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技術士の年収は高い?仕事でできることや将来性、年収アップの方法まで徹底解説!
公開日:2022年7月28日 更新日:2023年3月29日
技術士の年収は高い?仕事でできることや将来性、年収アップの方法まで徹底解説!
技術士の年収は高い?
仕事でできることや将来性、年収アップの方法まで徹底解説!
技術士を目指す際、年収のことを考えた方も多いのではないでしょうか。
なかには「技術士は技術者の最高峰の資格だから、高い年収を得られるはず」と思っている方も、いるかもしれません。
資格を目指すなら、有資格者になった際の年収を知ることも重要です。
この記事では技術士の年収や収入を上げる方法について、詳しく解説していきます。
あわせて技術士ができる仕事や資格を得るメリット、将来性も確認していきましょう。
目次
- ▶技術士の年収は平均455万円
- ▶技術士の年収は高い?低い?
- ▶平均的な会社員との比較
- ▶他の業種・職種や他の資格との比較
- ▶技術士の資格でできる仕事
- ▶建設コンサルタントの管理技術者
- ▶豊富な専門知識を活かした業務の遂行
- ▶技術士補など下位者への指導
- ▶技術士の資格を取得するメリット
- ▶業務の遂行に関わるメリット
- ▶資格手当など、金銭的なメリットも期待できる
- ▶勤務先企業に与えるメリット
- ▶専門家どうしのネットワークづくりも可能
- ▶他の資格を取得する際のメリットも多数ある
- ▶技術士の将来性
- ▶技術士の資格で年収を上げる方法
- ▶仕事で実績を挙げ、評価される
- ▶他の資格を取得する
- ▶転職する
- ▶独立・開業する
- ▶まとめ
最終更新日:
技術士の年収は平均455万円
求人ボックスによると、正社員で働く技術士の平均年収は455万円です。
但し年収320万円~395万円という方が最も多いことは、知っておきたいポイント。
平均年収の額を受け取れる方は、全体の中でも比較的上位に該当します。
技術士は21の部門に分かれており、年収も異なります。
平均年収が500万円を超える技術部門も少なくありません。
一方で、平均年収を大きく下回るケースがあることも考えられます。
また求人ボックスでは、派遣社員やアルバイト・パートの場合の給与額も以下のように示しています。
雇用形態 | 平均時給 |
---|---|
派遣社員 | 1,344円 |
アルバイト・パート | 1,044円 |
両方とも、時給は高くありません。
特にアルバイトやパートは、最低賃金に近い水準です。
能力に見合った給与を得ている方ばかりでないことは、知っておきたいポイントに挙げられます。
技術士の年収は高い?低い?
技術士の年収は、平均的な会社員よりも高いのでしょうか。
また関連する業種や資格と比べた違いはあるのでしょうか。
この点について、確認していきましょう。
平均的な会社員との比較
平均額という観点で見た場合、技術士の年収は会社員の平均年収よりも低いことが現実です。
一方で技術士の年収は人により大きく異なるため、平均的な会社員より高い年収を得られる場合も少なくありません。
国税庁が公表した「令和2年分 民間給与実態統計調査」では、以下の結果が公表されています。
項目 | 金額や割合 |
---|---|
民間企業に勤める方の平均給与 | 433万円 |
民間企業に勤める正社員の平均給与 | 496万円 |
年収300~400万円の方の割合 | 17.4% |
年収400~500万円の方の割合 | 14.6% |
年収500~600万円の方の割合 | 10.2%(上位30.3%以内に入る) |
平均年収の金額だけを見た場合、技術士の資格を持つ正社員は、民間企業で働く正社員の平均年収を40万円以上も下回っています。
しかしこのことをもって、技術士の資格を「たいしたことがない」と結論付けることは適切といえません。
実際には500万円を超える年収を得ている技術士も、数多くいます。
この金額は、会社員全体の上位30%以内に入っています。
また優秀で豊富な実績もある技術士の年収は、高くなりやすいでしょう。
他の業種・職種や他の資格との比較
技術士は選んだ技術部門により、多種多様な職業を選べることが特徴です。
