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コンクリート技士の合格率はどれくらい?難易度や合格ラインについて解説
公開日:2022年8月9日 更新日:2023年3月29日
コンクリート技士の合格率はどれくらい?難易度や合格ラインについて解説
コンクリート技士の合格率はどれくらい?
難易度や合格ラインについて解説
コンクリートに関する仕事に就く方のなかには、コンクリート技士の受験をすすめられた方もいるのではないでしょうか。
試験で気になるポイントには、難易度や合格率、合格ラインが挙げられます。
また仕事をしながら無理なく勉強を進められるのかという点を、気にする方も多いでしょう。
コンクリート技士は事前の準備をしっかり行っておけば、現場の第一線で働く方でも合格できる試験です。
この記事ではコンクリート技士が合格しやすいかどうか、またどのくらいの学習時間が必要かという点、おすすめの勉強法などを取り上げ解説します。
最終更新日:
コンクリート技士とは?
コンクリート技士は、生コンクリートを扱う仕事で役に立つ資格です。
資格が役立つ職種の代表として、コンクリートの製造が挙げられます。
それ以外にも建設業やコンクリート試験所など、コンクリートに関わる職場で役立つことは大きな特徴。
多くの企業から求められている資格といえるでしょう。
詳しくは、「コンクリート技士とは?受験資格や業務内容、取得のメリットまで紹介」記事をご参照ください。
コンクリート技士の合格ライン
コンクリート技士試験の合格ラインについて、試験を実施する日本コンクリート工学会は公開していません。
しかし多くの情報から、合格ラインは70%程度の正解率とみられています。
合格ラインは、年により変動する可能性があることに注意が必要です。
事前にしっかり学習し、正しい知識を得たうえで試験に臨みましょう。
コンクリート技士の合格率
コンクリート技士は受験者のうち、どのくらいの方が合格する試験なのでしょうか。
ここからは過去5年間の結果から、コンクリート技士の合格率を確認していきましょう。
過去5年間の合格率
2017年から2021年に実施された試験の合格率は、以下の通りとなっています。
年 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|---|
2021年 | 30.6% | 9,037人 | 2,762人 |
2020年 | 30.7% | 8,149人 | 2,501人 |
2019年 | 29.5% | 8,758人 | 2,583人 |
2018年 | 29.6% | 8,946人 | 2,644人 |
2017年 | 28.5% | 9,056人 | 2,584人 |
上記よりコンクリート技士試験は、以下の特徴を持つ試験であることがわかります。
- 毎年9,000人前後が受験する
- 30%程度の方が合格し、毎年2,700人程度の合格者を出す
受験者数、合格者数、合格率とも、変動の少なさが特徴です。
年による合格のしやすさ・しにくさは、あまりない試験といえるでしょう。
合格率は地域差あり。年によって変動する
全国的にみると毎年の合格率は同じような数字ですが、地域別に見ると年ごとの変動は大きくなっています。
以下の表で確認していきましょう。
横にスワイプで左右にスライドできます。
試験地 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 |
---|---|---|---|---|---|
札幌 | 24.6% | 26.0% | 28.0% | 33.2% | 28.3% |
仙台 | 25.6% | 24.9% | 26.2% | 25.5% | 23.7% |
東京 | 34.1% | 35.4% | 33.1% | 32.8% | 32.0% |
名古屋 | 31.5% | 29.7% | 29.4% | 28.8% | 29.8% |
大阪 | 29.1% | 28.8% | 25.7% | 28.3% | 25.8% |
広島 | 29.9% | 31.1% | 30.5% | 32.7% | 31.8% |
高松 | 28.8% | 28.6% | 29.4% | 33.0% | 25.6% |
福岡 | 30.7% | 29.6% | 27.6% | 25.0% | 26.9% |
