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ボーリングマシンの運転業務に係る特別教育とは?内容についてご紹介

公開日:2024年11月14日 更新日:2024年11月14日

ボーリングマシンの運転業務に係る特別教育とは?内容についてご紹介

ボーリングマシンの運転業務に係る特別教育とは?内容についてご紹介
ボーリングマシンの運転業務を行うには、「ボーリングマシンの運転業務に係る特別教育(以下、ボーリングマシン運転業務特別教育)」を受ける必要があります。この特別教育を受けていない労働者に作業させると、事業者が6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があります。

これは、安全にボーリングマシンの作業をするために不可欠な講習です。特別教育を受けることで、作業者の安全だけでなく作業中の周囲の安全や、正確な作業に繋がるからです。

今回は、ボーリングマシン運転業務特別教育の内容について、作業が向いている人もあわせてご紹介します。


CICボーリングマシン運転業務特別教育




目次

ボーリングマシンとは

ボーリングマシン

ボーリングマシンとは建設現場などで、穴を掘るための機械です。細長い穴を掘り、利用目的はさまざまです。
ここからは、ボーリングマシンについて詳しく解説します。

細長い穴を掘る機械

ボーリングは英語の「boring」のことで、穴をあけるという意味です。ボーリングマシンは地面に穴を掘るための機械です。エンジンやモーターなどの動力により「ロッド」と呼ばれる部分を回転させ、ロッドに取り付けた「ビット」で地面を掘ります。

ロッドはビットに回転力を伝えるだけでなく、掘削用の水を供給する役割もあるのです。また、掘削した地質は「コアチューブ」と呼ばれるところに収納されます。収納された地質は取り出して調査も可能です。掘削した穴が崩れないように、「ケーシングパイプ」と呼ばれるパイプを地面に挿入もできます。

利用目的

ボーリングマシンは主に地質調査を目的に利用されます。

ボーリングマシンで地面に深い穴をあけ、土を採取して地質を調べたり、ビットの入り具合で地盤の硬さを調査したりします。この調査をボーリング調査と言い、建築物やトンネル、橋などの地盤の性質や強度の調査が目的です。この調査で、地盤の弱い土地に建造物を作らないようにできます。地盤沈下や地盤崩壊を防ぐボーリング調査をするために、ボーリングマシンが利用されているのです。

種類

ボーリングマシンには次の5種類があります。

種類 特徴・使用用途
ロータリーボーリングマシン 小口径でのボーリングが可能
コアの採集率が高い
少人数での掘削作業が可能
地質調査・探鉱向き
ロータリーパーカッションドリル 回転・打撃の両方の力で掘削する
作業範囲内をゆっくり移動できる
緩斜面の上部から順次施工する場所向き
オーガーボーリングマシン 振動や騒音が少ない
コンクリートの構造検査や試料採取向き
スピンドルボーリングマシン 回転・打撃の両方の力で掘削する
振動や騒音が少ない
精度が高く、小口径でのボーリングが可能
試料採取・探査向き
ダイヤモンドコアボーリングマシン 振動や騒音が少ない
鉄筋コンクリートや石材などの硬い材質に利用

ボーリングマシン運転業務特別教育とは

ボーリングマシン運転業務特別教育

ボーリングマシン運転業務特別教育は、労働安全衛生規則によって定められた資格です。ボーリングマシンを安全に操作するための知識や法令を身につけ、労働災害を防ぐことを目的としています。

平成2年10月より規定されている

平成2年10月に、ボーリングマシンの運転は、特別教育が必要な業務と規定されました。以降、事業者は労働者にボーリングマシン運転業務特別教育を受講させることが義務化されています。

