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管工事施工管理技士の仕事内容や現場の実情は?向いてる人や業界で活躍するために大切なことは?

公開日:2023年11月24日 更新日:2024年6月10日

管工事施工管理技士の仕事内容や現場の実情は?向いてる人や業界で活躍するために大切なことは?


管工事施工管理技士は、建設業法に基づき国土交通大臣指定試験機関が実施する国家試験(管工事施工管理技術検定)に合格した者に与えられる称号で、1級と2級があります。
他の工種の施工管理技士と同様に、施工技術の確保と資質の向上と、建設工事の適正な施工を行うことが目的と役割とされています。

この記事では、管工事施工管理技士の仕事内容や実情について、詳しく解説しています。

施工管理技士補に興味・関心をお持ちの方は、ぜひお読みください。


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管工事施工管理技士とは

管工事施工管理技士は、建設業法に基づき国土交通大臣指定試験機関が実施する国家試験(管工事施工管理技術検定)に合格した者に与えられる称号で、1級と2級があります。
他の工種の施工管理技士と同様に、施工技術の確保と資質の向上と、建設工事の適正な施工を行うことが目的と役割とされています。

1級管工事施工管理技士を取得すると、請負金額に関わらず、監理技術者や主任技術者となることができますし、営業所の専任技術者を務めることも可能です。
まずは2級からチャレンジして、1級へとステップアップしていくのも良いでしょう。

管工事施工管理技士の仕事内容

管工事施工管理技士として管理する工事は一般に言う「機械設備工事」で、その工事は大きく2つに分けることができます。
エアコンや換気扇などの「空調設備工事」上下水道や消火設備が該当する「給排水衛生設備工事」の2つです。
ざっくりと考えた時に建築工事が外側の箱体の工事であれば、管工事施工管理技士が管理するのは建物の内部、機能の部分です。

それでは具体的な工事内容について順番に確認していきましょう。

空調設備工事

空調設備とは、対象となる室内や特定の場所の空気の温度、湿度、清浄度、気流分布などの温熱・空気環境について、そこで生活する人や、管理する物品、装置などに対して適した環境になるように設置する設備のことを言います。
空調設備工事では、空調設備を機能させるための機器の据付、冷媒配管、ダクト、それらの保温、制御などの工事を行います。
簡単に言えば「空気についての工事」といったイメージです。

給排水衛生設備工事

給排水衛生設備は、建物及びその敷地内で、給水・給湯、排水通気、衛生器具、排水再利用、雨水利用に関連する設備、そして医療ガスや浄化槽などの特殊設備の総称を言います。
給排水衛生設備工事では、それらの設備の器具・機器の据付、配管、保温などを行います。
空調設備が空気を扱う工事であれば、こちらは「水に関する工事」と言えます。

消防設備士や建築設備士との違いは

管工事施工管理技士との類似資格として、消防設備士や建築設備士を上げる方もいらっしゃるかもしれません。
ここでそれぞれの役割を確認しましょう。

消防設備士(甲種の場合)は工事整備対象設備等の工事・整備及び点検をすることができます。
あくまでも「工事・整備及び点検」が業務範囲となりますので、主に水を使う消防設備の施工管理は管工事施工管理技士が行う必要があります。

このことから、消防設備士の方のスキルアップとして管工事施工管理技士を目指すことも選択肢の一つとなります。

一方、建築設備士は建築士法により定められた国家資格で、建築設備全般に関する知識及び技能を有し、建築士に対して、高度化・複雑化した建築設備の「設計・工事監理」に関する適切なアドバイスを行える資格者とされています。
建築設備士が行うことができるのは工事「監理」であり、施工管理ではありません。建築設備士が行う工事監理は、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかを確認することとされていますので、施工管理技士の役割とは明白に異なります。
こちらは管工事施工管理技士の方が次のステップとして受験する場合もあります。

