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低圧電気と高圧電気の違いとは?電圧別の電気料金や節約のポイントを解説
公開日:2025年4月11日 更新日:2025年4月11日
低圧電気と高圧電気の違いとは?電圧別の電気料金や節約のポイントを解説
高圧又は特別高圧電気取扱業務に係る特別教育電気工事士低圧電気特別教育
「低圧電気」「高圧電気」といった言葉を耳にし、「どのような違いがあるんだろう」と考えたことはありませんか。もしかすると、違いを把握しておくことで電気代節約につながるかもしれません。
この記事では、低圧電気と高圧電気の違いや見分け方、電圧別の電気料金、電気代を節約するポイントについて詳しく解説します。ほかにも、高圧電気から低圧電気への切り替え方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
低圧電気と高圧電気の違い
低圧電気は、交流で600ボルト以下、直流で750ボルト以下と定義されています。一方、高圧電気は交流で600ボルト超〜7000ボルト以下、直流で750ボルト超〜7000ボルト以下のものです。
通常、低圧電気が使われるのは一般家庭や小型の店舗など、高圧電気は商業施設や工場、病院など中小規模の施設が当てはまるでしょう。
ちなみに、交流と直流共に7,000ボルトを超える電圧は、特別高圧といわれています。大量の電力を使用する大規模な工場などで、利用されることが多いです。
低圧電気と高圧電気の違いの見分け方
低圧電気と高圧電気のどちらを契約しているかは、以下3つのポイントで見分けることが可能です。
- キュービクルの有無
- 契約種別
- 供給電圧
上記3つの低圧電気と高圧電気の違いの見分け方について、解説します。
キュービクルの有無
低圧電気と高圧電気は、キュービクルがあるかどうかで見分けることができます。
キュービクルとは、別名「キュービクル式高圧受電設備」といわれ、発電所から送電される6,600ボルトの高圧電力を100Vや200Vの電気に変圧する機器を収めたものです。いわば、小規模の変電所といえるでしょう。
高圧電気が供給されるときは、敷地内に引き込むためにキュービクルが必要であり、屋上や駐車場の隅などに設置されることが多いです。キュービクルの中には、変圧器を筆頭に断路器や負荷開閉器、保護装置などが収容されており、外部環境から電気機器を保護する役割もあります。
契約種別
電力会社と契約している電気料金プランの種類「契約種別」を確認することで、低圧電気か高圧電気かを見分けることも可能です。
電気料金明細書の「契約種別」という欄に、「高圧」と記載されていれば、高圧電気を契約しているといえます。ただ、電力会社のプランによっては高圧・低圧と明確に掲載されていなかったり、独自のプランで書かれていたりするので、分かりづらく感じることもあるでしょう。
もし、契約種別を確認して低圧電気と高圧電気の見分けがつかなかった場合は、他の方法を検討してみてください。
供給電圧
自施設などに供給される電力の電圧規模「供給電圧」を確認することで、高圧電気と低圧電気のどちらかを見分けることができます。
電気料金明細書などで、供給電圧が100V、または200Vと記載されている場合は低圧電気、6000V以上の場合は高圧電気と考えられるでしょう。
電圧別の電気料金
供給している電気が低圧電気か高圧電気かによって、料金は異なります。ここからは、東京電力のプランをもとに電圧別の電気料金をご紹介しましょう。
高圧電気
東京電力の高圧電気プランでは、下記の料金が設定されています。
【ビル・商店・百貨店・スーパーなどの場合(業務用電力)】
単位 | 料金 (新料金適用前※1) |
料金 (新料金適用後※2) |
|
---|---|---|---|
基本料金 | 1kW | 1,890円00銭 | 1,890円00銭 |
電力量料金 | 1kWh |
|
|
【工場などの場合(業務用電力)】
単位 | 料金 (新料金適用前※1) |
料金 (新料金適用後※2) |
|
---|---|---|---|
基本料金 | 1kW | 1,989円00銭 | 1,989円00銭 |
電力量料金 | 1kWh |
|
|
※1:「料金(新料金適用前)」は、2024年4月1日以降の契約期間満了までの間に適用
※2:「料金(新料金適用後)」は、2024年4月1日以降に契約期間満了日を迎える場合、その次の契約期間から適用
低圧電気
東京電力の高圧電気プランでは、下記の料金が設定されています。
料金 | |
---|---|
基本料金 | 1,098円05銭 |
電力量料金 |
|
東京電力の場合、低圧電力は以下2種類の契約パターンがあり、使用形態に応じて選ぶことが可能です。
- 主開閉器契約:契約主開閉器の定格電流値をもとに、契約電力を決定する方法
- 負荷設備契約:使用する電気機器をあらかじめ設定し、その総容量に一定の係数を乗じて契約電力を算定する方法
電気代を節約するポイント
電気代を節約するためには、以下3つのポイントを押さえておくことがおすすめです。
- 最適なプランに変更する
- 再生可能エネルギーを利用する
- 電力会社を変更する
上記3つのポイントについて解説します。
最適なプランに変更する
現状のプランを再度見直し、最適なプランを検討することが電気代の節約につながります。
まずは月々の使用電力量を確認し、自社の使用電力パターンに適しているか見極めていきましょう。
また、電気を使用する時間も考慮することがおすすめです。昼間よりも夜間の電力量料金単価を安く設定している電力会社が多いので、使用時間に合わせて自社にとって無駄のないプランを選択していきましょう。
再生可能エネルギーを利用する
再生可能エネルギーの活用によって、電気代を抑えることも可能です。
例えば、太陽光パネルを屋根などに設置することで、自家発電をすることができ電気代の節約につながります。太陽光パネルがあれば非常用電源としても利用できるうえ、目に見えるカーボンニュートラルへの貢献としてブランドイメージ向上も見込めるでしょう。
一方で、再生可能エネルギーで発電された電気プランを選ぶことで、費用を抑えられる可能性もあります。
電力会社を変更する
現状と異なる電力会社に変更することで、電気代を節約できるかもしれません。
現在は好みの電力会社を選ぶことができるため、価格競争によってお得なプランを使用できることも考えられます。割引やポイントなどのサービスも上手に活用することで、電気代を抑えられるでしょう。
ただ、どの電力会社に変更すればより節約できるのかは、自社の状況によっても異なるので、丁寧にシミュレーションを行い、適切な会社を選択してください。
高圧電気から低圧電気への切り替え方法
高圧電気から低圧電気への切り替え方法は、電力会社によって異なります。例えば、東京電力の場合、高圧電気から低圧電気への切り替えを行うには、下記の手順で進めていきましょう。
【高圧電気の利用停止手続き】
- 電気需給契約廃止申込書」に必要事項を記載する
- 法人のお客さまサポートセンターまで郵送する
【低圧電気の利用申し込み手続き】
- でんき工事コーナーのページを開く
- 申込種別を「電圧変更」にして申し込む
まとめ
この記事では、低圧電気と高圧電気の違いや見分け方、電圧別の電気料金、電気代を節約するポイントについて詳しく解説しました。
低圧電気は「交流で600ボルト以下・直流で750ボルト以下」、高圧電気は「交流で600ボルト超〜7000ボルト以下・直流で750ボルト超〜7000ボルト以下」とされており、対象施設もそれぞれ異なります。
「低圧電気と高圧電気についてより詳しく学びたい」という方は、CIC日本建設情報センターを活用し、自分の都合に合わせて学習をしていきましょう。