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高所作業車を運転・操作するのに必要な資格とその取得方法
公開日:2024年4月22日 更新日:2024年7月4日
高所作業車を運転・操作するのに必要な資格とその取得方法
工事現場や電気工事、さらに造園業などでも活躍する高所作業車。高所での作業の安全性を確保するという意味でも非常に重要で、その操作には一定以上の知識や技術が求められます。
この高所作業車を運転するには、資格が必要です。細かく分けると、移動させる運転と、昇降装置を操作する運転で、別の資格が必要となります。
その資格をどのように取得するのか?取得のために事業者が準備すべきことはあるのか?など、高所作業車の資格取得についてご紹介します。
目次
高所作業車を運転するために必要な資格
高所での作業を安全に行うために欠かせないのが高所作業車です。この高所作業車を運転・操作するためには必要な資格があります。まずは高所作業車を移動させるために必要になる資格を紹介していきましょう。
高所作業車のタイプと運転資格
高所作業車は大きく分けて2つのタイプがあります。1つはトラックなどの荷台に昇降装置が取り付けられているタイプ、もうひとつが自走式のタイプです。
自走式の高所作業車は、公道を走ることができないタイプが多く、移動も作業現場内(私有地内)に限られます。必要な資格はありませんが、運転操作に慣れている方が移動させるのが一般的です。
トラックタイプの高所作業車の場合、公道を走ることが可能なものがほとんどです。こうしたトラックタイプを運転するためには、当然ですがそのトラックに対応した自動車運転免許証が必要になります。
高所作業車を操作するために必要な資格
高所作業車を移動させる運転ではなく、昇降装置を操作するという意味での運転には、必要な資格があります。資格といっても試験を受けて取得するような国家資格ではなく、厚生労働省の認可を受けた講習を受講し、修了することで得られる資格です。
この厚生労働省が認可する講習は2種類あり、運転する高所作業車に合わせて講習を修了する必要があります。この2つの講習を簡単に紹介します。
作業床の高さが10m未満の場合
高所作業車の作業床が、最低2mから最高10m未満の場合、受講すべきは「高所作業車の運転業務に係る特別教育」です。
作業床10m未満のタイプは造園業や電気設備工事業、建設業や看板工事業など、多くの現場で活躍しています。そのためこの特別教育は、さまざま業界で多くの方が受講しています。
作業床の高さが10m以上の場合
高所作業車の作業床の高さが10m以上となる場合、「高所作業車運転技能講習」という講習を修了する必要があります。
作業床の高さが10m以上である作業現場は限られますが、自社で扱っている高所作業車が、作業床10m以上である場合は、従業員にこちらの技能講習を受講してもらうようにしましょう。
高所作業車の資格を取得する条件
高所作業車を運転するには、上記2つのうちどちらかの講習を受講し修了しなければいけません。これは義務化されていますので、どのような業種であっても講習を受講していない方が高所作業車を操作するのは禁じられています。
特別教育も技能講習も、受講条件は年齢のみ。受講できるのは18歳以上であり、ほかの条件はありません。まだ業務経験がない方、日本国籍以外の方、自動車の運転免許証を持っていない方でも受講可能です。これから高所作業車を使う業務に従事しようとする方は、必ず受講してください。
高所作業車の運転業務に係る特別教育とは?
高所作業車の運転業務に係る特別教育とはどのような講習なのか?どのくらいの受講時間が必要で、どのように受講するのか?この点に注目して解説していきましょう。
作業床の高さ10m未満の高所作業車を運転できる
高所作業車の運転業務に係る特別教育は、作業床の高さが最高10m未満の高所作業車を運転できるようになる講習です。高所作業車を操作する際には、この講習の受講が義務であるため、事業者は、高所作業車を使う作業に従事している従業員全員に受講してもらう必要があります。
高所作業車は、高所での作業を安全に行うためのものですが、その操作を誤れば大きな労働災害に直結しかねません。そのためにも操作をする人材には、単に講習を受講するだけではなく、しっかりとその内容を理解し、安全性に配慮した操作が求められます。
最低9時間以上の講習を受講する
特別教育には学科科目と実技科目があります。学科科目は昇降装置の構造や原動機の仕組み、さらに関連する法令の知識を学び、実技科目では実際に高所作業車を使用して学びます。
教育に必要な時間は学科4科目で6時間以上、実技教育が3時間以上です。目安としての時間設定はありますが、「以上」と付け加えていることからも分かる通り、その時間講習を受ければいいというわけではなく、教育の内容をしっかりと理解することが重要になります。
特別教育は全体で9時間以上。1日の労働時間では修了までは難しいものの、2日間あれば十分修了できる設定になっています。
従業員に特別教育を受講してもらう事業者の方は、できるだけ効率よく修了できるように、受講方法などを検討しておくことをおすすめします。
事業所内でも受講は可能
高所作業車の運転業務に係る特別教育を受講する方法は主に2つ。全国各地の団体が開催する講習に参加するか、自社内でオンライン講習を受講するかです。
会場に出向き講習を受けるのは、事業者としては準備が少ない方法と言えます。ただし、上記のように講習の修了には2日間(もしくは1日半)の時間が必要です。従業員を会場に出向かせる場合、その間従業員の数が減り、業務に支障が出る恐れがあります。
講習を受講すべき人材が多ければ、それだけ業務上の支障も大きくなりますので、この点は考える必要があります。
一方オンラインでの受講は、ネット環境さえあれば自社内でも可能です。現状多くの事業所ではネット環境はあるかと思いますので、より手軽に受講できる方法といえるでしょう。
CIC日本建設情報センターでは、高所作業車の運転業務に係る特別教育のオンライン講習を提供しています。オンライン講習のメリットは上記の通り、効率的に受講してもらうことができるという点。さらにCIC日本建設情報センターのオンライン講習にはほかにもメリットがあります。
ひとつは、分かりやすい講習が受講できるという点。日本建設情報センターのオンライン講習は、さまざまな方が受講されることを想定し、高所作業車に関する知識がほぼないという方でも、しっかり講義内容が理解できるよう、丁寧な解説を行っています。
また、オンライン講習では対応できない実技講習に関しては、実技講習をサポートする動画を提供しています。この動画を観ながら、経験豊富な従業員の方が教えれば、実技教育を行うことが可能となっています。
まとめ
高所作業車は、高所での作業を安全に行えるため非常に便利である反面、ちょっとした操作ミスが命に関わる大事故に発展しかねない車両です。そのため操作をする方には資格が必要であり、その資格を取得できるのが高所作業車の運転業務に係る特別教育などの講習です。
多くの業界で利用されている、作業床2m~10m未満の高所作業車の操作には、この特別教育の受講が義務化されています。事業者の方は、高所作業車を使う作業に従事している従業員の方全員に受講してもらうようにしましょう。
受講の方法は2種類ありますが、より手軽で効率的な方法はオンライン受講。ネット環境さえあればいつでもどこでも受講可能ですので、業務への支障を最小限に抑えながら、多くの従業員の方に受講してもらうことが可能です。
CIC日本建設情報センターでは、この特別教育のオンライン講座を提供しています。従業員の受講を考えている事業者の方は、是非一度ご相談ください。
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