管工事施工管理技士の主な就職先や業種

管工事施工管理技士が活躍する企業にはどんなところがあるのか、またそこでどのように活躍しているかを見ていきましょう。
主な就職先には大きく2つあります。

サブコンの施工管理職

管工事施工管理技士の多くは、サブコン※で施工管理職として活躍しています。
機械設備工事についての工程管理、品質管理、安全管理、予算管理をトータルに担います。
サブコンは機械設備工事におけるスペシャリストの集団ですので、該当工事について深く学び、経験することができます。
ゼネコンの設備部の社員に比べ、より職人さんと関わる機会が増え、現場での実際の仕事に密接に関わることが多くなります。

※サブコン
サブ・コンストラクターの略称。
ここでは、元請業者(建築・土木一式工事の請負者/ゼネコン)から機械設備工事一式を請負う業者、または分離発注の場合に発注者から機械設備工事一式を請負う業者のことを言います。

ゼネコンの設備部

サブコンの施工管理職に対して、ゼネコンの設備部で活躍している人も一定数の人がいます。
ゼネコン設備部での管工事施工管理技士は、機械設備工事のみならず、電気設備工事、建築工事についてより深い理解が必要となります。
発注者や設計監理者との間に立ち、ニーズに答えるよう打ち合わせや調整をしたり、機械設備工事と建築工事、電気工事との取り合いや納まりを検討するなど、業務は多岐に渡ります。
どちらも機械設備工事についてのスペシャリストであることには間違いありませんが、サブコン務めの管工事施工管理技士が「浅く・深く」仕事を知っているとすれば、ゼネコン務めの施工管理技士は「広く・浅く」いろいろなことを知っている必要があります。
サブコンは大手企業から中小企業まで様々ありますが、設備部を組織しているゼネコンは大手企業に多く見られますので、大規模な現場やプロジェクトに携わることが増えるでしょう。

管工事施工管理技士は現場でしか働けないの?

若いうちは現場で経験を積みながらバリバリ働いていたいけれど、年を重ねても現場務めは辛いかもしれない、とお考えの方も多いと思います。
施工管理技士の資格や経験は、現場でしか活かせないのかというと、答えはNOです。
現場で基本的な理論、法規制、工法などを身に着けた後、機械設備設計図や施工図の作図、積算業務などに活かすこともでき、セカンドライフとして内勤者になる選択肢も十分考えられます。
これらの職種に就く場合も、現場での経験があるかないか、現場を知っているかどうかは成果に大きく差が出ます。
そう言った意味でも、若いうちに管工事施工管理技士を取得して働くことは大きな意味を持ちます。

管工事施工管理技士の現場の実情

管工事についてはスペシャリスト、建築と電気の基礎知識も必要

機械設備工事は「エアコン・換気扇」や「トイレ・ポンプ」等の機器・器具を扱いますが、これらを運転するためには【電源】が必要です。
そこで、電気設備工事との連携が発生します。
どの機械に、どんな電源が必要で、その電源をどの太さのケーブルで繋いでほしいのか、電気工事業者へ的確に説明する必要があります。

ダクトや配管は、地中や天井裏で【スリーブ】を空けてその孔に通さなければいけない場合があります。
しかし、梁には開口しても良い範囲、だめな範囲が存在します。
細かいルールをしっかり理解して施工しなければ、建築基準法などの法令違反となってしまいます。

これらは業務の一部に過ぎませんが、機械設備工事の範囲「だけ」を理解していても、工事管理を行うことができません。

そのため、管工事施工管理技術検定では「建築工事」についての出題や「電気設備工事」についての出題、「建築基準法」や「建設業法」についての出題があります。
試験対策勉強をすることで、自ずと実践知識も身につけることができます。

コロナ禍や温暖化による猛暑で、空調設備工事の需要が高まっている

新型コロナウイルスの対策として効果的で効率的な換気を行うことが提唱され、換気設備の設置工事が急増しました。
また、省エネの観点からもこの機会に全熱交換器を設置して換気を行うよう改修する事業所や飲食店などもありました。

他方では、近年地球温暖化の影響による猛暑や酷暑が発生しているため、全国の公立学校施設で空調(冷房)設備の設置が進められています。
小中学校の普通教室では設置率が100%に近くなりましたが、特別教室や体育館では依然として設置率が低く、今後も夏季休暇などの長期休暇を利用した工事の発注が予測されます。

