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ビルメンの仕事内容や必要な資格は?仕事のやりがいから業界の将来性まで解説
公開日:2022年9月7日 更新日:2024年10月16日
ビルメンの仕事内容や必要な資格は?仕事のやりがいから業界の将来性まで解説
これからビルメンの世界に足を踏み出そうとするとき、気になることには仕事はどうか、資格は必要かという点が挙げられます。将来性も気になるポイントといえるでしょう。ビルメンならではの特徴を、しっかり把握することが重要です。
本記事ではビルメンの仕事内容や必要な資格、仕事のやりがいや業界の将来性を取り上げ、解説していきます。
本記事では、危険物取扱者の種別や試験概要、合格率や難易度についてわかりやすく解説していきますので、資格取得に関心がある方はぜひご参考ください。
目次
ビルメンに関する資格を紹介
ビルメンに関する資格は多数あるとともに、初心者向けからベテラン向けまでさまざまなレベルに対応しています。
その一方で、「とにかく何でも取ればよい」というわけにはいきません。仕事をするためには、業界で評価を得ている資格を選ぶ必要があります。
代表的な資格の組み合わせとして、以下のものが挙げられます。
- これからビルメンの仕事に就く方向けの「ビルメン4点セット」「ビルメン5点セット」
- これからビルメンの仕事に就く方向けの「ビルメン4点セット」「ビルメン5点セット」
それぞれどの資格が該当するか、確認していきましょう。
ビルメン「4点セット」
ビルメン「4点セット」は、以下に挙げる資格の組み合わせです。
- 第二種電気工事士
- 第三種冷凍機械責任者
- 危険物取扱者乙種4類
- 二級ボイラー技士
多くの職場では、電気や空調が不可欠です。加えて病院や工場など、ボイラーや燃料となる石油を扱う施設もあるでしょう。上記に挙げた4つの資格を取得することで、仕事をするために必要な知識を証明できます。
ビルメン「5点セット」
ビルメン「4点セット」に消防設備士をプラスすると、ビルメン「5点セット」になります。火災に備えた機器の点検・整備もビルメンの重要な役割ですから、取得しておくとよいでしょう。
消防設備士はいくつかの種類に分かれていますが、乙種4類を選ぶとよいでしょう。乙種4類に該当する自動火災報知設備は、ビルで広く使われています。
ビルメン「3種の神器」
一方でビルメン「3種の神器」には、以下の資格が含まれます。
- 第三種電気主任技術者
- 建築物環境衛生管理技術者
- エネルギー管理士類
そもそも設備管理の経験を何年も積まないと、受験すらできない資格も含まれています。このため、経験豊富なベテランが目指す資格といえるでしょう。出題されるレベルも高いため、合格者は貴重な存在として扱われます。
ビルメンの仕事内容
ビルメンには、多種多様な仕事があります。配置人数が少なくシフト制で働く職場も多く、1人何役もこなさなければなりません。
ここでは主な仕事の内容を確認していきましょう。
日々の検針や検査
日々の検針は、ビルメンにおける重要な仕事です。施設には配電盤が多数備え付けられており、数値を1つひとつチェックしなければなりません。加えてガスや水道の数値もチェックする必要があります。
数値のチェックで異常を早期に察知し対処を行える場合がありますから、検針はビルメンにおける基本的な業務といえるでしょう。
また水道水に塩素が基準値以上含まれているかというチェックも、重要な業務のひとつに挙げられます。
機器の点検・交換
施設ではポンプや空調機器など、さまざまな機器が使われています。これらの点検も、ビルメンの重要な役割の1つ。なかでもベルトを使う機器は多いもの。ふだんと異なる音が出るなど、ベルト交換を要するケースはしばしばあります。
加えて空調機器には、フィルターも内蔵されています。室内の衛生環境を保つためにも、定期的な点検やフィルターの交換が必要です。
また管球の交換も、重要な業務のひとつです。近年では寿命が長いLED電球が普及していますが、蛍光灯や電球を使っている器具は定期的な管球交換が必要です。
電気の配線
施設では、新しい機器が設置される場合もあります。このとき、近くにコンセントがあるとは限りません。必要な場所で機器を使えるようにするため、延長コードなど電源配線を行うケースもよくあります。このコードは市販のものではなく、材料を用意し自前で作る施設があることも留意しておきましょう。
設備の清掃
大規模な施設には、水冷式の空調設備が備え付けられている場合も多いです。このような施設では、屋上や屋外に冷却塔(クーリングタワー)が設置されています。冷却塔の内部には、泥や藻などが貯まります。レジオネラ菌の繁殖を防ぐためにも、定期的に清掃をしなければなりません。
また工業用水を使っている施設では定期的にフィルターの清掃を行い、ごみを取り除かなければなりません。
