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【2024年度】電気工事施工管理技士試験の受験資格は?必要な実務経験年数や免除条件についても徹底解説
公開日:2023年11月24日 更新日:2024年10月1日
【2024年度】電気工事施工管理技士試験の受験資格は?必要な実務経験年数や免除条件についても徹底解説
電気工事施工管理技士試験の受験資格は、2024年度からの改訂によって変更されています。
第二次検定の受験に必要な実務経験年数もこれまでとは異なるため、事前の確認が大切です。
この記事では、電気工事施工管理技士の受検するにあたって必要な受検資格について解説いたします。
目次
電気工事施工管理技士とは?
電気工事施工管理技士は、建設業法第27条に基づき、国土交通大臣指定機関が実施する国家試験の電気工事施工管理技術検定に合格すると与えられる国家資格です。
他の施工管理技士と同様に、1級と2級があります。
1級電気工事施工管理技士
1級電気工事施工管理技士を取得し、監理技術者講習を受講することで「監理技術者※1」として認められます。
また、特定建設業の「営業所ごとに置く専任の技術者」になることも可能です。
大型現場の施工管理に携わる上で必須であるため、個々のスキルアップとして取得を目指す方も多くいます。
同時に国家資格であるため、社会的信用も高く年収アップなどの効果も期待できるでしょう。
元請負の特定建設業者が当該工事を施工するために締結した下請契約の請負代金総額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)になる場合に当該工事現場に専任で配置される、施工の技術上の管理をつかさどる技術者のことです。
2級電気工事施工管理技士
2級電気工事施工管理技士は、一般建設業の許可を受ける際に必要な「営業所ごとに配置する専任の技術者」及び「建設工事における主任技術者」として認められます。
1級電気工事施工管理技士へのステップアップを目指して受験される方も多くいます。
電気工事施工管理技術検定の受験資格
1級・2級電気工事施工管理技術検定には、第一次検定と第二次検定があります。それぞれで受験資格が細かく決められているのが特徴です。
また、1級・2級のどちらも電気工事についての実務経験が必要とされますが、その工事内容も以下のように決められています。
- 発電設備工事
- 送配電線工事
- 引込線工事
- 変電設備工事
- 構内電気設備(非常用電気設備を含む)工事
- 照明設備工事
- 電車線工事
- 信号設備工事
- ネオン装置工事
設計業務、積算業務はもちろんのこと、電気設備関係の保守・点検・メンテナンス、電話交換機設備・火災報知設備・インターホン設備・拡声設備等の通信設備工事は、実務経験として認められない工事です。
入社後の研修期間や人材派遣による建設業務も実務経験として認められません。
詳しくは受験の手引に記載されているため、必ず確認してください。
令和6年度(2024年度)からの受験資格
令和6年度(2024年度)から電気工事施工管理技士を含めた施工管理技術検定の受験資格が改訂されました。
まず、1級の第一次検定の受験資格が変更されます。受験年度において満19歳以上となる方であれば受験可能です。
2級の第一次検定に関しては、満17歳以上であれば受験できます。
第二次検定の受験資格に関しては、以下の表をご覧ください。
要件 | 実務経験年数 |
---|---|
令和3年度以降の
1級 第一次検定合格者 |
合格後5年以上の実務経験年数 |
合格後 特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数 | |
合格後 監理技術者補佐としての1年以上の実務経験年数 | |
2級第二次検定(旧実地試験含む)に合格した後、
1級 第一次検定に合格した者(1級 第一次検定受検予定者を含む) |
2級合格後 5年以上の実務経験年数 |
2級合格後 特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数 |
※以前の受験資格でも受験可能です
自分に合った要件で第二次検定の受験を目指すのがよいでしょう。
経営事項審査に「監理技術者補佐」が追加
企業側は公共工事を受注するために、経営事項審査を通過する必要があります。
このうち技術力評価において、令和3年4月から新たに「監理技術者補佐」が追加されました。
これは1級施工管理技術検定の第一次試験にのみ合格した者に与えられる「1級技士補」が該当します。
受験資格緩和が施行された現在、実務経験を積んで第二次試験に臨むまでの間も立派な資格者として、今までよりも早く認められるということです。
※参考:「経営事項審査の主な改正事項」(国土交通省公表 令和3年4月1日改正)
