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コンクリートポンプ車の特別教育とは?必要な資格について解説
公開日:2024年6月26日 更新日:2024年6月26日
コンクリートポンプ車の特別教育とは?必要な資格について解説
コンクリートポンプ車を運転・作業するためには、免許や資格などが必要です。また、ポンプ車の操縦をマスターするために、特別教育の受講が義務付けられています。
特別教育の受講方法は、対面のほかにWeb講習もあります。Webであれば、オンラインにていつでもどこでも受講できるのでおすすめです。建設現場では、いろいろな車両が作業時に導入されています。
今回紹介するコンクリートポンプ車も、その中の一つです。生コンクリートを圧送して、型枠に流し込むための車両になります。生コンクリートを建物に使用できるほどにしっかり固めるためには、専門的な知識やスキルが要求され、コンクリートポンプ車を使って作業するためには、特別教育を受講する必要があります。
しっかりと教育の内容を理解し、従業員が受講しやすい方法で特別教育を受けさせましょう。
目次
コンクリートポンプ車を扱うために必要な資格は?
コンクリートポンプ車を扱って作業するためには、特別教育を受講するほかにもいくつか条件があります。運転するための免許が必要になりますし、作業するためにも別途資格も必要です。
ここではコンクリートポンプ車を使って全般的な作業をするために、どのような資格が必要かについて見ていきます。
運転するための特殊自動車免許
コンクリートポンプ車を現場まで運搬するためには、公道を運転しなければなりません。ほかの車道同様、コンクリートポンプ車を運転するためには、運転免許を取得する必要があります。コンクリートポンプ車を運転するためには、特殊自動車運転免許を取得しなければなりません。車両の大きさによって、中型と大型の区分があります。自分が運転しようと思っている車両サイズに合わせた免許取得を目指してください。
大型特殊と中型特殊とでは、条件が異なります。大型は満18歳以上、中型は満16歳以上が免許取得の対象です。その他日常会話に支障ないレベルの聴力と両目0.7、片目0.3以上の視力が必要なのは大型・中型一緒です。
免許取得するためには、普通自動車免許動揺教習所に通って試験を受ける方法があります。また、別のところで自主的に練習して、直接運転免許場の試験を受けて合格する方法もあります。
操縦するために必要な特別教育
免許は、あくまでもコンクリートポンプ車の運転が認められているだけです。現場でコンクリートポンプ車を操縦するためには、コンクリートポンプ車作業従事者特別教育を受講する必要があります。特別教育の所定のカリキュラムを修了しなければ、ポンプ車の操縦は認められていないので注意してください。
特別教育は、外部機関のプログラムを受講する方法もあります。外部機関の教室に赴く方法もあれば、外部機関を事業所に招いて講義を受ける方法もあります。コンクリートポンプ車を扱っている企業や組合、生コンを取り扱っている企業で実施しているはずです。最寄りでプログラムを実施しているところはないか、まずは調べてください。
特別教育を担当する従業員に受けさせるのは、事業主の義務です。よって特別教育にかかる費用は事業主負担となり、従業員が費用を支払うケースはあまり多くありません。
作業するためのコンクリート圧送施工技能士
現場でコンクリートポンプで実際の作業を行う場合には、コンクリート圧送施工技能士という国家資格が必要です。こちらの資格には1級と2級資格があります。それぞれ異なる受験資格があり、2級は実務経験2年以上のキャリアが必要です。一方、1級の場合、実務経験7年以上ないと受験できません。ただし、2級資格を保有している人の場合は、資格取得してから2年以上実務経験があれば、1級試験が受けられます。
試験内容は学科試験と実技試験とで構成されています。もしこの資格を取得していると、コンクリートを取り扱う作業を手広く担当できるようになるのです。大規模な現場であればあるほど、施工依頼主からの信頼が得られやすくなります。よってさまざまな案件を受注しやすくなるわけです。安全に作業を進めるためにも、資格取得を目指すのがおすすめです。
コンクリートポンプ車作業従事者特別教育の概要について紹介
コンクリートポンプ車の操縦をするためには、特別教育を受講することが義務付けられています。では具体的に特別教育とは、どのようなプログラムなのでしょうか?