これら工事のうち一定金額以上のものは、管工事施工管理技士による現場管理が必要とされます。
合わせて、公共性のある工事であれば専任の監理技術者が必要とされるため、1級管工事施工管理技士を取得し、監理技術者講習を受講している方(監理技術者)は工事の増加に伴い、採用市場での需要も高まっています。

管工事施工管理技士に向いてる人と向いていない人

新しい技術や工法を積極的に学び、柔軟に取り入れられる人

建設業界もDX化が日進月歩で、ICT施工やBIM/CIMの導入を多くの企業や現場で採用しています。
多くの管工事施工管理技士は、BIMの分野においていち早くその技術を取り入れており、設計図や施工図を3D化することで、気流シミュレーションや配管ユニットの製作など、あらゆる方法と段階で活用しています。
機能、品質、工程にメリットが多く、技術習得には努力が必要ですが、今日ではBIMは必須の知識・技術となってきています。

施工や材料の観点から見ても、従来はネジ切り、溶接が主流な配管の接続方法でしたが、安全面への配慮や品質のムラをなくすために、電気融着や溶接レスの配管が主流となるなど、新しい材料や工法も、次々に開発されています。

法規制の側面からも「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けて、様々な発表があります。
技術者としては、法規制は常に最新の情報を知り、遵守していかねばなりません。
(管工事施工管理技術検定では、省エネ技術や法規制についての出題もされており、最新の情報を学ぶことができます。)

このように次々に出てくる新しい技術や法律に対し、積極的に学び、柔軟に取り入れようとする姿勢が管工事施工管理技士には求められています。
学ぶ意欲のある、好奇心旺盛な人は、管工事施工管理技士に向いています。

協調性があり、バランスの良い人間関係を構築できる人

ここまでで、管工事施工管理技士の仕事は一人でできる仕事ではなく、様々な工事と関係しながら進めていく仕事だとご理解頂けたかと思います。
発注者、他工種の施工管理技士、職人、近隣関係者など、日々とにかく多くの人と関わりながら働いています。
明るく、協調性があり、バランスの良い人間関係を構築するというスキルは、社会人全体に必要とされることですが、管工事施工管理技士としても必須のスキルです。

自分だけがうまくいけば良い、自分の工事だけがスムーズにいけば良い、という姿勢では間違いなく壁にぶつかってしまいます。
自分の担当工事以外の工種でどんなことをしているのか理解することも、円滑なコミュニケーションを取るための一つの方法と言えるでしょう。
管工事施工管理技術検定を受験される方は、ぜひそのような視点からも「自分には関係のない分野だ」と切り離さずに、他工種に関する内容も意欲的に学んでみてほしいと思います。

どんな勉強をしてきた人が向いている?

管工事施工管理技士には、様々な経歴の人がいます。
管工事施工管理技術検定の受験資格は、指定学科を卒業して指定の実務経験を積んだ人、学歴を問わず実務経験を積んだ人に等しく与えられます。
つまり学生時代に何を学んできたかよりも、機械設備工事が好きで、日々学びを続けている人こそが向いていると言えます。
施工管理技士は管工事に限らず、机上での学習と現場での経験を紐づけて自分のものとできるかどうかが大切です。

まとめ

国土交通省は「少子高齢化に伴う全産業的な労働力人口の減少が進む中、建設業においても、限りある人材の有効活用を図りつつ、将来にわたる中長期期的な担い手の確保及び育成を図ること」を急務として、各種施工管理技士の受験資格を見直すとしています。

工種別に見ても、例えば管工事施工管理技術検定の受験者数と合格者数は、建築のそれらの人数の60~65%程度と非常に少なくなっています。
現在管工事施工管理技士をお持ちの方も、これから取得を考えている方も、今後の建設業界では重要な人材となっていくことは確実です。

日本建設情報センターでは各種通信講座や書籍を準備しております。
ぜひ、私たちの教材をご活用して頂き、合格を勝ち取ってください。


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