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職長・安全衛生責任者教育とは何か?両者の違いや注意点について解説

公開日:2024年5月22日 更新日:2024年5月22日

職長・安全衛生責任者教育とは何か?両者の違いや注意点について解説

建設業や製造業をはじめとして、特定の業種の従業員を対象に職長教育や安全衛生責任者教育を履修する義務があります。該当する事業を営んでいる経営者は、具体的にどのような教育を受けさせないといけないのか気になるところです。

そこでここでは、職長教育と安全衛生責任者教育に関して解説します。両者には違いもありますので、理解したうえで従業員に受講させましょう。


CIC職長・安全衛生責任者教育講習




目次

職長・安全衛生責任者教育の基本について解説

職長・安全衛生責任者教育

まずは職長・安全衛生責任者教育の基本的なことを解説します。それぞれ教育が義務化された目的やプログラムなどを紹介しましょう。

職長教育とは

職長教育とは、これから職長に就く人を対象に必要な教育のことです。労働安全衛生法によると職長とは現場で作業員を指導監督する人で、現場監督のような人たちです。

建設現場などの場合、作業員だけでなく物資や機材などがずっと稼働しています。うっかりしていると作業員が事故に巻き込まれ、重大な結果につながりかねません。そうならないために職長が現場を俯瞰的に監視し、必要な指示や注意を与える必要があります。

現場を指揮監督するための知識やノウハウについてマスターするために、職長教育を実施するわけです。職長教育を通じて、現場の安全管理の正しい知識が身に付きます。事故を未然に防ぐためにも必要です。

安全衛生責任者教育とは

安全衛生責任者教育とは、安全衛生責任者に選任された人を対象に施される教育のことです。安全衛生に関する責任を負う立場の方が、必要な知識や技能を習得することを目的とした教育です。

安全衛生責任者教育は、一度受講すればそれでおしまいというわけではありません。一定期間経過した、もしくは使用する機械などの設備に大幅な変更があった場合は再度受講しなければなりません。

安全衛生責任者は統括安全衛生責任者という、元請業者が選任する人と連絡や調整を行います。また統括安全衛生責任者から作業内容などを通知されることもあるので、これを関係者に連絡してマネジメントする役割も担います。現場の安全管理を進めるだけでなく、複数の業者の責任者とコミュニケーションも取らなければなりません。そのような知識を習得するために、安全衛生責任者教育が実施されるわけです。

職長・安全衛生責任者教育のカリキュラム

職長・安全衛生責任者教育のプログラムは異なります。職長教育と安全衛生責任者教育のプログラムを表にしてまとめると以下の表のようになります。

プログラム 職長教育 安全衛生責任者教育
作業方法の決定及び労働者の配置に関すること(2時間)
労働者に対する指導および教育方法、監督および指導方法に関すること(2.5時間)
危険性または有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること(4時間)
異常時等における措置に関すること(1.5時間)
その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動に関すること(2時間)
安全衛生責任者の職務等(1時間) ×
統括安全衛生管理の進め方(1時間) ×
合計 12時間 14時間

上の表のように、安全衛生責任者教育では職長教育よりも2時間多くプログラムを受講しなければなりません。安全衛生責任者の役割や心構えに関する安全衛生責任者の職務等と安全工程打ち合わせのやり方など、統括安全衛生管理の進め方を受講しなければなりません。

職長教育と安全衛生責任者教育の違い

職長教育と安全衛生責任者教育の違い

職長教育と安全衛生責任者教育は、プログラムの内容以外にもいくつか違いがあります。受講対象者や該当業種などの違いもありますので、ここで見ていきましょう。

受講対象者の違い

職長は現場責任者の役割を担う人々のことです。業種によって若干異なるかもしれませんが、「班長」や「リーダー」「主任」と呼ばれる人が受講する必要があります。ただし特別役職名がなくても、現場の監督を行っている人は受講しなければなりません。

一方安全衛生責任者の場合、複数の請負会社にかかわる現場で働く人が教育を受ける義務が生じます。該当する現場で、その事業者の代表者として統括安全衛生責任者と連絡・調整する立場にある人は、教育を受講する必要が生じます。

