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安全衛生教育とは?重要性や概要、会社が実施すべき安全衛生教育について解説!

公開日:2024年7月19日 更新日:2024年7月19日

安全衛生教育とは?重要性や概要、会社が実施すべき安全衛生教育について解説!

従業員が健康で安全に就労できるように、企業の安全衛生教育は非常に重要となります。業務中の怪我や病気は労働災害として扱われ、企業が社会的責任を負う可能性があるため、職場環境の安全衛生教育は不可欠です。

安全衛生教育をいつ、どのように行うのが適切か、多くの企業がお悩みではないでしょうか。本記事では企業の安全衛生教育について、概要や実施内容など気を付けるべきポイントを網羅的に解説しています。


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目次

安全衛生教育とは

安全衛生教育とは

安全衛生教育は、職場での安全や労働に関して、従業員に実施が推奨されている教育です。

安全衛生教育をおろそかにしたことが原因により、従業員が深刻な心身の健康を損ね、企業が重大な経営リスクを負うケースは少なくありません。

企業が安全衛生教育を実施する重要性や概要について解説します。

安全衛生教育の概要

安全衛生教育は労働安全衛生法第59条及び60条に定められた、労働災害を防止するために必要な安全衛生の知識を労働者に与える教育です。採用時や作業内容に変更があった場合、専門的な業務に従事している、従業員を教育する立場にあるなどの状況において、安全衛生教育が必要とされています。

労働災害の防止には、業務マニュアルの作成と遵守や、技術と知識の向上のための教育などの「人的」な方法と、設備や作業環境の整備・改善など「物的」な方法の両方が欠かせません。「人的」な対策として重要になるのが安全衛生教育です。

安全衛生教育にかかる費用は、原則として企業が負担し、業務時間内に実施されなければなりません。

安全衛生教育の実施対象

安全衛生教育は教育の種類によっては、実施対象が限られる場合もありますが、職種や役職に関係なく、一般の従業員から役員、経営者までが実施対象となります。また、アルバイトや正社員など雇用形態を問わず、全ての労働者に実施しなければなりません。

安全衛生教育を実施する重要性

安全衛生教育は労働安全衛生法で定められているため、実施しなければなりませんが、企業の安定した経営基盤を築くためにも欠かせません。

日々、新たな設備や手法が発展している世の中で、従業員全員が安全に就業するための知識と技術を身に付けることは、企業の業務効率の向上に寄与します。また、重大な労働災害発生による、企業が社会的、経済的に大きな痛手を負うリスクを低減できます。

安全衛生教育の対象業種

安全衛生教育の対象業種

安全衛生教育は原則として、建設業や運送業、清掃業、製造業など、有害性や危険性が伴う場合がある業種で実施が必要です。

しかし、後ほど解説する安全教育の種類の中で、項目によって対象業種が限られる場合も紹介いたします。自社で必要な安全衛生教育の項目に漏れがないように注意しなければなりません。

安全衛生教育の種類

安全衛生教育は主に3つに分類されます。

  1. 雇い入れ時、作業内容変更時の教育
  2. 特別教育
  3. 職長等に対する教育

全ての業種、職種に必要な教育から、実施対象が限定される教育もあり、それぞれ解説いたします。

雇い入れ時、作業内容変更時の教育

従業員を新たに雇い入れた際や、作業内容に変更があった場合に、8項目の安全衛生教育を実施しなければなりません。

5〜8は全ての業種において必ず実施が必要ですが、1〜4は事務仕事が中心の業種では省略が許可されています。以下の業種では実施義務があります。

  1. 機械や設備、原材料などの危険性や有害性についてとこれらの取扱い方法に関すること。
  2. 安全装置、有害物抑制装置あるいは、保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること。
  3. 作業手順に関すること。
  4. 作業開始時の点検に関すること。
  5. 従事する業務において発生する可能性のある疾病の原因及び予防に関すること。
  6. 整理・整頓及び清潔の保持に関すること。
  7. 事故発生時などの応急措置や退避に関すること。
  8. 各号に掲げるものの他、従事する業務に関わる安全又は衛生のために必要な事項。
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業

また、1〜8において、全ての項目または一部項目で、十分な技術や知識を持つ者は、教育を省略が可能です。

特別教育

企業が従業員に、特定の危険性または有害性を有する業務に従事させる場合に必要な教育です。「事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない」と労働安全衛生法59条で定められています。

