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第一種電気工事士試験の技能(実技)試験とは?第二種との違いや勉強方法について解説

公開日:2022年7月27日 更新日:2024年9月25日

第一種電気工事士試験の技能(実技)試験とは?第二種との違いや勉強方法について解説

第一種電気工事士試験の技能(実技)試験とは?第二種との違いや勉強方法について解説

第一種電気工事士の技能(実技)試験は、筆記試験合格後に受験できる試験です。試験時間は60分ありますが、効率的に時間を使用する必要があります。第一種電気工事士の技能試験では、二種よりも多くの材料を取り扱うため、必要な材料を揃えて複線図を覚えることから対策を始めましょう。

今回の記事では、第一種電気工事士の技能試験について概要や対策のポイント、試験当日の流れについて解説します。第二種電気工事士との違いとあわせてご確認ください。


CIC第一種電気工事士試験の技能(実技)試験とは?第二種との違いや勉強方法について解説




目次

第一種電気工事士の技能(実技)試験とは?

第一種電気工事士の技能(実技)試験
第一種電気工事士の技能(実技)試験は、筆記試験合格後に受験できる試験です。技能試験合格後、3~5年の実務経験を積むことで第一種電気工事士の免状を獲得できます。

ここでは、第一種電気工事士の技能試験について概要を確認しましょう。

試験概要

令和6年度における第一種電気工事士試験は次の日程で実施されます。

項目 試験区分 試験日
受付期間 上期 2月9日(金)~3月8日(金)
下期 7月29日(月)~8月15日(木)
筆記試験 上期 4月1日(月)~5月9日(木)
下期 9月2日(月)~9月19日(木)
技能試験 上期 7月6日(土)
下期 11月24日(日)

令和6年度から第二種電気工事士と同様、上期と下期の年2回実施されるようになりました。そのため、受付期間が過ぎると次の受験は1年後となるためご注意ください。また、筆記試験発表後から技能試験日まではあまり期間がないため、筆記試験終了後に合格の手ごたえを感じたらすぐに技能試験の対策を始めましょう。

試験内容

第一種電気工事士技能試験の内容については、次の通りです。

項目 詳細
試験概要 出題された配線図を欠陥なく施工する試験
試験問題 候補問題全10問のうち1問が出題
試験時間 60分

第二種よりも候補問題の数が少なく、試験時間も60分と長く設けられているのが特徴です。ただし、時間管理を怠ると間に合わなくなる可能性があるため注意しましょう。

また、時間を意識しすぎるあまり、緊張や焦りで欠陥を起こすといったことも少なくないため、本番で緊張しないように事前の対策をしっかり行ってください。

合格基準

第一種電気工事士技能試験の合格基準も第二種と同様、「欠陥なく施工できていること」です。出題された配線図を時間内に欠陥なく施工できていると合格になります。欠陥の例としては、被覆が傷ついて心線が見えていたり、施工自体が完成していなかったりする場合です。1つでも欠陥が見つかると試験に合格できません。

合格率と難易度

合格率と難易度

第一種電気工事士の技能試験における過去5年間の合格率については、次の通りです。

過去の試験データから技能試験の難易度をご確認ください。

実施年度 合格率
令和5年度(2023年度) 60.6%
令和4年度(2022年度) 62.7%
令和3年度(2021年度) 67.0%
令和2年度(2020年度) 64.1%
令和元年度(2019年度) 64.7%

引用:一般財団法人 電気技術者試験センター

第一種電気工事士の合格率について詳しく知りたい方は、「第一種電気工事士の合格率」をご覧ください。

第二種電気工事士との違いは?

第二種電気工事士との違いは?

第一種電気工事士と第二種電気工事士の技能試験は、基本的な内容としては同じです。ただし、取り扱える電圧の大きさによる違いから試験の難易度が異なります。

第二種電気工事士は低圧を扱える資格であるため、技能試験の内容としても比較的簡単な配線図が問題として出題されます。 一方で第一種電気工事士は、第二種の範囲に加えて高圧も追加されるため、扱う材料が増えて配線図自体も複雑となるのが特徴です。取り扱う電線が増えたり太くなったりするため、被覆を剥くといった基本的な作業にも時間がかかります。

そのため、第一種電気工事士の技能試験では、基礎的な作業や配線図の理解といったことを積み重ねて時間内に間に合わせることが大切です。第一種電気工事士と第二種電気工事士の違いについて詳しく知りたい方は、「電気工事士第一種と第二種の違いを解説」をご覧ください。

