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不整地運搬車運転特別教育とは?受講方法や講習内容についても解説
公開日:2024年9月18日 更新日:2024年10月10日
不整地運搬車運転特別教育とは?受講方法や講習内容についても解説
不整地運搬車は、トラックやダンプカーが進入できない場所でも走行可能な車両のことを指します。工事現場などで需要が高い不整地運搬車ですが、不整地運搬車運転特別教育とはいったい何なのでしょうか。不整地運搬車運転特別教育の受講方法や講習内容についても解説します。
目次
不整地運搬車とは
この章では、不整地運搬車とはどのような車両のことなのか、不整地運搬車を使用する業種や運転する際に必要な資格、不整地運搬車運転者の将来性について見ていきましょう。
不整地運搬車とは
不整地運搬車は、日本の高度経済成長期の建設事業を行う上で必要なため生まれました。1960~1970年代は、日本でダムの建設ピークを迎え、新幹線の延伸、トンネル建設が盛んだったのもこの時期です。ダンプトラックでは進入不可能な不整地での作業を行うため、不整地運搬車が開発されました。
不整地運搬車は、不整地や傾斜地などの平らになっていない土地や地盤の悪い場所で荷を運搬するために設計された車両です。不整地運搬車は、地面との接地圧が低くタイヤから地面へ加わる圧力が低いので、ぬかるんだ地面や傾斜が強い場所、でこぼこ道など、普通のタイヤがめり込んでしまう軟弱な地盤でも沈まずに走行することが可能です。
不整地運搬車は、道路工事や河川改修工事、宅地造成工事などで使われ、荷台が小さく小回りが利きます。また工事現場だけではなく、砂浜や山、川などの整地作業にも幅広く利用されているのが特徴です。
不整地運搬車は種類が豊富で、状況に応じて最適な車種を選ぶことができます。不整地運搬車の代表的なものはキャリアダンプと呼ばれており、キャリアダンプは建設工事現場内の不整地でのダンプ作業が主な仕事です。
一般的なダンプトラックは、積載した土砂を、公道を走り移動させることが主な目的の車です。不整地での土砂運搬作業は、一般的なダンプトラックには難しい部分があり、キャリアダンプが活躍しています。キャリアダンプは、クローラー(キャタピラー)またはホイール(タイヤ)で移動し、作業を行います。クローラーで移動するクローラー型、ホイールで移動するホイール型の特徴は以下の通りです。
- クローラー型
クローラー型は、足回りが無限軌道になっています。パワーが強く機能性も高いので、過酷な現場でも対応可能ですが、燃費の悪さが弱点です。
- ホイール型
一般的な自動車のようなタイヤを持つホイール型は、クローラー型に比べて地面への接着圧が高くなるので、悪路での走行能力は劣ります。その反面、俊敏さや衝撃吸収性に優れているという特徴があります。
不整地運搬車を使用する業種は?
不整地運搬車を使用する業種は建設業だけではありません。林業、農畜産業、工場や倉庫、港湾など路面が土ででこぼこした悪路での作業には不整地運搬車が不可欠です。
林業の場合は山の中の作業場所から地上まで、伐採した木材を載せて運びます。建設業ではショベルカーなどとセットで用いられ、土を載せてトラックが出入りできる場所まで運搬します。雪の多い地域では、通常の車では走れない雪の上をスリップすることなく走ることができるので重宝されています。
不整地運搬車を運転するのに必要な資格は?
不整地運搬車を運転するには、厚生労働省が管轄する「不整地運搬車運転特別教育」または「不整地運搬車運転技能講習」を修了しているか、もしくは国土交通省の管轄する「建設機械管理技士」の資格が必要です。
建設機械管理技士は特別教育の上位資格で、キャリアダンプに限らず各種建設機械の運転ができ、また運転施工における指導、監督業務が中心の資格です。
不整地運搬車運転者の将来性は?
