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熱中症予防管理者教育とは?講習の内容や流れについて解説!
公開日:2024年6月28日 更新日:2024年6月28日
熱中症予防管理者教育とは?講習の内容や流れについて解説!
熱中症は、気温や湿度の高い環境の中にいることで、大量の汗をかくことなどにより体温の調整がうまくいかずに起こってしまう病です。体内の水分や塩分のバランスが崩れることが原因となります。
原因が明確であるため室外にいるときには日陰を積極的に作ったりこまめな水分補給、室内にいる場合には空調で室温を管理するなどの予防が可能です。
地球温暖化に伴う地球の気温の上昇は、異常といっていいほどです。高温多湿の環境に耐えきれず熱中症になる人は年々増加し社会問題となっています。自分の身は自分で守る。そのためには、熱中症という病気のことをしっかりと学ぶことが喫緊の課題といえるでしょう。
目次
熱中症予防管理者とは?
最近職場で熱中症患者が急増し死亡する方も増えています。厚生労働省が公表している2022年度の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」では827人(前年比266人・47%増)となっており、とくに建設業と製造業では全体の4割を占めています。
このことから職場での熱中症の予防対策は重要なことが明らかとなりました。もちろん一人ひとり注意する意識を持つことを求められますが、職場環境を整えることも事業者には大切な役割です。
熱中症から自分の身を守るために、熱中症予防労働衛生教育の受講が義務づけられることになりました。(平成28年2月29日付基安発0229第1号ほか関連通達)
そして熱中症予防労働衛生教育には管理者として受講するコースもあります。職場の仲間の身の安全を守るために管理者としての責任を果たせます。
熱中症とはどんな症状?
熱中症と思われる症状には次のものがあります。
- めまいや失神
- 筋肉痛や筋肉がつってしまう
- 倦怠感・虚脱感
- 手足のしびれ
- 吐き気
- 異常に汗をかく
- 体温の上昇
- 皮膚の異常
- まっすぐに歩けない
- 呼びかけに反応しない
他にも普段と違った行動や体調の変化がある場合には、熱中症の可能性がありますので注意が必要です。
熱中症予防管理者はなにをする?
仲間が熱中症になったとしても、どうすれば救ってあげられるのか知識がなければわかりません。必要な処置ができなかったばかりに、手遅れとなる可能性もあります。
また前もって予防ができていれば、最悪の事態にはならない可能性があります。いつでもどのような場合でも、仲間の健康を守るために管理者としてしっかりと学んでおくことが重要です。
熱中症予防管理者の関係法令
厚生労働省の通達平成21年6月19日付基発第0619001号によって、事業者は職場における熱中症の予防のための講習の実施を求められることになりました。熱中症予防管理者労働衛生教育は、このことにより義務づけられています。
熱中症予防管理者労働衛生教育は、熱中症による災害を防ぎ予防対策の実効をあげるために開始され各地の企業や団体により開催されることになりました。
熱中症予防管理者労働衛生教育の概要
ここからは、熱中症予防管理者労働衛生教育の概要について、詳しく見ていきましょう。
受講対象者は?
建設業等に従事している者で、熱中症予防のための教育や指導を行う立場である人が受講の対象者となっています。たとえば次の職業の方々です。
- 衛生管理者
- 労働衛生コンサルタント
- 施工管理者および職長・安全衛生責任者
熱中症予防管理者労働衛生教育の内容
高温多湿の環境で作業を行う者の健康を守るための予防対策および管理についてが、熱中症予防管理者労働衛生教育の内容となっています。
熱中症予防管理者労働衛生教育のカリキュラム
種別 | 科目 | 時間 |
---|---|---|
学科 | 熱中症の症状 | 0.5時間 |
熱中症の予防方法 | 2.5時間 | |
緊急時の救急処置 | 0.25時間 | |
熱中症の事例 | 0.25時間 | |
合計 | 3.5時間 |
熱中症予防管理者労働衛生教育の受講方法
熱中症予防管理者労働衛生教育の受講の方法には、会場で行う対面での講習や出張講習、Web(オンライン)での講習があります。
それぞれにメリットやデメリットがあります。
講習会の受講
会場で行う対面の受講は、各地で行われている会場へ赴いて学びます。
対面で行うメリットは次の通りです。
- 受講する際に特別な準備が不要
- 会場にさえ行けば確実に受講できる
対面で行うデメリットは次の通りです。
- 受講日時や定員数が決められている
- 受講日の変更などが難しい
出張講習
出張講座は外部の講師に会社まで来てもらって、講習を行ってもらう方法です。社内で一定数の人数が集められる場合は、自社に講師を招く方法もよいでしょう。
出張講習でのメリットは次の通りです。
- 受講日を受講する側の意向で決められる
- 移動時間や交通費などが不要
出張講習でのデメリットは次の通りです。
- 控え室など講師に対する準備が必要
- 受講費用が対面講習よりも高額になる場合もある
- 講師の都合によりスケジューリングが難しい
Web講座の受講
Web講習はインターネットの配信による受講方法です。インターネットで動画を視聴することで完結する講習です。ネット環境が整っていることやPCやスマートフォンがあればいつでもどこでも受講できます。
Web講習のメリットは次の通りです。
- 24時間365日いつでもどこでも受講できる
- 修了証はPDFで即日発行してもらえる
Web講習のデメリットは次の通りです。
- ネット環境が安定していないと映像の乱れなど、トラブルが発生する可能性がある
CIC日本建設情報センターのWeb講座
CIC日本建設情報センターのWeb講座《顔認証付き・Web講座》の大きな特徴は、顔認証システムを導入しているところにあります。いつでもどこでも気軽に受講できるため、非常に便利です。急を要する受講の場合でも最短の時間で受講ができます。
熱中症予防管理者労働衛生教育Web講座の特徴
AIの顔認証システムを導入しており、登録した顔写真と受講者の顔を常に照合しています。カメラに写らないことがあると自動的に講習が中断されます。速度や再生時間の変更なども防止されますので安心です。
熱中症予防管理者労働衛生教育Web講座の環境
Web講座の必要な環境は次の通りです。
- インターネットが利用できる環境
- カメラ付きのスマートフォン・PC・タブレット等が必要
- アカウント1つにつき1人(1アカウントで複数人は受講できません)
熱中症予防管理者労働衛生教育Web講座の受講料
CIC日本建設情報センターの「熱中症予防管理者労働衛生教育Web講座」の受講料は7,000円(税込7,700円)です。
カード型の修了証が必要な方は後日郵送されます。カードを希望される人は、7,500円(税込8,250円)となります。
熱中症予防管理者労働衛生教育Web講座の修了証
講習が修了すると「管理者向け熱中症予防労働衛生教育修了証」をPDFにて発行をします。またカード型の修了証は希望者によって後日(10営業日以内)郵送してもらえます。
まとめ
炎天下や高温多湿の室内で行う業務は、非常に高いリスクを伴います。この環境内で業務に従事している場合には、予防対策をしっかりと行わなければいけません。
危険な職場で作業を行う従業員の健康と安全を確保するために、熱中症予防管理者労働衛生教育は実施されています。
熱中症予防管理者労働衛生教育は会場での講習や出張講習などがありますが、いつでもどこでも手軽に受講することのできるWeb講座が人気です。