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実務経験なしでもなれる?造園施工管理技士の受検資格をやさしく解説
公開日:2024年11月12日 更新日:2024年11月12日
実務経験なしでもなれる?造園施工管理技士の受検資格をやさしく解説
「実務経験がなくても造園施工管理技士になれる?」
「造園施工管理技士の実務経験にはどんな業務が含まれるの?」
とお考えではありませんか?
令和6年度から造園施工管理技術検定を含めた施工管理技術検定全般の受検資格が改定されましたが、新旧問わず実務経験は必要です。ただし、検定に関しては1級・2級問わず、年齢さえ満たしていれば受検できるようになりました。
この記事では、実務経験なしで造園施工管理技士を目指せるのか詳しく解説します。ほかにも、具体的な受検資格や実務経験の例、よくある質問についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
「実務経験なし」でも造園施工管理技士になれるのか?
原則、令和6年度から改定された新しい受検資格、以前の受検資格を問わず、造園施工管理技士になるには実務経験が必要です。実務経験がゼロの状態で造園施工管理技士にはなれません。
ただし、現在は第一次検定合格者に対して「造園施工管理技士補」の資格が付与されるため、実務経験がない方でも効率的に目指せるよう区分が設けられています。まずは、技士補の概要や令和6年度から実施された受検資格の改定について解説します。
技士補の場合は実務経験なしで目指せる
前項で述べたように、現在、1級・2級問わず施工管理技術検定の第一次検定合格者には「技士補」の資格が付与されます。
2級であれば満17歳以上、1級であれば満19歳以上で技士補になることが可能です。
受検資格の改定により、今後は技士補資格を得てから実務経験を積み、施工管理技士を目指す方が増えることでしょう。造園施工管理技士に関しても同様、技士補から始めるのが効率的でおすすめです。
【あわせて読みたい】【施工管理技士の制度が改正】技士補とはなにか?メリットや制度の概要を詳しく解説
令和6年度以降は第二次検定の受検での実務経験が必要
前項でも解説したとおり、令和6年度から施工管理技術検定の受検資格が緩和されました。1級・2級ともに第一次検定は年齢さえ満たしていれば、実務経験なしで受検できるルールに変更されています。
一方で第二次検定を受検する際は、2級が1年〜3年、1級が1年〜5年ほどの実務経験年数が必要です。
第一次検定・第二次検定の合格者が施工管理技士を名乗れる点に関してはこれまでと変わりません。
また、令和10年度までは緩和措置として以前の受検資格でも施工管理技術検定を受検できます。自分に適した方法で施工管理技術検定に臨むのがよいでしょう。
造園施工管理技士の受検資格
ここからは、1級・2級造園施工管理技術検定の受検資格について詳しく解説します。
1級造園施工管理技術検定の受検資格
ここでは、1級の第一次検定・第二次検定の受検資格についてみていきましょう。
第一次検定
第一次検定は、受検する年の年度末までに19歳を迎える方であれば受検できます。学歴・資格などの制限がないため、気軽に受検可能です。
ただし、申し込み期限が遅れないようにだけご注意ください。
第二次検定
以下の表は、令和6年度以降における1級造園施工管理技術検定の第二次検定受検資格をまとめたものです。
受験資格要件 | 実務経験年数 |
---|---|
令和3年度以降の 1級第一次検定合格者 |
合格後 5年以上の実務経験年数 |
合格後 特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数 | |
合格後 監理技術者補佐としての1年以上の実務経験年数 | |
2級第二次検定(旧実地試験含む)に合格した後、 1級第一次検定に合格した者(1級第一次検定受検予定者を含む) |
2級合格後 5年以上の実務経験年数 |
2級合格後 特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数 |
※以前の受検資格でも受検可能です
要件によって具体的な実務経験年数は異なります。また、施工管理技術検定の受検資格は資格によって異なるのが特徴です。
例えば、造園施工管理技術検定では造園工事業が該当し、電気工事施工管理技術検定では電気工事業が実務経験に該当します。