特別教育は学科と実技の2つによって構成されています。それぞれどのような内容について学習するのか、以下で詳しく紹介します。
学科科目と実技科目によって構成
コンクリートポンプ車の特別教育には、定められたカリキュラムがあります。学科と実技の2科目によって構成されています。具体的にどのような科目を履修しなければならないか、表にしてまとめると以下の通りです。
科目 | 時間数 | |
---|---|---|
学科 | 作業装置に関する知識 | 4時間 |
作業装置の操作に伴う必要事項に関する知識 | 2時間 | |
関連法規 | 1時間 | |
実技 | 作業装置の操作 | 4時間 |
運転するにあたっての合図 | 1時間 |
このように、学科7時間・実技5時間の合計12時間のカリキュラムとなります。
学科科目の内容
コンクリートポンプ車特別教育では、まず作業装置に関して作業するために必要な知識について学習します。作業装置とは、コンクリート打設用の作業装置のことです。
作業装置に関する知識とは、作業装置の種類や構造、用途について学習する科目です。また作業装置の取り扱い方法についても学習します。
作業装置の操作に伴う必要事項に関する知識は、作業操作を動かすメカニズムは力学が関わっており、この力学についてまず学習します。その他にもコンクリートの種類や性質、具体的な打設方法についてもこの科目の範囲です。
関連法規とは、法令や安衛則中での関係条項について学ぶ科目です。労働安全衛生法など、関連する法律の知識についても頭に入れておかなければなりません。
ポンプ車特別教育では試験はありません。よってカリキュラムをきちんと受講して、ポンプ車に関する理解を深めることが重要です。
実技科目の内容
特別教育における実技科目では、作業装置の基本だけでなく応用操作について学習します。また、運転にあたっての合図は手だけでなく、小旗を使った合図の出し方についても学習範囲に含まれます。
実技科目は、現場での事故を回避するためにも必要な内容です。そもそもコンクリートポンプ車の特別教育は、労働災害を防止することを目的に義務付けられました。
とくに、合図に関して頭に入れておくことは大事です。大規模な現場になると、さまざまな業者が分担して作業します。業者ごとに異なる合図を使っていると誤認が生じ、事故に発展しかねません。共通の合図を学んでおくことは、事故防止の観点からも大切なポイントになります。
コンクリートポンプ車作業従事者特別教育の受講方法とは?
コンクリートポンプ車作業従事者特別教育は、コンクリートポンプ車の操縦をするために欠かせないプログラムです。では特別教育を従業員に受けさせるにあたって、どのような方法があるのでしょうか?
以下で紹介するように特別教育の受講方法は、主に3つのアプローチが考えられます。それぞれ異なる特徴があるので、どの方法がベストか検討する際の参考にしてください。
対面による受講
対面講習とは、特別教育の受講会場に足を運んで、講義を受ける方法です。スクールに通って学習するようなイメージです。
全国コンクリート圧送事業団体連盟などの管轄団体などで、プログラムを提供しています。対面講習であれば、1日で所定のカリキュラムは修了するでしょう。
対面講習の場合、事前申し込み制のところがほとんどです。申し込むタイミングによっては、希望する日時に受講できない可能性もあります。スケジュールの調整ができ次第、できるだけ早く申し込んだ方が良いでしょう。
出張授業への参加
出張授業とは、講師が事業所に足を運んで講義してくれる方式です。一定の人数からの受付になるので、コンクリートポンプ車の作業を担当する従業員を一度に集めて受講させるときにおすすめのスタイルです。
出張授業はこちらの都合に合わせて、講師に来てもらえます。また、複数の従業員に一斉に受講させられるので、効率的なところもメリットです。もし従業員の同意が得られれば、土日祝日でも受講できるでしょう。会場に赴く必要がないので、交通費の費用圧縮効果も期待できます。
ただし、出張授業に対応しているところは少数派です。タイミングによっては希望が重複してしまって、思い通りのスケジュールで依頼できない恐れもあるので注意してください。
Web講習の受講
Web講習とは、オンラインで特別教育を受講するスタイルです。ネット接続できる環境であれば、どこからでも受講できます。また、リアルタイムだけでなく、アーカイブを受講者が視聴して学習する方法もあります。
場所や時間を問わず受講できるので、無理なく自分のペースで学習できるのはメリットです。またもしわからないことがあっても、繰り返し視聴してじっくり理解することもできます。
ただしWeb講習の場合、対応しているのは基本学科科目だけです。実技講習は自社で実施するなり外注するなりの対策が必要です。
まとめ
コンクリートポンプ車を使った作業をするためには、特別教育を受講する必要があります。学科と実技の両方があり、所定のカリキュラムを修了しなければなりません。
Web講習はどこからでも受講でき、アーカイブを視聴することで繰り返し学習も可能なのでおすすめです。ただしWeb講習の中には対応しているのは学科のみというケースもあるので注意してください。
CIC日本建設情報センターでは実技教育サポート動画を提供しております。こちらを見れば、実技教育の講義方法がわかるので利用を検討してみてください。