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消防設備士甲種4類とは?試験概要や難易度、合格するための勉強方法を紹介
公開日:2022年8月12日 更新日:2024年9月26日
消防設備士甲種4類とは?試験概要や難易度、合格するための勉強方法を紹介
「消防設備士甲4種とはどんな資格?」
「例年の合格率や難易度は?」
「どのような勉強方法が効率的なの?」
本記事では、そのような疑問を持つ方のために、消防設備士の資格試験について詳しく解説します。
独学での合格を目指そうと考えている方や、通信講座の利用を考えている方にとっても、きっと役立てていただける内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
消防設備士甲種4類とは?
消防設備士とは建物の消防設備に関する工事や点検・整備を行うことができる国家資格です。
消防設備には消火器、スプリンクラー、泡消火設備、自動火災報知設備、避難はしごといったものがあります。消防設備士甲種4類では主に自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、火災通報装置などを取り扱います。
これらの設備は、火災が発生した時の熱や煙、ガス漏れ等を自動で感知し、建物内にいる人たちや所轄の消防機関等に迅速に火災の発生を伝達する重要な役割をもった電気設備です。
消防設備士には乙種と甲種がある
消防設備士には乙種と甲種という2種類があります。
乙種は当該消防設備の整備・点検ができるのに対し、甲種は整備・点検のほか機器の設置や取換などの工事ができるようになります。
消防設備士甲種4類でできることと仕事内容
消防設備士甲種4類では、自動火災報知設備、ガス漏れ火災報知設備、火災通報装置など主に電気に関係する消防設備の整備・点検・工事ができます。
消防設備は火災などの非常事態が生じた場合に機能し、使用できる状態でなければなりません。
自動火災報知設備が整備や点検を怠り、火災時に設備が正常に機能しないと、建物の中にいる人たちは逃げ遅れてしまいます。
また、消防機関への連絡が遅くなることで消火活動も遅れ、延焼が進むことも考えられるでしょう。
消防設備は、建物において人命に関わる重要な設備であり、消防設備士の仕事は責任重大でやりがいのある仕事です。そして、消防設備士甲種4類の資格が求められている求人も多く、資格を持っていると職場において重宝されます。
乙種4類との違い
以下の表は、乙種4類との違いをまとめたものです。
項目 | 詳細 |
---|---|
仕事の範囲 | 自動火災報知設備などについて、乙種は「整備」「点検」が可能、甲種は加えて「工事」も可能になる |
受験資格 |
|
受験料 |
|
試験内容 |
|
その他 | 甲種は、乙種に比べて仕事の範囲が広範囲になるため、職場によっては甲種の資格を持っていると手当がつくところもある |
受講料金や試験内容、試験範囲などいくつかの点で乙種と違いがあることがわかります。受験前にどのような違いがあるのか把握しておくとよいでしょう。
消防設備士甲種4類試験の概要
ここまで、消防設備士甲種4類の概要について解説しました。では、甲種4類の試験はどのように実施されるのでしょうか。
ここからは、消防設備士甲種4類試験の概要を詳しく解説します。
受験資格
受験資格は、一般財団法人試験センターのホームページにて確認可能です。
難しい用語も登場しているため、ここではわかりやすく解説します。
甲種4類の受験資格は大きく2種類に分けられます。国家資格等によるものと学歴によるものです。
それぞれの受験資格に関して、以下の表をご覧ください。
受験資格 | 詳細 |
---|---|
国家資格等によるもの |
|
学歴によるもの※ |
|
※近年、学部や学科名が多様化されています。自分の卒業した学部や学科が受験資格に該当しているか不明な場合は、一般財団法人試験センターのホームページに一覧表が添付されていますのでご参照ください。
受験資格を満たしていなければ、受験できません。事前に受験資格を満たしているか確認した上で、試験に臨みましょう。
受験料
