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フォークリフトの運転に係る資格はどうやって取るの?技能講習や取得方法を解説します

公開日:2024年5月29日 更新日:2024年5月29日

フォークリフトの運転に係る資格はどうやって取るの?技能講習や取得方法を解説します

フォークリフトの運転資格の取得方法について解説します。フォークリフトは講習を受けて試験に合格した方が操作できるのですが、総重量1t未満の場合は特別教育だけで操作可能です。今回はフォークリフトの運転資格について、取得の条件やカリキュラム内容、合格率などを詳しく解説しましょう。


CICフォークリフトの運転の業務に係る特別教育




目次

フォークリフトとは

フォークリフト

フォークリフトとは、フォークと呼ばれる荷役用のツメを車体前面に備えた荷役自動車で、油圧を利用してツメを昇降したり傾斜を行ったります。1920年代にアメリカで開発され、日本では戦後に普及していきました。フォークリフトにはさまざまな種類があり、動力源もガソリンやディーゼルエンジン、バッテリー式まで用途に応じて使い分けられています。

フォークリフトには運転資格(免許)が必要

運転資格

フォークリフトは工場内や倉庫で荷物の運搬などに使用するものですが、敷地内だとしても誰でも運転できるものではありません。操縦するフォークリフトの積載荷重に応じて労働安全衛生法で規定されている技能講習を受講し、資格を取得するか特別教育を受ける必要があります。

なお手押しで荷物を運搬するハンドリフトやバッテリー駆動でフォークが昇降しないローリフトも、広い意味でのフォークリフトですが、これらの操作に対して資格は不要です。

また公道を通行する場合は道路交通法の規定もあり、車体の寸法や最高速度によって大型特殊、新小型特殊、小型特殊車両に分けられ、それぞれに応じた運転免許が必要です。

免許の種類 大型特殊免許 新小型特殊免許 小型特殊免許
最高速度 35km/h以下 15km/h以下 15km/h以下
全長 12.0m以下 4.7m以下 4.7m以下
横幅 2.0m以下 1.7m以下 1.70m以下
高さ 3.0m以下 2.8m以下 2.0m以下

無資格でフォークリフトを運転すると罰則がある

無資格でフォークリフトを運転していることが判明すると、罰則規定の対象となります。

最大積載量1t以上 最大積載量1t未満 公道を通行する場合
運転手・従事者 50万円以下の罰金 なし 3年以下の懲役又は

50万円以下の罰金

事業者 6か月以下の懲役又は

50万円以下の罰金

6か月以下の懲役又は

50万円以下の罰金

3年以下の懲役又は

50万円以下の罰金

フォークリフトの運転資格を一度取れば更新はないが概ね5年ごとに安全衛生教育を受ける必要がある

フォークリフトの運転資格は一度取得すれば更新する必要はありません。しかし、概ね5年が経過した方や、一定期間フォークリフトの業務から離れた人は安全衛生教育を受ける必要があります。安全衛生教育は最新のフォークリフトの特徴や取り扱い方や保守管理、災害事例、防止対策を身に着ける事が目的として行われます。

フォークリフトの運転資格の受験資格

フォークリフトの受験資格は、18歳以上であれば実務経験などがなくても誰でも取得できます。とくに年齢の上限も定められていません。

フォークリフトの運転資格合格率

フォークリフト運転資格の試験合格率は95%以上と非常に高く、よほどのことがない限り合格するレベルです。真面目に講習会に出て勉強すれば、基本的に誰でも取得できる資格と言えます。学科試験と実技試験は再受験も可能で、受講者は基本的に合格できるような仕組みがあるとも言えるでしょう。

フォークリフトの荷重1t未満なら弊社が主催するフォークリフトの特別講習を受けるだけで操作可能

フォークリフトで試験を受ける必要があるのは、積載重量が1t以上のフォークリフトに限られています。1t未満のフォークリフトであれば、特別講習を受けるだけで試験に合格する必要はありません。CIC日本建設情報センターのフォークリフト特別講習は次のような内容になっています。

走行、荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 2時間
荷役に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識 2時間
運転に必要な力学に関する知識 1時間
関係法令 1時間

