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第三種冷凍機械責任者試験の内容や勉強方法は?今後の需要と将来性も解説

公開日:2022年9月6日 更新日:2023年3月29日

第三種冷凍機械責任者試験の内容や勉強方法は?今後の需要と将来性も解説

第三種冷凍機械責任者試験の内容や勉強方法は?
今後の需要と将来性も解説

第三種冷凍機械コラム1

第三種冷凍機械責任者は、冷凍機だけでなく空調を扱う設備管理の方にも求められる重要な資格です。将来は第二種や第一種へと、ステップアップを目指している方も多いでしょう。

試験に合格して資格を得るためには、特徴や効果的な勉強方法を押さえておくことが重要です。特に冷凍機械責任者では、「試験で一発勝負」以外の方法があることも知っておきましょう。本記事では資格の需要や将来性も含めて、解説していきます。

第三種冷凍機械責任者とは

そもそも第三種冷凍機械責任者とは、どのような資格なのでしょうか。
また取得により、どのようなメリットがあるのでしょうか。本記事ではまずこの点について、確認していきましょう。

第三種冷凍機械責任者の資格の内容

第三種冷凍機械責任者は冷凍機器の設備管理に係わる資格であり、数種類ある「高圧ガス製造保安責任者」の1つに含まれます。
取得により1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設において、保安を含む統括的な実務を行えます。
小規模な施設で現場責任者となるために必要な資格といえるでしょう。

「冷凍機器」というと、食品工場などを思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし冷凍機器には、空調も含まれます。なぜなら空調機器はその内部で、冷媒を圧縮する工程が含まれるためです。ほとんどの建物において空調は必須ですから、第三種冷凍機械責任者は広範囲で必要とされる資格といえます。

第三種冷凍機械責任者資格を取得するメリット

第三種冷凍機械責任者の資格を取得することで、以下のメリットが得られます。

  • 1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設において、冷凍保安責任者になれる
  • 空調や冷凍機に関する知識を証明できる
  • 設備管理に必要な資格「ビルメン4点セット」の1つであり、取得により応募先の選択肢が広がる

冷凍機や空調機器を扱う仕事に就きたい場合は、ぜひ取得しておきたい資格といえるでしょう。

第三種冷凍機械責任者の需要とキャリアアップ

第三種冷凍機械責任者は、さまざまな分野で活躍しています。主な職種や将来性について、確認していきましょう。

活躍できる職種

第三種冷凍機械責任者は、以下のとおり幅広い職種で活躍できます。

  • 建物の設備管理(いわゆる「ビルメン」)
  • 冷蔵・冷凍施設の設備管理
  • 地域冷暖房施設の運営

上記に挙げた施設では、機器を稼動するうえで必要な保守・点検業務が主体となります。
職場に無資格者がいる場合は、管理・監督も業務に含まれます。もちろんトラブルが発生した場合は、迅速に対応しなければなりません。

加えて空調機器や冷蔵・冷凍機器の製造・販売といった職場で活躍できる点も、特徴に挙げられます。
このように第三種冷凍機械責任者の有資格者は、多種多様な職種に就く道が開かれています。

今後の需要は減っていく?

近年では、冷凍機械責任者を要する大型の施設も増えています。
冷凍機械責任者はさまざまな分野で活躍できる資格ですから、今後の需要は堅調と考えられます。

ビルメン以外にも活躍できる幅広さ

第三種冷凍機械責任者の有資格者は、オフィスビルや商業施設に代表されるビルメンテナンスの仕事に就く方も多いです。
しかし「活躍できる職種」でも解説したとおり、それ以外の職種でも十分に活躍可能な幅広さも魅力のひとつ。
代表的な職場を、以下に挙げてみました。

  • 食品工場
  • 化学工場
  • 冷凍倉庫
  • 地域冷暖房の供給施設
  • 発電所
  • 船舶
  • 航空・宇宙に関する職場
  • 空調機器メーカー
  • 冷蔵・冷凍機器の製造メーカー

上記のとおり、幅広い職場で活躍できる資格であることが魅力です。

将来性とキャリアアップ

近年は大都市圏を中心に高層ビルが増加しているほか、大規模商業施設のオープンも続いています。
地域冷暖房も注目されていることもあり、将来性のある資格といえるでしょう。

また冷凍機械責任者は、上位資格として第二種や第一種があります。
上位の資格を取ることでより大きい施設の保安責任者になることができ、キャリアアップにもつながります。

