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ダイオキシン特別教育とは?受講内容から受講方法まで解説
公開日:2024年6月18日 更新日:2024年6月18日
ダイオキシン特別教育とは?受講内容から受講方法まで解説
焼却炉に関する業務に従事するすべての作業員の方が受講すべき特別教育がダイオキシン類作業従事者特別教育(以下:ダイオキシン特別教育)です。また、事業者の方は従業員に受講してもらう義務があります。
このダイオキシン特別教育の概要や、ダイオキシン類の危険性、さらに特別教育の受講方法などに関して詳しく解説していきましょう。
目次
ダイオキシン特別教育とは?
特に毒性の高いダイオキシン類が発生するのが廃棄物の焼却をする焼却施設などです。こうした焼却施設に関わる作業員は、ダイオキシン類に関する正確な知識や、ダイオキシン類のばく露を防ぐために必要な知識が求められます。
そのため、焼却施設で作業に当たる方の受講が義務化されているのがダイオキシン特別教育です。また、受講の義務は焼却炉で作業を行う従業員を抱える事業者にもあり、事業者がダイオキシン特別教育を受講させずに業務に就かせると、罰則が科せられます。
ダイオキシン特別教育の受講義務がある主な業務は、廃棄物焼却施設における廃棄物焼却炉・集じん機等に関する業務です。具体的には以下の業務が対象となります。
- ばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取り扱う業務
- 設備の保守点検等の業務
- 設備の解体等の業務
ダイオキシン類が及ぼす人体への影響
ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン (PCDF)、ダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル (DL-PCB)という3つの物質の総称です。ダイオキシン類には、甲状腺機能や生殖機能、免疫機能の低下や発がんを促進するなど、人体に大きな悪影響を与える毒性を持っています。
また、ダイオキシン類の特徴として物質として非常に安定しているということも挙げられます。物質として安定しているため、紫外線で分解されにくく、酸やアルカリと反応しにくいという特性を持っています。体内に取り込んでしまうと脂肪に溶けて体内に蓄積するため、そもそもばく露を減らしていくことが重要です。
毒性の高いダイオキシンを排出する廃棄物焼却炉に関わる業務に従事する方は、こうした健康被害に遭う可能性が高いということになります。
日常生活では影響はない
なおダイオキシン類は、大気中にも微量ながら含まれています。しかし大気中に含まれるダイオキシン類は毒性が低く、日常生活の中で体内に取り込んだダイオキシン類に関しては、人体への悪影響はほぼないと言われています。
ダイオキシン特別教育の概要
ダイオキシン類のばく露を減らすために、受講が義務化されているダイオキシン特別教育の概要に関して簡単に説明していきましょう。
ダイオキシン特別教育の受講科目と受講時間
ダイオキシン特別教育は学科科目の受講で修了できる講習です。受講すべき科目は5科目ありますので、受講科目とそれぞれの最低受講時間を紹介しておきましょう。
受講科目 | 受講時間 |
---|---|
ダイオキシン類の有害性 | 0.5時間 |
作業の方法および事故の場合の措置 | 1.5時間 |
作業開始時の設備の点検 | 0.5時間 |
保護具の使用方法 | 1.0時間 |
その他ダイオキシン類のばく露の防止に関し必要な事項 | 0.5時間 |
合計 | 4時間 |
受講するのは5科目で、合計受講時間は4時間ですが、この受講時間は最低受講時間です。受講に関しては、時間よりも受講した科目の内容をしっかり理解していることが重要ですので、最低受講時間をクリアするのはもちろん、それでは不十分の場合はさらに長い時間受講し、内容を理解できるように努めましょう。
またダイオキシン特別教育は、業務のために受講必須の講習ですので、受講は就業時間内となります。ダイオキシン特別教育の受講には、1日の就業時間の約半分の時間が必要です。
ダイオキシン特別教育の受講方法
ダイオキシン特別教育の受講方法は4つ考えられます。それぞれの受講方法と、その受講方法で受講するメリット・デメリットに関して解説していきましょう。
社内で講師を選任し社内で特別教育を実施する
ダイオキシン特別教育の講師に選任されるための資格や要件はありません。業務経験が長く、ダイオキシン類に関する正しい知識を持っている方であれば、講師として講習を行うことが可能です。そのため、自社内に講師の適任者がいれば、自社内でダイオキシン特別教育を完結することができます。
自社内で完結するメリットは、何より費用がかからないことです。事業者が用意するのは、厚生労働省が定めるカリキュラムに沿った内容のテキストを用意すること程度ですので、ほかの方法と比較しても、費用面ではもっとも優秀な方法と言えます。
