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実務経験なしでもなれる?電気通信工事施工管理技士の受験資格をやさしく解説!
公開日:2023年11月24日 更新日:2024年10月1日
実務経験なしでもなれる?電気通信工事施工管理技士の受験資格をやさしく解説!
電気通信工事施工管理技士は令和元年度から認定が始まった、歴史の新しい資格です。
以前から受験するための受験資格が設けられていましたが、令和6年度から受験資格が大幅に改定されます。
この記事では、実務経験なしでも電気通信工事施工管理技士が受験できるのか解説します。
令和6年度以降の改定内容も含めて、受験資格について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「実務経験なし」でも電気通信工事施工管理技士になれるのか?
原則、令和6年度からの受験資格改訂に関係なく、電気通信工事施工管理技士になるためには実務経験が必要です。
一方で電気通信工事施工管理技士補であれば、実務経験がない方でも目指せるように区分が設けられています。
令和6年度からは、電気通信工事施工管理技士になるための方法が変わることに注意が必要です。
技士補であれば実務経験なしで資格を得られる
年度末までに17歳に達する方であれば、第一次検定に合格することで2級電気通信工事施工管理技士補になれます。
一方で1級の場合、年度末までに19歳以上になる方であれば、第一次検定に合格することで1級電気通信工事施工管理技士補になることが可能です。
今後は、実務経験なしで技士補としての資格を得た後、実務経験を積んで電気通信工事施工管理技士を目指す方も増えることでしょう。
電気通信工事施工管理技士を目指しやすくなることは、技士補の資格を取ることのメリットです。
令和6年度からは第一次検定合格後の実務経験が必要
令和6年度以降の技術検定から、1級も2級も第一次検定は実務経験がなくても受験できるルールに変わります。
一方で第二次検定の受験には、第一次検定に合格したのち一定の実務経験年数を要するルールに変わります。
必要な実務経験年数は2級が1年〜3年、1級が1年〜5年です。
原則としてこれまでのように、第一次検定と第二次検定を同じ年に受験して一気に電気通信工事施工管理技士の資格を取ることはできません。
但し緩和措置として令和10年までは改正前の受験資格にて受験することも可能です。最新情報は、国土交通省や全国建設研修センターの情報をチェックしてみてください。
電気通信工事施工管理技士の受験資格
ここからは1級・2級電気通信工事施工管理技士の受験資格について、それぞれ確認していきましょう。
1級の受験資格
1級の受験資格は、第一次検定のみ、第二次検定のみ、第一次検定と第二次検定の両方に出願するケースで分かれます。
どのような受験資格があるのか、詳しく解説します。
第一次検定
第一次検定は、年度末までに19歳を迎える方であれば受験できます。
学歴などの制限もないため、申し込み期限に遅れないようにだけご注意ください。
第二次検定
令和6年度以降における1級の第二次検定の受験資格は、以下の表のとおりです。
要件 | 実務経験年数 |
---|---|
令和3年度以降の
1級 第一次検定合格者 |
合格後 5年以上の実務経験年数 |
合格後 特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数 | |
合格後 監理技術者補佐としての1年以上の実務経験年数 | |
2級第二次検定(旧実地試験含む)に合格した後、
1級 第一次検定に合格した者(1級 第一次検定受検予定者を含む) |
2級合格後 5年以上の実務経験年数 |
2級合格後 特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数 |
※以前の受験資格でも受験可能です
それぞれの要件ごとに実務経験年数が異なるのが特徴です。
自分の状況における必要な経験年数を把握しておきましょう。また、「受験の手引き」でも記載されているため、事前に情報をチェックしてみてください。
2級の受験資格
2級の第一次検定は、以下のどちらかにあてはまる方であれば学歴・実務経験を問わず受験できます。
- 17歳以上の方
- 16歳で、試験実施日の年度末までに17歳になる方
実務経験がない方でも、2級電気通信工事施工管理技士補を目指せます。
第二次検定に関しては、以下に挙げるいずれかの受験資格を満たさないと出願できません。
要件 | 実務経験年数 |
---|---|
令和3年度以降の1級第一次検定合格者 | 合格後1年以上の実務経験年数 |
令和3年度以降の2級第一次検定合格者 | 合格後3年以上の実務経験年数 |
