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ロープ高所作業特別教育とは?受講の重要性とメリットについて解説

公開日:2025年3月3日 更新日:2025年3月3日

ロープ高所作業特別教育とは?受講の重要性とメリットについて解説

ロープ高所作業特別教育とは、ロープで体を支えながらビルの外装清掃など高所での作業に従事する作業者に受講が義務付けられている教育のことです。ロープ高所作業に従事する方は安全に作業を行うため、もれなくこの特別教育を受けなければなりません。

こちらの記事では、ロープ高所作業特別教育の内容や受講が必要な作業、特別教育の学習内容、学習することで得られるメリットなどについて解説します。


ロープ高所作業特別教育講座

目次

ロープ高所作業特別教育の概要

ロープ高所作業特別教育の概要

ロープ高所作業特別教育とは、ロープ高所作業をする際に発生する可能性のある災害を防止するために実施されている特別教育の一つです。

この章ではロープ高所作業とは何か、ロープ高所作業特別教育の目的、受講の際に必要な資格や条件について説明します。

ロープ高所作業とは

ロープ高所作業とは、高さが2メートル以上の場所で作業床を設けることが困難な場合に、昇降器具を用いて行う作業のことを言います。

墜落による作業者の危険を防止するため、高さ2メートル以上の場所では作業床の設置が義務付けられています。しかし、作業床の設置が困難な場合、ロープで体を保持し、のり面作業、ビルの外装清掃などを行う場合はその限りではありません。

昇降器具というのは、作業を行う人が自分で操作する、体を保持する器具を設置したロープのことです。この場合、窓拭きなどに使用されるゴンドラなどは該当しません。

ロープ高所作業が発生する仕事の例としては、下記のようなものがあります。

  • ビルの外装清掃
  • 斜面やのり面での工事
  • 高所の点検作業
  • 林業やレスキュー作業
  • 樹木の枝剪定(せんてい)

ロープ高所作業特別教育の目的

足場を使うことが難しい現場でロープを使った高所作業を業務として行う場合には、ロープ高所作業特別教育を受講する必要があります

結び目がほどけることなどによる墜落死亡災害が多発しているため、労働安全衛生規則が一部改正され、ロープ高所作業に携わる作業者に対して「ロープ高所作業特別教育」の実施が義務付けられました。

ロープ高所作業特別教育は、ロープ高所作業での災害発生を防ぐため、労働安全衛生規則に基づいて行われています。2016年7月1日からロープ高所作業を業務として行う場合の特別教育の受講が義務化されました。

厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署によると、平成21年から平成26年までの6年間で、ロープ高所作業における死亡災害は24名で、その96%が墜落によるものでした。

具体的には、下記のような死亡災害が発生しています。

  • 作業中に指示物(緊結元)からロープが外れ(ほどけ)墜落
  • 屋上やのり肩での準備作業中や移動中に転落
  • 作業中にロープと安全帯との接続を外して(接続せず)墜落
  • 作業中にロープが切れて墜落
  • 作業中にロープの支持物(緊結元)ごと墜落
  • 安全帯(フック)が壊れたものを使用して墜落
  • ロープが短かったことから下降時に墜落
  • その他

厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署HPより引用

ロープ高所作業に従事する労働者を守り安全に作業を行うため、特別教育で正しい知識を身に付けることが求められています

必要な資格や条件について

ロープ高所作業特別教育を受ける場合、特に必要な資格は特にありません。条件としては、満18歳以上であるとこととされています。

ロープ高所作業特別教育の学習内容

ロープ高所作業特別教育の学習内容

ロープ高所作業特別教育の学習内容には、学科と実技の2種類があります。学科と実技を1日で行う方法と、学科で1日、実技で1日と分けて行う方法があります。

それぞれの具体的な学習内容と学習時間について見ていきましょう。

基礎知識と理論

基礎知識と理論を学ぶ学科教育の科目と学習時間は以下の通りです。

科目 学習時間
ロープ高所作業に関する知識 1時間
メインロープ等に関する知識 1時間
労働災害の防止に関する知識 1時間
関係法令 1時間
合計時間(休憩を除く) 4時間

学科教育ではまずロープ高所作業に関する知識やメインロープなどに関する知識など、実際に作業に直結する知識について学習します。また、労働災害を防止するための知識やロープ高所作業に関連する法令についての講義も加え、合わせて4時間の学習になります。

実技訓練

実技訓練での学習内容と学習時間は以下の通りです。

科目 学習時間
ロープ高所作業の方法、墜落による労働災害の防止のための措置並びに墜落制止用器具及び保護帽の取扱い 2時間
メインロープ等の点検 1時間
合計時間(休憩を除く) 3時間

実技訓練では、実際にロープ高所作業を安全に行う方法や労働災害を起こさないためのに大切なポイント、使用する器具の点検方法について合計3時間学びます

緊急時の対応と安全対策

講習を受講することにより、墜落などの緊急時の対応、ロープ高所作業を行う上で知っておかなければならない安全対策についての知識が身に付きます

ロープ高所作業特別教育を受講することの重要性

ロープ高所作業特別教育を受講することの重要性

ロープ高所作業特別教育を受講することは、作業を安全に行い、事故を未然に防ぐために大変重要です。実際にロープ高所作業特別教育を受講することの重要性について解説しましょう。

安全性の向上

ロープ高所作業についての正しい知識と技術を身に付けることで、作業の安全性が向上します

法的義務

ロープ高所作業特別教育を受けずにロープ高所作業に従事すると、安全衛生教育が定められたとおりに行われていないとみなされ、50万円以下の罰金刑を科せられる場合があります

事故防止

ロープ高所作業特別教育はもともと、ロープのほどけや切断、体に装着している器具が外れたことによる作業者の墜落などの労働災害が多発したため、受講が義務化されました。

適切な作業方法、安全対策を学ぶことで、事故のリスクを大幅に減少させ、作業環境の安全性を大きく向上させます

ロープ高所作業特別教育を受講するメリット

ロープ高所作業特別教育を受講するメリット

続いてはロープ高所作業特別教育を受講するメリットについての解説です。

専門技能がアップする

ロープ高所作業特別教育を受講することにより、ロープ高所作業の正しい手順、作業に使用するメインロープなどについての知識を得ることができ、作業をする際に必要な専門技能がアップします

作業が効率的になる

安全性を重視した正しい作業手順をしっかりと身に付けることにより、作業をより効率的に行えるようになるでしょう。

会社の信頼性が上がる

ロープ高所作業特別教育は、個々の労働者の安全を確保することはもちろん、職場全体の安全文化を構築し、組織全体の生産の向上にもつながる重要な役割を持っています

ロープ高所作業を行う従業員にしっかりと特別教育を受けさせているということは、労働災害を起こさせないという会社の意思や、労働者を守り安全に正しく作業を行うという姿勢を感じさせ、会社自体の信頼性をアップさせます

まとめ

ロープ高所作業特別教育のまとめ

ロープ高所作業特別教育は、作業者はもちろん職場の安全環境を守るという意味で非常に大切な教育です。大切なポイントをきちんと押さえ、安全に作業を行うためにしっかりとした知識と技術を身につけましょう。

CIC日本建設情報センターは、建築系資格試験対策、特別養育、安全衛生教育など、建設業向けの教育を26年間行っている企業です。

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ロープ高所作業特別教育は、作業者の安全はもちろん、作業の効率性、企業の信頼性を保つために非常に大切な教育です。なるべく短時間で効率的に、しっかりとした知識と技術を身に付けるため、CICの教育講座をぜひご活用ください。


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