受講料は9,000円で、Webを使って講座が受けられるのでわざわざ会場に出向く必要がありません。修了証PDFは受講が終わればすぐにダウンロード可能です。カード型修了証が必要な場合は550円の実費が必要で、1週間前後で送付します。Web特別教育には次のような特徴があります。

  • 顔認証システム付きのWeb講座(フォークリフト運転士テキスト付)
  • 登録した顔写真と受講者様の顔を照合
  • 不正受講が発覚した場合は講義が自動的に停止します
  • 再生時間や速度の変更ができないようになっています

特別教育は学科に加えて実技が必要です。実技に関しては事業で行なう必要があります。実技講習は6時間で走行操作に4時間、荷役操作に2時間必要です。


CICフォークリフトの運転の業務に係る特別教育

フォークリフトの運転資格で活躍できる業種

フォークリフトが活躍する業種

フォークリフトの運転資格で活躍できる業種にはどのようなものがあるでしょう。人が持てないような重い荷物や資材を簡単に運べるフォークリフトは、あらゆる業種に役立っており運転資格があるだけで非常に便利です。

  • 建材業
  • 産業廃棄物
  • 電気・電話工事
  • 水道管工事
  • 造園・石材業
  • 土木・建築業
  • 解体業

その中でも以下に記した3業種については、とくに重宝され活躍の場が広がり即戦力として重宝されます。

食品業界(倉庫)

食品業界は流通段階で湾岸などに大型の倉庫があり、そこで多くの食品が管理されています。小売業や卸売業に食品を配送する際にパレットに積まれた荷物をそのままトラックに運んだり、倉庫内で移動させたりする際にフォークリフトが大いに活躍します。

鉄工業

鉄橋業で使う資材の多くは人力では持てない重いものが多いため、フォークリフトを使った運搬が多く行われており、運転資格を持っているだけで大いに役立ちます。

木材業

切り倒した直後で加工前の木材は大変重量があり、フォークリフトでトラックに運搬する必要があり大変役立ちます。

フォークリフトの運転資格取得までの日数は他の運転免許や実務経験により異なる

フォークリフトの資格取得日数

フォークリフトの運転資格は最大5日間の講習で取得できますが、これまでの実務経験や運転免許などを持っている場合は受講科目の一部が免除されるため、少ない日数で資格取得が可能です。

日数 講習科目 11時間講習 15時間講習 31時間講習 35時間講習
1日目 フォークリフトの走行に関する装置の構造に関する知識 必要 必要
2日目 フォークリフトの荷役に関する装置の取扱いに関する知識 必要 必要 必要 必要
フォークリフトの運転に必要な力学に関する知識 必要 必要 必要 必要
関係法令 必要 必要 必要 必要
学科修了試験 必要 必要 必要 必要
3日目 走行の基本、荷役装置の基本操作 必要 必要
フォークリフトの走行の操作 必要 必要
4日目 フォークリフトの走行の操作 必要 必要
5日目 フォークリフトの走行の操作 必要 必要
フォークリフトの荷役の操作 必要 必要 必要 必要
実技修了試験 必要 必要 必要 必要

大型特殊免許保持者(11時間講習)

大型特殊免許を持っている場合はフォークリフト免許の講習時間が11時間になります。平均2日間の講習を受けるだけで取得可能です。

普通、大型免許保持者及び1t未満フォークリフトの経験が3か月以上(11時間講習)

普通免許や大型免許と言った自動車免許を持っている人で、かつ1t未満のフォークリフトの経験が3ヶ月以上ある人は、11時間の講習でフォークリフトの運転資格が得られます。

免許なしで1t未満フォークリフト6ヶ月以上経験者(15時間講習)

運転免許を持っていない人で1t未満のフォークリフトの経験が半年以上ある人は、15時間の講習でフォークリフトの運転資格が得られます。平均日数は3日間です。

普通免許保持者(31時間講習)

実務経験がない人で自動車の普通免許を持っている人は31時間の講習を受ける必要があります。平均日数は4日間の講習です。

免許もなく未経験の場合(35時間講習)