どんな業務が実務経験に該当するのか把握しておきましょう。該当する業務に関しては「受検の手引き」または後述する内容で確認できますので、ぜひ参考にしてください。
2級造園施工管理技術検定の受検資格
続いて、2級の第一次検定・第二次検定の受検資格についてみていきましょう。
第一次検定
第一次検定は、17歳以上の方が受検できます。16歳の方でも、試験実施日の年度末まで17歳になるのであれば受検可能です。
年齢さえ満たしていれば、学歴・資格などは問われません。
第二次検定
以下の表は、令和6年度以降における2級造園施工管理技術検定の第二次検定受検資格をまとめたものです。
受験資格要件 | 実務経験年数 |
---|---|
令和3年度以降の1級第一次検定合格者 | 合格後1年以上の実務経験年数 |
令和3年度以降の2級第一次検定合格者 | 合格後3年以上の実務経験年数 |
※以前の受検資格でも受検可能です
1級と同様、受験資格要件によって必要な実務経験年数が異なります。令和10年度までは以前の受検資格でも受検できるため、自分に適した方法で挑戦するのがよいでしょう。
造園施工管理技士の実務経験を具体的に紹介
前項では、造園施工管理技術検定の受検資格について解説しました。ここからは、実務経験に該当する業務・該当しない業務について詳しく解説します。
「該当すると思っていた業務が対象外だった…」と後悔しないよう、事前に該当する業務について把握しておきましょう。
造園施工管理技術検定の実務経験に該当する工事
以下の表は、造園施工管理技術検定の実務経験に該当する工事をまとめたものです。
工事内容 | 工事の例 |
---|---|
公園⼯事 | 植栽⼯・移植⼯・樹⽊整姿⼯・地被⼯・花壇⼯・⽔景⼯(池・滝・流れなど)・景⽯⼯(⽯組・⽯積など)・園路広場⼯・休養施設⼯(四阿・パーゴラなど)・サービス施設⼯(ベンチ・テーブルなど)・遊戯施設⼯・運動施設⼯・園地造成⼯(地ごしらえ⼯)・植栽基盤整備⼯ |
緑地⼯事 | 植栽⼯・移植⼯・樹⽊整姿⼯・地被⼯・園路広場⼯・休養施設⼯(四阿・パーゴラなど)・サービス施設⼯(ベンチ・テーブルなど)・運動施設⼯・園地造成⼯(地ごしらえ⼯)・植栽基盤整備⼯ |
墓苑園地造園⼯事 | 植栽⼯・移植⼯・樹⽊整姿⼯・地被⼯・花壇⼯・園路広場⼯・休養施設⼯(四阿・パーゴラなど)・サービス施設⼯(ベンチ・テーブルなど) |
住宅団地造園⼯事 | 植栽⼯・移植⼯・樹⽊整姿⼯・地被⼯・花壇⼯・園路広場⼯・休養施設⼯(四阿・パーゴラなど)・サービス施設⼯(ベンチ・テーブルなど)・遊戯施設⼯・植栽基盤整備⼯ |
道路緑化(植栽)⼯事 | 植栽⼯・移植⼯・樹⽊整姿⼯・地被⼯・植栽基盤整備⼯ |
遊園地造園⼯事 | 植栽⼯・移植⼯・樹⽊整姿⼯・地被⼯・花壇⼯・園路広場⼯・休養施設⼯(四阿・パーゴラなど)・サービス施設⼯(ベンチ・テーブルなど)・遊戯施設⼯ |
庭園⼯事 | 植栽⼯・移植⼯・樹⽊整姿⼯・地被⼯・花壇⼯・⽔景⼯(池・滝・流れなど)・景⽯⼯(⽯組・⽯積など)・園地造成⼯(地ごしらえ⼯)・植栽基盤整備⼯ |
建築物付属園地造園⼯事 | 植栽⼯・移植⼯・樹⽊整姿⼯・地被⼯・花壇⼯・園路広場⼯・植栽基盤整備⼯ |
屋上(壁⾯)緑化⼯事 | 植栽⼯・移植⼯・樹⽊整姿⼯・地被⼯・花壇⼯・植栽基盤整備⼯ |
その他、分類できない造園工事 | – |
公園・緑地工事をはじめ、さまざまな造園工事が実務経験に該当します。「受検の手引き」でも確認できますので、気になる方はお確かめください。
造園施工管理に関する実務経験として認められる従事内容・役職(職名)
以下の表は、造園施工管理に関する実務経験として認められる従事内容・役職(職名)をまとめたものです。
施工管理(請負者の⽴場での現場管理業務) |
|
---|---|
施工監督(発注者の⽴場での⼯事監理業務) |
|
設計管理(設計者の⽴場での⼯事監理業務) |
|
※設計監理業務を⼀括で受注している場合、⼯事監理業務期間のみ認められる
現在有している経歴が実務経験にできるかどうかチェックしておくとよいでしょう。
造園施工管理技術検定の実務検定として認められない工事・作業
中には、造園施工管理技術検定の実務検定として認められない工事・作業があります。それぞれ詳しくみていきましょう。
実務経験として認められない工事
以下の表は、造園施工管理に関する実務経験として認められない工事をまとめたものです。