危第三種冷凍機械責任者になる2つの方法

ここまでの解説で、第三種冷凍機械責任者は魅力ある資格ということがおわかりいただけたことでしょう。
有資格者になるには、2つの方法があります。それぞれについて、詳しく確認していきましょう。

国家試験で全科目を受験する

国家試験ですべての科目を受験することは、主なチャレンジ方法のひとつです。
保安管理技術と法令の2科目に合格することで、資格を取得できます。

試験にかかる費用は受験料と教材費で済むことは、大きなメリットに挙げられます。
一方で試験は毎年1回、11月にのみ行われますので、時期によっては試験日までかなり待たなければならないことはデメリットといえるでしょう。また不合格になった場合は、翌年以降に全科目を受験し直さなければならない点にも注意が必要です。

一部免除の条件

乙・丙種を受験する際、既に一定の資格を持っている場合には試験科目の一部免除が受けられます。

一部免除を受ければ、出題数が減るため試験の負担が軽減されるでしょう。

「高圧ガス製造保安責任者講習」を受講する

もう1つの方法は、高圧ガス製造保安責任者講習(第三種冷凍機械)を受講することです。
以下に挙げる2つのステップを踏むことで、資格を取得できます。

1. 講習を受講し、検定試験に合格して講習修了証を受け取る
2. 第三種冷凍機械責任者試験で、法令だけを受験し合格する

講習は3日間かけて行われ全日程の出席が必須であるほか、検定日に試験が行われます。
受講・受検料も20,000円(電子申し込みの場合は19,500円)と高額ですが、検定試験に合格すればあとは法令だけの受験で済みます。
大都市を中心に年2回検定試験を受けられるチャンスがあることも、メリットといえるでしょう。

第三種冷凍機械責任者の難易度と合格率

全科目受験・法令受験別の合格率

高圧ガス保安協会によると、令和2年度(2020年度)の合格率は以下の通りとなっています。

受験方法 合格率 備考
全科目 18.3% 法令、保安管理技術の2科目
法令のみ 79.9% 保安管理技術は免除

出典:高圧ガス保安協会「令和2年度 高圧ガス製造保安責任者試験等結果(知事試験)出願者数・受験者数・合格者数・合格率一覧表」

法令のみの場合は1科目だけの受験となるため、合格率が高くなっています。

第三種冷凍機械責任者と難易度

第三種冷凍機械責任者のレベルは、工業高校卒業程度とされる第二種よりも易しいとされています。
この点を見ると、難易度が高い試験とはいえません。実際に「法令のみ」の合格率は8割程度と、かなり高い数値です。

また全科目受験の合格率は18.3%ですが、この値は難関資格と比べても1段階高い数値です。しっかり準備して試験に臨めば合格は十分に可能ですから、合格率が低いことを理由にあきらめる必要はありません。

第三種冷凍機械責任者の試験概要

試験に合格するためには、試験を知ることが重要です。ここからは5つの項目を取り上げ、第三種冷凍機械責任者試験がどのようなものか確認していきましょう。

受験資格

第三種冷凍機械責任者は、誰でも受験可能です。

試験科目

試験科目は、法令と保安管理技術の2科目です。それぞれの試験時間と問題数、出題形式は以下の通りです。

試験科目 試験時間 問題数 出題形式 合格ライン
法令 60分(9:30~10:30) 20問 択一式 60%程度(12問以上)
保安管理技術 90分(11:10~12:40) 15問 択一式 60%程度(9問以上)

出典:高圧ガス保安協会「令和3年度高圧ガス製造保安責任者試験 高圧ガス販売主任者試験」

試験地

全国47都道府県で、1箇所以上の試験地が用意されています。
また以下の都道府県では複数の試験地があるため、お近くの会場で受験できます。

都道府県 試験地
北海道 札幌市、函館市、室蘭市、旭川市、釧路市
東京都 23区、大島町、三宅村、八丈町、小笠原村
新潟県 新潟市、三条市、上越市
島根県 松江市、江津市
鹿児島県 鹿児島市、奄美市
沖縄県 本島、宮古島市、石垣市

出典:高圧ガス保安協会「受験案内書、試験会場地図」

特に離島で暮らしている方にとって、格段に受けやすい試験といえるでしょう。

受験費用

受験手数料は9,800円(非課税)です。このほかに、以下の費用がかかります。

  • 振込手数料
  • 書面申請を郵送で行う場合は、受験案内書の取り寄せ費用と願書の郵送費用
  • 受験案内書の取り寄せと願書の提出を窓口で行う場合は、受付窓口までの交通費

