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冷凍機械責任者試験の難易度はどのくらい?三種類それぞれの違いや合格するための勉強方法をおさえよう

公開日:2022年9月6日 更新日:2023年3月29日

冷凍機械責任者試験の難易度はどのくらい?三種類それぞれの違いや合格するための勉強方法をおさえよう


冷凍機械責任者試験の難易度はどのくらい?
三種類それぞれの違いや合格するための勉強方法をおさえよう

第三種冷凍機械コラム2

「冷凍機械責任者を取りたい」と思った際、難しい試験なのかどうかという点は気になることでしょう。
冷凍機械責任者は三種類のレベルに分かれており、求められるスキルも異なります。
一番下の第三種でも、それなりの準備をしないと合格には至りません。

一方で、正しい努力をすれば十分に合格できる試験です。本記事では種類ごとの解説に加えて、合格するための勉強方法を解説していきます。

冷凍機械責任者とは

ひとくちに冷凍機械責任者といっても、3種類のレベルがあります。
本記事ではまず冷凍機械責任者について、また資格を取得するメリットを解説していきましょう。

三種類それぞれの特徴

冷凍機械責任者の資格は、第一種・第二種・第三種の3種類に分かれます。それぞれの相違点は以下のとおり、冷凍保安責任者となれる施設の違いにあります。

  • 第一種:制限なし
  • 第二種:1日の冷凍能力が300トン未満の製造施設
  • 第三種:1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設

出典:埼玉県「冷凍機設置に関する手続の手引」

第三種から第二種、そして第一種へ進むたびに、レベルアップすることが特徴です。

資格取得のメリット

資格を取得することで、冷凍機に関する知識を持つことが証明されます。
たとえば第三種冷凍機械責任者は「ビルメン4点セット」と呼ばれる4つの資格に含まれているため、取得することで就職しやすくなる点はメリットといえるでしょう。

また資格取得により、冷凍機や空調機器を設置する施設において冷凍保安責任者になれます。
第二種では中型の、第三種では小型の冷凍空調機器を用いた施設に限られますが、第一種を取得した方はどの施設でも責任者となれる点は大きなメリットです。

冷凍機械責任者の合格率と難易度

資格を目指すなら、合格率や難易度は気になるもの。ここからは第一種・第二種・第三種それぞれの試験について、確認していきましょう。

全科目受験・法令受験別の合格率

冷凍機械責任者の合格率は、全科目受験と法令のみ受験の場合で異なります。それぞれの合格率を、第一種から第三種まで確認していきましょう。

試験の種類 全科目受験(受験すべき科目) 法令のみ受験
第一種 20.0%(法令、保安管理技術、学識) 87.5%
第二種 26.9%(法令、保安管理技術、学識) 85.9%
第三種 18.3%(法令、保安管理技術) 79.9%

出典:高圧ガス保安協会「令和2年度 高圧ガス製造保安責任者試験結果(大臣試験)出願者数・受験者数・合格者数・合格率一覧表」
高圧ガス保安協会「令和2年度 高圧ガス製造保安責任者試験等結果(知事試験)出願者数・受験者数・合格者数・合格率一覧表」

いずれも法令のみ受験した方の合格率は8割前後かそれ以上、全科目受験の場合は20%~25%前後の合格率となっています。
保安管理技術と学識の攻略が、合格する重要なポイントとなっていることがわかります。

なお「法令のみ受験」が可能な方は、この後で解説する「高圧ガス製造保安責任者講習(冷凍)」の講習修了証をお持ちの方に限られます。それ以外の方は、全科目受験でチャレンジしなければなりません。

冷凍機械責任者の難易度

冷凍機械責任者の難易度は、以下の通りといわれています。

  • 第一種:大学工学部卒業程度
  • 第二種:工業高校卒業程度
  • 第三種:第二種よりもやや易しい

出典:読売理工医療福祉専門学校「冷凍機械責任者」

上記を言い換えると、第一種は大学で冷凍機に関する専門教育を修了し卒業した方、第二種は高校で工業を学んだ方に相当するといえるでしょう。

大学卒業レベルの資格は合格が難しい資格ばかりですから、難易度は大変高いといえます。

また第二種も、高校や大学、専門学校で機械に関する専門教育を受けていない方にとっては、難しい試験となるでしょう。

理論的な知識が問われる「学識」の科目もあるため、難易度は高めといえそうです。

一方で第三種は、文系の方でもしっかり準備すれば合格できる試験です。「学識」の科目がないことも、メリットといえるでしょう。

但し全科目受験の合格率は高くなく、2020年度の合格率は2割に届いていません。そのため、難易度は中程度と考えておくとよいでしょう。

冷凍機械責任者の試験概要

ここからは冷凍機械責任者の試験概要について、詳しく解説していきます。

受験方法は全科目受験と講習受講の2通り

さきに解説したとおり、冷凍機械責任者の資格を取る方法は2つあります。

  • 全科目を国家試験の会場で受験する
  • 指定の講習を受講し検定試験を受け、法令のみ国家試験で受ける

それぞれの方法について、詳しく確認していきましょう。

方法1:全科目を国家試験の会場で受験する

1つ目の方法は多くの試験と同様に、資格取得に必要な全科目を国家試験の会場で受験する方法です。
1日の受験で合格でき、費用も抑えられることはメリットといえるでしょう。
一方で国家試験は毎年1回、11月第2日曜日しか開催されません。
1科目でも不合格になると1年以上待ったうえで、すべての科目を受験し直さなければならない点はデメリットに挙げられます。