沖縄 | 24.1% | 25.4% | 29.6% | 19.8% | 20.1% |
地域により、合格率に10%以上の差が出ている年が多くなっています。
東京会場での合格率は全国平均よりも高く、おおむね3人に1人は合格。
名古屋や広島会場での合格率も高めです。
一方で、仙台会場での合格率は4人に1人程度。
沖縄会場の場合は、合格率が20%を切る年もあります。
これらの地域にお住まいの場合は、万全の対策をして試験に臨むことが重要です。
また札幌や高松、沖縄など、年によって合格率が大きく変わる会場もあります。
「前の年に受けた人は楽に合格できた」などと油断せず、しっかり受験勉強を行うことが重要です。
コンクリート技士の難易度
合格率があまり高くないコンクリート技士ですが、試験の難易度はどの程度なのでしょうか。
ここからは3つの観点に分けて、試験のレベルを確認していきましょう。
しっかり学習すれば合格も十分に可能
コンクリート技士の合格率が低い原因のひとつに、ぶっつけ本番で試験に臨む受験者も少なくない点が挙げられます。
現場で日々コンクリートを扱うプロならば、コンクリート技士の試験はやすやすと合格しそうですが、現実はそこまで甘くありません。
そもそもコンクリート技士は、コンクリートに関するさまざまな業務スキルを試す試験であることを忘れてはなりません。
実際に、試験はコンクリートに関する幅広い内容から出題されます。
しっかり学習していないと業務で担当していない分野の設問に対応できず、落ちてしまいます。
一方で仕事をしながらしっかり学習した方にとって、コンクリート技士は難しい試験ではありません。合格も十分に可能です。
選択式だがスピード勝負であることに注意が必要
コンクリート技士の試験問題は、四肢択一式です。
○×式の問題が出題される場合もある一方で、小論文や記述問題はありません。
選ぶだけで済むため、一見して簡単な試験のように見えます。
しかし、試験時間に対して問題数が多いことには注意が必要です。
たとえば2020年・2021年の場合は、2時間の試験時間に対し36問が出題されました。
1問当たりおよそ3分で解答しないと、すべての問題を解くことができません。
迷ったり悩んだりするとあっという間に試験の終了時刻となり、不合格となる可能性が高くなってしまいます。
事前にしっかり試験勉強を行い正しい知識を身につけていなければ、どの選択肢を選べばよいか迷う設問が多く出てしまうでしょう。
迷わず正しい選択を行えるよう、しっかり学習を進めることが重要です。
加えて過去問を解き試験形式に慣れることも、対策の方法として有効です。
関連する資格との比較
コンクリート技士は、取得しやすい資格なのでしょうか。
ここからは他の土木・建築系資格と、難易度を比較していきます。
日本コンクリート工学会が実施する資格には、「コンクリート主任技士」と「コンクリート診断士」があります。
いずれも、コンクリート技士よりも難しい資格です。
特にコンクリート診断士の資格試験は、実務経験だけでは受験できないことが特徴的です。
土木・建築系の資格には、「土木施工管理技士」「建築施工管理技士」「二級建築士」もあります。
いずれも、合格には幅広い知識が必要です。
加えて土木施工管理技士や建築施工管理技士の試験には、以下の難しさがあります。
- 記述式の設問があるため、正確な知識がないと解答できない
- 実務経験をもとにした解答を求める設問がある
上記は、コンクリート技士の試験と異なる点です。
一方で二級建築士には、設計製図の試験があります。
図面を正確に書けなければ、合格できません。
このように土木・建築系の資格全体でみた場合、コンクリート技士は比較的難易度の低い資格と考えられます。
コンクリート技士の合格に必要な学習時間と勉強時間
コンクリート技士の試験を受ける方にとって、試験勉強をどのくらい行えば合格できるかという点はやはり気になるもの。
この点について、詳しく確認していきましょう。
合格に必要なトータルの学習時間
コンクリート技士の合格に必要な学習時間は、トータルで100~140時間程度が目安です。
学習は、試験日の3カ月前から始めるとよいでしょう。
仕事をしながら勉強するわけですから、ときには勉強時間を取れない日も出てきます。
余裕をもってスタートすることで必要な学習時間を確保でき、合格に向けた準備を行えます。
日々の勉強時間