異常時の対応
施設で発生するトラブルには、さまざまなものがあります。代表的なものを、以下に挙げてみました。
- 突然電源が切れた
- 自動ドアが外れた
- トイレが詰まった
- 自動水栓の水が出ない。あるいは水が止まらない
- 天井から水が漏れている
これらのトラブルはいずれも急を要しますから直ちに対応し、迅速に解決しなければなりません。
電気・ガス・水道使用量のチェックと改善への提案
日々集めたデータは、改善に向けた重要な情報となります。新しい機器を導入するメリット・デメリットを検討し、導入した場合はどのくらいの経費を削減できるか試算し提案することも重要な業務です。
たとえば「館内の蛍光灯をLED電球に交換したら、どの程度省エネにつながるか」という点が挙げられます。LED電球そのものの消費電力だけでなく、蛍光灯よりも発熱しにくいため冷房の効きが良くなること、冬は暖房を強める必要があることも考慮し提案しなければなりません。
協力業者の管理
ビルメンの業務ではすべてを自前で行わず、外部の専門業者を使う場合もあります。この場合は業者が設備を傷つけないよう、しっかり管理・監督しなければなりません。またこれらの作業は深夜となりがちなことも、特徴に挙げられます。
ビルメンのやりがいと向き・不向き
ビルメンは社会になくてはならない、やりがいのある仕事です。一方で大変な点もあり、すべての方に向く仕事でもありません。ここからはビルメンのやりがいや大変な点、どのような方に向いているか解説していきます。
やりがいと大変な点
まずビルメンのやりがいと大変な点について、それぞれ見ていきます。
ビルメンのやりがい
ビルメンは以下のとおり、やりがいのある仕事です。
- 担当する施設と設備を守っているという、使命感と充実感が得られる
- トラブルを解決したとき、顧客のほっとする顔が見られる。感謝される場合もある
- 難しい仕事を成し遂げたときの達成感が得られる
いずれも仕事をするうえで、前向きになれる場面といえるでしょう。
ビルメンの大変な点
施設と設備を守るビルメンには、以下のとおり大変な点もあります。
- トラブル発生時には、至急の対応を求められる場合も多い
- 「設備は動いていて当たり前」と考える方も多く、なかなか感謝されない
- 荒天時でも出勤しなければならない
- 職場によっては、泊まり勤務もある
上記に挙げる点はあっても、「この施設を守っている」という使命感と充実感には代えがたいもの。重責を担っているからこそ、大変なことも乗り切れるといえるでしょう。
ビルメンに向く人と向かない人
ビルメンも他の職業と同様、誰にでも向く仕事ではありません。どのような方に向いているか、また不向きなのか解説していきます。
ビルメンは、技術を武器とする職業の1つです。加えて異常を迅速に察知し、適切な対応をしなければなりません。以下にあてはまる方は、ビルメンに向いているといえるでしょう。
- 常に創意工夫を凝らし、効率よく正確な作業を心がける方
- 手先が器用な方
- ささいな変化にも気づける方
- 高い場所も気にならない方
ビルメンに向かない人
一方で以下にあてはまる方は、あまりビルメンに向いているとはいえません。
- 汚れる仕事が嫌な方
- 手先が器用でない方
- 変化にあまり気づけない方
- 高所恐怖症の方
また最近の職場ではOA化が進み、検針の記録や文書作成はパソコンで行われています。このため、パソコン操作ができない方にも不向きな仕事といえるでしょう。
ビルメンで取得するべき資格
ビルメンの仕事をするだけで良ければ、資格なしでも可能かもしれません。しかしビルメンは、資格がないと責任ある仕事を任せてもらえない職種です。ここからは現場で活躍するために取得するべき資格について、解説していきます。
ビルメンで活躍するために必須の資格
ビルメンで責任ある仕事を任され活躍するためには、以下の資格が必要です。
- 第二種電気工事士
- 第三種冷凍機械責任者
- 危険物取扱者乙種4類
- 二級ボイラー技士
- 消防設備士
- 建築物環境衛生管理技術者
- 管理業務主任者
- マンション管理士
もちろん「商業施設の管理をするので、管理業務主任者やマンション管理士は不要」というように、職場によって必要な資格は多少変わります。加えて建築物環境衛生管理技術者のように、実務経験がないと受験できない資格もありますから、入社前にすべてをそろえる必要はありません。
しかし、資格を持っておけば責任者など、重要な役割を任されやすくなるメリットがあることは見逃せないポイントです。
最も需要があるのは第二種電気工事士
上記に挙げた8つの資格のうち、最も需要があり重要視される資格は第二種電気工事士です。ほぼすべての施設で、電気は使われています。配線をつなぐ作業や漏電への対応はよくある業務の1つですから、電気工事士の資格は仕事において欠かせないものといえるでしょう。
ビルメン未経験の人が取得するべき資格は?