電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた者または電気通信主任技術者試験合格者であって1級または2級 第一次検定合格者
(電気通信工事施工管理技術検定のみ) |
電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた後、
または電気通信主任技術者試験合格後1年以上の実務経験年数 |
※以前の受験資格でも受験可能です
1級と同様、第一次検定後の第二次検定受験時に実務経験年数が求められます。
要件を確認した後、自分が満たしやすい方法で実務経験年数を積むのがよいでしょう。
電気通信工事施工管理技士の実務経験を具体的に紹介
試験の申し込みにあたり、なにが実務経験に当たるか把握しておくことは重要です。
ここでは、電気通信工事施工管理技士の実務経験について、具体的な例も含めて確認します。
実務経験となる経歴の一例
実務経験となる経歴には、さまざまなものがあります。
いくつかの例としては、以下のとおりです。
- 無線LAN設備工事の現場監督
- 発注者の立場で、入退室管理システムの工事を監理する業務
- ケーブルテレビの設備を光ファイバーにする工事の施工監理業務
上記以外にも、実務経験となる経歴があります。
詳しく確認していきましょう。
実務経験にできる工事
実務経験となる工事は、大きく以下の5つに分かれています。
- 有線電気通信設備工事(通信ケーブル工事、電話交換設備工事、伝送設備工事など)
- 無線電気通信設備工事(携帯電話設備工事、航空保安無線設備工事など)
- ネットワーク設備工事(LAN設備工事、無線LAN設備工事)
- 情報設備工事(監視カメラ設備工事、入退室管理システム工事など)
- 放送機械設備工事(放送用送信設備工事、構内放送設備工事など)
上記のほかにも、該当する工事はあります。
「受検の手引」でお確かめください。
実務経験にできる地位や立場
電気通信工事施工管理技士では、実務経験となる地位や立場が以下の3つに限られます。
- 施工管理(現場代理人、主任技術者、工事主任、施工監督、施工管理係など)
- 発注者の立場で工事を監理する方
- 工事監理など、設計者の立場で工事を監理する方
お持ちの経歴が上記のいずれかに該当するかチェックした後で、実務経験証明書に記入しましょう。
1級で必須とされる「指導監督的実務経験」の例
1級で求められる「指導監督的実務経験」は、発注者側・受注者側どちらでも経験を積めます。
下記にあてはまる経験が1年以上あれば、指導監督的実務経験の要件を満たせます。
詳しい内容として、以下の表をご覧ください。
項目 | 受注者側 | 発注者側 |
---|---|---|
該当する地位や職名の例 | 現場代理人、主任技術者、工事主任、施工監督など | 現場監督技術者など |
求められる役割 | 工事の技術面を総合的に指導・監督する | 発注者側の立場で総合的に指導・監督する |
実務経験とならない工事や作業に要注意
電気通信工事に携わった経験が、すべて実務経験として扱われるわけではありません。
全国建設研修センターでは実務経験とならない工事や作業の例を示しています。
確実に受験するためにも、しっかり確認しておくことをおすすめします。
実務経験とならない工事
電気通信工事施工管理技士の実務経験に認められない工事は、以下のとおりです。
- 電気通信設備の取り付け
- ケーブルラックや電線管などの配管工事
実務経験とならない工事のなかには、他の工事種別に分類されるものもあります。
一例を以下に挙げました。
- 地中配管埋設工事は「土木工事」に該当
- 送配電線工事や受変電設備工事は「電気設備工事」に該当
- 通信鉄塔工事は「鋼構造物工事」に該当
- 漏電火災警報設備工事は「消防施設工事」に該当
実務経験をまとめる際には、電気通信工事に該当するかよくチェックしておきましょう。
実務経験とならない作業
電気通信工事に関係する仕事であっても、電気通信工事の施工に直接的に関わらない以下の業務や作業は実務経験と認められないことにご注意ください
- 雑役務や単純な労働作業、労務作業
- 撤去するだけの工事
- 据付調整を含まない工場製作のみの工事
- 設計、積算業務
- 保守、点検、維持メンテナンス業務
- 営業や事務
- 行政、教育、指導、研究等の業務
実務経験年数を計算する際には上記の期間を除外したうえで、受験資格を満たしているかどうかチェックしてみましょう。
電気通信工事施工管理技士の実務経験に関するよくある質問
ここからは電気通信工事施工管理技士の受験資格について、よく出される4つの質問を取り上げます。
しっかり確認した上で、正しく申込みましょう。
実務経験年数が規定の期間に達しない方は受験できない?