しかし、当該業務の特別教育を既に受けたことがある、十分な技術と知識を持つ従業員は教育を省略できます。

該当する業務は41種類にも渡るため、一部対象業務を紹介します。

  1. アーク溶接機を使用する、金属の溶接及び溶断
  2. 最大荷重が1トン未満のフォークリフト運転
  3. チェーンソーを用いての樹木の伐採とかかり木の処理、造材
  4. 小型ボイラーの取り扱い
  5. 高所でロープでの支持を用いる作業

特別教育は受けさせなければ罰則が発生する場合もあるため、特別教育に該当する業務、従事する従業員の有無は十分に確認が必要です。

職長等に対する教育

職長は現場を指揮する立場にあたる従業員を指し、現場の安全を担い、部下への指導ができるように、企業が教育しなければなりません。教育すべき内容は、労働災害の防止を目的とした、職場の安全衛生に関わる知識や技能です。

職長などとされるのは、職長と安全衛生責任者を兼務する場合が多いためです。教育実施は5年を目途に定期的に実施したり、設備または作業内容に大きな変更がある場合に実施したりすることが望ましいとされています。

職長教育が必要な業種は限定されており、以下の通りです。

建設業、製造業、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業、食品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業

※2024年7月時点の内容です。

教育内容も定められており、2日間で以下の内容と時間数の教育が必要となります。

教育内容 実施時間
作業方法の選定、労働者の配置方法 2時間
労働者への指導と監督方法 2.5時間
業務の危険性や有害性の確認と、結果に応じた対処方法について 4時間
異常時、災害発生時の対処方法 1.5時間
上記以外の監督者の立場で労働災害を防止する活動について 2時間
安全衛生責任者の職務について(兼務の場合) 1時間
統括安全衛生管理の進め方 1時間
合計時間 14時間

安全衛生教育の指導

安全衛生教育の指導

安全衛生教育の指導は以下の3点です。

  1. 実施計画等の作成
  2. 実施責任者の選任
  3. 教育内容の充実

方法や手順について、詳しく紹介します。

実施計画等の作成

教育の種類毎に、以下の内容を記載した年間の実施計画を作成します。

  • 実施対象
  • 実施時間
  • 実施場所
  • 講師
  • 教材など

継続的な安全衛生教育の実施と教育を効果的にするため、中長期的な計画作成と、従業員ごとに実施した教育を記録しましょう。

実施責任者の選任

実施計画の作成、教育の実施、計画の記録など安全衛生教育全般に関わる実施責任者を選任します。安全衛生教育の対象者のニーズや業務内容、業界特有のリスクを考慮した、計画策定ができる人物が望ましいです。

教育内容の充実

教育内容の充実は、従業員の技術・知識の向上だけでなく、従業員の学習意欲の向上にもつながるため、非常に重要な要素です。現場での事例から、実施テーマを選定し、学んだ技術・知識を業務で応用しやすい教材や映像を用いることが効果的です。

能動的に問題へ向きあう姿勢を養うために、ディスカッションやグループワークなど、受け身にならない工夫も必要です。

安全衛生教育はWeb講座の活用も検討しよう

安全衛生教育は、自社内だけで全てを完結する必要ありません。特に中小企業では、安全衛生教育に社内の従業員が十分に時間を割くことが難しい場面も多いでしょう。

質の高い安全衛生教育の実施にはWeb講座の活用がおすすめです。様々な安全衛生教育にノウハウを持つ機関が、教材や実際の作業映像を用いて、わかりやすい講義を提供しています。Web講座であれば、各従業員が業務中の空いている時間で受講も可能なため、時間調整の手間も不要です。

まとめ

安全衛生教育のまとめ

安全衛生教育は、労働災害防止による企業の社会的リスクの低減だけでなく、従業員の業務スキルや学習意欲向上にもつながるため、企業の組織力向上に寄与します。

しかし、安全衛生教育は雇い入れ時や作業内容の変更発生時、または特定の業務にあたる従業員に対しての専門業務への教育など、多岐に渡ります。安全衛生教育を万全にするには、支援計画の作成や実施内容の記録も合わせて行い、教育内容の向上にも努めなければなりません。

自社での実施も可能ですが、Web講座の活用や外部機関の活用も有効な選択肢です。安全な労働環境の実現のため、外部機関やWebの活用によって、穴のない教育体制の整備を心掛けましょう。


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