施工管理技士合格をアシスト
建設業特化の受験対策

小型車両系建設機械の特別教育とは?対象とカリキュラムについて解説

公開日:2024年6月24日 更新日:2024年6月24日

小型車両系建設機械の特別教育とは?対象とカリキュラムについて解説

小型車両系建設機械の運転業務に従事するためには、特別教育を修了していなければなりません。ここでは具体的に小型車両系建設機械とはどのような車両を指すのか、特別教育とはどのような内容の講義を受けなければならないかについて見ていきます。


小型車両系建設機械運転特別教育




目次

小型車両系建設機械の特別教育とは?

小型車両系建設機械の特別教育とは?

まずは小型車両系建設機械とはどのような車両なのか、特別教育の内容について見ていきます。特別教育を受講するにあたって条件があるのかや、時短講習を受講するための要件についてもあわせて見ていくので、参考にしてください。

小型車両系建設機械とは?

車両系建設機械の中でも、機体質量が3トン未満のものを「小型車両系建設機械」と言います。なお機体質量とは総重量とは異なります。バケットに代表されるような作業装置部分は総重量から差し引いてください。

具体的にはバックホーやパワーショベル、油圧ショベル、ブルドーザー、トラクターショベルなどが該当するでしょう。整地・運搬・積み込み用もしくは掘削用の機械であれば、車両系建設機械と言います。動力を用いて不特定の場所に自走できるものを運転する際には特別教育を受講させなければなりません。ただし道路上を運転するだけであれば、特別教育を受講する義務はありません。

受講条件について

小型車両系建設機械の特別教育の受講資格は特にありません。年齢や学歴、業歴などの制約は一切設けられていないので、小型車両系建設機械の操縦が必要な方であれば、特別教育を受講しましょう。

近年では外国人労働者が作業員として活躍する職場も決して珍しくありません。外国人の方でも特別教育を受講することは可能です。ただしほとんどの特別教育カリキュラムでは、日本語にて講義が実施されます。

外部機関で特別教育に対応しているところの中には、一部特定の外国語での授業を提供しているところもあります。日本語の理解度に不安のある作業員が在籍しているのであれば、外国語対応しているところで受講すると良いでしょう。

カリキュラム内容を紹介

小型車両系建設機械の特別教育のカリキュラムは、合計13時間のプログラムです。学科と実技によって構成されていて、学科が7時間・実技6時間の内容です。それぞれ具体的にどのようなことについて学習するのか、以下の表にまとめました。

科目 時間
学科 走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 3時間
作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識 2時間
運転に必要な一般事項に関する知識 1時間
関係法令 1時間
実技 走行に関する操作 4時間
作業に関連する装置の操作 2時間

学科に関しては、自社で講習を開催できない場合には、外部機関のコースに申し込んで従業員に受講させることも可能です。ただし実技については、外部機関では対応していない場合もあります。その場合には自社で講師を用意して指導しなければなりません。

自前で講師を確保できない場合には、外部で出張してくれるようなところに依頼すると良いでしょう。また外部機関の中には学科・実技がセットのコースを提供しているところもあります。こちらで受講申し込みを行いましょう。

13時間のカリキュラムなので、1日では完了しません。2日間かけて受講することになるでしょうから、スケジュールの調整などを進めてください。

要件次第では時短講習を受講できる

上で紹介したように小型車両系建設機械の特別教育は13時間のカリキュラムです。しかし一定の要件を満たしているのであれば、時短講習の受講が可能です。時短講習が可能な人と時間数について表にまとめると、以下の通りです。

資格もしくは業歴 時間数 日数
1級建設機械施工技術検定保有者もしくは2級建設機械施工技術検定保有者(第4~6種) 6時間 1日間
大型特殊自動車免許取得もしくは普通自動車免許を保持していて車両系建設機械特別教育終了から3か月以上経過 8時間
不整地運搬車運転特別教育修了ののち、6か月の実務経験 9時間 2日間
車両系建設機械運転技能講習を修了(基礎工事用) 10時間
上記いずれの要件にも該当しない 13時間