第一次検定に関しては、受験資格の改定により1級・2級ともに必要ありません。
そのため、第二次検定を受験するまでに受験資格を満たす必要があります。
また、令和6年度から令和10年度までの間であれば、新規の受験資格・以前の受験資格のどちらでも受験可能です。
複数の種類の工事を同時に経験した場合、実務経験期間の計算方法は?
皆さまのなかには、1つの現場で電気通信工事と電気工事というように、複数の検定種目にまたがる工事に携わった方もいるかもしれません。
採用試験の履歴書と異なり、施工管理技士では複数の検定種目が重複する期間があってはいけません。
例えば年間にわたり電気通信工事と電気工事を兼務した場合でも、出願書類には担当した期間を完全に分けて記入する必要があります。
1月から6月までは電気通信工事、7月から12月は電気工事といった書き方は、一つの例です。
職業訓練を受講した期間は実務経験年数に加算できる?(以前の受験資格で受験時)
職業訓練の受講期間は、受験資格を満たすために必要な年数の3分の2まで加算できます。
たとえば2級の技士を取得する場合、大学で指定学科以外を卒業した方には1年6カ月以上の実務経験を求められますが、このうち1年までは職業訓練で要件を満たせます。
残り3分の1の期間は、現場で仕事に従事することが必要です。
実務経験年数に加算する職業訓練には、以下の制限があることに注意してください。
- 実務経験に算入可能な職業訓練は1つのみ
- 出願の時点で職業訓練を修了し、「修了証明書」を受け取っていることが必要
- 職業訓練の期間は、指導監督的実務経験として認められない
実務経験を偽って合格しても大丈夫?
実務経験を偽って合格すると、ペナルティがあります。
受験者は合格の取り消しや3年以内の受験が禁止されるといった措置を受ける恐れがあります。
また会社に対しては立入検査や指導・勧告を受ける、企業名が公表されるなどの不都合が生じるかもしれません。
虚偽の実務経験で受験することはキャリアアップの機会を失うだけでなく、会社の信頼も失う行為です。
もし実務経験の要件を満たさないことがわかった場合は、速やかに全国建設研修センターに連絡してください。
第一次検定の前日までであれば、返金を受けられる場合があります。
技士補なら未経験でなれる。経験を積み技士へステップアップしよう
令和6年度からの受験資格改訂により、1級・2級ともに、未経験でも電気通信工事施工管理技士補を目指せます。
技士補の資格を取って施工管理の経験を積み、第二次検定に合格することで、電気通信工事施工管理技士になることが可能です。
電気通信工事施工管理技士技士を目指す上で「第二次検定」を受験する際には、実務経験の条件を確認したうえで申込み、万全の準備を整えたうえで試験に臨みましょう。
日本建設情報センターでは、合格を後押しする通信講座や書籍を用意しておりますので、ぜひご活用ください。
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