免許もなく現場経験がない人は、最も多くの講習時間(35時間)が必要です。平均日数は5日間の講習です。

フォークリフト運転資格の取得費用は

フォークリフトの資格取得費用

フォークリフト運転資格の取得費用は、受ける講習の時間によって変わってきます。

教習所の受講費用

教習所の受講費用は教習所によって多少の違いがあり、概ね下記のような費用がかかります。講習時間が短いほど安く、長いほど高くなっています。

11時間コース 12,500円~24,000円
15時間コース 21,500円~22,500円
31時間コース 36,500円~42,000円
35時間コース 41,500円~45,000円

講習テキスト代

フォークリフト講習に必要なテキスト代は2,000円程度です。通常は受講費用に含まれていますが、別途必要な教習所も一部あります。

証明写真の発行代

修了証に貼り付ける証明写真は、高くて1,000円程度です。

補助試験料金

真面目に講習を受ければ一度で取得できるほど合格率の高いフォークリフトの試験ですが、万が一落ちた場合も補講を受ければ再試験の受講が可能です。追加の費用として学科試験が3,000円、実技試験で5,000円程度です。

フォークリフト運転資格の取得までの手順

資格取得までの手順

実際にフォークリフト運転試験取得までの手順について、具体的な流れを見ていきましょう。

教習所へ申し込む

最初に教習所に申し込みます。教習所に来所して直接申し込むほか電話やFAX、郵送、最近ではWebでの申し込みを受け付けているところもあります。

学科講習と試験を受ける

申し込みの後は、講習の受講と試験です。最も多い受講時間となっている35時間講習の場合、最初に学科講習が11時間あります。学科講習は次のような内容を学びます。

  • 法令
  • 質量、重量
  • 力学
  • 油圧装置、付属装置
  • 荷役装置
  • 安全係数、検査
  • 荷重

学科講習が終われば学科試験を受けます。以下の表に示した各項目別に10問ずつ出題され、4割の正答率で合格します。ただし、荷役だけは重要項目のため6割の正答が必要です。

科目 正答率
フォークリフトの走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識 30点(4割の正答率)
フォークリフトの荷役に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識 30点(6割の正答率)
フォークリフトの運転に必要な力学に関する知識 20点(4割の正答率)
法及び規則中のフォークリフトについての規則に関する知識 20点(4割の正答率)

実技演習・試験を受ける

実技講習は、実際にフォークリフトを操作する演習です。35時間講習の場合は24時間必要ですが、実務経験や所有している運転免許によっては4時間まで短縮されます。

実技講習が終われば、いよいよ実技試験です。実技試験では次の項目に関して減点方式で試験が行われ、70点以上あれば合格します。

  • 点検
  • 乗車
  • 発進
  • 周回走行

実技試験で注意をしたいのは、一発で不合格になる項目があることです。以下に示した項目を犯してしまうと即失格となり再試験が必要です。次のようなミスを起こさないように、あらかじめ確認しておきましょう。

  • 駐車位置不良
  • シートベルト未着用
  • パレットへのフォーク差し込み不足
  • フォークの先で荷物をつく
  • フォークで荷物を高く持ち上げたまま移動
  • タイムオーバー

学科と実技試験が合格すると資格取得できる

学科試験と実技試験の両方に合格すると、フォークリフトの資格が得られます。しかし注意しないといけないのは講習時間です。講習時間は法令で定められているため、受講時間が足りないと資格を取得できません。1日でも休むと不合格になりますし、遅刻や早退をした場合も受講時間不足となり、不合格になってしまいます。

まとめ

フォークリフトのまとめ

フォークリフトを操作するためには、資格を取得する必要があります。総重量1t以上のフォークリフトを操作する場合は資格が必要で、1t未満の場合は特別教育を受ければ操作が認められます。また公道を走る場合はフォークリフトの大きさや性能によって大型特殊、新小型特殊、小型特殊のいずれかの免許が必要です。

フォークリフトの講習は学科と実技があり最大で35時間の受講が必要ですが、条件によっては11時間まで短縮されます。学科と実技の両試験の合格でフォークリフトの資格が取得でき、合格率は非常に高いのでしっかりと講習に取り組めば取得は容易です。


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