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クレーン操作するための特別教育と技能講習の違いとは? 条件や実施方法、カリキュラムについても解説
公開日:2024年7月30日 更新日:2024年7月30日
クレーン操作するための特別教育と技能講習の違いとは? 条件や実施方法、カリキュラムについても解説
クレーンを操作するにあたって、特別教育や技能講習を受講する必要があります。特別教育と技能講習のいずれを受講すべきか、これは取り扱うクレーンの種類や大きさによって異なります。今回は特別教育と技能講習の違いやそれぞれのカリキュラムなどについて見ていくので、参考にしてください。
目次
クレーンの特別教育と技能講習の違い
クレーン操作するような作業を担当するためには、特別教育もしくは技能講習を受講することが義務付けられています。両者の違いは、クレーンのタイプや重量などによって異なります。どのクレーンを操作するかで、特別教育と技能教育、適切なプログラムを受講させましょう。
操作できるクレーンの種類の違い
特別教育と技能講習の違いは受講すると、操作できるクレーンタイプがまず挙げられます。特別教育の場合、小型移動式クレーンとクレーン運転特別教育、デリック特別教育、跨線テルハ、玉掛けの操作が可能です。
一方技能講習が必要なクレーン資格は、小型移動式クレーンと床上操作式クレーン、玉掛けです。小型移動式クレーンと玉掛けは特別教育と技能講習の両方に登場します。別項で紹介しますが、クレーンの大きさによってどちらのプログラムを受けるべきかが違ってくるので注意してください。
いずれのクレーンも建設業や工場、工事現場で用いられる機械です。このような業界で仕事をするためには、特別教育もしくは技能講習を受ける必要があると思ってください。
1トン未満の移動式クレーンなら特別教育受講で運転可能
特別教育は、小型移動式クレーンの操作が対象です。特別教育を履修すれば、小型移動式クレーンの操作が可能です。ただし操作できるクレーンに制約があるので、注意してください。特別教育の受講だけで操作できるのは、吊り下げられる荷重が1トン未満の移動式クレーンに限定されます。
また特別教育で運転できるクレーンの種類として、玉掛けがありました。玉掛け作業可能なのも制約があります。特別教育で操作できるのは、0.5~1トンまでの作業です。どのクレーンを操作するのか、慎重にチェックしたうえで特別教育と技能講習のいずれを受講させるか検討してください。
1トン以上5トン未満の移動式クレーンは技術講習を受ける必要
技能講習を受講し、修了試験に合格できれば1トン以上の荷重の移動式クレーンの操作が可能です。ただし上限もあって、吊り下げることが可能な荷重は5トン未満までです。特別教育と比較して、より大型でさまざまなものの吊り下げが可能です。
玉掛けの条件も、特別教育とは異なります。特別教育の場合、クレーンのフックにかけられるものは1トン未満でした。しかし技能講習を受講すれば、1トン以上の荷重のものをフックにかけたり外したりできるようになります。技能講習を受講することで、クレーンによる作業のバリエーションが増やせるわけです。
5トン以上の移動式クレーンは免許が必須
技能講習でも荷重が5トン未満のクレーンの操作までです。もし5トンを超える荷重を持ち上げるためには、免許取得が求められるので注意してください。5トン以上の荷重作業が可能な免許はいくつかありますが、おすすめなのはクレーン・デリック運転士免許です。かつて「クレーン運転士」と呼ばれていた免許です。
クレーン・デリック運転士免許を取得すれば、荷重5トン以上のクレーンをほぼすべて操作できるからです。クレーン・デリック運転士の合格率は、例年60%前後で推移しています。しっかり勉強しておけば、決して合格難易度は高くありません。クレーン作業でキャリアアップを希望する人なら、こちらの免許を取得しておくと良いでしょう。
移動式クレーンの運転業務にかかる特別教育について
1トン未満の移動式クレーンを運転するためには、特別教育を受講しなければなりません。この特別教育では具体的にどのようなことを勉強するのか、どのように実施するかについてここでは見ていきます。
講習カリキュラムについて
移動式クレーンに関する特別教育のカリキュラムは、以下の表のとおりです。
科目 | 内容 | 時間 |
---|---|---|
