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能力向上教育とは?教育の概要やその目的、受講対象者まで解説
公開日:2024年7月23日 更新日:2024年7月23日
能力向上教育とは?教育の概要やその目的、受講対象者まで解説
作業現場で行う業務の中には、労働災害の危険性が高い業務が多数含まれます。こうした業務に従事する、もしくは作業主任者に選任されるための必要となるのが講習などの受講です。こうした講習にはさまざまな種類がありますが、その中に「能力向上教育」というものがあります。
この記事ではこの能力向上教育に関して解説していきます。どのような方が対象で、どのような講習を受講するのかなど、詳しく解説していきましょう。
目次
能力向上教育とは?
能力向上教育とは、労働災害防止のために設置される「安全衛生業務従事者」が、常に的確な業務を行えるよう、定期的に受講が推奨されている講習です。
労働現場の状況は時代とともに変化をしていきます。新しい設備が加わったり、これまであまり行わなかった業務を行うようになったりといった変化が起きているものです。こうした変化に対しても、労働災害を防止すべき立場の方が、常に柔軟に対応できるよう、能力を向上するために受けるべき講習と言えます。
ただし能力向上教育は、受講義務がある講習ではありません。講習を受講することが強く推奨されている講習となります。とはいえ、労働災害の中には、命を危険にさらすような災害もあり、安全衛生業務従事者には、定期的な講習を受講してもらうのがベストでしょう。
能力向上教育は、安全衛生労働法という法律にて規定されています。
事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者その他労働災害の防止のための業務に従事する者に対し、これらの者が従事する業務に関する能力の向上を図るための教育、講習等を行い、又はこれらを受ける機会を与えるように努めなければならない。
能力向上教育の対象者
能力向上教育の受講対象者は、安全衛生業務従事者とされています。さらに細かくどのようなポジションの方が受講すべきかを紹介しておきましょう。
- 安全管理者
- 衛生管理者
- 安全衛生推進者
- 衛生推進者
- 作業主任者
- 元方安全衛生管理者
- 店社安全衛生管理者
- その他の安全衛生業務従事者
能力向上教育を受講すべきポジションは上記の通りです。対象となる事業者は多岐にわたるため、自社でも能力向上教育を受講すべき者がいるかどうかを確認する必要があります。
能力向上教育の種類
能力向上教育には、3種類の講習があります。
- 初任教育
- 定期教育
- 随時教育
初任教育とは、受講対象者が、安全衛生業務従事者の資格を取得し、初めてその業務に就く際に行うべき教育です。
定期講習は、定期的に受講すべき講習です。どの程度の間隔で受講すべきかは法律上明示されていませんが、5年に1度程度は受講すべき講習といえるでしょう。
随時教育は、安全衛生業務従事者が従事する作業現場において、新しい設備の導入や、業務の進め方の大幅な変更など、目に見える変化があった場合、随時受講すべき講習です。
この3つの講習を適宜受講することで、最新の情報を得て、安全衛生業務従事者の能力を向上指せることが大きな目的となります。特に随時教育に関しては、内容次第では労働災害の対応に直結するケースがありますので、事業者としては業務内容をチェックしながら、適宜受講してもらうべきでしょう。
また、2024年7月現在、制定されている能力向上教育に関しても紹介しておきましょう。
能力向上教育 | 実施タイミング |
---|---|
安全管理者能力向上教育 | 定期又は随時 |
安全衛生推進者能力向上教育 | 初任時 |
ガス溶接作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
林業架線作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
ボイラー取扱作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
木材加工用機械作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
プレス機械作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
乾燥設備作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
採石のための掘削作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
船内荷役作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
足場の組立て等作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
木造建築物の組立て等作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
