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【義務化】工作物石綿事前調査者とは?資格概要、取得のための講習について解説

公開日:2024年4月23日 更新日:2024年10月2日

【義務化】工作物石綿事前調査者とは?資格概要、取得のための講習について解説

現在建築物や工作物の解体や改修工事を行うにあたって、規模の大小関係なく石綿が含まれていないか 工事前に調査を行う義務があるのをご存じですか?建築物に関しては、建築物石綿含有建材調査者を取得した方による調査が令和5年10月から義務化されています。工作物に関しても、令和8年1月から資格取得者による調査が義務化されることになっており、今回紹介する工作物石綿事前調査者の資格を有した人が調査を行わなければいけません。ここでは工作物石綿事前調査者とは何か、資格取得するにはどうすればいいかについて見ていきます。


CIC工作物石綿事前調査者講習




目次

工作物石綿事前調査者とは?

アスベスト

そもそも工作物石綿事前調査者とは何かについて見ていきましょう。工作物石綿事前調査者とは、工作物における石綿使用の有無に関して正しく調査できるに足るものを指します。こちらの資格を保有するためには、工作物石綿事前調査者講習を修了しなければなりません。

また「工作物」とは具体的にどのようなものを指すかについても紹介します。今後工作物に該当するものは、石綿の有無を調査しなければならない点は理解しておきましょう。

いつから適用される?

工作物の石綿事前調査について、資格を有する者が実施することは令和8年1月1日から施行されます。これは厚生労働省に設置された「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策検討会」の策定した報告書をベースに決められました。

背景として挙げられるのが、工作物の老朽化です。今後石綿を使用した工作物の老朽化で、解体工事も増加することが予想されています。石綿を吸い込んでしまうと肺がんや中皮腫などの病気リスクが高まるので、現場の作業員の石綿ばく露対策を万全に行う必要があります。作業員の安全性を担保するためにも必要な措置です。

工作物とは何か?

工作物石綿事前調査を行わなければいけない「工作物」ですが、まずは特定工作物です。特定工作物とは、石綿則第4条の2第1項第3号の規定に基づいたものです。具体的には、配管設備や焼却設備、貯蔵設備、発電設備、変電設備などが該当します。しかし、例えば穀物を貯蔵するのが目的の貯蔵設備は対象外です。このように個別の設備の中には、義務の対象外のものもあるので注意しましょう。

他には煙突や反応槽、加熱炉、ボイラーなども特定工作物に該当するので事前調査が必要です。さらにトンネルの天井板やプラットホームの上家、遮音壁なども対象です。こうしてみると、かなりの工作物で石綿の調査を専門家が行わなければならないことがお分かりでしょう。

さらに特定工作物に該当しない場合でも、塗料その他で石綿を含むものが使われているかもしれません。具体的には塗料のほかモルタルやコンクリート補修材を除去するような作業を行う際には事前調査が必要になるので注意してください。
工作物の区分をまとめると以下の表のようになります。

  • 反応槽
  • 加熱炉
  • ボイラー及び圧力容器
  • 配管設備(建築物に設ける給水設備、排水設備、換気設備、暖房設備、冷房設備、排煙設備などの建築設備を除く。)
  • 焼却設備
  • 煙突(建築物に設ける排煙設備などの設備を除く。)
  • 貯蔵設備(穀物を貯蔵するための設備を除く。)
  • 発電設備(太陽光発電設備や風力発電設備を除く。)
  • 変電設備
  • 配電設備
  • 送電設備(ケーブルを含む。)
  • トンネルの天井板
  • プラットホームの上家
  • 遮音壁
  • 軽量盛土保護パネル
  • 鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板
  • 観光用エレベーターの昇降路の囲い(建築物であるものを除く。)