合格に向けた勉強のポイント

合格に向けた勉強のポイント
第一種電気工事士技能試験の合格に向けた勉強のポイントは、主に次の4つです。

  • 技能(実技)試験に必要な工具・材料を準備する
  • 候補問題の複線図作成を1~2周する
  • 候補問題を実際に2~3周する
  • 欠陥内容を把握する

技能試験の対策は、筆記試験終了後からでも十分に間に合います。ただし、闇雲な対策ではなく効率良く対策することが大切です。ここでは、それぞれのポイントについて詳しくご紹介します。

技能(実技)試験に必要な工具・材料を準備する

まずは、第一種電気工事士の技能試験で必要な準備物を揃えましょう。必要な工具としては、次の通りです。

  • ペンチ
  • ドライバー(プラスとマイナス)
  • 電工ナイフ
  • スケール(メジャー)
  • ウォーターポンププライヤー
  • リングスリーブ用圧着工具(圧着マークが刻印できるJIS適合品)

電気工事士の技能試験は、電動工具以外のものであれば試験に使用できます。上記の工具以外におすすめなのが、ワイヤストリッパーやVVFストリッパーです。これらは、電線や導線の被覆を傷つけることなくスムーズに剥けます。このほか、工具をまとめて収納できる工具入れや細かな作業に適しているラジオペンチなども一緒に用意しておいて損がありません。

また、候補問題を施工する際の材料は受験者自身が用意する必要があります。ケーブルの購入は、候補問題の2~3周分がおすすめです。すべてホームセンターや通販サイトでセットで手に入れることが可能となっております。

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候補問題の複線図作成を1~2周する

第一種電気工事士の技能試験に合格する上で大切なのが「単線図から複線図に直す力」です。第一種電気工事士では、第二種よりも複雑な複線図となります。ランプレセプタクルやスイッチといった基礎的な電気器具はもちろんのこと、Δ-Y回路の結線といった複雑なものまで登場するのが特徴です。

そのため、候補問題の複線図を実際に施工するまでに1~2周しておきましょう。複線図を自然と覚えることでよりスムーズに施工できます。ただし、合格するためには複線図の作成に長い時間をかけるわけにはいきません。目安としては、試験開始から3~5分程度で作成を終えるのが理想的です。

候補問題を実際に2~3周する

複線図をある程度覚えたら、実際に候補問題の施工を始めましょう。第一種電気工事士技能試験の候補問題は全10問あり、配線図自体は電気技術者試験センターで公開されています。

目標としては、技能試験本番までに候補問題の施工を2~3周することです。1周目で施工の流れを簡単におさえて、2~3周目で時間内に間に合うよう対策してください。

ただし、公式サイトの候補問題には具体的な施工条件は記載されていません。本番と類似した条件で対策したいといった方は、候補問題の条件が記載されているテキストの購入、通信講座の受講もご検討ください。

欠陥の内容を把握する

技能試験は、1つでも欠陥が見つかると合格できません。欠陥の例としては、電線の接続ミスや回路の未完成などが挙げられます。欠陥については、試験前にある程度把握しておくことが大切です。

特に、第二種では登場しなかった高圧用の電線やリングスリーブ「中」での刻印条件なども確認しておきましょう。
自覚がない箇所で不合格になるのは、非常にもったいないことです。日頃の練習から欠陥についての知識を身につけてください。

また、欠陥の内容については電気技術者試験センターでも公開されています。試験前に必ず確認して本番で焦らないように対策しましょう。

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複線図の書き方
GENBAroo(CIC運営メディア)【どこよりも易しく解説】電気工事士試験で登場する複線図の書き方|基本と対策方法

試験当日の流れと気をつけるポイント

試験当日の流れと気をつけるポイント
ここでは、第一種電気工事士技能試験当日の流れと試験で気をつけるポイントについて解説します。

本番で焦らないための対策方法について是非ご覧ください。

試験当日の流れ

技能試験当日は、受験票や受験案内に記載されている入室時間よりも30分〜40分前に到着することを心がけておきましょう。

当日の試験会場付近は混み合っている可能性が高いため、時間に余裕を持った行動が大切です。席の確認やお手洗いなど必要なことは試験前に必ず済ませてください。

また、試験会場では受験票の確認が終わると試験問題と材料が支給され、試験開始の10分ほど前に材料の確認が実施されます。確認完了後に技能試験が開始し、60分後に終了といった流れです。