ビルメン未経験の方が取得するべき資格は、ビルメン「4点セット」です。ではどの順番でもよいかというと、そうでもありません。ここではビルメン「4点セット」に含まれる4つの資格について、優先順位を示しました。
順序 | 該当する資格 |
---|---|
最優先 | 第二種電気工事士 |
2番目 | 第三種冷凍機械責任者 |
3番目 | 危険物取扱者乙種4類、二級ボイラー技士 |
最優先するべき資格は、第二種電気工事士です。受験のチャンスが年2回であることに加えて、「4点セット」のなかで唯一実技試験があることも特徴。40分間で決められた配線ができるように、十分練習する必要があります。多くの方にとって、最も準備期間を要する資格となるでしょう。
次に優先する資格は、第三種冷凍機械責任者です。受験機会は年1回であるため、タイミングを合わせなければなりません。加えて多くの施設で空調が使われていることも、優先度が上がる理由です。
一方で危険物取扱者乙種4類は試験自体の難易度が低く、受験機会も多いです。また二級ボイラー技士は、すべての現場で必要とは限りません。そのため優先度は、電気工事士や冷凍機械責任者よりも下がります。
ビルメン業界の現状と将来性
ビルメン業界で働こうと思った際、業界の現状や将来性はやはり気になるもの。ここからはこの点について、詳しく解説していきます。
業界の状況
大都市圏を中心としたオフィスビルやタワーマンションなどの増加に伴い、ビルメン業界も成長を続けています。一方でコロナ禍により、全体の42.9%の企業で業務の減少や消失がありました。一時的にせよ、ビルメン業界も新型コロナウイルスによる影響を受けていることは否めません。
人手不足の設備管理会社
コロナ禍により多少は緩和されたものの、多くの設備管理会社は依然として人手不足の状況を抱えています。全国ビルメンテナンス協会の調査では、人手不足が経営にも悪影響を与えていることが示唆されています。
回答内容 | 該当する企業の割合 |
---|---|
常勤従業員が多少なりとも不足する | 65.1% |
従業員を多少なりとも募集しにくいと感じている | 66.0% |
人手不足による経営への影響が多少なりともある | 74.2% |
出典:全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス情報年鑑20210 第51回実態調査報告書」
人手不足の状況は、全国で起きていることも見逃せません。このため未経験の方でも、資格を取ることでビルメンになれるチャンスがあります。
また従業員の若返りを求める企業も多いため、特に若手の方は将来を任せられる戦力として扱われることも期待できます。
これからのビルメン業界
新型コロナウイルスの流行が続く間は、商業施設やホテルなどにおける需要は鈍いでしょう。
一方で、オフィスビルや住宅などの建設は進んでいます。いったんは成長が足踏み状態となっているビルメン業界ですが、コロナ禍が収まると求められる職場が増え、これまでのような成長が続くと考えられます。
特にビルメン業界は中高年の方が多いため、若手は貴重な存在となります。
しかし、AIやロボットなど、機械により仕事が代替される可能性もあります。たとえば検針などの作業は、徐々に機械化される可能性もあるでしょう。これからビルメン業界に入る方には、確かな技術とコミュニケーション能力が求められます。
仕事内容を理解し、就職活動と資格取得を並行することがおすすめ
ビルメンで活躍するために「4点セット」の取得は欠かせません。しかし就職自体は、無資格でもできます。「資格を取ってから就職活動」となると勉強している期間の収入が心配ですから、就職活動と資格取得の並行をおすすめします。
それよりも重要なことは、仕事内容を理解することです。ビルメンは施設を守る重責を担うだけに、仕事も楽ではありません。本記事で書かれた内容をしっかり理解したうえで就職活動を進めることは、充実した日々を送ることにつながります。
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