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職長・安全衛生責任者教育は資格試験?受講資格などをわかりやすく紹介
公開日:2024年5月22日 更新日:2024年5月22日
職長・安全衛生責任者教育は資格試験?受講資格などをわかりやすく紹介
建設現場などで職長の役割を果たす予定がある方は、職長・安全衛生責任者教育を受ける必要があります。そうした方の中には、職長・安全衛生責任者教育が資格試験かどうか知りたいという方がいらっしゃるでしょう。もし資格試験なら試験対策が必要になるからです。
そこで、この記事では職長・安全衛生責任者教育が資格試験かどうか、受講資格には何があるのかなどを紹介します。
目次
職長・安全衛生教育は資格ではないが資格と同様の扱い
職長・安全衛生教育は資格試験ではありません。職長・安全衛生責任者教育は、労働安全衛生法第60条に基づき、事業者が行なう職長や安全衛生責任者として働く予定がある方への教育です。
労働安全衛生法第60条では、その教育が義務であることを次のように説明しています。
- 作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。
- 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
- 前二号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの
引用:e-GOV法令検索
資格扱いではないので講座を受けるだけ
職長・安全衛生責任者教育は資格試験ではないので、講座を受講するだけです。受講修了者には修了証が交付されます。
したがって、職長・安全衛生責任者教育の受講修了者は、現場などで資格取得と同様の扱いを受けます。さらに、職長・安全衛生責任者教育を修了すれば、スキルアップや給与アップを期待できるのも事実です。
講習を受講し知識を身に付ければ、職長もしくは安全衛生責任者としてきちんと働けるので、会社から信頼が得られます。さらに、優良職長手当制度に基づき、職長手当を支給している建設会社があります。職長・安全衛生責任者教育を受ければ自身のスキルアップや給与アップにつながるので、機会があれば受講することをおすすめします。
職長・安全衛生教育に試験はない
講習のみで試験はありません。したがって、講習前に参考書や問題集で試験対策をするといった必要はなく、試験に落ちるという心配もいりません。
職長・安全衛生教育の対象者・受講資格・カリキュラム
職長・安全衛生責任者教育の対象者・受講資格・カリキュラムの内容について説明します。
講習の対象者・受講資格
講習の対象者は以下の通りです。
- 職長もしくは安全衛生責任者として働いている人
- 職長もしくは安全衛生責任者として働く予定がある人
受講資格について、年齢制限や必要な資格などの条件はありません。
職長・安全衛生責任者教育のカリキュラム
職長・安全衛生責任者教育のカリキュラム内容は以下の通りです。
科目 | 時間 |
---|---|
作業方法の決定及び労働者の配置
|
2時間 |
労働者に対する指導または監督の方法
|
2時間30分 |
危険性または有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置
|
4時間 |
異常時等における措置
|
1時間30分 |
その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動
|
2時間 |
安全衛生責任者の職務等
|
1時間 |
統括安全衛生管理の進め方
|
1時間 |
職長・安全衛生責任者教育の受講方法
受講方法は、次の3つの方法が一般的です。
- 講習会
- Web講習
- 出張講習
講習会は、職長・安全衛生責任者教育が開催される会場に足を運び、そこで受講します。Web講習では、オンラインで会社もしくは自宅で受講可能です。出張講習は、事業者が指定する講習会場に講師を派遣してもらい、そこで受講する方法です。講習や講師の派遣は、建設労働災害防止協会・中小建設業特別教育協会・安全衛生マネジメント協会などの各種団体が行なっています。
CIC日本建設情報センターでは、2日間コースの通学講座による職長・安全衛生責任者教育を受けることが可能です。
講習会修了後には、カリキュラムを修了したことを証明する修了証が交付されます。職長・安全衛生責任者教育を含めた建設業資格の通学講座・Web講座を探しているなら、CIC日本建設情報センターをご利用ください。
職長・安全衛生責任者教育にまつわるよくある質問
この部分では、職長・安全衛生責任者教育で、よくある質問を紹介します。
職長・安全衛生責任者教育は資格ですか?
資格ではありません。職長・安全衛生責任者教育は、労働安全衛生法に基づき、事業者が職長として働く方に実施が義務付けられている教育です。
受講修了者には修了証が交付されます。したがって、職長・安全衛生責任者教育を受講すれば、現場において資格取得と同様の扱いを受けることを期待できます。
職長・安全衛生責任者の受講資格は?
年齢制限や受講に必要な資格保持などの条件はありません。職長や安全衛生責任者として働く予定があれば、誰でも受講可能です。
職長・安全衛生責任者教育に落ちることはありますか?
職長・安全衛生責任者教育の講習に試験は含まれていないので、試験に落ちるということはありません。講習の内容は作業手順の定め方や労働者の適正な配置の方法、危険性や有害性の調査、調査結果に基づいた措置の方法、安全衛生責任者の役割などです。したがって、建設現場などでの仕事経験や知識を有していれば、講習内容は理解できます。
職長・安全衛生責任者教育の修了証の有効期限は?
有効期限や5年更新といった規定もありません。しかし建設現場では技術革新の急速な進歩や労働力不足、労働者の高齢化、外国人労働者の増加など、さまざまな環境変化がおきており、労働災害の増加が懸念されています。
こうした現状を受け、厚生労働省は建設業に従事する職長及び安全衛生責任者に対し、5年ごとに職長等の能力向上教育に準じた教育の実施を推進するよう、都道府県労働局及び関係団体等に通知しました。
これにより、現場によっては5年ごとに「職長・安全衛生責任者能力向上教育」の受講を求められることがあります。職長・安全衛生責任者能力向上教育を受講した場合、職長・安全衛生責任者教育とは別の修了証が交付されます。
まとめ
職長・安全衛生責任者教育は資格試験ではありません。職長または安全衛生責任者として働く人向けの講習です。資格試験ではないので、講習に試験はありません。
受講すれば、職長や安全衛生責任者として働く上で必要な知識を有しているということで、現場で資格取得と同様の扱いを受けます。職長・安全衛生責任者教育を受講し、職場でのスキルアップを目指してください。