試験日程

試験は年1回、11月第2日曜日に実施されます。ちなみに、2021年の試験日は11月14日(日)でした。
朝9時30分から始まる試験ですから体調を整えたうえで、余裕をもって試験会場に向かいましょう。

第三種冷凍機械責任者の試験科目

ここからは試験科目となっている法令と保安管理技術について、どのような問題が出されるか解説していきます。

法令(高圧ガス保安法に係る法令)

法令は20問あり、5肢択一で行われます。といっても、5つの文章から正しい選択肢を選ぶわけではありません。
文章は3つあり、正しい選択肢の組み合わせを選ぶ方法で出題されます。

このため、高圧ガス保安法に関する法令を確実に覚えておくことが重要です。
出題されやすいポイントはある程度決まっていますから、過去問を活用して学びましょう。正解だけでなく誤りとした選択肢もチェックすると、スキルアップにつながります。

保安管理技術

保安管理技術は、冷凍機を扱うための初歩的な保安管理の技術を試す科目です。問題は15問あります。
文章は4つあり、正しい組み合わせを5つの選択肢のなかから1つ選ぶ方法で出題されます。7問以上不正解の場合は不合格となるため、法令よりも1問のウエイトが大きいことに注意が必要です。

合格するには、冷凍機に関するさまざまな知識を身につけることに尽きます。過去問を活用したうえで、わからない箇所はテキストを用いて徹底的に復習しましょう。もちろん、誤りの問題はなぜそうなのかを分析することも必要です。

自分に合った勉強方法を選ぼう

第三種冷凍機械責任者の試験に合格し資格を取るためには、ご自身に合った勉強方法を選ぶことが重要です。
主な3つの学習方法を取り上げ、それぞれの特徴を確認していきましょう。

テキストや問題集を使って独学する

独学は、自分のペースで学びたい方に向く学習方法です。
テキストや問題集を用意しておけば、深夜や早朝、休日でも学習を進められます。

一方で忙しさや怠けたい気持ちに負けてしまい、リタイヤする方が多いことも課題です。
そのため独学に最も重要なことは、「合格する」という強い意志と、なぜ誤答したかをチェックする丁寧さ。しっかり学習を続けられれば、合格につながります。

ところで試験問題は、以下のテキストに準拠して出題されることに注意が必要です。

  • 初級冷凍受験テキスト
  • 高圧ガス保安法に基づく冷凍関係法規集

上記テキストは、日本冷凍空調学会のWebサイトで販売しています。早めに入手したうえで、学習を進めましょう。
これらに加えてあなたに合った問題集を選ぶことで、合格に近づきます。

サイト「EchoLand-plus」

試験向けの学習サイトは多数ありますが、EchoLand-plusは過去15年分の試験問題を掲載している点が特徴です。
クリックで手軽に正解と解説を確認可能。法令では独特の書き方がありますが、どのように解釈すべきかというコンテンツも用意されています。またスマホでも学べるため、忙しい時間も有効に使えます。

一方で掲載されている問題は、過去問が主体です。
数年前に出題された法令の問題では、その後の法令改正を反映されていない場合があることに注意が必要です。

通信講座

勉強方法には、通信講座もあります。以下のメリットがあることは魅力です。

  • 合格に必要な内容を、効率よく学べる
  • 経験豊富な講師による動画で学べるため、本よりも習得しやすい

日本建設情報センターでも、第三種冷凍機械責任者向けの通信講座を開講しています。
上記に挙げたメリットに加えて、「初級冷凍受験テキスト」や問題集もセットにしていますから、別途購入する手間を省けます。
また法令は要点を絞った「法令対策編講義資料」を提供しますので、効率よく学べます。講座を受講することで合格に近づけることは、大きなメリットといえるでしょう。

しっかり学んだうえで、第三種冷凍機械責任者の資格を活かした仕事につなげよう

第三種冷凍機械責任者の資格を活かした仕事は多く、今後の需要が見込まれます。
一方で簡単に取得できる資格ではありませんが、正しく努力すれば合格も十分に可能です。甘く見ることなく、しっかり準備を重ねましょう。

これから試験対策をするならば、日本建設情報センターが提供する通信講座をおすすめします。
必要なテキストはすべてお届けしますから、別途教材を準備する必要はありません。加えてWebやDVDといった動画教材も提供するため、学習効率がアップします。開催日程が限られる「高圧ガス製造保安責任者講習」を受講せずに済むことも、メリットといえるでしょう。

計画を立ててしっかり学んだうえで合格を勝ち取り、第三種冷凍機械責任者の資格を活かした仕事につなげましょう。


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