コンクリート技士の学習にあたり、日々多くの時間を割く必要はありません。
1日当たりの学習時間は、1時間から1時間半程度。
この程度であれば、ねん出できる方も多いのではないでしょうか。
公共交通機関を使って通勤している方は、通勤中の車内で学習を済ませることもよい方法のひとつです。
そもそもコンクリート技士試験は、現場の第一線で働いている方やコンクリートに関する研究者が受ける試験です。
このため、一日中机にかじりつく必要はありません。
むしろダラダラと長時間かけて学ぶ方法は、集中力が下がるためおすすめできません。
多くの受験者は、通勤時間や退勤後、休日など、限られた時間を使って勉強しています。
すきま時間を有効活用し、集中力を高めて学ぶことが合格の秘訣です。
合格につながる学習のポイント
せっかくコンクリート技士試験を受験するなら、一度で合格したいもの。
そのためには、正しい方法で準備を進めることが欠かせません。
ここからは合格につながる学習のポイントを2つに分け、試験勉強の進め方を考えていきます。
信頼できる教材を使ってインプットする
コンクリート技士を学ぶ教材には、無料の動画などさまざまな種類があります。
しかし確実に合格を勝ち取るためには、専門家が監修した信頼できる教材を選ぶことがおすすめです。
これらは、以下に挙げる方法で入手・受講できます。
- テキスト
- 通信講座
- スクール
合格には、適切なインプットが必要です。
用語を正しく理解すること、計算問題をマスターすることを心がけましょう。
正しく理解するためにも、専門家が監修した教材の活用が重要です。
日本建設情報センターではコンクリート技士を目指す方に対し、通信講座を用意しています。
テキストや問題集に加えて、合計11時間の映像教材を視聴可能。
Webでの閲覧とDVDを選べますから、インターネット環境が安定しない地域にお住まいの方も安心です。
加えて東京では、2日間の講習も開講します。
どちらも4万円前後で、プロによる密度の高い講義を受けられます。
合格までのサポートが得られることも、心強いポイント。あなたに合った学習方法を選びましょう。
過去問や問題集を使い、制限時間内に解き終わるよう実力を高める
「選択式だがスピード勝負であることに注意が必要」の項目でも解説したとおり、コンクリート技士の試験は1問当たりの時間が短いことに注意が必要です。
たとえば36問すべてに対して正解を導き出せても、合計で3時間もかかってしまうようでは合格できません。
加えてスピーディーに解答するためには正しい知識を得るだけでなく、出題形式に慣れることも必要です。
合格には迷わずに正解を選べる高いスキルが求められますので、市販されている過去問や問題集、通信講座の活用がおすすめです。
制限時間内に解答を終えられるレベルに到達するまで、実力を高めましょう。
コンクリート技士と併せて取得すると良い資格
コンクリート技士は他の資格とあわせることで、あなた自身の価値を高めることが可能です。
ここからはコンクリート技士とあわせて取得したい資格について、解説していきましょう。
取得をおすすめする資格の例
コンクリート技士とあわせて効果を発揮する資格は、多数あります。
代表的な資格を、以下に挙げました。
- 土木施工管理技士
- 建築施工管理技士(1級・2級)
- 建築士(一級・二級)
- 技術士
いずれも「コンクリート技士の試験範囲ではないが、実務には求められる」スキルを認定する資格です。
複数の資格を持つとよい理由
複数の資格を持つことで、土木系の技術職として備えるべきスキルを面的にカバーすることが可能です。
高いスキルを持つ技術者として認められ、信頼を得られることでしょう。
あなた自身の市場価値が高まり、昇進や転職、給与などの面でも有利になることが期待できます。
また有資格者を多数持つ企業は、他社からの仕事を請けやすくなる点もメリットに挙げられます。
資格を持つことで社業の発展に貢献できることも、見逃せないポイントです。
まとめ
コンクリート技士はしっかり準備しておけば、合格も十分に可能な資格です。
建設・土木系の資格と組みあわせることで、仕事における高いスキルを示せることはメリットといえるでしょう。
お勤めの会社で求められる人材となるため、また取引先に対してスキルを示すためにも、受験を目指してみてはいかがでしょうか?
「時間がない」「効率的に学びたい」という方は、通信講座の活用もご検討ください。