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二級ボイラー技士とは?仕事内容や魅力、業界の将来性まで解説
公開日:2022年9月7日 更新日:2023年3月29日
二級ボイラー技士とは?仕事内容や魅力、業界の将来性まで解説
二級ボイラー技士とは?
仕事内容や魅力、業界の将来性まで解説
二級ボイラー技士に関心を持つ方は、思いのほか多いものです。
純粋にボイラーに関する仕事に就きたい方だけでなく、設備管理の仕事を希望する方も気になる資格といえるでしょう。
「ビルメン4点セット」に含まれる資格であることも、理由に挙げられます。
他の職業と同様に、二級ボイラー技士にも向き不向きがあります。
職場で活躍するためには、仕事内容をよく知ることが欠かせません。
本記事では二級ボイラー技士を取り上げ、仕事内容や魅力、業界の将来性について触れていきます。
目次
二級ボイラー技士とは
二級ボイラー技士を知るためには、資格の特徴を把握することが重要です。
ここでは4つの観点を取り上げ、二級ボイラー技士の特徴を確認していきましょう。
すべてのボイラーを扱える
ボイラー技士には特級・一級・二級の3種類がありますが、一番下の二級ボイラー技士を取ればすべてのボイラーを扱えます。
これは無資格の方や講習・特別教育によりボイラーを扱う方との大きな違いです。
資格等 | 扱えるボイラーの種類 |
---|---|
ボイラー技士 | すべてのボイラーを扱える |
ボイラー取扱技能講習を修了 | 小規模ボイラー、小型ボイラー、簡易ボイラーのいずれかに限定 |
小型ボイラー取扱特別教育を受けた方 | 小型ボイラーまたは簡易ボイラーに限定 |
特に無し | 簡易ボイラーに限定 |
ボイラーの種類に関わらず仕事に就けることは、メリットといえるでしょう。
規模の小さいボイラーならば取扱作業主任者になれる
二級ボイラー技士はボイラーの操作だけでなく、以下の条件を満たす場合はボイラー取扱作業主任者にもなれます。
扱うボイラーの種類 | ボイラー取扱作業主任者になれる条件 |
---|---|
貫流ボイラーのみ | 伝熱面積の合計が250平方メートル未満 |
貫流ボイラー以外のボイラーがある | 伝熱面積の合計が25平方メートル未満 |
もちろん取扱作業主任者になるまでには、豊富な経験を積むことが欠かせません。しかし職場のリーダーとして働けることに、やりがいを感じる方も多いでしょう。この点もメリットに挙げられます。
資格を取得する2つの条件
二級ボイラー技士になるためには、以下に挙げる2つの条件を満たす必要があります。
- 二級ボイラー技士試験に合格する
- ボイラーの実務経験を積む
1番と2番は、どちらから先に行ってもかまいません。
また2番に挙げた実務経験の条件は、ボイラー実技講習を受講し修了証を受け取ることで満たせます。
どちらも、開催日程は限られることに注意しましょう。
たとえば、試験は毎月1回程度の開催です。
また、ボイラー実技講習は3日間受講しなければ修了証を受け取れません。
スムーズに資格を取得するためにも、早めに予約し受講することをおすすめします。
ボイラーに関する他の資格との違い
ボイラーに関する資格は、二級ボイラー技士以外にもいくつかあります。それぞれの違いを、以下の表にまとめました。
資格名 | 二級ボイラー技士との違い |
---|---|
特級ボイラー技士 |
|
一級ボイラー技士 |
|
ボイラー整備士 |
|
ボイラー溶接士 |
|
特級や一級ボイラー技士は、二級ボイラー技士の上位にあたる資格です。
一方でボイラー整備士やボイラー溶接士はボイラー技士と別の業務であり、別のスキルを認定する資格であることに留意ください。
二級ボイラー技士の仕事内容
二級ボイラー技士の資格は、さまざまな職場で活かせます。また資格の取得により、未経験でも就職に役立つこともメリット。この点について、詳しく解説していきましょう。
さまざまな施設で働ける
二級ボイラー技士のスキルを活かせる施設は多種多様ですが、なかでも設備管理に携わる仕事が多くなっています。
代表的な施設を、以下に挙げました。
- 工場
- 発電所
- 病院
- 温浴施設(スーパー銭湯など)
- 宿泊施設
- オフィスビル