普通第一種圧力容器取扱作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
衛生管理者能力向上教育 | 初任時 |
衛生管理者能力向上教育 | 定期又は随時 |
特定化学物質作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
鉛作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
有機溶剤作業主任者能力向上教育 | 定期又は随時 |
店社安全衛生管理者能力向上教育 | 初任時 |
今後も、作業現場等の労働衛生状況や、労働災害の発生状況により、能力向上教育の数も増えていくことが予想されています。
能力向上教育の一部を紹介
能力向上教育は、2024年7月現在、20の講習が認定されています。その中から代表的な講習を2つ紹介しましょう。
職長・安全衛生責任者能力向上教育
受講対象は職長・安全衛生責任者教育を受講後おおむね5年以上経過した方となります。受講終了後の期間が目安となりますので、仮に実務経験がなくとも受講することは可能です。
受講科目 | 受講時間 |
---|---|
職長等及び安全衛生責任者として行うべき労働災害防止に関すること | 2時間 |
労働者に対する指導又は監督の方法に関すること | 1時間 |
危険性又は有害性等の調査等に関すること | 30分 |
グループ演習 | 2時間10分 |
合計受講時間 | 5時間40分 |
受講科目は上記の通りで学科科目のみとなります。また特徴的な科目としては、グループ演習という科目があります。これは受講者同士でグループを作り、そのグループで討議をするなどの科目です。能力向上教育では、このグループ演習が含まれているケースが多いのが特徴でしょう。単に座学で知識を深めるだけではなく、同じ業務に従事する方と意見交換を行いながら、自身の能力向上を目指します。
グループ演習のある能力向上教育に関しては、オンライン(Web)講座での受講は難しくなります。基本的には、外部団体が実施する講習に参加し、そこで他の受講者とともにグループ演習を行うのが一般的です。
足場の組立て等作業主任者能力向上教育講習
受講対象となるのは、足場の組立て等作業主任者ですので「足場の組立て等作業主任者技能講習」を受講し、その後認定試験に合格した方となります。資格取得からの経過年数や実務経験は問わず受講できますので、資格を持っている多くの方が受講する能力向上教育です。
受講科目 | 受講時間 |
---|---|
最近の足場、部材等及びそれらの選択と管理 | 1時間 |
足場の組立て等の安全施工と保守管理作業管理 | 4時間 |
災害事例及び関係法令 | 2時間 |
合計受講時間 | 7時間 |
こちらの能力向上教育には、グループ演習の科目が組み込まれていません。そのため、外部団体の実施する講習に参加するだけではなく、オンライン(Web)講座での受講も可能となっています。
オンライン(Web)講座の受講の場合、自社内のパソコンやタブレットで受講可能ですので、日程の調整も必要なく、自社の都合に合わせて受講可能ですのでおすすめです。
CIC日本建設情報センターでは能力向上教育を実施
CIC日本建設情報センターでも能力向上教育を提供しています。CIC日本建設情報センターが提供する能力向上教育のポイントを紹介しましょう。
Web(オンライン)講座と通学講座を実施
CIC日本建設情報センターでは、グループ演習などがあり、講習会の開催が必要な能力向上教育は通学講座を開催、オンライン(Web)講座で受講できるものはオンライン(Web)講座の提供と、教育内容に合わせて講座を実施しています。
多数の講座を開講している実績がある
CIC日本建設情報センターでは、能力向上教育に限らず、特別教育や技能講習など、多数の講習を実施している実績があります。提供する科目の内容に合わせて、より効率的に、より分かりやすい講義を行うことができますので、多くの事業者におすすめです。
特にオンライン(Web)講座は、受講生の様子が分からない状態で講義動画を制作する必要があります。単純に教えるべき項目を順番通りに教えていては、中には理解が難しいという受講生が出かねません。
講義すべき科目の内容を吟味し、より分かりやすく解説するように心がけていますので、安心して受講できるでしょう。
まとめ
能力向上教育は、すでに作業主任者のような資格を持つ方に対して行う講習です。定期的に講習を受講してもらうことで、時代の変化とともに発生する新たな労働災害リスクを知り、その対処法を身に着けることが目的の講習となります。
作業主任者としての資格を持つということは、すでに技能講習等である程度の知識を持つ方の能力を、より向上させることが目的です。受講自体に義務はありませんが、労働災害には命に係わるような災害もあるため、できるだけ多くの対象者が受講すべき講習といえるでしょう。
能力向上教育の受講を考えている事業者の方には、CIC日本建設情報センターの能力向上教育がおすすめです。分かりやすい講義で、確実に能力の向上が期待できるでしょう。興味のある方はぜひCIC日本建設情報センターの能力向上教育をご検討ください。