甲種は試験手数料として5,700円(非課税)が必要です。支払方法については、「書面申請」と「電子申請」の申請方法によって異なりますので、以下の表を参考にしてみてください。
申請方法 | 支払方法 |
---|---|
書面申請 | ゆうちょ銀行または郵便局窓口での払込となる
※所定の払込手数料が必要 |
電子申請 | 受験料の払込方法については下記の方法が選択できる
※別途払込手数料が必要 |
自分に適した方法を選択して、スムーズに支払いを済ませましょう。
試験会場・試験日程など
一般財団法人消防試験研究センターは全国に支部があるため、日本各地で受験が可能です。
ただし、試験日程については各支部によって違いがあるため、自分の希望する受験地の支部スケジュールをホームページで確認しましょう。
参考として、令和3年度の各支部における試験日程スケジュールについて参考URLを記載しますのでご参照ください。
受験の流れ
消防試験研究センター各支部のホームページにおいて、受験申請から試験までの一連のフローが説明されています。
また、各支部によって独自の通達事項などが記載されていることもありますので、必ずご自身が受験する地域の支部ホームページをよく確認するようにしましょう。
ここでは、受験申請における注意点を解説します。
受験申請について
書類を郵送することによる「書面申請」、またはインターネットにおいて申請する「電子申請」の2通りがあります。
「書面申請」「電子申請」のどちらで申請するかによって申請受付期間が異なります。
「電子申請」の方が「書面申請」より受付開始~締切の期間が数日早いため注意が必要です。
また、近年は新型コロナウイルスの影響もあり、試験会場では感染対策を行いながら試験を実施します。
受験者同士の離隔を取りながら座席を埋めていきますので、例年よりも試験会場の定員が少なくなる傾向があります。
そのため、申請者が試験会場の定員に達したら受付期間内であっても受付を締め切ることがあるようです。
書面申請
消防試験研究センター支部、消防本部窓口等で願書を入手しましょう。地域によっては書店で願書を入手することもできるようです。願書の入手先は消防試験センター支部のホームページに一覧が記載されていますので確認しましょう。
同時進行で願書の他に必要となる書類についての準備も進めましょう。申請に必要な書類は、以下の通りです。
- 受験願書(「郵便振替払込受付証明書」を添付)
- 受験資格を証明する書類(免許や卒業証書のコピー等)※卒業証明書、単位修得証明書、科目履修証明書については原本の提出です(コピー不可)
- 他の種類の消防設備士免許のコピー(※所有者のみ)
- 試験の一部免除を受ける者は免除の資格を証明する書類など
電子申請
受験資格等を証明する書類の添付が必要な方は電子申請ができません。
また、甲種4類以外の試験を同一試験日に複数受験する場合も電子申請はできないので書面申請となります。
電子申請は、申請後に消防試験研究センター支部から受験票が郵送されません。
自分で受験票を印刷しておかなければならないので忘れずに当日までに準備をしておきましょう。
試験科目
消防設備士甲種4類の試験科目は下記の通りです。
試験科目は筆記と実技の2つの種別でわけられており、それぞれ試験時間・試験内容が決められています。
筆記は全45問となっており試験時間は2時間15分です。試験科目と出題数は、以下の表を参考にしてください。
科目 | 出題数 |
---|---|
法令 | 共通、類別:15問 |
基礎的知識 | 電気:10問 |
構造、機能、工事・点検 | 電気、規格:20問 |
実技は全7問で試験時間は1時間です。試験科目と出題数は、以下の表を参考にしてください。
科目 | 出題数 |
---|---|
鑑別 | 5問(試験時間:15分) |
製図 | 2問(試験時間:45分) |
学科・実技によって試験時間や出題数が異なります。各試験の特徴やポイントを把握した上で効率的な対策に臨みましょう。
消防設備士甲種4類の合格率・難易度
以下の表は、直近5年間の合格率をまとめたものです。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2023年度(令和5年度) | 19,205人 | 6,210人 | 32.3% |
