施工管理技士合格をアシスト
建設業特化の受験対策

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育とは?受講内容や受講方法を解説

公開日:2024年12月2日 更新日:2024年12月2日

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育とは?受講内容や受講方法を解説

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育とは?受講内容や受講方法を解説

電気工事は労働災害事故が多く、また労働災害が発生すると重大な事態に発展する危険性が高い特徴があります。取り扱う電気が高圧もしくは特別高圧ともなれば、その危険性もさらに高まるのが当然といえるでしょう。

高圧もしくは特別高圧の業務に従事する方には、高圧・特別高圧電気取扱者特別教育の受講が義務付けられています。

この記事では高圧・特別高圧電気取扱者特別教育とは何か、受講方法も詳しく解説していきましょう。


CIC高圧・特別高圧電気取扱者特別教育




目次

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育とは?

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育とは?

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育は、受講が義務付けられています。どのような方に受講義務があるのか解説していきましょう。

受講が義務付けられている方は?

法律にて受講が義務付けられているのは、以下のような業務に就く方です。

労働安全衛生規則 第36条4項
高圧(直流にあつては七百五十ボルトを、交流にあつては六百ボルトを超え、七千ボルト以下である電圧をいう。以下同じ。)若しくは特別高圧(七千ボルトを超える電圧をいう。以下同じ。)の充電電路若しくは当該充電電路の支持物の敷設、点検、修理若しくは操作の業務、低圧(直流にあつては七百五十ボルト以下、交流にあつては六百ボルト以下である電圧をいう。以下同じ。)の充電電路(対地電圧が五十ボルト以下であるもの及び電信用のもの、電話用のもの等で感電による危害を生ずるおそれのないものを除く。)の敷設若しくは修理の業務(次号に掲げる業務を除く。)又は配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路(対地電圧が五十ボルト以下であるもの及び電信用のもの、電話用のもの等で感電による危害の生ずるおそれのないものを除く。)のうち充電部分が露出している開閉器の操作の業務
引用元:e-GOV法令検索 労働安全衛生規則

要約すると「高圧もしくは特別高圧に該当する充電電路もしくは電路の支持物の敷設、点検、修理や操作業務」ということです。これらの業務にあたるすべての方が高圧・特別高圧電気取扱者特別教育の受講対象であり、また特別教育を受講していないと業務に就くことができません。

仮に電気工事士等の資格を有していても、この特別教育を受講し修了しなければ作業に従事できないのでご注意ください。

電圧の種類と区分に関して

上の法律文でも触れていますが、そもそもの電圧の種類と区分を紹介しておきましょう。

分類 直流 交流
低圧 750V 以下 600V以下
高圧 750V 超~7,000V以下 600V超~7,000V以下
特別高圧 7,000V 超 7,000V 超

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育の受講義務が発生するのは、上の表の「高圧」もしくは「特別高圧」に該当する業務に従事される方です。ある程度大規模な工場や高電圧を必要とする作業場などでは、電圧を高圧や特別高圧に変換するための設備があります。こうした設備のある現場で電気に関する業務に就く場合には、特別教育の受講が義務です。

高圧・特別高圧電気による労働災害の事例

高圧・特別高圧電気による労働災害の事例

高圧や特別高圧の電気に関する作業は、命を落とす危険性もある作業です。実際に労働災害も多数発生しており、労働災害により命を落とすという方も珍しくありません。そのような事例を2つ紹介しましょう。

特別高圧受電設備の改修工事中に感電

自動車部品の製造工場における特別高圧受電設備の改修工事中に発生した、労働災害事故の事例を紹介します。この事故では、設置操作棒を用いて設置作業をしていた作業員が、赤相部の碍子に触れて感電してしまいました。

事故の原因は複数考えられますが、被害に遭った作業員は第2種電気事業主任技術者の資格こそ持っていたものの特別教育は未受講だったとされています。特別教育において特別高圧の危険性や保護具に関しての認識を改めて持っていれば、防げていた事故かもしれません。
参照:厚生労働省 職場のあんぜんサイト

受変電設備で地絡アークを浴びる

水道ポンプ場において、受電設備の切替工事で発生した労働災害事故の例を紹介します。この切替工事において、空気遮断器で電気の切り替え作業を行っていたところ、空気圧減少の警報が鳴りました。現場にいた作業員2名は原因を探るために現場を移動していましたが、その際の不注意で特別高圧電路の充電部に接近しすぎた結果、地絡アークを浴びてしまいます。結果作業員1名が即死、もう1名は3ヶ月間の休養を余儀なくされました

作業員2名は資格を有しており、特別教育も受講済みでしたが現場内が停電し、暗闇の中での行動だったことや、現状を回復させるために危険地域を最短で進むルートを選択してしまったことで、充電部に接近しすぎたことが事故の原因とされています。
参照:厚生労働省 職場のあんぜんサイト

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育の概要

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育の概要

上でも紹介した通り、高圧及び特別高圧の電気による労働災害は甚大な被害をもたらす可能性があります。こうした労働災害を最小限に食い止めるためにも、特別教育の受講は非常に重要であり、また特別教育で受講した内容に関しては、確実に身に着ける必要があります

