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建設業の年収はどのくらい?年齢別・職種別で解説

公開日:2024年8月26日 更新日:2024年12月9日

建設業の年収はどのくらい?年齢別・職種別で解説

建設業界への就職・転職を考えている方にとって建設業の年収がどれくらいなのかは気になるポイントです。

そこで、この記事では建設業の年齢別の平均年収、建設業界で年収の高い業種のランキングを紹介します。


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目次

建設業とは

建設業とは

建設業とは、元請・下請もしくはその他のいずれかを問わず、建設工事の完成を請け負う仕事を指す言葉です。

建設工事の範囲は広く、たとえば以下のものが建設工事、建設業者に含まれます。

  • 国から発注されたダムの建設工事を請け負うゼネコン
  • 地方自治体から道路の舗装工事を請け負う工事業者
  • 一般の消費者から持ち家の建て替え工事を請け負うハウスメーカー

建設業では専門的な知識や技能を持つ者が互いに協力して仕事を完成させます

たとえば、建設工事が始まる前の段階では、設計・積算の仕事があります。建設工事が始まれば重要な役割を果たすのが、とびや大工・左官工・コンクリート工・舗装工・重機オペレーターといった職人です。

そして、現場監督が職人とうまくコミュニケーションを取り、設計・積算が出した計画通りに工事が進むように現場を差配します。

このように、建設業にはさまざまな仕事が含まれているのが特徴です。したがって、同じ建設業でも仕事の種類により平均年収に差が生じます。

建設業の平均年収

建設業の平均年収

この部分では厚生労働省が発表している「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」を資料として建設業における年齢別・男女別の平均年収を紹介します。

この資料で用いられている賃金は、令和4年6月分の所定内給与額の平均です。所定内給与額は現金給与額から超過労働給与額(時間外労働手当・深夜勤務手当・休日出勤手当など)を差し引いたものです。本記事の平均年収は、賃金×12ヶ月(賞与は含めない)で計算しました

なお、建設業全体としての平均年収は以下の通りです。

性別 所定内給与額 平均年収(賃金×12)
男女計 36万4,100円 436万9,200円

※参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」

一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の賃金と平均年収は以下の通りです。

性別 賃金 平均年収(賃金×12)
男女計 31万8,300円 381万9,600円

※参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」

建設業の平均賃金は一般労働者の平均賃金よりも高いことが分かります。したがって、建設業の平均年収は一般労働者の平均年収よりも高いといえるでしょう。

20代の平均年収

建設業に携わる20歳未満、20代の男女の平均年収は以下の通りです。

性別 年齢 賃金 平均年収(賃金×12)
男女計 ~19歳 19万9,000円 238万8,000円
20~24歳 23万3,500円 280万2,000円
25~29歳 26万9,500円 323万4,000円

※参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」

建設業20代後半の平均賃金は、約26万円でこれをベースに計算すると平均年収は300万円を超えます

30代の平均年収

建設業の30代男女の平均賃金と年収の計算結果は以下の通りです。

性別 年齢 賃金 平均年収(賃金×12)
男女計 30~34歳 30万6,400円 367万6,800円
35~39歳 33万3,900円 400万6,800円

※参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」

建設業に携わる30代男女の平均賃金は30万円以上です。したがって、年収は350万円〜400万円になると計算できます。

40代の平均年収

建設業に携わる40代男女の平均賃金、年収は以下の通りです。

性別 年齢 賃金 平均年収(賃金×12)
男女計 40~44歳 35万6,700円 428万400円
45~49歳 38万7,200円 464万6,400円

※参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」

建設業の40代男女の平均賃金は35万円以上で年収は約450万円になると計算できます。

40代の賃金や年収が多いのは、建設関連の知識と経験を豊富に持ちつつ精力的に働けることが1つの理由です。

50代の平均年収

建設業の50代男女の平均賃金とそれに基づく年収は以下の通りです。

性別 年齢 賃金 平均年収(賃金×12)
男女計 50~54歳 42万2,100円 506万5,200円
55~59歳 43万2,500円 519万円

※参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」

豊富な知識と経験を活かし現場で働くことはもちろん、後輩の指導などでも活躍できるベテランの50代は、平均賃金が40万円以上になります。したがって、平均年収の計算結果も500万円以上です。

60代以上の平均年収

建設業で働く60代男女の平均賃金とそれに基づく年収は以下の通りです。

性別 年齢 賃金 平均年収(賃金×12)
男女計 60~64歳 36万円 432万円
65~69歳 31万5,200円 378万2,400円

※参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」

建設業60代男女の平均賃金は、40代・50代の平均賃金と比較すると減少しています。したがって、建設業の賃金・年収のピークは40代後半から50代です。

建設業の職種別年収ランキング:1~10位

建設業の職種別年収ランキング

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表」を基に、建設業の職種において平均年収が高いものをランキング形式で紹介します。