工事内容 | 工事の例 |
---|---|
土木一式工事または建築一式工事などの工事 | 植栽⼯などの造園⼯事に係る内容は除く ※ 上記の業務以外でも、造園施工管理の実務経験とは認められない業務・作業等は、実務経験の 期間に算入できません。 |
道路工事 | 法⾯保護⼯(コンクリートやモルタル吹付⼯、法枠⼯、厚層基材吹付⼯、種⼦吹付⼯)、道路の維持⼯事 ※植栽地の維持など、造園⼯事に係る内容は除く |
河川工事および砂防工事 | 堤防張芝⼯事、樹⽊伐採⼯事、砂防植栽⼯事、河川維持⼯事 ※植栽地の維持など、造園⼯事に係る内容は除く |
林業工事 | 植林⼯事、造林⼯事、間伐⼯事、治⼭⼯事、林道⼯事 |
建築工事 | 便所・運動施設などの建築⼯事 |
外構工事 | ビル・マンション・個⼈住宅などの擁壁・フェンス・⾨扉・駐⾞場などの構造物が中⼼の⼯事 |
他の建設工事の業種で請け負った場合、造園施工管理に関する実務経験として認められません。造園工事に該当するかどうかが、実務経験として認められる上で重要です。
実務経験として認められない作業
以下に該当する作業は、造園工事の実務経験として認められません。
- 工事着工以前における設計者としての基本設計・実施設計のみの業務
- 調査(点検含む)、設計(積算を含む)、保守・維持・メンテナンスなどの業務
- 現場事務、営業などの業務
- 官公庁における行政及び行政指導、研究所、学校(大学院等)、訓練所などにおける研究、教育及び指導等の業務
- アルバイトによる作業員としての経験
- 工程管理、品質管理、安全管理等を含まない雑役務のみの業務、単純な労務作業など
- 入社後の研修期間(工事現場の施工管理になりません)
造園工事の施工に直接関係した業務が実務経験に該当します。そのため、上記以外でも、造園施工管理着の実務経験として認められない作業・工事は実務経験期間に参入できないため、ご注意ください。
よくある質問
ここでは、造園施工管理技術検定の実務経験についてよくある質問をまとめました。
実務経験年数が到達していないと造園施工管理技術検定は受検できない?
1級・2級ともに第一次検定に関しては実務経験を伴いません。年齢さえ満たしていれば学歴・資格に関係なく受検可能です。
ただし、第二次検定に関しては受検までに所定の実務経験年数を満たす必要があります。実務経験年数・要件に関しては、令和10年度まで新しい受検資格・以前の受検資格のどちらでも問題ありません。
実務経験を満たしたことの証明はどうやるの?
実務経験を満たした後は、申し込みのときに証明が必要です。
造園工事の従事期間などの必要事項について、工事ごとに工事請負者の代表者または請負工事の監理技術者などによる証明が求められます。工事請負者とは、受検者の所属先が請け負った工事のことです。
また、令和6年3月31日を含む工事に関しての実務経験は、以前の方法(申請時に属している会社の代表者など)でも証明できます。
実務経験を偽るとどうなるの?
造園施工管理技術検定の実務経験を偽って受検するとペナルティが課せられる可能性があります。受検者の場合、合格の取り消しや3年以内の受検禁止などの措置があります。
また、企業に属している場合、会社に対して立入検査や指導・勧告を受ける、企業名が公表されるなど信頼性に大きく関わるペナルティが考えられるでしょう。
実務経験を偽った受検は、その後のキャリアアップの機会を失い、信頼も損ねる行為です。実務経験を偽ることなく、所定の経験を積んだうえで造園施工管理技術検定に臨んでください。
まとめ
この記事では、造園施工管理技術検定の実務経験について詳しく解説しました。造園施工管理技士は、実務経験なしで満たせるものではありませんが、造園施工管理技士補であれば実務経験なしでも狙えます。
令和6年度からは受検資格が改訂され、1級は満19歳以上、2級は満17歳以上であれば学歴・資格などの要件なく受検可能です。第二次検定に関しては実務経験が必要になります。
また、実務経験として認められるのは、基本的に造園工事に関する施工業務です。造園工事以外(土木・建築に関する施工などその他の施工業務)に関しては実務経験として認められません。事前に実務経験として認められる業務を把握し、スムーズに実務経験の要件を満たしましょう。
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