 10.2% | 年収500万円の方は上位30.3%以内 |
年収500万円という金額は会社員全体の上位3割前後に入る、高い収入額です。
コンクリート技士は、高収入が期待できる資格といえるでしょう。
もっとも、全員が高い給与を得られるとは限りません。
コンクリート技士は、人により年収の差が大きい特徴を持つ資格です。
なかには年収300円未満、会社員全体からみて下位3分の1以内に入る方もいるのではないでしょうか。
このため「コンクリート技士の資格を取ったので、年収500万円が約束される」と早合点しないようにしましょう。
他の業種・職種や他の資格との比較
他の資格や関連する業種や職種と比べて、コンクリート技士の年収は高いのか低いのかも気になるところです。
以下の表で比較してみました。
資格や業種・職種 | 年収 |
---|---|
コンクリート診断士 | 483万円 |
現場監督 | 472万円 |
建設作業員 | 404万円 |
一級建築士 | 521万円 |
コンクリート技士は一般の作業員よりも高く、現場監督やコンクリート診断士とほぼ同じ額の年収が期待できます。
一方で一級建築士と比べた場合の年収はやや低めです。
コンクリート技士の仕事内容
コンクリート技士の仕事内容は、大きく3つに分かれます。
いずれも安全・安心な建築物をつくるうえで、欠かせない役割を担っています。
それぞれの仕事内容を、順に確認していきましょう。
原料の配合を決める
コンクリートの材料は、水と砂、砂利などが挙げられます。
これらは自然が作った材料であることが特徴。
たとえば砂利ひとつ取ってみても、成分の構成や比率は砂利ごとに異なります。
実際にコンクリートを製造する際には、気温など当日の気候も影響することに注意が必要です。
コンクリートの製造は機械化が進んでいるものの、いつでも同じ割合で配合すれば品質の高い製品を提供できるわけでもありません。
業者からのオーダーは同じであっても、毎回試し練り(試験練り)を繰り返し、要求を満たす配合割合をその都度決める必要があります。
これを成功させることは、職人技といえるでしょう。
コンクリート技士の資格が役立つ場面のひとつです。
コンクリートの品質をチェックする
コンクリートの品質チェックは、コンクリート技士の代表的な業務に挙げられます。
そもそも求められるコンクリートの品質は、建物により異なるもの。
建設工事の現場ではオーダーに沿ったものが納品されているか、以下に挙げる3つの検査を行いチェックしています。
- スランプ試験
- 空気量の測定
- 塩化物イオン濃度の測定
スランプ試験ではスランプコーンにコンクリートを入れて引き上げ、コンクリートの高さを測ります。
引き上げる前に詰めたコンクリートの高さと比較し、流動性をチェックする試験です。
多いときには1日に何箇所も現場を訪問し、これらの作業を短時間で行わなければなりません。
このため、ある程度の体力は必要です。
これ以外にも、破壊検査やコンクリートの品質管理といった業務もあります。
高い品質のコンクリートを提供することは、コンクリート技士の重要な業務です。
適切な施工を行う
建設現場でコンクリートを受領した後も、コンクリート技士が活躍する場面があります。
強さと耐久性を満たす建物をつくるためには、施工におけるさまざまなルールを守らなければなりません。
コンクリート技士はコンクリートに関するプロフェッショナルとして、豊富な知識をもとにアドバイスを行えます。
これにより、適切な施工を行えるよう導くことも見逃せない役割のひとつです。
コンクリート技士の資格を取得するメリット
コンクリート技士の資格を持つことで、3つのメリットが得られます。
それぞれどのようなメリットがあるか、確認していきましょう。
仕事上のメリット
コンクリート技士はコンクリートに関する基礎的なスキルを持ち、JIS等の基準に基づいた業務遂行や結果の判定を行える資格です。
資格を取ることで、コンクリートに関する一定のスキルを持つ技術者と認められます。
より責任が大きくやりがいのある仕事を任されやすくなることは、メリットといえるでしょう。
またコンクリートの製造工場や施工現場などでは、コンクリート技士または同等レベルのスキルを持つ技術者が必要です。
コンクリートを扱うさまざまな職場で求められることは、コンクリート技士の資格を取得する主なメリットに挙げられます。
金銭的なメリット
企業によっては合格報奨金や資格手当を受け取れる可能性があることも、コンクリート技士の資格を取得するメリットに挙げられます。
毎月1万円以上の資格手当を支給する企業があることは、注目しておきたいポイントです。
また「コンクリート技士の資格」が昇格の条件となっている場合は、資格を得ることが基本給の増加につながります。