方法2:指定の講習を受講し検定試験を受け、法令のみ国家試験で受ける

もう1つの方法は、高圧ガス保安協会が実施する「高圧ガス製造保安責任者講習(冷凍)」を受講し、後日実施される検定試験に合格して講習修了証を受け取る方法です。
この方法を使うと、国家試験では法令だけの受験で資格を取得できます。
講習は3日間行われます。
以下に示した科目について、指定された時間分の講習を受講しなければなりません。

試験の種類 受講すべき科目と講習時間
第一種、第二種 法令、保安管理技術、学識(各7時間)
第三種 法令(7時間)、保安管理技術(14時間)

出典:高圧ガス保安協会「高圧ガス製造保安責任者講習(冷凍)」

どちらの受験方法がおすすめか?

どちらの受験方法が良いかは、各々の置かれた事情により異なります。
目安となる事項を、以下に挙げました。

受験の選択肢 目安となる主な事情
全科目受験が良い場合
  • 不合格になっても1年待てるだけの時間的な余裕がある
  • 受験費用をなるべく抑えたい
  • 講習と検定試験で4日間通うほど、業務に余裕がない
講習受講が良い場合
  • 会社からの指示など、必ず合格しなければならない事情がある
  • 講習費用を負担できる。あるいは会社で負担してもらえる
  • 4日間業務を空けられるだけの時間的な余裕がある

冷凍機械責任者は全科目試験でチャレンジし、合格している方も多いです。
それぞれの事情を考慮のうえ、適した方法を選びましょう。

科目と合格点

ここからは国家試験や講習の検定試験について、受験すべき科目と合格点を確認していきましょう。

国家試験の場合

国家試験では、以下の科目を受験する必要があります。

試験の種類 試験科目
第一種、第二種 法令、保安管理技術、学識合
第三種 法令、保安管理技術

合格基準は各科目とも、60%程度となっています。

講習の検定試験の場合

「高圧ガス製造保安責任者講習(冷凍)」で行われる検定試験では、法令の科目は含まれません。そのため実施される試験科目は、以下の通りとなります。

試験の種類 試験科目
第一種、第二種 保安管理技術、学識合
第三種 保安管理技術

合格基準は各科目とも、満点の60%です。

受験・受講費用

試験や講習を受ける際、費用はどうしても気になるもの。いくらくらい必要か、確認していきましょう。

国家試験の場合

国家試験の受験手数料は、以下の通りです。なお消費税は非課税となっています。

試験の種類 受験手数料
第一種 17,300円
第二種 11,100円
第三種 9,800円

出典:高圧ガス保安協会「令和4年度高圧ガス製造保安責任者試験 高圧ガス販売主任者試験」

上記のほか、以下の費用が必要です。

  • 振込手数料
  • 試験会場までの交通費
  • 郵送で申請する場合は、郵送にかかる費用

講習を受講する場合

「高圧ガス製造保安責任者講習(冷凍)」を受講する場合は、以下の費用が必要です。

  • 国家試験の受験手数料など、受験にかかる費用
  • 講習の受講費
  • 講習で使うテキスト
  • 振込手数料やテキストの送料

このうち講習やテキストに関する費用は、以下の通りです。どちらも消費税込みの料金です。

試験の種類 講習費用(インターネット申込の場合) テキストの金額
第一種 29,600円(29,000円) 5,600円
第二種 25,400円(24,900円) 5,600円
第三種 20,000円(19,500円) 4,500円

講習はインターネットで申し込むと、500円~600円割り引かれます。また講習の受講には、以下のテキストが必要です。事前に日本冷凍空調学会のWebサイト等で購入しておきましょう。

試験の種類 必要なテキストと金額(税込)
第一種・第二種 冷凍関係法規集(1,600円)、上級冷凍受験テキスト(4,000円)
第三種 冷凍関係法規集(1,600円)、初級冷凍受験テキスト(2,900円)

資格取得までには、3万円から5万円の費用がかかります。講習を受講する場合は、この点も留意しておきましょう。

必要な勉強時間と効果的な学習方法

冷凍機械責任者の試験に合格するためには、どのように学びどのくらいの時間をかける必要があるのでしょうか。ここからはこの点について、解説を進めていきます。

テキストや問題集を使って独学する

冷凍機械責任者の合格に必要な勉強時間の目安は、以下の通りといわれています。

試験の種類 目安となる勉強時間
第一種 第二種に合格後、500時間程度
第二種 第三種に合格後、50~100時間程度
第三種 経験者:50~60時間程度 初心者:90~120時間程度

