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工事担任者の試験はどう変わった?2022年度以降の試験方法は?

公開日:2022年7月27日 更新日:2023年3月29日

工事担任者の試験はどう変わった?2022年度以降の試験方法は?


工事担任者の試験はどう変わった?2022年度以降の試験方法は?

工事担任者コラム1

工事担任者の資格・試験方法は、2021年に大きく変わりました。
この記事では、工事担任者の資格・試験の近年の変更点やCBT方式による試験の導入(第二級アナログ通信・第二級デジタル通信)について説明します。
また、試験に合格するためのポイントをまとめました。ぜひ、最後までご覧ください。

工事担任者とは

工事担任者は、電気通信回線に端末設備・自営電気通信設備の接続工事を行い、または監督する役割を担っています。
利用者による端末設備または自営電気通信設備の接続は、総務大臣が工事担任者に工事を行わせ、または実地に監督させることを義務づけています。

工事担任者資格の種類

工事担任者資格は下表の種類があり、それぞれ工事の範囲が定められています。

資格の種類 工事の範囲
第一級アナログ通信 アナログ伝送路設備(アナログ信号を入出力する電気通信回線設備をいう。以下同じ。)に端末設備等を接続するための工事及び総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事
第二級アナログ通信 アナログ伝送路設備に端末設備を接続するための工事(端末設備に収容される電気通信回線の数が1のものに限る。)及び総合デジタル通信用設備に端末設備を接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が基本インターフェースで1のものに限る。)
第一級デジタル通信 デジタル伝送路設備(デジタル信号を入出力とする電気通信回線設備をいう。以下同じ。)に端末設備等を接続するための工事。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く
第二級デジタル通信 デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が毎秒1ギガビット以下であって、主としてインターネットに接続するための回線に係るものに限る。)。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く
総合通信 アナログ伝送路設備又はデジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事

出典:(一財)日本データ通信協会「資格者証の種類と工事の範囲について」

工事担任者資格・試験の最近の主な変更点

最近の工事担任者資格・試験の主な変更点をまとめました。

資格名称の変更・第二種の廃止(2021年4月1日~)

下表の通り、工事担任者資格の名称およびAI第二種およびDD第二種の資格が廃止になりました。

改正前 改正後
AI・DD総合種 総合通信
AI第一種 第一級アナログ通信
AI第二種 廃止
AI第三種 第二級アナログ通信
DD第一種 第一級デジタル通信
DD第二種 廃止
DD第三種 第二級デジタル通信

科目免除資格に施工管理技士が追加(2021年4月1日~)

建設業法に基づく電気通信工事施工管理技術検定に合格した者(二級の第一次検定に必要な試験にのみ合格した者を除く)は、全資格の試験科目のうち「電気通信技術の基礎」が科目免除になります。

また、従来通り、工事担任者(総合通信・第一級アナログ通信・第一級デジタル通信)を取得すれば、電気通信主任技術者(伝送交換主任技術者・線路主任技術者)試験のうち、「電気通信システム」が科目免除になります。

試験申請がインターネット申請のみに(2021年7月1日~)

工事担任者の試験の申請は、令和3年度(2021年度)第2回試験よりインターネット申請のみになりました。

第二級アナログ通信および第二級デジタル通信の試験がCBT方式に変更(2021年9月1日~)

2021年9月1日より、第二級アナログ通信および第二級デジタル通信の試験は、CBT方式による試験に変更になりました。

工事担任者試験におけるCBT方式による試験とは

CBT方式による試験とは

CBTとは「Computer Based Testing」の略称で、コンピュータを使った試験方式です。一般的にはテストセンターと呼ばれる試験会場で受験します。CBT方式を採用している試験は工事担任者試験以外にも数多くあります。

従来の試験とは違い、決まった日時・会場というものはありません。
第二級アナログ通信・第二級デジタル通信を受験する人は、通年24時間、電気通信国家試験センターのホームページで受験の申し込みをします。
試験の申請から試験、合格発表までコンピュータで行われるのがこのシステムの特徴です。

試験申請

試験申請はパソコンまたはスマートフォンから行います。
まず、受験者登録をして、ユーザID・パスワードを取得。その後に試験の種別、受験手数料の決済方法などをしていして申請します。申請にあたっては、確認票メール受信後90日以内に受験する必要があるので、十分余裕を持って申請してください。

確認メールを受信後、マイページより試験会場・日時を選択して試験の申し込みが終わります。
また、試験会場・日時の変更がある場合は、試験日の3日前までオンラインで行います。

試験当日

試験当日は、試験開始の30分~5分前までに試験会場に到着してください。試験会場では本人確認書類を提示して、受付担当者から「受験ログイン情報シート」を受け取ってください。試験はコンピュータ画面に表示された問題を見て、マウス等で回答します。

試験会場入室後、「受験ログイン情報シート」に記載されたIDとパスワードをコンピュータに入力し試験を開始します。試験が完了したら試験官を呼んで、「試験終了確認書」を受け取ってください。これで試験は完了です。

