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動力プレスの金型等の業務に係る特別教育とは?その内容と必要性を徹底解説
公開日:2024年8月26日 更新日:2024年8月26日
動力プレスの金型等の業務に係る特別教育とは?その内容と必要性を徹底解説
金属加工の工場で欠かすことのできない動力プレスは、さまざまな製品を生み出すための重要な機械となっています。現場では多くの作業員が従事していますが、動力プレスの金型等を操作する者は必ずこの特別教育を受けなければいけません。
なぜ動力プレスの金型等を扱うには特別教育が必要なのでしょうか。また特別教育の受講方法や内容についても解説いたします。
目次
動力プレスの金型等の業務に係る特別教育の概要
動力プレスの金型等を取り扱うための教育は「動力プレスの金型等の業務に係る特別教育」と言います。この教育講座を受講すれば、現場で動力プレスの金型等を扱うことができるようになりますので、必ず受講するようにしましょう。
動力プレス特別教育の重要性
動力プレスの金型等を取り扱うために特別教育を受講しなければいけない背景には、過去にプレス機械の誤った操作によって事故が多発していたことがあります。
知識がなく安易な操作をすることで命を奪われることもある、非常に危険をはらんだ作業であるということを知る必要があるのです。
動力プレス特別教育の受講対象者
動力プレスの金型等の特別教育の受講対象者は、18歳以上で動力プレスの操作に従事する労働者です。
動力プレス特別教育の実施方法
「動力プレスの金型等の業務に係る特別教育」は、学科講習と実技講習にわかれています。学科講習は8時間、実技講習は2時間あり、それぞれカリキュラムに沿って受講となります。
学科講習の受講内容
科目 | 受講時間 |
---|---|
プレス機械及びその安全装置又は安全囲いに関する知識 | 2時間 |
プレス機械による作業に関する知識 | 2時間 |
プレス機械の金型、安全装置、安全囲いの点検、取付け、調整等に関する知識 | 3時間 |
関係法令 | 1時間 |
実技講習の受講内容
科目 | 受講時間 |
---|---|
プレス機械、プレス機械の安全装置又は安全囲いの点検、取付け、取外し及び調整 | 2時間 |
動力プレスの金型等の業務に係る特別教育の学ぶべき内容とは
動力プレスの金型等の業務に係る特別教育は、基本的な動力プレスの仕組みや使い方を学んでいきます。また誤った操作の危険性、安全に使用するための知識の習得です。
学科講習で学んだことを実際に実技講習にて再確認しながら、しっかりと知識の定着を行います。
動力プレスの基本操作
動力プレスというのは、金型と金型の間に金属等を挟んで強い力で押しつけ、金属等を金型の形に成形していく機械のことです。
金属のプレス加工にはせん断、曲げ加工、絞り加工、張り出し成形などがありそれらの機能を組み合わせて、複雑な製品も簡単に製造します。
動力プレスの操作を行うには、安全対策を行うことを常に意識しておかなければいけません。
金型の取り扱い方法
動力プレスを稼働するには、金型等の取付けや取外し又は調整を行う必要があります。金型の取付けや取外しで誤った操作を行うと大きな事故に繋がる可能性が高く、細心の注意が必要です。
作業における法的義務
作業員が業務で動力プレスの金型等を取り扱う場合、労働安全衛生規則第36条2号の規定によって特別教育の実施が定められています。
動力プレスの金型等の業務に係る特別教育の受講方法
動力プレスの金型等の業務に係る特別教育は、各地で講習会の実施が行われています。講座を行っている企業や団体によって、スケジュールなどに違いがありますので受講する前に確認しておきましょう。
学科講習と実技講習は必ず受講する必要はありますが、実技講習は行っていないところもあるため、その場合は自社での実施が必要です。自社で実技講習を行うときの講師は動力プレスの知識のある上司や先輩などに任せることになります。
信頼できる教育機関の見つけ方
「動力プレスの金型等の業務に係る特別教育」の講座は各地で開催されています。Webで検索すると数多くの教育機関が表示されますが、多少の違いはあるものの内容はほぼ変わりません。
信頼できる教育機関の見つけ方のポイントは、実績があることや受講方法が数種類用意されていて自分に合った講座を選ぶことができること、他にも多くの講座を取り扱っていることなどです。そしてホームページが定期的に更新されていることも重要なポイントとなります。
また、労働局が確認済みであるかどうかも調べておくようにしましょう。
申し込みの流れと必要書類
教育機関を決めたら、講座が開催されている日程を調べて申し込みを行います。申し込みは基本的には事業者が行いますが、個人で行うことも可能です。
講座の受講形態
- 会場で行う場合
- 自社で行う場合(講師を依頼する出張講習・自社で講師を選任)
- Web講座で行う場合
Webでの申し込みが一般的ですが、教育機関によって申込書が必要な場合もありますので確認をして申し込みを行います。
受講後の継続教育について
「動力プレスの金型等の業務に係る特別教育」の受講が終わると、同じ科目で受講する必要はありません。
ただし動力プレスの業務に従事している間はずっと、安全性についての高い意識は求められ続けます。以下の講習についても受講が必要です。
- プレス機械作業従事者に対する安全教育
- プレス機械作業主任者技能講習
動力プレスの金型等の業務に係る特別教育が作業に与える影響
「動力プレスの金型等の業務に係る特別教育」をしっかりと受講することで、確実に意識が変わってくるでしょう。知識を得ると毎日の仕事の取り組み方に変化が現れ、自然と効率化が図れるのです。
今まで漠然と不安だったものが、理由を知ることで大きな安心へと繋がります。またそれがきっかけとなって、どうすれば安全で効率的に働くことができるようになるのか自ら行動するようにもなります。
いずれそれぞれが自信となり、さらなる向上心を生むことにも繋がってくるのではないでしょうか。
作業効率や生産性の向上
作業員がおのおの自覚をし、自信を持って従事するようになれば自ずと生産性も向上します。意識の改革としても特別教育は重要な意味があります。
安全意識の向上による事故防止
それぞれが安全性への意識を高めてくれるようになれば、さまざまなことに影響が出てきます。
安全靴を履かなければいけない理由や服装で肌を出して作業をしてはいけない理由など、きちんと理解しておけばそれだけで事故は減少します。
そして危険な作業はなくなり労災などの心配もなくなるのです。
特別教育による労働環境の改善
特別教育を受講すれば、それぞれの意識は高まります。学ぶということの効果は意識も変化させ安全で安心、風通しの良い快適な職場環境へと改善されていくでしょう。
まとめ
「動力プレスの金型等の業務に係る特別教育」は、危険を伴う動力プレスの金型等を安全に取り扱うための講座です。
それは作業員を重大な事故から守るための知識を習得する講座であり、またそれぞれの意識を向上させるためでもあります。講座を受講することで自らの行動にも責任感が生まれ、職場環境は劇的に改善されることでしょう。
またそれぞれが自覚を持って行動することができれば、企業の生産性も向上します。
特別教育はいくつかの形態によって受講することができますが、最近はいつでもどこでも受講することのできるWeb講座が人気です。CIC日本建設情報センターでは顔認証を導入したWeb講座となっており、安心して受講することができます。