当日に気をつける3つのポイント

第一種電気工事士の技能試験当日に気をつけるべきポイントは、全部で3つあります。

  • 工具の準備は最後の練習直後に行う
  • 最初の3~5分で複線図を作成する
  • 完成を優先して施工する

それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。

工具の準備は最後の練習直後に行う

電気工事士の技能試験では、試験会場内での工具の貸し借りは禁止されています。そのため、忘れ物をしないよう注意してください。試験に必要な受験票や工具、筆記用具を準備するタイミングとしては、試験の前日をおすすめします。

特に、前日に行う最後の練習直後に準備するのが理想的です。基本的に最後の練習直後に工具を触るといったことはあまりないため、そのタイミングで必要な準備を行うと忘れ物なく行動できます。また、当日家を出発する直前に準備するのは辞めておきましょう。時間や精神面で余裕がなくなるため、前もって準備しておくことが大切なポイントです。

最初の3~5分で複線図を作成する

技能試験本番では、必ず複線図を作成してください。候補問題を十分に対策しているから不要だと判断すると結果として不合格につながります。

これは、技能試験本番で出題される配線図の施工条件が予想問題と異なる場合があるためです。例として、リングスリーブを圧着していた箇所が圧着端子での接続になったり、機器に接続する電線の色に指定があったりといったことが挙げられます。そのため、候補問題の複線図が頭に入っているからと施工をいきなり始めるのではなく、施工条件を読んで複線図を作成するところから始めてください。

3~5分で作成し、今まで通り施工すれば必ず時間内に終わるので、落ち着いてミスなく施工しましょう。

完成を優先して施工する

技能試験本番では、施工の完成を一番に優先しましょう。本番になるとどうしても綺麗さが気になってしまい、普段よりも時間を多く使いがちです。

結果として、時間内に施工できるか不安になり、緊張や焦りから力の入りすぎで欠陥につながるといったケースが考えられます。技能試験の合格基準は「配線図を欠陥なく施工できていること」です。そのため、見た目が他の受験者よりも劣っていたとしても、合格基準に到達していれば不合格になることはありません。

ただし、施工しながら欠陥の有無については意識してください。練習でミスした部分に注意して素早く丁寧に行うといった考えが大切です。

独学と試験対策講座

独学と試験対策講座
第一種電気工事士の技能試験は、独学でも合格を狙えます。ただし、モチベーションの維持など難しい問題があるのも特徴です。

ここでは、独学のメリットとデメリット、独学が苦手な方向けの対策方法についてご紹介します。

独学のメリット・デメリット

独学のメリットとしては、主に以下の3点が挙げられます。

  • 費用が安く済む
  • 講習会場などに赴く必要がない
  • 勉強時間を調整しやすい

独学は、自己管理能力の高い人であれば効率よく対策できます。モチベーション維持ができる人向けと言えるでしょう。

一方で、次のようなデメリットがあるのも独学の特徴です。

  • モチベーション維持が難しい
  • 分からない箇所は自分で解決する必要あり
  • 材料を自分で揃える必要あり

独学は、一人で対策を進めるため準備物を自分で揃える必要があります。また、周りに不明点を聞ける人もいないため、自分で全て解決しなければいけないのもデメリットです。

結果として、対策のモチベーションが下がるといったことも少なくありません。独学が苦手な方は、次項で解説する対策方法を是非ご覧ください。

独学に限界を感じたら試験対策講座の受講を

技能試験を独学で対策している方で、日中は仕事で時間が確保しづらいといった方や独学自体がそもそも苦手といった方は、CICの通学・通信講座受講をご検討ください。

通信講座は、専門の講師による動画をスマホやタブレットで視聴できるため、時間や場所を問わずに効率よく対策できます。また、受験者がお悩みの場所についてすぐに解決できるため、試験対策のモチベーションを維持しやすいのも通信講座ならではのメリットです。

一方で通学講座の場合は、東京・大阪で受講可能です。通学・通信講座ともに受講料金が必要ですが、独学よりも効率よく対策できるため、一発合格を狙いたい方で日頃の隙間時間を有効活用したい場合は、ぜひ受講をご検討ください。

まとめ

第一種電気工事士試験の技能(実技)試験のまとめ

今回の記事では、第一種電気工事士の技能試験について試験概要や対策のポイント、当日の流れや独学についての内容を解説しました。

第一種電気工事士技能試験は、第二種と比較して試験時間が60分と伸びている反面、取り扱う電線の種類や配線図が難しくなるため、計画的な対策は必須です。

まずは複線図から対策して候補問題の施工を実施しましょう。流れを把握した後は、実践を意識して候補問題2~3周分の施工を心がけてください。また、試験当日は焦らないことがポイントです。

本記事で解説した内容を参考に、時間や精神に余裕を持って行動しましょう。


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