責任ある仕事を任される可能性も高まり、一層の活躍も期待できるでしょう。
コンクリート技士の取得により、年収を増やすことが可能です。
経済的な安定とやりがいのアップが期待できるでしょう。
他の資格を取得する際のメリット
コンクリート技士の資格を持つ方は、「コンクリート診断士」を受験できます。
厳しい受験資格が設けられている試験ですが、コンクリート技士の資格があれば出願可能。
実務経験の証明もいりません。
さらなるステップアップを図れることも、コンクリート技士の資格を持つメリットといえるでしょう。
コンクリート技士の将来性
人口減少が叫ばれている現代ですが、ビルの需要は大都市圏を中心に高まっています。
実際に東京などでは21世紀になってから、さまざまな箇所で高層ビルを中心とした建築物が続々とつくられています。
コンクリートはビルをつくる必須の材料として、これからも使われ続けるでしょう。
コンクリート技士は安全な建物をつくるうえで、また安心して暮らせる日々を送るうえで欠かせない役割を果たします。
加えてビルの耐用年数には限りがあるため、古いビルは作り換えなければなりません。
この際も新しいビルの建設に、コンクリート技士は不可欠です。
コンクリート技士は都市部を中心に、一定の需要が見込める資格といえるでしょう。
コンクリート技士で年収を上げる方法
コンクリート技士の資格を活かして年収を上げる方法は、大きく4つに分かれます。
どのような取り組みを行えば年収を上げるチャンスが得られるか、確認していきましょう。
仕事で実績を挙げ、評価される
仕事で実績を挙げることは、年収を上げる最も基本的な方法です。
以下に挙げる項目に取り組むことで、年収のアップが期待できます。
- 試験勉強で得た知識を、実務に活かす
- 与えられた仕事や役割はもちろん、ワンランク上の仕事にも挑戦する
- 創意工夫を行い、業績の向上に努める
- 後輩など、下位者の指導を十分に行う
コンクリート技士の資格を取得した方は、無資格者と比べて高いパフォーマンスが期待されています。
勤め先の期待にしっかりと応えることは、年収を上げる近道です。
上位の資格を取得する
コンクリート技士の上位にあたる資格として、コンクリート主任技士があります。
コンクリート主任技士はコンクリート技士と比べて、応用力が求められる資格です。
創意工夫が必要な現場において、実力を発揮できることでしょう。
より高い年収も期待できます。
資格手当がある会社の場合は、コンクリート主任技士になると増額される可能性もあります。
コンクリート技士の経験を積みながらコンクリート主任技士を目指すことも、年収を上げるよい方法のひとつです。
他の資格を取得する
関連する資格の取得も、年収のアップにつながります。
日本コンクリート工学会では、コンクリート診断士の試験も実施。
コンクリート診断士の資格を取ることで、コンクリートの診断や維持管理のスキルが認定されます。
コンクリートに関する広い範囲のスキルが得られるとともに、年収のアップにもつながることでしょう。
コンクリート技士は、建設・建築系の資格です。
この分野に属する資格を取得することも、良い方法に挙げられます。
さきに紹介した一級建築士は、コンクリート技士よりも高い年収が期待される資格です。
転職する
「働きぶりや頑張りに見合った給与を受け取れていない」このような不満を持つ方も、多いのではないでしょうか。
企業は業績や運営方針などの理由により、スキルレベルや業績への貢献度に見合った給与を提示できない場合があります。
また皆さまのなかには、今より高い給与の求人を見つけた、他社からより高い給与で働かないかといった誘いを受けた方もいるかもしれません。
上記のどれかに該当する方の場合は、転職することで年収をアップできる可能性があります。
より高い年収とやりがいを求めて、転職活動を進めることもよい方法に挙げられます。
もっとも公表されている情報は、そのままご自身に当てはまるとは限りません。
転職する前には仕事内容や給与など、条件をしっかり確認したうえで決断することをおすすめします。
まとめ
コンクリート技士の資格は、あなたを担当者からステップアップさせるよい契機となります。
責任ある仕事を任されやすくなること、年収が大幅にアップすることは主なメリット。
会社員全体のうち、上位30%以内の年収を得ることも十分に可能です。スキルアップと経済的な余裕も得られます。
ビルの建設工事は急に減少しにくいため、安定性が高いこともメリットといえるでしょう。
コンクリート技士の資格をお持ちでない方は、積極的にチャレンジすることをおすすめします。
すでにお持ちの方は資格を活かし、さらなるステップアップにつなげましょう。