- ショッピングセンター
- 地域冷暖房施設
- 船舶
このなかには、ボイラーを備えていない施設も少なくありません。
その場合でも、二級ボイラー技士の資格があると有利です。
「ビルメン4点セット」に含まれる資格のひとつであることは、おもな理由のひとつ。
二級ボイラー技士の資格があれば基本的なスキルがあるとみなされるため、資格がない方よりも有利です。
未経験でも仕事に就ける
二級ボイラー技士の資格があれば、未経験でも採用する企業はあります。
これはボイラー技士の「資格を持つ方だけが作業に携われる」特徴を活かしたもの。
ボイラー技士の資格が必須の求人ならば、応募する方は必然的に限られます。
このため誰でも応募できる求人よりも、倍率が下がることが期待できるでしょう。
そもそも誰でも、最初は未経験者から始まります。
資格があれば応募できる求人も増えるため、幅広い選択肢から応募先を選べることは大きなメリットです。
二級ボイラー技士の大変な点と魅力
他の仕事と同じように、二級ボイラー技士の仕事にも大変な点と魅力があります。
どのようなところが大変でどのような魅力があるか、詳しく確認していきましょう。
二級ボイラー技士の大変な点
二級ボイラー技士の仕事は、楽ではありません。以下のように、大変な業務もあります。
- 日々の管理に神経を使う
- 仕事場が暑い。特に夏場はつらい
- トラブルが発生すると対応に追われる
- 体力が必要
- シフト制や夜勤が入る場合があり、体調管理が大変
もっとも、どの仕事にも大変なことはあるもの。
あらかじめ大変な点を知っておくことで心構えができ、スムーズに仕事を進めやすくなります。
二級ボイラー技士の魅力
大変な仕事であるにもかかわらず、ボイラー技士を目指す方は少なくありません。
これはボイラー技士が魅力ある仕事ということを示しています。
ここでは二級ボイラー技士が持つ5つの魅力を挙げました。
- 「施設を守っている」というやりがいが得られる
- ボイラー実技講習を受講すれば、実務経験なしで資格を取れる
- 変化のスピードが激しくない業界である
- 何もトラブルが無ければ、定時で帰宅可能
- 資格手当や一時金を受け取れる職場もある
施設を守っているという自負ややりがい、充実感は、ボイラー技士ならではのものです。
仕事に慣れれば、ワーク・ライフ・バランスを取りやすいことを魅力に感じる方も多いのではないでしょうか。
また資格の取得により収入アップが可能なことも、メリットに挙げられます。
二級ボイラー技士試験の年収
求人ボックスでは、ボイラー技士の年収を373万円と公表しています。
300万円から400万円程度の年収で働く方が多くなっており、年収500万円以上の方は多くありません。
生活はできる収入であるものの、ぜいたくをしたい方や高い給与といった希望はかなえにくいことが実情です。
一定のボイラーは、ボイラー技士の資格がなくても取り扱えます。
かし扱えるボイラーの種類は限られることが難点。
ボイラーに関する資格がなく、これといったスキルもない方は、ボイラー技士よりも年収が下がる可能性は高いと考えられます。
二級ボイラー技士に向いている人と向いていない人
仕事を選ぶうえで、自分自身に向いているかどうかを判断することは大変重要です。
ここからはどのような方が二級ボイラー技士に向いているか、またどのような方が向いていないか解説していきます。
二級ボイラー技士に向く3つのタイプ
二級ボイラー技士は、技術に加えてコミュニケーションに優れた方が向いています。
ここでは3つのポイントを取り上げ、どのような方が向いているか考えていきましょう。
責任感を持って仕事をやり遂げられる方
二級ボイラー技士はボイラーの運転や管理を通じて、施設のスムーズな運営に欠かせない役割を果たしています。
もし温水や蒸気が供給できなければ、施設の職員は大変困る事態となるでしょう。
このため、責任感を持って仕事をやり遂げられる方が向いています。
ときにはトラブル対応に追われる場合や、なかなか解決策が見つからない事態に遭遇する可能性もあります。
その場合でもベストを尽くし、少しでも早い復旧に向けて尽力することが重要です。
コミュニケーションを密に取れる方
二級ボイラー技士が活躍する職場では、以下のようにさまざまな方と会話する機会があります。