もっとも、どの方法でも上記で示した時間を要するとは限りません。良質な通信講座を活用すると効率よく学べるため、勉強時間を削減できます。

テキストの内容を理解する

試験に出題される問題は、以下のテキストから出題されます。

試験の種類 出題されるテキスト
第一種・第二種 冷凍関係法規集、上級冷凍受験テキスト
第三種 冷凍関係法規集、初級冷凍受験テキスト

上記のテキストは、試験におけるバイブルとも呼べる存在です。
そのため、内容をしっかり理解することが合格への鍵となります。

もっとも「テキストを読み終わらなければ過去問を解いてはいけない」というものではありません。
皆さまのなかには先に問題を解き、見直しをしながら知識を深めるほうが効率よく学べる方もいるでしょう。
どのような学習方法でも良いですが、わからない問題や内容があった場合はテキストを読み返して理解を深めることが重要です。

問題集を何度も解く

問題集や過去問は、理解度を知る上で重要なポイント。
しかし点数を知るだけで終わらせたのでは、効果も半減します。以下の問題をチェックすることでスキルを大きくアップでき、合格へ近づけます。

  • 自分が誤答した問題について、なぜ間違ってしまったのかをチェックする
  • 誤った内容が書かれた選択肢について、誤りとされた内容と正解をチェックする

誤答のチェックは、二度同じ間違いを繰り返さないために重要です。
加えて1つの問題には、3つから4つの選択肢が書かれていることにも注目しましょう。
すべての選択肢について正誤をチェックすることで、1問で3つから4つの学びが得られます。
少ない問題でもスキルを引き上げられる、効果的な方法といえるでしょう。

通信講座を活用する

通信講座の活用は、限られた時間で効率よく学びたい方に適した方法です。
「満点ではなく合格点を取る」ことを目標とし、試験で出やすいポイントを集中して学ぶカリキュラムを整えています。
最小限の努力で最大の効果を上げる学習方法といえるでしょう。いつでもどこでも学べることも、見逃せない魅力です。

近年では動画を用いる通信講座も増えてきました。講師はその道のプロですから、独学よりも効果的に学べます。日本建設情報センターでは、第三種冷凍機械責任者の通信講座を開講していますので、ぜひご活用ください。

日本建設情報センター「第三種冷凍機械責任者」の受験対策講座はこちら

科目別の勉強方法とポイント

冷凍機械責任者試験には複数の科目があり、それぞれ適した学習方法があります。本記事では最後に、科目ごとの勉強方法について確認していきましょう。

法令(高圧ガス保安法に係る法令)

法令は「知っているか知らないか」が問われるため、暗記が主体となる科目です。
しかし法令の量は膨大ですから、隅から隅まで暗記していたのではとても時間が足りません。
このため、以下の方法で学習を進めるとよいでしょう。

  • 過去問を徹底的に解き、関連する法令を覚える
  • 最近改正された、または重要な法令の内容をチェックする

試験で問われる法令のポイントは、限られています。
そのため、出題されやすいポイントに絞った学習がおすすめです。
重要な法令は過去問でもよく問われていますから、しっかり覚えることで合格に近づけます。

また最近改正された法令は、過去問だけでは把握しきれないもの。これらは、参考書や問題集でチェックすることもひとつの方法です。日本建設情報センターでは受講者限定で「法令対策編講義資料」をお渡ししていますので、最近改正された法令への対応も万全です。
このため、以下の方法で学習を進めるとよいでしょう。

保安管理技術

保安管理技術も、過去問とテキストの活用が有効です。
なぜなら冷凍機の運転における重要なポイントは、ある程度決まっているためです。
冷凍サイクルや冷凍機の構造などを、しっかり理解することが合格への近道です。
不正解の問題はそのままにせず、正解できるようになるまで繰り返し学びましょう。

また上位の試験になるほど、高度な知識が求められることも意識したうえで学ぶことも重要なポイントです。

学識(応用化学・機械工学)

学識は冷凍機を扱う上で、理論的な部分を問う科目です。
以下のとおり、試験の種類によって大きく異なります。

  • 第一種:記述式
  • 第二種:択一式
  • 第三種:受験すべき科目に含まれない(法令と保安管理技術の2科目のみ)

学識では、計算問題を落とさないことが重要です。
苦手だからといって計算問題をパスすると、合格は難しくなります。
第二種の計算問題は2問ですが、公式を覚えれば正解を導き出せますから、確実に得点していきましょう。

また第一種は記述式で、答案には計算式の記入も求められます。
そのため、計算の過程もしっかり学ばなければなりません。
公式を正確に覚えると同時に、適切な公式を選んで計算できるスキルが求められます。

万全の準備を行い、合格を目指そう

ここまで解説したとおり、冷凍機械責任者試験はしっかり準備すれば資格を取れます。
初心者でも第三種ならば、十分に合格が可能です。本記事で解説したポイントを踏まえて、学習を進めましょう。

初心者の方は、日本建設情報センターが提供する通信講座の受講をおすすめします。
テキストと動画で、いつでも学習が可能。高圧ガス保安協会が実施する講習を受講しなくても、合格ラインに到達できます。
これから冷凍機械責任者を目指す方は、この機会にぜひご検討ください。


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