1級電気工事施工管理技術検定(以前の受験資格)
受験資格が改訂された後でも、令和10年度までは以前の受験資格でも受験できます。
令和11年度からは新しい受験資格でしか受験できなくなるため、注意してください。
ここでは、1級電気施工管理技術検定の以前の受験資格をご紹介します。
第一次検定および第二次検定を同時に受験する場合
区分 | 学歴または資格 | 実務経験年数 | ||
---|---|---|---|---|
指定学科 | 指定学科以外 | |||
(1) | 大学
専門学校「高度専門士」 |
卒業後3年以上 | 卒業後4年6ヶ月以上 | |
短期大学
5年制高等専門学校 |
卒業後5年以上 | 卒業後7年6ヶ月以上 | ||
専門学校「専門士」 | ||||
高等学校
中等教育学校(中高一貫校) 専門学校「専門課程」 (「高度専門士」「専門士」を除く) |
卒業後10年以上 | 卒業後11年6ヶ月以上 | ||
その他(学歴は問わず) | 15年以上 | |||
(2) | 2級電気工事施工管理
技術検定合格者 |
合格後5年以上 | ||
2級電気工事施工管理技術検定合格後5年未満で右の学歴の者 | 短期大学
5年制高等専門学校 専門学校「専門士」 |
(1)の区分 | 卒業後9年以上 | |
高等学校
中等教育学校(中高一貫校) 専門学校「専門課程」(「高度専門士」「専門士」を除く |
卒業後9年以上 | 卒業後10年6ヶ月以上 | ||
その他の者 | 14年以上 | |||
(3) | 電気事業法による第一種、第二種又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けた者 | 6年以上(交付後ではなく通算) | ||
(4) | 電気工事士法による第一種電気工事士免状の交付を受けた者 | 実務経験年数問わず |
第二次検定のみ受験
(1) | 令和3年度以降の「第一次検定・第二次検定」を受験し、第一次検定のみ合格した者 |
(2) | 技術士法による技術士の第二次検定のうちで技術部門を電気電子部門、建設部門又は総合技術監理部門(選択科目が電気電子部門又は建設部門)に合格した者で、所定の実務経験年数を有する者 |
2級電気工事施工管理技術検定
2級電気工事施工管理技術検定も1級と同様、以前の受験資格でも受験可能です。
受験資格について、詳しくみていきましょう。
第一次検定のみ受験
受験資格の改定に関係なく、試験実施年度に満17歳以上であれば、第一次検定のみ受験可能です。
第一次検定および第二次検定を同時に受験
区分 | 最終学歴または資格 | 実務経験年数 | |
---|---|---|---|
指定学科 | 指定学科以外 | ||
(1) | 大学
専門学校「高度専門士」 |
卒業後1年以上 | 卒業後1年6か月以上 |
短期大学
5年制高等専門学校 専門学校「専門士」 |
卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 | |
高等学校
中等教育学校(中高一貫校) 専門学校「専門課程」 (「高度専門士」「専門士」を除く) |
卒業後3年以上 | 卒業後4年6か月以上 | |
その他(最終学歴は問わず) | 8年以上 | ||
(2) | 電気事業法による第一種、第二種又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けた者 | 1年以上(交付後ではなく通算) | |
(3) | 電気工事士法による第一種電気工事士免状の交付を受けた者 | 実務経験年数問わず | |
(4) | 電気工事士法による第二種電気工事士免状の交付を受けた者(旧・電気工事士を含む) | 1年以上(交付後ではなく通算) |
第二次検定のみ受験
(1) | 2級電気工事施工管理技術検定「第一次検定・第二次検定」を受験し、第一次検定のみ合格した者 |
(2) | 技術士法による技術士の第二次検定のうちで技術部門を電気電子部門、建設部門又は総合技術監理部門(選択科目を電気電子部門又は建設部門に係るもの)に合格した者で、所定の実務経験を満たした者 |
(3) | 令和3年度以降の「第一次検定」のみを受験して合格し、所定の実務経験を満たした者 |
試験の一部免除が認められる資格
技術士は、国家認定された高度の技術者として、電気工事施工管理技術検定(一級・二級共)第一次検定の免除が認められています。
ただし、第二次検定のうちで技術部門を電気電子部門、建設部門又は総合技術監理部門(選択科目を電気電子部門又は建設部門に係るもの)に合格した者で、所定の実務経験を満たした者に限定されています。
注意が必要なのは、電気主任技術者(第一種、第二種、又は第三種)と電気工事士(第一種、第二種)の取得者です。