学科 | 移動式クレーンに関する知識 | 3時間 |
原動機及び電気に関する知識 | 3時間 | |
運転のために必要な力学に関する知識 | 2時間 | |
関連法令 | 1時間 | |
実技 | 移動式クレーンの運転 | 3時間 |
移動式クレーンの運転に関連する合図 | 1時間 |
このように移動式クレーンの特別教育は学科9時間・実技4時間の合計13時間のカリキュラムです。
クレーンに関する一般知識や原動機の仕組み、運転技術といったクレーン運転するために必要な知識について学習するプログラムです。
特別教育の実施方法
特別教育を実施する方法は、まず外部機関を利用して受講する方法です。一般社団法人や教習所などで特別教育を実施しているので、こちらを受講する方法です。特別教育を実施するためのリソースは実施機関がすべて手配してくれるので、事業所で準備する必要はありません。ただし所定労働時間内に受講する必要があるので、スケジュールの調整が難しくなるかもしれません。また講習会場への移動費も法人が負担する必要があります。
社内で特別教育を実施する方法もあります。社内にクレーンの特別教育を指導できるだけの知識やスキルを有する人がいれば、開講可能です。事業所で講義を実施できるので、従業員が会場にいちいち出向く必要がなくなります。講師になるための条件は特別決められていません。しかし特別教育のカリキュラムを把握し、もれなく講義する必要があるので人選は慎重になったほうが良いでしょう。
またオンライン教育もあります。スマホやパソコンで特別教育を受講する方式です。好きな時にいつでも受講できるので、従業員それぞれのペースで学習を進められます。
特別教育の更新について
特別教育には別に有効期限が設けられていません。しかし時代の変化とともにクレーン作業のやり方や使用する設備などが変更される可能性があります。
この場合、国から安全衛生教育を実施するように通達が届く場合もあります。その場合には通達の内容に合わせて、適宜カリキュラムを実施する必要があると思ってください。
小型移動式クレーン運転技能講習について
5トンまでの荷重を取り扱うクレーン運転をしたければ、技能講習を受講する必要があります。ここでは技能講習のカリキュラムについて紹介します。条件次第では、一部条件が免除される場合もありますので、こちらもあわせて見ていきましょう。
講習カリキュラムについて
小型移動式クレーンの技能講習のカリキュラムを表にしてまとめると、以下の通りです。
科目 | 内容 | 時間 |
---|---|---|
学科 | 小型移動式クレーンに関する知識 | 6時間 |
原動機および電気に関する知識 | 3時間 | |
運転のために必要な力学に関する知識 | 3時間 | |
関連法規 | 1時間 | |
実技 | 小型移動式クレーンの運転 | 6時間 |
運転に関する合図 | 1時間 |
技能講習では学科13時間・実技7時間の合計20時間のカリキュラムとなります。特別教育よりも時間数が多く、より深く学習していく形です。
さらに技能講習の場合、カリキュラムをすべて履修したら修了試験を受けなければなりません。修了試験の難易度はそこまで高くありません。受講した内容をしっかり覚えておけば、まず合格できるレベルと考えてください。
科目免除のための条件
作業員が現在保有している免許やこれまでの実務経験によっては、一部科目を免除することが可能です。免除のための条件と受講時間については以下の表のとおりです。
免除対象の条件 | 受講時間数 |
---|---|
鉱山などで吊り上げ荷重5トン以上の移動式クレーンの1か月以上の実務経験 | 13時間 |
|
16時間 |
|
17時間 |
小型移動式クレーンやクレーンなどの特別教育修了後6か月以上の実務経験 | 19時間 |
まとめ
クレーンを使用する現場は、意外と多岐にわたります。建設業のほかにも運送業や林業、製造業、倉庫業でも需要があります。クレーンの特別教育や技能講習を受講すれば、活躍できる幅は広がっていくでしょう。
クレーンの特別教育は開催している会場に出向いて受講する方法もあれば、自社で実施する方法もあります。また自分のペースで無理なく受講する方法として、オンライン受講も最近では出てきています。従業員に負担をかけずに受講する方法を検討してみませんか?
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