ただし、自社内で完結させる場合はデメリットが多いのも否定できません。まずは、講師役が専門家ではないため、講習の質が担保できないという点です。人に物を教えるというのは簡単ではありませんので、誰でも簡単に質の高い講義ができるわけではありません。
また、1人の従業員を講師に選任するということは、その従業員は講師の役割をしている間、通業業務に従事できないということになります。従業員の多い事業場であれば大きな問題ではありませんが、従業員が1人でも欠けると業務が厳しいという事業場にとっては、大きなデメリットです。
外部から講師を派遣してもらい社内で特別教育を実施する
ダイオキシン特別教育の専門講師を、事業場に派遣するサービスを提供している企業や団体もあります。こうした外部から専門講師を招聘して社内で講習を実施することも可能です。
メリットは専門講師による質の高い講義が期待できるという点と、自社側では特に用意するものがなく、事業者としては手間がかからないという点が挙げられます。
デメリットは費用面の問題と、そもそも来てもらえるかという問題があります。専門講師を来てもらう場合、基本的には受講生の人数と関係なく、講師役に支払う費用が必要です。受講する従業員が100人だろうが、10人だろうが同じ金額がかかる可能性があり、受講する従業員が少ないほど費用負担は大きくなります。
また、受講する従業員が少ない場合、そもそも派遣してもらえないケースが多く、どの事業場でも選択できる方法とは言えません。
外部団体の講習会に参加する
ダイオキシン特別教育は受講すべき方が多い特別教育のため、全国各地で企業や団体が講習会を開催しています。こうした講習会に参加することでも特別教育は受講できます。
外部の講習会に出席するメリットは、自社で準備するものがなく、講習会に申し込むだけという手軽さでしょう。
一方デメリットは、全国で開催されているといっても、自社の近隣で開催されているかは分からないという点です。都市部であればある程度通える範囲で講習会が行われていることも期待できますが、地方部の事業場では、講習会の会場が遠いというケースも考えられます。
また、こうした講習会も365日毎日開催されているわけではありません。近隣で開催されている講習会の日程が、事業場として業務が忙しいタイミングというケースもあるでしょう。自社の都合で受講のタイミングを決められないのもデメリットといえます。
社内でWeb(オンライン)講座を受講する
最後の方法が、自社内でWeb(オンライン)講座を受講するという方法です。ダイオキシン特別教育は学科科目の受講のみで修了できる講習ですので、Web(オンライン)講座でも修了できます。
Web(オンライン)講座を利用するメリットは大きく、自社内で用意するものがほぼないことや、質の高い講義が受講できること、また自社のタイミングで受講できることなどが挙げられます。
デメリットはほぼないと言えますが、あえて挙げるのであれば、受講者がきちんと受講しているか見守る監督者がいないという点でしょう。上記の通りダイオキシン類は非常に毒性が高く危険な物質です。こうした物質を取り扱いために最低限必要な知識を学ぶ特別教育ですから、受講者が個々にしっかり受講しないと意味がありません。受講態度などを確認できないというのが唯一のデメリットでしょう。
CIC日本建設情報センターのWeb(オンライン)講座
CIC日本建設情報センターでは、ダイオキシン特別教育のWeb(オンライン)講座を提供しています。その特徴に関して簡単に紹介していきましょう。
いつでも受講可能
CIC日本建設情報センターのWeb(オンライン)講座は、受講生個々にアカウントを発行します。そのため、受講生の方が自身のタイミングで自由に受講できるため、業務の合間の受講が可能です。
事業場にとってはもっとも効率よく受講をしてもらえる上、業務にも影響が出にくいという特徴があります。
顔認証システムで受講を保証
CIC日本建設情報センターの特別教育の大きな特徴は、顔認証システムを導入していることです。受講者の方が講義動画を受講している間は、顔認証システムでしっかり受講しているかどうかをチェックします。
動画再生中に受講者の方が席を外すようなことがあれば、その時点で講義動画はストップしますので、しっかりと受講していることが保証されます。
受講後は修了証を発行
受講が終了した方には、無料でその場で発行されるPDF版の修了証が発行されます。また、申し込み時点で希望している場合は、有料で後日発送のカードタイプの修了証もあります。
修了証に関しては、作業現場で受講修了を確認されるケースなどで活用可能です。PDF版をスマホに入れておくことも可能ですし、スマホが持ち込めない現場でもカードタイプがあれば安心でしょう。
まとめ
ダイオキシン特別教育に関しては、廃棄物焼却炉に関する業務に従事するすべての方に受講義務があり、また事業者にも受講してもらう義務があります。受講は4つの方法が考えられますが、もっともデメリットが少なく、メリットが大きいのがWeb(オンライン)講座で受講する方法です。貴社の技術者教育にぜひご検討ください。