1位 一級建築士

一級建築士は、国土交通大臣の免許を受け一級建築士の名称を用いて建築物の設計や工事監理、その他の業務をおこないます

一級建築士として働くためには一級建築士試験に合格し免許を受けることが必要です。一級建築士はすべての構造・規模・用途の建築物について設計・工事管理をおこなえるという点が二級建築士や木造建築士との違いになります。

「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」による一級建築士の平均の賃金・年間賞与・年収は以下の通りです。

平均賃金(決って支給する現金給与額) 46万1,000円
平均賃金×12 553万2,000円
年間賞与 148万7,200円
平均年収(平均賃金×12+平均年間賞与) 701万9,200円

※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」

2位 技術士

技術士とは、技術士法第32条第1項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画・研究・設計・分析・試験・評価またはこれらに関する指導の業務をおこなう者のことです。

技術士資格には、建設部門・上下水道部門・機械部門・環境部門といった21の部門があります。

公益社団法人日本技術士会によれば、令和6年3月末の時点で技術士登録者数は約10万人おり、そのうち約45%が建設部門です。

建設部門の技術士の資格を持つ方は、技術コンサルタントとして建築にまつわる研究・計画・設計・分析・試験・評価などに関する指導業務をおこないます。技術士としての経験を活かし独立して建設コンサルタントとして働くという方もいらっしゃいます。

「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」による技術士の平均の賃金・年間賞与・年収は以下の通りです。

平均賃金(決って支給する現金給与額) 43万9,400円
平均賃金×12 527万2,800円
年間賞与 139万6,500円
平均年収(平均賃金×12+平均年間賞与) 666万9,300円

※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」

3位 掘削作業主任者・発破技士

掘削工事で作業の安全確保のために現場を監督・指揮するのが掘削作業主任者です。掘削面の高さが2メートル以上になる地山の掘削作業を行う際には、現場に「地山の掘削作業主任者」を置かなければなりません

掘削作業主任者は土木作業の現場ではなくてはならない人材なので、待遇面での優遇が期待できる仕事です。

発破技士は発破(火薬を使用した爆破)をする際に穿孔・装填・点火・後処理などがおこなえる資格です。爆破する岩盤の硬さや周辺環境を確認し適切な火薬量を計算することもします

重機で壊せない岩盤、建物などを破壊する作業では必要な人材なので、こちらもそうした作業をおこなう会社などでは待遇面での優遇が期待できます。

「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」による掘削作業主任者・発破技士の平均の賃金・年間賞与・年収は以下の通りです。

平均賃金(決って支給する現金給与額) 47万200円
平均賃金×12 564万2,400円
年間賞与 52万7,600円
平均年収(平均賃金×12+平均年間賞与) 617万円

※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」

4位 クレーン運転工

クレーン運転工も建設工事現場で重要な役割を担っている職種の1つです。

建設現場においてクレーンを所定の場所まで移動させ荷物を運搬し、地上の安全を確認しながら揺れないように注意して所定の位置に荷物を下ろすなどの作業をします

クレーン運転工の平均の賃金・年間賞与・年収は以下の通りです。

平均賃金(決って支給する現金給与額) 36万7,800円
平均賃金×12 441万3,600円
年間賞与 68万8,800円
平均年収(平均賃金×12+平均年間賞与) 510万2,400円

※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」

5位 電気工

電気工は電力会社により供給される電気を公共施設やオフィス、工場、家などで安全に使用できるようにするためのさまざまな設備を専門に工事する職人です。

送電用の鉄塔、地下の送電設備、工場や家の配電設備やコンセント用の配線などいろいろな場所で活躍しています。
電気工の平均年収は以下の通りです。

平均賃金(決って支給する現金給与額) 32万6,100円
平均賃金×12 391万3,200円
年間賞与 81万1,400円
平均年収(平均賃金×12+平均年間賞与) 472万4,600円

※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」

6位 測量技術者

測量技術者の仕事は、土地・水路などの測量に関する計画・機械の調節・作業の実施・指揮といったものです。さらに、測量に関する成果・資料の取りまとめについての技術的な仕事にも携わります。

測量技術者の事例としては、測量士・測量士補・森林測量技術者・道路測量士・鉱山測量技術者・水路測量技術者などです。

測量技術者の平均賃金・平均年収は以下の通りです。

平均賃金(決って支給する現金給与額) 32万3,700円
平均賃金×12 388万4,400円
年間賞与 80万3,300円
平均年収(平均賃金×12+平均年間賞与) 468万7,700円