こちらの資格取得者は、試験の一部免除がなく、第一次検定、第二次検定の両方に受験し、合格する必要があります。
電気工事施工管理技術検定の試験スケジュール
1級電気工事施工管理技術検定は、第一次検定・第二次検定ともに年1回のみの実施です。
一方で2級電気工事施工管理技術検定は、第一次検定のみ年2回実施されていますので、1級に比べて1回だけチャンスが多く巡ってきます。
ここからは、令和6年度(2024年度)の詳細スケジュールをご紹介します。
1級電気工事施工管理技術検定 (第一次検定)
2024年度における1級電気工事施工管理技術検定の第一次検定実施スケジュールは、以下のとおりです。
願書受付期間 | 2024年2月22日(木)~2024年3月8日(金) |
---|---|
試験日 | 2024年7月14日(日) |
合格発表 | 2024年8月23日(金) |
電気工事施工管理技士 1級(二次)
2024年度における1級電気工事施工管理技術検定の第二次検定実施スケジュールは、以下のとおりです。
願書受付期間 | 2024年2月22日(木)~2024年3月8日(金) |
---|---|
試験日 | 2024年10月20日(日) |
合格発表 | 2025年1月10日(金) |
2級電気工事施工管理技士(第一次検定・第二次検定)
2024年度における2級電気工事施工管理技術検定の実施スケジュールは、以下のとおりです。
前期試験:一次のみ | 後期試験:一次・二次 / 一次のみ / 二次のみ | |
---|---|---|
願書受付期間 | 2024年2月22日(木)~2024年3月8日(金) | ・書面:2024年6月26日(水)~7月24日(水)
・インターネット:2024年7月10日(水)~7月24日(水) |
試験日 | 2024年6月9日(日) | 2024年11月24日(日) |
合格発表 | 2024年7月10日(水) | 〔第一次検定〕2024年1月10日(金)2025年
〔第二次検定〕2025年2月7日(金) |
申込みの注意その1:申し込み方法
電気工事施工管理技術検定の申込みは、インターネット申込と書面申込がありますが、インターネット申込を利用できる受験者は再受験者など、一部に限られています。
表にまとめましたので、自分はどの方法で申し込まなければならないか確認して、スケジュールに余裕を持ちましょう。
※書面申込みは締切日の消印有効です。
インターネット申込 | 書面申込 | ||
---|---|---|---|
1級
一次検定のみ |
新規受験 | 〇 | × |
再受験 | ○ | × | |
1級
第一次・第二次検定 |
新規受験 | ✕ | ○ |
再受験 | ○ | ○ | |
1級
第二次検定のみ |
新規受験 | × | ○ |
再受験 | ○ | ○ | |
2級
第一次・第二次検定 (同日受験) |
新規受験 | ✕ | ○ |
再受験 | ○ | ○ | |
2級
第一次検定のみ |
新規受験 | 〇 | × |
2級
第二次検定のみ |
新規受験 | ✕ | ○ |
再受験 | ○ | ○ |
申込みの注意その2:実務経験証明書
新規受検申込者は、受検資格証明にあたって「実務経験証明書」を作成、提出する必要があります。
これは受検資格を満たす実務経験を有することを、「勤務先の代表者」が証明するための最も重要な書類です。
数年前は施工管理技術検定において、実務経験の不足や虚偽での申告が大きなニュースとなりました。
実務経験証明書において、適正な受検資格が認められない場合は受検することができません。
過不足のない実務経験証明書の作成を行いましょう。
そして社内での手続きに必要な期間を逆算し、遅れることのないように留意してみましょう。
申込みの注意その3:卒業証明書・住民票
新規受検申込者のうち、以前の受験資格を利用して受験を考えている人は「卒業証明書の原本」が必要です。
また、「住民票の原本」も必要となります。(住民票コードの記入をすれば住民票の原本は不要です。)
どちらも現在の居住地と離れている場合、取り寄せに数日かかる場合がありますので、これらもスケジュールに余裕を持って準備してみてください。
まとめ
建設業就業者数は29歳以下が全体の約1割以下と高齢化が進行しています。
これは、若年者数の入職者数の大幅減少と新規入職者の離職率の高さが起因しているためです。
施工管理技術検定も、受験者数の減少と受験者・合格者の平均年齢は上昇傾向にあります。
そこで国交省は近年技術検定制度の見直しに着手したため、より多くの人に門戸が開かれ、受験のチャンスが広がりました。
従来に比べ、早めのキャリアアップを狙えます。
この機会に国家資格「電気工事施工管理技士」を取得してみてはいかがでしょうか。
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