- 上司や部下、同僚
- 施設の運営会社や従業員
- 設備に関する協力会社
円滑に仕事を進めるためには必要な情報を正しく入手するとともに、正しく伝えることも重要。
この点で、コミュニケーションを密に取れる方はボイラー技士に向いています。
とりわけ二級ボイラー技士は、上司に報告する機会も多いもの。
しっかりコミュニケーションを取ることで信頼を得られ、任される仕事も増える効果が期待できます。
細かな変化に気づき、現場を見て判断できる方
多くのトラブルは、ささいな変化から始まります。
ボイラーもその例外ではありません。
計器や運転音などに起こる細かな変化を見逃さない方は、二級ボイラー技士に向いているといえるでしょう。
このためには正常である状態を知っておくことが重要ですので、日々の業務を通じてしっかりボイラーと向き合う姿勢も欠かせません。
また重要な項目は、また聞きで満足しないことも欠かせない姿勢です。
上司や先輩ともなると、部下の報告を聞くだけで判断を下す機会も増えるでしょう。
しかし部下は、見たものをすべて報告するとは限りません。
重要な判断を行う際は必ず現場をチェックし、自ら情報を得た上で判断する姿勢も重要です。
二級ボイラー技士に向いていない3つのタイプ
二級ボイラー技士は危険と隣り合わせの職種である以上、職務に忠実でなければなりません。
ここからは二級ボイラー技士に不向きなタイプを3つ取り上げ、解説していきます。
「報・連・相」ができない方
他の職種と同様、二級ボイラー技士においても以下の項目は重要です。
- 報告
- 連絡
- 相談
そもそもボイラーは、取り扱いを誤ると爆発などの危害を与えかねない設備であることを忘れてはなりません。
もし異常を知った場合は一人で抱えず職場で情報共有したうえで、早急に適切な対応を取ることが事故を防ぐポイントです。
とはいえ職場によっては上司が近寄りがたい雰囲気を出すなど、なかなか報告・相談しにくい場合もあります。
しかししかるべき報告や相談をすることは、従業員としての義務です。
ご自身の責任をまっとうするためにも、必要な「報・連・相」はもれなく行うことが欠かせません。
ルールを守らず、自己流で仕事を進める方
決められたルールを守らず、自己流で仕事を進める方は少なくありません。
ときには楽をしたいばかりに、ルールを逸脱したい衝動にかられる場合もあるでしょう。
しかし二級ボイラー技士の仕事は、ルールを守るべきであることに変わりはありません。
自己流で仕事を進めると、知らず知らずのうちにボイラーにダメージを与える可能性があります。
この結果、異常や故障が起こりやすくなるかもしれません。
もちろんルールを守らないことにより、事故につながるおそれもあります。
このためルールを守らない方、自己流で仕事を進める方は、ボイラー技士に不向きです。
雑に仕事をする方
二級ボイラー技士の仕事には、丁寧さも求められます。
いい加減に仕事をしていると、以下の事態を招きかねません。
- ボイラーが持つ性能を十分に発揮できない
- 施設の利用者からクレームが出る(温水や蒸気の温度が低いなど)
もちろん、事故や故障を招くおそれも否定できません。
このため雑に仕事をする方も、ボイラー技士に不向きなタイプに挙げられます。
二級ボイラー技士は需要のある仕事
資格の不要な貫流ボイラーの普及などにより、以前よりも二級ボイラーの需要は減っているといわれています。
その一方で、ボイラーを必要とする大規模施設が次々に生まれていることも見逃せません。
二級ボイラー技士は、何十年も使われる建物に関する仕事を中心に携わります。
さまざまな種類の施設で求められる資格であることも特徴。
このため二級ボイラー技士は将来性があり、業界では必要な資格となっています。
まとめ
二級ボイラー技士は大変な仕事ですが、その分やりがいもあります。
社会を支えるためには、なくてはならない仕事。
ボイラーに関心がある方は、ぜひチャレンジして頂きたい資格です。
仕事においては、職務やルールに忠実であることが求められます。
またコミュニケーションなどの人間力も欠かせません。
安全に留意したうえで、仕事を進めることが成功につながります。
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