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足場の特別教育と技能講習の違いとは?カリキュラムや受講対象者について解説
公開日:2024年7月30日 更新日:2024年7月30日
足場の特別教育と技能講習の違いとは?カリキュラムや受講対象者について解説
建設業を営んでいる人は作業員に重機などの建設機械を運転するための資格と作業するための資格を必要に応じて、受けさせなければなりません。今回紹介する足場に関する特別教育などは、後者の作業をするために必要なプログラムの一つです。足場作業をする人対象のカリキュラムに特別教育と技能講習があります。両者にはどのような違いがあるかここでは解説します。
目次
足場の特別教育と技能講習の違い
特別教育と技能講習のどちらを受講させるか、これは具体的にどのような作業を担当するかによって違ってきます。ここでは特別教育と技能講習の違いについて見ていくので、参考にしてください。
作業者と指揮監督者の違い
作業者であれば、特別教育を受講する義務があります。一方作業主任者になりたければ、技能講習の資格が必要です。このように足場を使用する現場でどの立場で業務するかで、受講すべきカリキュラムは変わってきます。
足場の組み立てや解体、変更など足場を扱う各種作業に従事する人は、特別教育を受けることが義務付けられました。平成27年7月1日から労働安全衛生規則の一部改正で適用されています。
一方技能講習の受講対象者は、作業主任者になろうとしている人です。高さ5メートル以上の足場の組み立て作業を行う際には現場に少なくとも1人、技能講習を受講した作業主任者を置かなければなりません。
全員が必要な特別教育と現場1人は取得しないといけない技能講習
特別教育と技能講習は受講対象者の範囲が異なります。特別教育の場合、足場組立や解体などの作業をする人間全員に受講義務があります。ここで言及している「足場」とは、脚立のような簡易足場も対象になっている点に留意してください。
一方技能講習は、足場に関わる作業に携わる全員が対象ではありません。あくまでも作業主任者になる者1人が受講していれば、法律上問題はありません。
しかも作業主任者をつけなければならない現場にも条件が付いています。高さ5メートル以上の足場を組み立てる際に必要な資格です。5メートル未満の足場を組み立てる際には、特別教育を受けていれば技能講習を受けていない者だけで作業しても問題ありません。
受講対象者の違い
特別教育の場合、足場の作業に携わる人間であれば全員受講が義務付けられています。一方技能講習は、基本的に現場に一人資格を持っている人がいれば問題ありません。
高さ5メートル以上の足場を組み立てる際に作業主任者を置く必要があります。技能講習を受講しなければならないのは、高さ5メートル以上の足場を組む現場に限定されます。
足場の特別教育のカリキュラムについて
足場を組み立てたり、解体したりする作業に携わるためには特別教育を受講しなければなりません。ここでは特別教育のカリキュラムについて見ていきます。条件次第では特別教育の履修を免除される場合もあるので、併せて解説します。
受講内容
足場の特別教育の受講内容と時間数は決められています。特別教育のプログラムを表にしてまとめると、以下の通りです。
科目 | 時間 |
---|---|
足場及び作業の方法に関する知識 | 3時間 |
工事用設備や機械、器具、作業環境等に関する知識 | 30分 |
労働災害防止に関する知識 | 1時間30分 |
関連法規 | 1時間 |
合計 | 6時間 |
いずれも学科のみのプログラムです。実際に作業する人を対象にしたカリキュラムなので、現場での作業を具体的にイメージできるような構成になっています。
受講方法
足場の特別教育は建設業労働災害防止協会の各都道府県支部や労働技能講習協会で開催しています。また労働技能講習協会では出張講習にも対応しています。特別教育の会場が事業所から遠ければ、講師に自社に出張してもらうのも一考です。
またWeb講座を受講する方法もあります。動画を視聴して、自分で学習する方式です。講習会に参加する時間がなかなか取れなかったり、日頃本業が忙しかったりする人にはおすすめの受講方法です。わからないところがあれば、その部分を何度も繰り返し視聴して、納得できるまで確認できます。
特別教育の省略が可能になる条件
足場に関する作業に携わるためには、特別教育の受講が義務付けられます。しかし以下で紹介する条件に該当する人物であれば、特別教育の省略が可能です。
- 足場の作業主任者技能講習を修了している
- 建築施工系とび科の訓練を修了している、居住システム系建築科もしくは環境科の訓練を修了しているなど足場の組立て等作業主任者技能講習規程第1条各号に掲げる者
- とび1級もしくは2級の合格者
- とび科の職業訓練指導員免許の保有者
足場の技能講習のカリキュラムについて
作業主任者になるためには、技能講習を受講する義務が発生します。技能講習の受講条件やどのような内容について学習すれば良いのかについて、以下で紹介します。
受講内容
技能講習のカリキュラムを見てみると、多岐にわたるプログラムを受講しなければなりません。科目と履修時間数について表にまとめると、以下の通りです。
科目 | 時間 |
---|---|
作業方法に関する知識 | 7時間 |
工事用設備や機械、器具、作業環境等に関する知識 | 3時間 |
作業者への教育に関する知識 | 1時間30分 |
関連法規 | 1時間30分 |
合計 | 13時間 |
技能講習では、自分自身の安全ではなく主任者として現場の作業員の安全を確保するための知識について学習するようなプログラムにまとまっています。
受講資格
技能講習は、だれでも受講できるものではありません。以下で紹介するように一定の条件をクリアしていないと受講できないので、注意してください。
- 足場の組み立てなど関連する作業の実務経験が3年以上
- 中学や高校、大学、専門学校にて土木や建築、造船に関する学科を先行し、卒業後足場に関する作業の実務経験が2年以上
- その他厚生労働大臣が定める者
足場の作業は18歳未満の者は禁止されているので、最初の条件で21歳以上、2番目の条件で20歳以上の人物が対象になります。
一部免除の条件
技能講習では、一定の条件を満たした人はカリキュラムの一部を免除できます。免除の条件と免除される科目を表にまとめると、以下の通りです。
免除の条件 | 免除される科目 |
---|---|
技能講習規定第1条の各号にあげる人物で訓練終了後に足場に関する実務経験が2年以上 |
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とび科に関連する職業訓練指導員免許保持者 |
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職業訓練指導員の免許を持っていれば、本来13時間受講すべきカリキュラムが1時間30分で済むわけです。
CICでは足場特別教育を開講しています。Web講習なので日本全国ネット環境があれば、どこからでも受講が可能です。またわからないところは動画で繰り返し確認できるので、足場作業で必要な事項をしっかり学習できます。
まとめ
足場を使用する高所作業の場合、ちょっとしたことで大けがや命にかかわる事故に発展しかねません。正しい知識を身に着けた作業員が作業を担当することで、安全な施工が行えます。
法律によって、特別教育もしくは技能講習を受講することが義務付けられています。ぜひCIC日本建設情報センターのWeb講座の受講をご検討ください。