ここでは高いレベルが求められる職種や資格を取り上げ、正社員で働いた場合の年収を比較していきましょう。
なお出典は、いずれも「求人ボックス 給料ナビ」(2022年6月現在)によります。
業種・職種や資格 | 平均年収 | ボリュームゾーン(該当者が最も多い層) |
---|---|---|
技術士 | 455万円 | 320万円~395万円 |
弁理士 | 572万円 | 511万円~581万円 |
建設コンサルタント | 500万円 | 548万円~608万円 |
ITコンサルタント | 656万円 | 514万円~629万円 |
技術士は技術者最高峰の資格といわれていますが、技術に関する資格や職種という観点で見るともう1段階上のものがあります。
高い技術に加えてビジネスを遂行する能力をプラスすることにより、さらなる高収入が期待できるでしょう。
技術士の資格でできる仕事
技術士は医師や弁護士のように、「その仕事をするためには資格が必須」というケースはあまりありません。
一方で技術士を活かせる仕事の範囲は、多数あります。
ここでは代表的な3つの例を取り上げ、どのような仕事ができるか確認していきましょう。
建設コンサルタントの管理技術者
建設コンサルタントの管理技術者になるためには、以下の資格を取得している必要があります。
- 技術士
- RCCM
管理技術者になると、業務の統括的な監理を行えます。
有名な建物をご自身の手でつくりあげることも可能です。
プロジェクト全体を左右できる立場に、やりがいを感じる方も多いでしょう。
豊富な専門知識を活かした業務の遂行
技術士は21の技術部門に分かれており、有資格者が持つ技術士登録証には合格した技術部門が記載されます。
また技術士の二次試験を受験するためには、7年を超える実務経験などの要件があります。
そもそも未経験者や経験の浅い方は、二次試験に出願できません。
このため経験豊富な方だけが、技術士になれます。
これまで培った豊富な専門知識を活かし、合格した技術部門に関する業務を遂行可能。
技術的なリーダーになれるとともに、有益なアドバイスも提供できることでしょう。
技術士補など下位者への指導
技術士は自身の業務を補助する技術者として、技術士を目指す「技術士補」を置くことができます。
ご自身が担う業務の一部を任せるわけですから、職務遂行に問題がないか管理・監督しなければなりません。
必要に応じて技術的な面も含め、指導する場面もあるでしょう。
高いスキルやノウハウを伝えられることは、技術士ならではの特権です。
下位者への技術的な部分を含む指導も、技術士が行える仕事に挙げられます。
技術士の資格を取得するメリット
技術士の資格を得ることには、さまざまなメリットがあります。
ここでは主な5つのメリットを取り上げ、詳しく解説していきましょう。
業務の遂行に関わるメリット
技術士は一般的な知名度こそ低いものの、建設業など技術を活かす職種や業界では重要とされる資格の1つです。
このような業界では「技術士」の名前を出すだけで、スキルが高く経験豊富な技術者と認識されるもの。
発言ひとつひとつに、一般的な技術者と異なる重みをもたせることが可能です。
技術士の資格を得ることでご自身への信頼度が高まり、業務をスムーズに進める効果が期待できます。
資格手当など、金銭的なメリットも期待できる
技術士は、以下に挙げる金銭的なメリットも期待できる資格です。
- 給与に資格手当が加算される
- 昇給する
- 昇格の条件を満たし、基本給がアップする
たとえば資格手当の場合、コンサルタント会社のなかには毎月75,000円を加算する企業もあります。
1年間では90万円もの収入増となるため、生活水準も大きくアップすることでしょう。
またより良い仕事をするための動機付けとなる点も見逃せません。
勤務先企業に与えるメリット
技術士の資格を取得することは、勤務先の企業にもメリットをもたらします。
- 公共工事への入札ができる
- 企業の評価が上がる
- 専門的な説明も円滑に行え、企業の技術力を証明できる
特に建設業の場合、自治体への入札には「社内に技術士がいること」という条件が付される場合も少なくありません。
元請けとして自治体から直接受注したい企業には、欠かせない資格といえるでしょう。
お勤めの会社に与えるメリットは、はかり知れないものがあります。
