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クレーン運転業務とは?必要な資格・免許(特別教育)についてわかりやすく解説
公開日:2024年7月31日 更新日:2024年9月9日
クレーン運転業務とは?必要な資格・免許(特別教育)についてわかりやすく解説
建設現場などで使われるクレーンは、重いものを高いところに運ぶ際に便利です。そのクレーンにはどのような種類があるのか、資格や免許が必要なのか知っておくと、今後の仕事に役立ちます。この記事ではクレーンの資格や免許について、わかりやすく解説していきます。
目次
クレーンとは
まずはクレーンとはどのようなものなのか、概要や種類について説明します。クレーンを扱うのに役立つ情報として、頭に入れておきましょう。
移動式クレーンおよびデリック以外のもの
クレーンとは、クレーン等安全規則に関する条件に合う機械装置のことで、移動式クレーンやデリック以外のものです。
以下の条件が決められています。
- 人力ではない動力で荷物を持ち上げる
- 持ち上げた荷を人力も利用しながら、水平に運搬する機械装置
荷のつり上げのみを行う機械装置や、荷のつり上げを人力で行う機械装置は、クレーンには含まれません。つまりクレーンとは、荷のつり上げを動力、荷の水平移動を人の力で行う機械装置といえます。
クレーンの種類
クレーンの種類はさまざまですが、代表的なものは以下です。
- 天井クレーン
- 橋形クレーン
- アンローダ
- ケーブルクレーン
- テルハ
- スタッカー式クレーン
- その他
また、それぞれのクレーンの中にも細かく分類されているのが特徴です。どんなクレーンがあるのか、将来的に自分がどのようなクレーンを取り扱うのか情報を把握しておくとよいでしょう。
技能講習が必要とされるクレーンの資格
建設現場・工事現場・工場などで必要になる、技能講習が必要なクレーンの資格を3つ紹介します。なお技能講習とは、労働安全衛生法に基づいたクレーン技能の講習を指します。
- 小型移動式クレーン資格
- 床上操作式クレーン資格
- 玉掛け資格(1トン以上)
ここからは、それぞれの資格の内容・受講費用・難易度について説明します。
小型移動式クレーン資格
小型移動式クレーンは、吊り上げられる荷重が5トン未満の移動式クレーンです。
講習内容は以下の通りです。
学科(13時間) | クレーンの知識、原動機や電気の知識、関連力学、関連法令など |
---|---|
実技(7時間) | クレーンの運転、運転に必要なサインなど |
小型移動式クレーン講習の受講料は、テキスト代などを合わせて約3万円です。(持っている資格や場所によって多少の変動あり)
講習受講後は、修了試験が行われますが本格的な資格試験というわけではないため、難易度はやさしめといえるでしょう。
床上操作式クレーン資格
床上操作式クレーンは、工場の天井に設置されている大きなクレーンのことです。ペンダントスイッチで操作可能なクレーンで、操作を行うとホイスト部分が動いて移動します。このクレーンを操作するには、専用の資格を得なければなりません。資格を得るためには技能講習が必要です。
技能講習の受講費用は、約2~3万円が目安です。(受講する場所や持っている資格などにより、多少の変動あり)
3日間で学科、実技の講習、試験が行われます。
難易度に関しては、他のクレーン免許と比べるとやさしめといえます。ただし、この技能講習でクレーンの吊り上げができるようになりますが、玉掛けの資格は別で取得が必要です。
玉掛け資格(1トン以上)
玉掛けはクレーンのフックに荷を掛けたり外したりする作業です。玉掛けの作業を行うには、技能講習を受けて資格を取らなければなりません。仮に資格を持たない人が作業を行うと、フックから荷物が外れる可能性もあり、危険です。
技能講習の受講費用は、約2万2000円が目安です。(受講する場所や持っている資格などにより変動あり)
1トン以上の玉掛けの資格を得るには、2日間の学科講習、1日の実技が必要となります。基本的に講師の話を聞いて臨めば問題ないため、難易度もやさしめです。
特別教育で取得できるクレーンの資格
特別教育で取得できる5つのクレーン資格があります。下記の5つは操作方法に関係なく、特別教育で取得できる資格です。
- 小型移動式クレーン
- クレーン運転特別教育
- デリック特別教育
- 跨線(こせん)テルハ
- 玉掛け(0.5トン~1トン未満)
この特別教育は、学科約9時間と実技約4時間で、合計約13時間程度の履修が必要です。学科と実技は以下をご覧ください。