「労働安全衛生法 第59条」及び「労働安全衛生規則 第36条」で規定

「労働安全衛生法第59条」では、事業者は労働者に対し厚生労働省令に従い、従事する業務に関する安全・衛生の教育を行うことを義務付けています。

また「労働安全衛生規則第36条」では、ボーリングマシンの運転が特別教育を必要とする業務に規定されています。

対象者

ボーリングマシンの運転に係る特別教育の対象者は次の通りです。

  • ボーリングマシン運転業務に従事する前の作業員
  • ボーリングマシンの操作や装置稼働の補助業務に従事する作業員

外国人でも受講可能ですが、日本語のテキストや専門用語が理解できることが条件となります。

施工管理者側にこの資格は不要ですが、リスクアセスメントの面から最近では現場監督者や安全衛生責任者の受講も望ましいとされています。

対象機種

ボーリングマシン運転業務特別教育の対象機種はスピンドル型です。

現場での事故発生時にボーリングマシンとして扱われる、土壌汚染調査専用のトップドライブ型や水抜き用の横堀機も対象になります。

ボーリングマシン運転業務特別教育の学科と実技の内容

ボーリングマシン運転業務特別教育の学科と実技の内容

ボーリングマシン運転業務に係る特別教育は学科と実技があります。それぞれの時間配分は法律で定められていて、実施後は担当講師名や講習内容の記録を3年間保管しなければなりません。

ここからは、ボーリングマシン運転業務に係る特別教育の内容について、詳しく解説します。

ボーリングマシンに関する知識

ボーリングマシンに関する知識は、学科教育で4時間以上行うものとされています。

講義の内容は以下の通りです。

  • ボーリングマシンの種類と用途
  • ボーリングマシンの原動機
  • 各装置(動力伝達・作業・巻き上げ・付属)の構造と使用方法

運転に必要な一般事項に関する知識

運転に必要な一般事項に関する知識は学科教育で、2時間以上行うものとされています。

講義の内容は以下の通りです。

  • ボーリングマシンの運転に必要な力学と地質工学
  • 土木施工方法
  • ワイヤロープと補助具

関係法令

関係法令は学科教育で、1時間以上行うものとされています。

講義の内容は以下の通りです。

  • 労働安全衛生法
  • 労働安全衛生法施行令
  • 労働安全衛生規則及びボーリングマシン則中の関係条項

ボーリングマシンの運転

ボーリングマシンを実際に運転する実技で、4時間以上行うものとされています。基本操作や定められた方法による基本施工、応用施工などの講習です。

運転のための合図

ボーリングマシンの運転のための合図の実技で、1時間以上行うものとされています。手や小籏を使って行う合図の講義です。

ボーリングマシンの資格に向いている人

ボーリングマシンの資格に向いている人

ボーリング調査はボーリングマシンで穴を掘る以外に、地質や地盤の調査も行います。市街地以外にも海や山などでも調査が実施されるため、作業現場もさまざまな場所です。

工事現場で働く人は、その工事が終了するまでの長い期間その現場にいますが、ボーリング調査は1週間~1か月で現場を移動します。

ここでは、ボーリングマシンの資格に向いている人について、詳しく解説します。

屋外業務が好き

現場作業員は屋外での作業が多いので、一日中オフィスの中で事務作業をするのが苦手という人にはおすすめです。屋外での作業は暑い日や寒い日など、肉体的に辛いこともありますが、地質調査士などは適度に事務作業もあります。

コミュニケーション能力がある

ボーリングマシン運転者は短期間でいろいろな現場に行くので、多くの現場作業員と関わることになります。初めて会う人と一緒に仕事をすることも多いため、コミュニケーション能力が高い人に向いています。

各地を転々とするついでに、その土地の観光名所やグルメを楽しむなど、仕事以外に楽しみを見つけられる人も最適です。

機械の扱いが好き

ボーリングマシン運転者は運転するだけでなく、機材の点検や整備も自分でする必要があります。そのため、機械の扱いが好きな人に向いています。

まとめ

ボーリングマシン運転業務特別教育のまとめ

今回は、ボーリングマシン運転業務特別教育の内容について、作業が向いている人もあわせてご紹介しました。

ボーリングマシンは建設現場だけでなく、石油や天然ガスの掘削現場でも活躍しているので、資格があれば海外で働くことも可能です。ボーリングマシン業務は建設前の地質調査などに行いますが、災害時の地質調査にも役立ちます。ボーリング調査は人の命や財産を守る大切な仕事です。

ボーリングマシン運転業務に係る特別教育の資格を取ると、やりがいのある仕事に出会えるかもしれません。


CICボーリングマシン運転業務特別教育

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