※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」

7位 配管工

オフィスビルや病院・工場・百貨店・マンションなどの建物の中には、冷房・暖房設備、洗面所やトイレのような給排水設備、その他に消火のための設備などが必要となります。

配管工はそうした管設備を建物の中に取り付けることを専門の仕事としています

配管工の平均賃金・平均年収は以下の通りです。

平均賃金(決って支給する現金給与額) 34万1,500円
平均賃金×12 409万8,000円
年間賞与 56万7,000円
平均年収(平均賃金×12+平均年間賞与) 466万5,000円

※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」

8位 鉄筋工

鉄筋は人体における骨や筋肉のように、外からは見えませんがビルやマンション、端などの建築物を支えるために重要な役目を果たしています。この鉄筋を組み立てる仕事を専門にしている職人が鉄筋工です

鉄筋工の平均年収は以下の通りです。

平均賃金(決って支給する現金給与額) 33万6,900円
平均賃金×12 404万2,800円
年間賞与 48万1,300円
平均年収(平均賃金×12+平均年間賞与) 452万4,100円

※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」

9位 鉄工

鉄工の仕事は鉄製品やステンレス製品の設計、加工、施工までが含まれます。建設に関係がある鉄工の仕事としては鉄骨工事・階段・手すり・耐震工事・歩道橋・大屋根工事などです

鉄工建設は、工場や大型施設、工場施設、オフィス、マンション、戸建て住宅といった幅広い施設で利用されています。
鉄工の平均賃金、年収は計算すると以下の通りです。

平均賃金(決って支給する現金給与額) 30万6,100円
平均賃金×12 367万3,200円
年間賞与 76万6,500円
平均年収(平均賃金×12+平均年間賞与) 443万9,700円

※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」

10位 玉掛け作業員

玉掛け作業員は、クレーンを使って荷物を吊り上げる、もしくは下ろす際にクレーンのフックに吊り荷を掛ける、フックから荷物を外したりする作業をする人のことです。

玉掛け作業は、クレーンを使う建設現場などでは必須の作業で、吊り荷の落下事故などを防ぐ意味からも非常に重要な役割を担っています

玉掛け作業員の平均賃金、年収は計算すると以下の通りです。

平均賃金(決って支給する現金給与額) 30万8,500円
平均賃金×12 370万2,000円
年間賞与 67万5,600円
平均年収(平均賃金×12+平均年間賞与) 437万7,600円

※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表2019年」

建設業で年収を上げるためにできること

建設業で年収を上げるためにできること

建設業界で年収を上げるためにできる事柄は以下の通りです。

  • 資格を取る
  • 実務経験を積む
  • 転職ををする
  • 独立して直接取引する

資格を取る

建設業界で年収アップを考えているなら資格を取ることをおすすめします

年収ランキングで紹介した1級建築士や技術士、発破技士などは国家資格です。こうした例からわかるように資格があれば年収アップが期待できます。

建設業と関連がある別の国家資格に施工管理技士があります。施工管理技士の資格は建築・土木・電気工事・管工事・造園・建設機械・電気通信の7種類です。

建設業者は、工事現場における施工の技術上の管理をつかさどる者として主任技術者を、また、元請においては下請契約の請負代金額の合計が一定以上の場合(5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上))は、監理技術者を配置しなければなりません。

施工管理技士の1級を取得すると監理技術者や特定建設業の専任技術者、一般建設業の主任技術者として働くことが可能です。2級の資格でも、一般建設業の専任技術者・主任技術者になることができます。

さらに、建設業界は市場が大きいこと、バブル期に活躍していた世代が現役を退いていることなどを考えると、施工管理技士の資格は強い需要がある資格といえます。

CIC日本建設情報センターでは、技術士や施工管理技士の資格取得をサポートする講座を提供しています。

実務経験を積む

年齢別の年収からわかるように、建設業では経験が少ない20代よりも、経験を積んだ40代、50代の年収の方が高いです。

したがって、建設業界での年収アップを狙うなら別の業界に転職するよりも、建設業界に踏みとどまって経験を積むことがポイントになります。

転職をする

資格と実務経験があれば、現在勤めている会社からさらに待遇が良い会社へ転職することが可能です。転職も建設業界で年収アップするための方法になります。

独立して直接取引する

一定の経験を積んで独立するなら年収アップを狙うことができます。会社を通さずに依頼者と直接取引すれば、会社にマージンを取られないので報酬が増えるからです。

経験と実績があるなら割のいい仕事を獲得することができます。一方で、取引先とのコネがない、営業スキルがないといった問題があれば年収アップは難しいという点に注意してください。

まとめ

建設業の年収に関するまとめ

建設業界の年齢別の平均年収、職種別の年収ランキングを紹介しました。建設業界全体の平均賃金や平均年収は一般労働者のそれよりも高いです。

平均年収が高い建設業界の中でも、1級建築士や技術士などの資格を有していれば年収アップを期待できます

建設業界で活かせる資格の取得を目指しているなら、CIC日本建設情報センターの講座をご利用ください。


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