そのような高圧・特別高圧電気取扱者特別教育の概要を解説していきましょう。

受講科目と受講時間

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育の受講科目と、科目ごとの受講時間を紹介します。

受講科目 受講時間
学科科目 高圧・特別高圧の電気に関する基礎知識 1時間30分
高圧・特別高圧の電気設備に関する基礎知識 2時間
高圧・特別高圧用の安全作業用具に関する基礎知識 1時間30分
高圧・特別高圧の活線作業および活線近接作業の方法 5時間
関係法令 1時間
実技科目 高圧・特別高圧の活線作業・活線近接作業に従事する方 15時間
充電電路の操作の業務のみを行う方 1時間
合計受講時間 高圧・特別高圧の活線作業・活線近接作業に従事する方 26時間
充電電路の操作の業務のみを行う方 12時間

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育は、従事する業務によって2つの受講パターンがあるのが特徴です。受講パターンの違いは実技科目の受講時間であり、「高圧・特別高圧の活線作業・活線近接作業に従事する方」は、実技科目のみで15時間の受講が義務付けられています。

このほか、学科科目も11時間あるため、合計の受講時間は26時間となります。特別教育は、業務上必要な講習であることから、就業時間内の受講が原則です。就業時間内で26時間の受講時間を確保するためには、最低でも4日間は必要です。「充電電路の操作の業務のみを行う方」でも、合計受講時間は12時間となりますので、こちらも最低2日間は受講することになります。

従業員に高圧・特別高圧電気取扱者特別教育を受講してもらう場合には、それだけの時間を確保する必要があり、事業者は自社の業務を調整するなどして、確実に受講できるようにスケジュールを立てましょう

受講方法

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育の受講方法は主に3つ考えられます。ただしそのなかの「自社内で講師を選任し、自社内で実施する」という方法はあまりおすすめできません。

自社内で完結する受講方法のデメリットは、講義の質が担保できない点です。講師に選任するのは自社内の従業員です。他人に講義をする専門家ではありません。そのため講義の質を担保することは難しいかもしれません。

上でも紹介した通り、高圧・特別高圧による労働災害は命の危険もある災害です。こうした業務に従事する作業員には、できるだけ質の高い講義を受講してもらうのがおすすめです。

質の高い講義が受講できる方法としては、外部講習会を受講する方法とWeb(オンライン)講座の受講が考えられます。どちらも専門講師による講義が受講できますので、講義の質という点では安心して受講できるでしょう。

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育はWeb(オンライン)受講も可能

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育はWeb(オンライン)受講も可能

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育はWeb(オンライン)講座でも受講可能です。Web(オンライン)講座の受講にはメリットとデメリットがあります。ここでは、もうひとつの受講方法である外部講習会に参加する方法と比較しながら、メリット・デメリットを解説していきます。

【メリット】自社のタイミングで受講できる

Web(オンライン)講座で受講するメリットは、自社のタイミングで受講できることです。Web(オンライン)講座は、自社内で受講しますので、自社の業務が落ち着いたタイミングや業務の合間に受講が可能です。

一方、外部講習会は常に開催されているというわけではありません。講習を実施する団体や企業の予定で開催スケジュールが決まりますので、自社の都合でスケジュールを組むことができません。

上で紹介した通り、高圧・特別高圧電気取扱者特別教育は受講時間の長い講習です。大事なことはいかに効率よく受講するかという点になりますので、その点ではWeb(オンライン)講座の方が、より効率的に受講できるといえるでしょう。

【メリット】余計な費用がかからない

Web(オンライン)講座は、受講料のみで受講可能です。外部講習会に参加する場合も、受講に関しては受講料のみですが、そのほかにも費用が必要になるというデメリットがあります。

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育は2日間もしくは4日間の受講が必要です。講習会が自社の近隣で開催されれば大きな問題ではありませんが、遠方でしか開催されないケースも十分考えられます。

遠方での受講となった場合、現地までの移動費用や宿泊費用も負担する必要があり、受講料以外にも大きな出費のある受講方法といえます。費用面では、Web(オンライン)受講の方がおすすめといえるでしょう。

【デメリット】実技科目が受講できない

Web(オンライン)講座のデメリットは、実技科目を受講できないという点です。外部講習会の場合は、実技科目も含めて専門講師の講義を受けることができます。

Web(オンライン)受講の場合は学科科目を受講し、実技科目に関しては自社内で講師を選任して実施するしかありません。Web(オンライン)講座を選ぶ場合は、この実技科目の実施に関して、サポートをしている講座を選ぶようにしましょう。

CIC日本建設情報センターでは、実技科目実施に関するサポート動画を提供しています。サポート動画や同窓される資料に沿って実技科目を実施することで、スムーズな講義が行えます。

まとめ

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育のまとめ

高圧・特別高圧電気取扱者特別教育は、該当作業に従事するすべての作業員に受講義務のある講習です。たとえ電気技師等の国家資格を取得している方でも、特別教育の受講義務があります。

講義は長期間にわたるケースもあり、従業員に受講してもらう場合には日程調整なども必要です。受講方法は外部の講習会に参加するか、Web(オンライン)講座を受講するのがおすすめですが、自社の状況を考え、より受講しやすい方法での受講を検討しましょう


CIC高圧・特別高圧電気取扱者特別教育

    一覧へ戻る

    関連コラム

    各種お問合せ

    資料請求・講座申込み・ご質問などはフォームまたはお電話でお問合せください

    TEL:0120-129-209
    PAGETOP