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建設現場では足場特別教育が必須!Web講座の受講について詳しく解説
公開日:2024年6月3日 更新日:2024年6月3日
建設現場では足場特別教育が必須!Web講座の受講について詳しく解説
建物や構築物の高層化で高所作業が増えています。高所作業に足場はつきもので、現場で働く作業者は、足場特別教育(足場の組立て等特別教育)が必ず必要になります。
足場の組立てや解体作業などに従事している作業者は受講する義務があり、現場作業の経験者と未経験者で、受講時間に違いがあります。今回は、足場特別教育の基礎知識や資格の取得方法などについて、詳しく解説します。
目次
足場作業では足場特別教育の受講が必須
建設工事で組み立てる足場は、大部分が高所作業になり、安全確保が重要です。しかし、足場からの転落や墜落事故は起きており、また足場の組立て不備による、足場倒壊などの労働災害も多く発生しています。
そのような足場からの墜落・転落災害防止のため、平成21(2009)年6月に労働安全衛生規則を改正し、足場や墜落防止措置などの見直しが行われました。その結果、労働安全衛生規則を一部改正し、足場特別教育が平成27(2015)年7月1日より義務化されました。
そもそも足場(あしば)とは、工事現場などで現場作業を行うために、仮設の作業床や通路およびそれらを支える構造物のことです。足場の種類は、支柱足場と吊り足場に大別されます。支柱足場は一般的な建築物や土木構造物で広く用いられています。また、橋梁やダム工事では吊り足場が用いられています。
足場特別教育はWeb受講が可能
足場特別教育の受講が必要な対象業務は、足場の組立て・足場の解体・足場の変更に関わる業務です。ただし、吊り足場と張出し足場は、足場特別教育からは除かれます。最近は足場特別教育がWeb上でも受講可能になりました。この章では足場特別教育の解説と、Web受講のメリットなどを紹介します。
足場特別教育の種類と内容
足場特別教育は、経験の有無で受講するカリキュラムや時間が異なります。平成27年7月1日時点で足場作業に従事している方で3時間、未経験の方で以後足場作業に従事する方は6時間の講習が必要です。
No. | 学 科 内 容 | 6時間の場合 | 3時間の場合 |
---|---|---|---|
1 | 足場及び作業の方法に関する知識 | 3時間 | 1時間30分 |
2 | 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 | 30分 | 15分 |
3 | 労働災害の防止に関する知識 | 1時間30分 | 45分 |
4 | 関係法令 | 1時間 | 30分 |
上記の科目を全て受講した後に、発行される修了証を受領すれば、足場特別教育の資格取得となります。あくまでも安全衛生教育であるため、修了試験などは設定されていません。
正しく時間通り受講することで資格が認定されるだけに、比較的取得が容易な資格です。
足場特別教育の受講資格
足場特別教育の対象業務は、足場の組立て・解体又は変更の作業に関わる業務です。ただし、地上又は堅固な床上における補助作業の業務は除かれます。受講資格は、満18歳以上です。18歳未満の方は、労働基準規則(年少者の就業制限)により足場の組立て等の作業に従事させてはならないとされています。それ以外の足場特別教育への受講資格制限はなく、実務経験がなくても受講可能です。
足場特別教育の受講方法
足場特別教育の講習会は、さまざまな機関や団体が開催しています。最寄りの便利な場所での受講がおすすめです。遠隔地の場合は出かけるだけで時間がかかるケースもあり、近隣で開催される講習会がおすすめです。
Web講座のメリット
さらに、講義会場で開催される講習会に参加するのが困難な方には、Web講座で受講する方法がおすすめです。Web講座であれば、自分の好きな場所や時間が選べ、自分の予定やタイミングで講義を受けられるメリットがあります。若い方はもちろん、40代~60代の方にも感覚的に操作できるので、受講のハードルも低めの受講方法といえます。
加えて、Web講座のメリットといえるのが、不明な点や1回聞いただけでは理解できない部分について、理解できるまで繰り返し見直しができる点です。そのうえ、個人で受講する場合は周りを気にすることなく、マイペースで学習が進められるのも大きなメリットといえます。
また大部分の足場特別教育のWeb講座は、予約してすぐに受講でき、自分の予定をもとに空いている日や空いている時間に受講可能です。さらに、所定の講座を受講し履修すると、修了が認められます。
Web講座の特徴
足場特別教育のWeb講座は、さまざまな団体が主催しています。基本的には、厚生労働省の通達に準拠した講座です。Web講座の特徴の一つが、不正受講防止のため、講義の動画をみるときに顔認証を行うケースが多くあります。したがって、いったん自分の顔を登録すると、受講中にインカメラで監視され、受講している証明になるのです。AI時代に即した講義といえます。
またメリットにもつながりますが、職場や自宅や通勤中などにパソコンやスマホで視聴することも可能で、24時間いつでもどこでも講座が受講できるのも、Web講座の特徴といえます。足場特別教育のWeb講座を開設している団体は複数あります。実際に受講した方々も多く、受講者の口コミなどは参考として大いに活かせるので、自分に最適となるWeb講座を選べる点も特徴です。
Web講座の注意点
足場特別教育のWeb講座はまれにですが、必要となる講義内容が十分に採用されていない教材があります。厚生労働省の求める法定要件を満たした適切なWeb講座でなければ、受講しても無効になってしまう可能性もあります。
それだけに、受講前にどのような教材を用いるのか、講師はどのような内容で講義を進めるのかなど、講義内容をしっかりと調べましょう。自分にとって有効なものを選んで受講することがきわめて重要で、注意点といえます。
さらに、足場特別教育のWeb講座を会社で受講する場合は、1カ所に集まり、監視人の配置が必要です。受講者は監視人の監視下で足場特別教育の講座を受講します。事業者が監視人を配置せずに、Webサイトの講義動画などの視聴・閲覧中に受講者が自由に離席した場合等は、規定の受講時間、学科教育が行われたことが担保できないと判断され、無効となることがあります。ただし、顔認証システムがある場合は、監視人の設置は不要です。なお、CICの講座はすべての条件を正確にクリアしています。
足場特別教育の特例
足場作業を行う場合は、本来は足場特別教育の受講が必要ですが、次に該当する方は、特別教育の科目のすべてについて受講が省略できます。
- 足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者
- 建築施工系とび科の訓練(普通職業訓練)を修了した者
- 住居システム系建築科又は住居システム系環境科の訓練(高度職業訓練)を修了した者
- 足場の組立て等作業主任者技能講習規程(昭和47年労働省告示第109号)第1条各号に掲げる者
- とびに係る1級又は2級の技能検定に合格した者
- とび科の職業訓練指導員免許を受けた者
このような資格を所有している方は、足場特別教育を受講することなく、足場作業に従事できます。
まとめ
足場作業に従事する作業者には、足場特別教育は受講が義務付けられています。労働災害の防止のため、自身の安全のためにも足場特別教育をしっかりと受講し、学びましょう。またWeb講座でも学べる便利な資格です。足場特別教育は長くても6時間と、短時間の講習のため、進んで受講しましょう。