2022年度(令和4年度) | 19,899人 | 6,848人 | 34.4% |
2021年度(令和3年度 | 20,877人 | 7,753人 | 37.1% |
2020年度(令和2年度) | 16,554人 | 6,159人 | 37.2% |
2019年度(令和元年度) | 17,361人 | 5,831人 | 33.6% |
表をみると、例年30%台で推移していることがわかります。決して簡単な資格ではありませんが、難関資格というわけでもないのが特徴です。
試験は科目ごとに40%以上かつ試験全体で60%以上の点数が合格点となります。
合格者定員が決められている競争試験ではなく、合格点をとってしまえば誰でも合格できる試験です。コツコツと勉強していれば合格が十分に狙えます。
消防設備士甲種4類に合格するための勉強方法
消防設備士甲種4類の参考書や問題集は、何冊にも渡って複数に手を出す必要はありません。参考書や問題集を1冊購入し、その1冊をとことんやり込むほうが効果的です。
また、学習方法については人によって得意・不得意がありますので、一概にこの方法がよいとは断言できません。ただし、テキストを読んで暗記するだけではなく、問題演習をこなして問題を解くことに慣れることをおすすめします。
内容を理解することは大事なことですが、問題を解き慣れることの方がこの試験に合格することに関しては効果が期待できます。
また、消防設備士の試験は科目ごとに40%以上の点数をとる必要があるため、苦手科目を捨てて得意科目に集中する方法をとれません。
試験に合格するためにはどの科目においても足切りにならないように、バランスよく勉強することが大切です。
また、「鑑別」科目の勉強に関しては、感知器の種類やその他設備機器名は必ず正確に漢字で書けるよう練習しておきましょう。
漢字が書けずにひらがなで解答してしまったり、字を間違えた場合は減点になってしまうため注意してください。
消防設備士甲種4類の合格に必要な勉強時間
勉強時間についても、個人の知識量や能力、経験により差があるので絶対という基準はありませんが、およそ1日1時間程度の勉強を3か月くらい継続することが合格までの目安です。
過去問などを一通り解いてみると、「完璧に理解している」、「ぼんやりとした理解程度」、「何もわからず手も足もでなかった」といったように現在の自分の理解度が把握できます。理解度に合わせて勉強時間を増やしたり減らしたりと調整するのがよいでしょう。
甲種4類の製図対策
消防設備士甲種4類で一番の難関である「製図」についてです。
製図が難関とされているのは、明確な解答がなく、独学が難しいためです。「製図」を出題する意図とは何なのかというと、受験者の「設置基準の理解度を確かめること」にあります。
はじめは、問題集の解答を見ながら丸写しでも良いので、製図問題の答案を作成しましょう。それを繰り返しているうちに、次第に解答を見なくても答案を書けるようになりますので、そこまで達成できたら今度はしっかりと解説を読み込んで内容を理解してください。
この工程を積み上げていくことで、段々と製図問題は自力で解けるようになっていきます。
独学での合格は可能なのか?
3か月くらい前からコツコツと準備をしていけば、文系・理系に関係なく、独学での合格は十分に可能です。
自分の1日の生活スケジュールを見直して、1時間程度でも良いので日々勉強にあてる時間を作ってみてください。
独学に限界を感じたら通信講座などの利用もおすすめ
独学ではどうもはかどらない、勉強する時間を確保できないくらい忙しい、より効率よく短時間で試験に合格したい方は通信講座を利用するのもおすすめです。
講師の解説動画を空き時間や移動中に視聴したり、わからないことはメール等で相談ができるなど、独学にはない充実したサポートを受けられます。
まとめ
消防設備士甲種4類の試験は、何も準備をせずに試験本番を迎えた場合、合格は難しいといえるでしょう。
ただし、試験の傾向と対策などのポイントを抑えて、きちんと準備すれば十分合格が狙える試験です。自分に合った勉強方法でしっかりと試験対策をして、消防設備士甲種4類合格を勝ち取りましょう。
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