参照元:工作物に係る石綿事前調査者の要件の検討について

事前調査者を証明する書類の3年間保存の義務

事業者には工作物石綿事前調査者に関して、3年間資料を保存することが義務付けられました。具体的には事前調査の担当者の指名に関して、記録を保存しなければなりません。

加えて、その担当者が事前調査を行うための要件を満たしていることに関して証明できる書類の写しも保存する必要があります。

工作物石綿事前調査者講習の概要

工作物石綿事前調査者の講習

現在でも該当する工作物の解体や改修工事を行う前に石綿の有無について調査しなければなりません。また、令和8年1月1日からは、石綿に関する専門知識を持った工作物石綿事前調査者が担当する必要があります

工作物石綿事前調査者の資格を取得するためには、決められた講習を受講して、試験で合格することです。そこで、ここでは履修が義務付けられている講習内容を中心に見ていきましょう。

講習受講するための資格

工作物石綿事前調査者講習を受講するためには、一定の条件をクリアしなければなりません。誰でも受講できるわけではないので、注意してください。まず石綿作業主任者技能講習を修了している者は、だれでも受講可能です。

その他、学歴と一定の実務経験を有していなければ、講習は受講できません。まず大学で建築関係のカリキュラムを修了している場合、卒業後2年以上の実務経験が必要です。

3年課程の短期大学で建築関係のカリキュラムを修了し卒業した場合には卒業後 実務経験3年以上が必要になります。それ以外の短期大学もしくは専門学校で、建築関係の課程を修了している者は 4年以上の実務経験がないといけません。

中学もしくは高校で建築関係のカリキュラムを修了している者は、卒業後 実務経験7年以上が条件となります。これ以外の者であれば、11年以上の実務経験がないと受講できません。

受講資格について詳しくは下記よりご確認ください。
日本建設情報センター・工作物石綿事前調査者講習について

学科講習後試験に合格するのが要件

事前調査者講習ですが、合計11時間のカリキュラムによって構成されます。基礎知識が2時間、図面調査が4時間、現場調査の実際と留意点が4時間、調査報告書の作成が 1時間のトータル11時間のプログラムです。

所定のカリキュラムを修了したら、筆記試験が実施されます。この筆記試験で一定の成績を収めれば、工作物石綿事前調査者の資格が取得できます。

工作物石綿事前調査者講習はどこで受講する?

悩む男性

工作物石綿事前調査者になるためには、所定の講習を受講したうえで試験に合格する必要があります。工作物石綿事前調査者講習は、日本各地で受講可能です。

ここではどこで受講をすればいいかについて解説します。お近くに受講できる教育機関はないか、事前に確認してください。

登録講習機関で受講する

登録講習機関では、工作物石綿事前調査者講習のプログラムを提供しています。こちらで受講するといいでしょう。令和6年時点ですでに義務化されている建築物石綿含有建材調査者講習の登録機関を見ると、令和6年2月1日時点で125機関あります。

ただしここで紹介している登録講習機関は、令和6年4月時点で一般と戸建ての石綿事前調査者講習に関する情報です。工作物石綿事前調査者講習を取り扱うかどうかは未定です。最新情報を随時確認してください。

民間の登録講習機関で受講可能

一般社団法人や公益社団法人のほかにも、民間の教育機関で講習を実施している場合もあります。弊社CIC日本建設情報センターでも、工作物石綿事前調査者講習の申込みを開始しました。
通学方式で2日間のカリキュラムです。スピーディに受講し、試験に合格できれば早く資格取得することも可能です。東京、名古屋、大阪をはじめとした日本各地で開催します。当講習は早期満席が予想されますので、お早めにお申し込みください。他の地域についても随時追加予定です。

まとめ

工作物石綿事前調査者のまとめ

解体工事などで石綿を吸い込んで中皮腫やガンで苦しむ作業員が問題になり、事前調査が必要になりました。令和8年からは工作物に関しても事前調査が必須です。

事前調査は所定のカリキュラムを修了し、筆記試験に合格した専門家が行うことになっています。担当者に工作物石綿事前調査者を受講させたければ、最寄りの講習機関での受講の手配を進めておきましょう。


CIC工作物石綿事前調査者講習

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