1級建設機械施工技術検定保有者は6時間の時短講習が可能です。ただしトラクタ・ショベルの検定保有者は例外になるので、注意してください。

小型車両系建設機械と車両系建設機械の違い

小型車両系建設機械と車両系建設機械の違い

小型車両建設機械のほかに車両建設機械というジャンルがあります。どちらの運転や操縦をするかによって、運転資格を有する条件などが変わってきます。適切なカリキュラムを受講させるためにも、両者の違いについて正しく理解しておきましょう。

運転できる車両の違い

小型車両系建設機械と車両系建設機械との違いは、機体質量にあります。3トン未満のものであれば小型車両系建設機械で、3トン以上は車両系建設機械に該当します。

車両系建設機械とは、労働安全衛生法施行令の別表に掲載されている建設機械を指します。動力を使って、不特定の場所を自走できるものが該当します。どのような車種が該当するのか、種類別で分類すると以下の通りです。

種類 代表的な車種
整地・運搬・積み込み ブルドーザー、ショベル
掘削 ドラグショベル
基礎工事 くい打機、くい抜機
締め固め ローラー
コンクリート打設 コンクリートポンプ車
解体 ブレーカ

以上の車両を運転し作業する場合には、特別教育など所定のカリキュラムを受講しなければなりません。

カリキュラムの違い

小型車両系建設機械の場合、特別教育を受講しなければなりません。別項で紹介したように、13時間のカリキュラムを受講する必要があります。

一方車両系建設機械を使用するためには、車両系建設機械運転技能講習が必要です。通常はまず学科13時間を履修します。そして学科試験を受験し、合格すると実技に進めます。25時間受講したうえで実技試験を受け合格すると、修了扱いです。最短で資格取得するまでに6日間かかると想定してください。

小型車両系建設機械の特別教育同様、一定の要件を満たしていれば時短講習が可能です。基礎工事用の車両系建設機械運転技能講習の修了者は学科が9時間に短縮されます。ただし実技は25時間受講しなければなりません。

運転免許がなく小型車両系建設機械運転特別教育を修了し、業務経験が6か月以上ある場合には、学科13時間・実技5時間を修了し、各試験に合格すれば修了扱いとされます。大型特殊免許保持者もしくは、不整地運搬車運転技能講習の修了者、大型・中型・普通免許の保有者で小型車両系建設機械運転特別教育終了後、3か月以上の実務経験がある人は学科9時間・実技5時間のカリキュラムになります。

試験の有無

カリキュラムの違いで紹介したように、車両系建設機械では試験が用意されていて、合格しなければなりません。学科と実技、それぞれのカリキュラムが修了したところで試験は実施されます。

学科試験は基本的に講習で紹介された内容をベースに出題されます。選択式で、いくつか選択肢が提示されるのでその中で正しいもの、もしくは誤っているものを選択する試験です。

実技試験は実際に車両を運転してもらいます。走行に関する試験と掘削の試験が行われます。ただし前者の走行試験は免除資格がない人と基礎工事用の車両系建設機械運転技能講習を修了している方のみを対象にした試験となります。

小型車両系建設機械運転特別教育については、試験などはなく、学科・実技の規定カリキュラムを受講し、修了すれば運転や作業が可能です。

まとめ

小型車両系

小型車両系建設機械を運転するためには、特別教育を受講しなければなりません。定められたカリキュラムを受講し、修了すれば運転や作業が可能です。

特別教育は自社で講師を用意できれば、プログラムを実践しても問題ありません。もし人材を確保できなければ、外部機関のカリキュラムを受講する方法があります。最寄りの会場で受講するなり、出張講義をお願いするなどして対処しましょう。

CIC日本建設情報センターではWeb(オンライン)講座を提供しておりますので、ぜひご検討ください。


小型車両系建設機械運転特別教育

    一覧へ戻る

    関連コラム

    • 小型車両系建設機械の特別教育の受講方法は?Webがおすすめの理由について解説

      小型車両系建設機械の特別教育の受講方法は?Webがおすすめの理由について解説

    各種お問合せ

    資料請求・講座申込み・ご質問などはフォームまたはお電話でお問合せください

    TEL:0120-129-209
    PAGETOP