業種の違い

職長と安全衛生責任者教育の違いとして、対象業種もあります。職長教育は建設業や電気業、ガス業、機械修理業、自動車整備業、製造業が対象です。さらに令和5年4月1日から食料品製造業や新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業で監督指導する方も受講しなければならなくなりました。これは労働安全衛生法施行令が改正されたことに伴う措置です。

一方安全衛生責任者教育の義務がある業種は、かなり絞り込まれます。建設業並びに造船業が対象です。いずれも複数の事業者が作業にかかわるので、教育が義務化されているわけです。

講習内容の違い

プログラムで紹介したように、受講範囲も両者では異なります。安全衛生責任者の場合、安全衛生責任者の職務と統括安全衛生責任者からの連絡のマネジメントの方法について学習します。

元請事業者や2次・3次下請事業者の代表者とのコミュニケーションや調整をしなければならないからです。ただし建設業の該当する作業員は、職長・安全衛生責任者教育という形で両者を合流させた形での履修も少なくありません。実際厚生労働省でも、両者を合流させたプログラムでの受講を推奨しています。

講習時間の違い

プログラムを見ればお分かりのように、講習時間も両者で異なります。職長教育は12時間なのに対し、安全衛生責任者教育は14時間のプログラムを修了しなければなりません。

安全衛生責任者教育を受講する場合、2時間多く学習する必要があります。事業者は対象者に履修させるために、勤務時間などスケジュールの調整が必要になるでしょう。

職長・安全衛生責任者教育を受講する際の注意点

注意点

職長・安全衛生責任者教育を受講するにあたって、いくつか注意すべきポイントがあるのでここで紹介します。安全衛生責任者の場合、再教育(能力向上教育)の可能性があること、Web講座を受講する際の要件の確認をすることを忘れないでください。

再教育(能力向上教育)の可能性

いずれも資格更新の手続きは必要ありません。しかし条件次第では、再教育(能力向上教育)を受講しなければならない点に注意してください。まずは機械などの導入設備に大きな変更があった場合には、再教育(能力向上教育)を行うように求められます。また定期的に再教育(能力向上教育)をしなければなりません。具体的な期間は明記されていませんが、目安となるのは5年に1回のペースです。

再教育(能力向上教育)のプログラムも決められています。建設業の場合のプログラムを一例にすると、以下のような項目を履修しなければなりません。

科目 時間
労働災害防止関係 2時間
作業員への指導もしくは監督方法について 1時間
危険性もしくは有害性の調査・分析・結果に対する措置について 0.5時間
グループ演習 2時間10分
合計 5時間40分

再教育(能力向上教育)の内容は業種によって異なります。履修すべき時間も変わってくるので、

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Web講座と厚生労働省の要件の確認

職長・安全衛生責任者教育はWebでの受講も可能です。Webであれば、会場まで移動する必要はないですし、どこからでも学習できるのでおすすめです。

2021年1月25日に、厚生労働省よりeラーニングに関する通達が出ました。質疑応答ができ、受講者同士でコミュニケーションできる環境のあるWeb講座でなければなりません。他にもプログラムで紹介したように、所定の時間を学習できていると担保できる講座でなければなりません。パソコンやスマホでアクセスしていても、その画面を受講生が見ていなければ元も子もないからです。そこでたとえばWebカメラなどを使って、受講者がちゃんと指定の時間受講していることを確認できる工夫が必要です。

Web講座の受講を検討しているのであれば、条件を満たしているかどうか確認しましょう。確認を取れたうえで申し込むことです。

Web講座の場合、動画を流しているだけで当人が視聴しない可能性があります。そうならないために、厚生労働省では確実に受講したことを証明する顔認証システムの導入を通達しています。もし顔認証システムがない講座だと、修了したことになりません。

CIC日本建設情報センターでは、当人が確かに受講したことを証明できる顔認証システムを導入しています。よって、Web講座でも確実に修了できるわけです。

CIC日本建設情報センターのWeb講座はこちらから

まとめ

職長・安全衛生責任者教育

特定の業種で現場の管理する立場にある作業員は、職長・安全衛生責任者教育を受講しなければなりません。どの立場で仕事をするかで、受講すべき内容も変わってくるので注意しましょう。

また必要に応じて再教育(能力向上教育)をプラスで勉強しなければならないかもしれません。Web講座は便利ですが、厚生労働省の提示する要件を満たした講座でないと修了したと認められない点にも注意してください。


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