不整地運搬車は、土木建設業をはじめ造園業、農林水産業など、地盤の悪い現場での作業がある業種にとって欠かすことのできない車両です。不整地運搬車運転者を運転できることで、多くの現場での活躍の機会があります。ただし、より幅広い活躍をするためには、他の車両系資格もあわせて取得することがおすすめです。
不整地運搬車運転特別教育とは?
この章では、不整地運搬車運転特別教育とは何なのか、特別教育と技能講習の違いなどについて説明します。
不整地運搬車運転特別教育とは
不整地運搬車運転特別教育は、最大積載荷重が1トン未満の不整地運搬車を運転する際に受講が必要な講習です。
不整地運搬車は、労働安全衛生法では車両系荷役運搬機械に該当し、事業者は最大積載量が1トン未満の不整地運搬車の運転業務に就かせる労働者に対し、特別教育の実施することが義務付けられています。
※厚生労働省『労働安全衛生法における特別教育の概要』より
不整地運搬車運転特別教育と技能講習の違い
不整地運搬車を運転するのに必要な講習は2種類あり、一つは「不整地運搬車運転特別教育」で、もう一つが「不整地運搬車運転技能講習」です。
二つの違いは、運転する不整地運搬車の最大積載量です。積載量が1トン未満の場合は「不整地運搬車運転特別教育」で、積載量が1トン以上の場合は「不整地運搬車技能講習」が必要になります。
また、受講資格は満18歳以上です。
不整地運搬車運転特別教育は、建設事業主に対する助成金制度の対象
不整地運搬車運転特別教育は、建設事業主に対する助成金制度の対象になっています。建設事業主に対する助成金制度とは、建設業に携わる中小企業の事業主が、従業員の技術向上のために「技能講習」「特別教育」「安全衛生教育」を受講させた場合に、その一部が助成される制度です。
詳しくは厚生労働省のホームページでご確認ください。
※厚生労働省ホームページ「建設業事業主に対する助成金」
不整地運搬車運転特別教育の受講方法と講習内容
続いては、不整地運搬車運転特別教育の受講方法と、講習内容について見ていきましょう。
不整地運搬車運転特別教育の受講方法
不整地運搬車運転特別教育は、各事業所や企業、各地の労働局長登録の教習機関などで受講することができます。
不整地運搬車運転特別教育の講習内容
不整地運搬車運転特別教育の講習内容、講習時間は以下の通りです。
【学科講習】
講習内容 | 講習時間 |
---|---|
走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 | 2時間 |
荷の運搬に関する知識 | 2時間 |
荷の運転に必要な力学に関する知識 | 1時間 |
関係法令 | 1時間 |
合計(休憩時間を除く) | 6時間 |
【実技講習】
講習内容 | 講習時間 |
---|---|
走行の操作 | 4時間 |
荷の運搬 | 2時間 |
合計(休憩時間を除く) | 6時間 |
CIC日本建設情報センターの不整地運搬車運転特別教育
CIC日本建設情報センターでは、不整地運搬車運転特別教育のWeb講座をご用意しております。分かりやすくポイントを絞ったテキストを使い、経験豊富な講師が講習を行いますので、短期間で必要な知識と技術をしっかりと身に付けることが可能です。
CIC日本情報センターの特別教育は非常に高品質な講座を低価格でご提供していますので、開催場所、開催日をチェックしてみてください。
まとめ
不整地運搬車は、さまざまな業種や現場でニーズの高い車両です。現場作業未経験の方から経験者の方まで、仕事の幅をより広げるために不整地運搬車の特別教育をご検討されてみてはいかがでしょうか。
CIC日本建設情報センターは不整地運搬車運転特別教育の講習をはじめ、建築系の資格試験対策、特別教育、能力向上教育など建設業向けの教育を25年間行っている企業です。受講者様が効率的かつ短期間で必要十分な知識を身に付けられるよう、学習範囲を大切なポイントにしっかり絞った内容の濃い講習をご用意しているのが特徴です。
各講習は、質の高い講師陣が内容の整理された分かりやすいテキストを使って行います。25年間培ってきたノウハウを生かし、受講者の皆様の時間や労力、費用の無駄を徹底的に省いて効率的な学習をご提供します。
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