結果発表

試験日の翌月10日にメールで通知されます。メールに合否の記載はないので、ホームページ(マイページ)で確認します。

CBT方式により変わったこと

第二級アナログ通信および第二級デジタル通信の試験がCBT方式に変わったことにより、以下のことが変更になりました。

試験実施日

従来の年2回(春秋)から年末年始を除く通年実施に変わりました。

試験申請

電気通信国家試験センターのホームページからインターネット申請のみに変更されました。通年で24時間受付されています。※定期メンテナンスを除く

試験場所

変更前は全国の主要都市18カ所でしたが、変更後は全国47都道府県280の試験会場から選択可能になりました。

出題方式

変更前はマークシート方式による択一方式でしたが、変更後はCBT方式による択一方式に変更になりました。

試験結果の発表

試験結果は受験日の翌月10日にホームページ上で発表されます。

試験日時・試験会場の変更

試験日の3日前まで試験日時と試験会場が変更可能になりました。

2022年からの工事担任者試験について

試験会場での試験

総合通信・第一級アナログ通信・第一級デジタル通信は、試験会場での試験です。AI第二種・DD第二種の試験は令和3年(2021年)4月1日から3年間に限り実施されます。試験会場、試験方法は従前の通りです。

CBT方式による試験

第二級アナログ通信・第二級デジタル通信はCBT方式による試験です。試験内容は前述の通りです。

試験制度変更によるメリット・デメリット(CBT方式)

第二級アナログ通信・第二級デジタル通信はCBT方式による試験に変更になりました。これには次のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

  • 年末年を除く通年で受験できるため、試験を受ける機会が増える。
  • CBT方式による試験では全国47都道府県280カ所で実施されるため、自宅や勤務先から近い会場で受験できる
  • 試験申請がインターネットで24時間365日申し込める。また、合否の発表もインターネットで確認できる

デメリット

  • CBT方式では問題を持ち帰られないので、自己採点が難しい
  • 今までの試験方式に慣れている人は、試験方法に戸惑うこともある
  • はじめてCBT試験を申し込む時は、受験者登録と申請を2回に分けて行う必要があり、手間がかかることもある

試験に合格するための学習のポイント

次に工事担任者試験に合格するための学習のポイントを説明します。

第二級アナログ通信・第二級デジタル通信

第二級アナログ通信・第二級デジタル通信は、試験方法が変わりCBT方式による択一方式になりました。
しかし、変更前もマークシートによる択一方式であったため、試験自体の難易度の変更はありません。

ただし、科目合格が3年間有効であること。そして、CBT方式は通年受験ができることから、しっかり学習すれば合格しやすくなったといえます。

総合通信・第一級アナログ通信・第一級デジタル通信

総合通信・第一級アナログ通信・第一級デジタル通信は資格の名称は変わりましたが、資格の工事範囲は変わっていないので試験の難易度に変更はありません。
試験日が年2回(春秋)なので、計画的に学習することがポイントです。

試験科目の要点

工事担任者はどの資格であっても試験科目は、「電気通信技術の基礎」「端末設備の接続のための技術及び理論」「端末設備の接続に関する法規」の3科目です。アナログ通信とデジタル通信では問題の分野が違い、一級と二級では問題の難易度が異なります。
また、総合通信は第一級アナログ通信と第一級デジタル通信の両方の知識が必要です。

「電気通信技術の基礎」は電気工学の基礎、電子通信の基礎に関する知識が必要です。専攻が電気工学や電子工学の方はスムーズに覚えられると思います。しかし、専門外だった方は、基礎とはいえ苦労する科目になるでしょう。

「端末設備の接続のための技術及び理論」は専門的な科目です。ネットワークの世界は技術の進化が早いため、トレンドをおさえておく必要もあります。デジタル通信ではIPネットワークや広域イーサネットワーク技術が近年増えた部分です。情報セキュリティ技術はアナログ通信・デジタル通信とも、近年取り扱われるようになりました。

「端末設備の接続に関する法規」についても、「不正アクセス行為禁止等に関する法律」「電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づく命令」は、比較的新しく追加になった試験範囲です。

このように工事担任者試験には、電気工学・電子工学の基礎や通信技術や理論が求められます。法規も以前よりは範囲が拡がっているので、広範囲に学習する必要があるでしょう。

効率よく工事担任者試験を学習しようと思えば、体系的に学べる講座を利用して勉強するのがよい方法です。また、総合通信・第一級アナログ通信・第一級デジタル通信の過去問は、直近から最低でも過去3年分ほど取り組む必要があるでしょう。

第二級アナログ通信・第二級デジタル通信は、過去問とCBT方式の試験に対応した問題に取り組みましょう。

その点、CICのWebコースやDVDコースは、体系的に学べる講座とテキスト、問題集がセットになっていますのでおすすめです。

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まとめ

2021年に工事担任者は資格も試験制度も大きく変わりました。資格ではAI2種・DD2種の廃止です。試験では第二級アナログ通信・第二級デジタル通信にCBT方式による試験が導入されたことです。

総合通信・第一級アナログ通信・第一級デジタル通信については資格名称が変わっただけで、工事範囲に変更はないため、試験の難易度は変わりません。

第二級アナログ通信・第二級デジタル通信については、CBT方式に変わったことにより通年受験ができるので、受験機会が増えました。
また、受験会場も47都道府県280カ所と増えたので、手軽に受験できます。科目合格も3年間有効であるため、しっかりと学習すれば合格できます。
工事範囲はAI3種・DD3種と同じで問題のレベルが大きく変わることはありませんが、CBT方式に変わったことにより、出題傾向に影響がでる可能性はあります。
今回の試験制度変更では、通年受験になったことにより、自分のペースで資格を取得できることが最大のメリットといえます。
自分の都合や予定に合わせて受験日や受験地が選べるため、他資格と並行しての受験勉強なども可能です。
1年で多くの資格を取得し、キャリアアップや年収アップに繋げていきましょう。

また、日本建設情報センターの「工事担任者(総合通信・第二級デジタル通信)」講座を活用することにより、情報通信エンジニアの登竜門といわれる工事担任者試験の合格へ大きく近づけます。
ぜひ活用をご検討ください。


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