専門家どうしのネットワークづくりも可能
技術士は、日本技術士会に入会できます。
日本技術士会ではさまざまな活動を行えるため、専門家どうしのネットワークづくりも可能です。
- 全国に8つある地域本部に加えて、30の県支部が設置されている
- グループ活動に参加できる。新たなグループの設立も可能
- 講演会やセミナーの受講だけでなく、発表も可能
- 会員誌「技術士」へ投稿できる
そもそも技術士は、高いスキルと豊富な経験がないと得られない資格です。
技術士どうしが意見交換することで良い知見を得られ、日々の仕事に活かすことも期待できるでしょう。
他の資格を取得する際のメリットも多数ある
技術士を持つ方は他の資格を出願する際、以下の優遇措置が得られます。
- 受験資格がある試験に出願できる
- 試験の一部が免除される
1番に該当する資格には、消防設備士甲種や労働安全コンサルタント、作業環境測定士などが挙げられます。
また2番に該当する資格は、弁理士が代表的です。
より高いレベルの資格を目指すハードルが下がることは、見逃せないメリットの1つといえるでしょう。
技術士の将来性
技術士は技術力を武器とする業界で、高い評価を得ている資格です。
資格への信頼性が大きく低下することは、考えにくいといえるでしょう。
一方で広く一般市民に認知される資格となる可能性も、あまり期待できません。
このため「注目の資格」となるまでの飛躍はしないものの、今後も現状とほぼ同等レベルの評価は期待できるでしょう。
その面で、将来性はある資格と考えられます。
技術士の資格で年収を上げる方法
技術士はそれだけでも年収を上げられる資格ですが、ご自身の工夫によりさらなる年収アップにつなげることが可能です。
ここからは4つの方法を取り上げ、年収を上げるポイントを確認していきましょう。
仕事で実績を挙げ、評価される
どの企業でも実績をあげ売上と利益の向上に貢献した従業員は、高い評価を得られます。
これは技術士も例外ではありません。
業績向上や事業の発展につながる実績を残せば高い評価を得られ、年収アップを実現できるでしょう。
但し技術士は、もともと期待されるスキルレベルが高いことに留意しなければなりません。
仕事で高い評価を得るためには、一般の社員よりも高いレベルが求められることに注意が必要です。
他の資格を取得する
「他の業種・職種や他の資格との比較」でも解説したとおり、技術士よりも高い年収を期待できる資格はいくつかあります。
高いスキルが求められる資格を組み合わせることで、より高い年収が期待できます。
また独立・開業する際は、ビジネススキルも求められるもの。
ビジネス系の資格と組み合わせることは、カバーするスキルの範囲が広がるという点でおすすめです。
転職する
企業が持つ資産は有限です。
社内に高いスキルを持つ従業員がいる場合でも、スキルに見合った給与を支払えない場合もあります。
この場合はいくらスキルを高めても、大幅な給与の上昇は期待できません。
このような方は、転職も給与を上げる有効な選択肢となります。
但し転職した結果、今の職場よりも条件が下がるリスクがあります。
このような事態は、ぜひとも防がなければなりません。
転職先を決める前には条件をよく確認し、納得してから雇用契約を結びましょう。
独立・開業する
より高い年収を得たい方は、独立・開業する方法もあります。
豊富なスキルと経験を活かせること、比較的自由度が高いことは主な魅力です。
場合によっては、年収1,000万円を超えられる場合もあります。
日本技術士会では、技術士事務所開業の研修会を開催しています。
技術士会の後押しがあることに、心強さを感じる方も多いのではないでしょうか。
まとめ
技術士は、それだけで高い年収を約束する資格ではありません。
資格の取得はもちろん、これまで培ったスキルや業務経験も年収を決める要素となります。
このため技術士の資格を取ることをゴールとせず、むしろ高いスキルを証明する手段として用いることがおすすめです。
さらなる年収のアップには、仕事での活躍や難易度の高い資格を取得することが挙げられます。
高いスキルを活かし業績向上に貢献して、年収を上げるよう努めましょう。
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