学科 | クレーンの知識や原動機、力学、法令など9時間くらい |
---|---|
実技 | 運転技術や運転に必要な合図など4時間くらい |
特別教育の受講費用は、約12,000円~〜13,000円が目安です。
特別教育の受講終了後は、「特別教育修了証」が交付されます。
学科講習は、玉掛けが少し難しいとの意見が見受けられます。
技能講習に関しては、指さし確認・安全確認などの作業ができればOKです。
小型移動式クレーン
小型移動式クレーンは、つり上げ荷重5トン未満の小型のクレーンです。移動式クレーンの運転作業に従事する場合、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了することが義務づけられています。
クレーン運転特別教育
運転者の運転操作が不適切だと、重量物による労働災害が起こる可能性が高いものです。そのような事態にならないように、つり上げ荷重5トン未満のクレーンや、つり上げ荷重5トン以上の跨線テルハの運転を行う労働者は、特別教育を受けなければなりません。(クレーン等安全規則第21条)
デリック特別教育
5トン未満のデリックの操作や運転をするためには、免許ではなく特別教育を受講するのみで大丈夫です。しかし、5トン以上のデリック操作を行うならば、クレーン・デリック運転士免許を取得することになっています。
跨線(こせん)テルハ
つり上げ荷物が5トン以上の跨線テルハは、線路を越えて荷物を載せた車両などを運搬するクレーンです。運転するにはクレーン運転業務特別教育を受ける必要があります。
玉掛け(0.5トン~1トン未満)
1トン未満の玉掛けを操作する場合は、「玉掛け技能講習」または「玉掛け特別教育」を修了していなければなりません。特別教育は技能講習に比べると、スピーディーで受講費用も割安です。
クレーン資格:運転士免許
クレーン資格として運転士免許もあります。ここでは、以下の運転士免許について紹介します。
- クレーン・デリック運転士(限定なし)
- クレーン・デリック運転士(床上運転式限定)
- 移動式クレーン運転士
- 揚貨装置運転士
運転士免許を取得したい方は参考にしてください。
クレーン・デリック運転士(限定なし)
クレーン・デリック運転士は、労働安全衛生法で定められた免許の一種です。学科試験や実技試験があり、合格するとほとんどのクレーンを運転できるようになります。
免許を取得するには以下の学科講習の受講が必要です。
- クレーンやデリックに関する知識
- 原動機などに関する知識
- 関連法令など
この他、クレーンの運転技術や運転に必要となる合図などは、実技講習で教えてもらえます。このような講習を経て試験が行われ、学科は総合点を60パーセント以上取れば大丈夫です。
ただし、総合点の60%以上を取れるよう対策が必要なので、難易度は少し難しいといえるでしょう。
クレーン・デリック運転士(床上運転式限定免許)
工場などで導入される床上運転式クレーンは、床上運転式限定免許が必要です。工場でクレーンの操作を行いたい人にはおすすめの免許といえます。
免許を取得するには、学科・実技講習合わせて10~20時間くらいかかります。受講費用は2〜3万円程度が目安です。
移動式クレーン運転士
移動式クレーン運転士の免許を取得するには、以下の試験を受けなければなりません。
- 学科試験:安全衛生技術センターで受ける
- 実技試験:都道府県労働局長登録教習機関で受ける
試験の合格率はおよそ70%なので、それほど難しくはありませんただし、3割の方が不合格となっているため、自分が不合格者側にならないよう対策が必要です。。
費用は講習費や試験の費用を含め、15万円程度が目安となります。
揚貨装置運転士(ようかそうちうんてんし)
揚貨装置運転士は以下のことができる免許です。
- 荷重が5トン以上の船舶に付いたデリックやクレーンを動かす
- 船や陸にある荷物をクレーンで運ぶ
合格率は高いので、比較的取りやすいでしょう。費用は講習や試験の費用などで10万円近くかかります。
まとめ
クレーンの資格は技能講習や特別教育で取得できます。クレーンの操作にあたっては、特別講習や技能講習で学ぶことが義務付けられています。経営者の方は従業員に教育や講習を受けさせるようにしましょう。
また、運転士の免許もあるので、クレーンを運転したいと思う人は考えてみてください。
CICでもクレーンの運転に関する特別教育を提供しております。受講者にわかりやすい内容となっておりますので、ぜひ受講をご検討ください。
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